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「行ってきまーす」次の日の朝。いつもの通り支度をして家を出た。あれからすっかり帰りが遅くなっちゃったけど、お母さんは寒くなかった?と問いかけるだけでそれ以上何も言ってこなかった。あの時すごい顔で外へ向かおうとしていたから、ただ事じゃないと思ったのかな。お父さんもいつものように朝座って朝ごはんを食べていた。昨日乃逢君と話していた公園を通り過ぎ駅へと向かって行く。美蘭とは途中の道でいつも会う。いつもの時間に同じ場所で彼女は待っていると、私はおはようと声をかけた。「おはよ。珀ちゃん大
こんな人にお勧め・東京の大学に憧れている人・恋愛が得意ではない人青春小説って感じ。タイトルのワセジョ、とは早稲田の女性を指すらしい。知らなかった。大学生が沢山出てくる。早稲田だけではなく、いろんな大学。解説も併せて読むと分かり易い。東京の大学に全く詳しくなかったので、登場人物の名前やMARCHと言われている大学で登場しない大学があるのはなぜだろう、に回答してくれいてる。この著者の小説は基本的に出来事より、人の心の機微を表現している。ところどころ、該当の大学の女性の性質を文中
皇南輝です今回は小説がそりんすたんどの掲載になります【あらすじ】ガソリンスタンド(Deteos)にアルバイトとして初出勤した財前拓馬。天然である店長·杉野から制服を渡された拓馬は、従業員休憩室で着替えを始めた。ちょうどそこへ女性スタッフである赤羽神酒が出勤。パンツ姿の拓馬と鉢合わせして悲鳴をあげた。その後、拓馬は先輩となる神酒に初対面の挨拶をしたのだった…第4話職場恋愛オーケーな店で
新潮文庫■成瀬は天下を取りにいく■宮島未奈(1983-)■2023年■成瀬あかりシリーズ第1作■本屋大賞概要中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない!話題沸騰、圧巻のデビュー作。(新潮社HP紹介文)感想2024年に本屋大賞を受賞した宮島未奈氏の代表
Spectrum-32【3学期】「乃逢君はいつだってまっすぐ自分の気持ち話してくるね。ある意味すごいなーって思うよ」ドキドキする手を見つめながら私はぽそりと呟く。彼と出会ってから、話すようになってからずっと感じていた事だけど、いつも自分の気持ちを素直に話してくるなーと思っていた。それじゃ私は…?みんなと話す時は時にはストレートに、感情のままに話していた事もあった。白黒はっきりさせたいと思っていた事もあった。薫君に対してもそうだ。自分から告白して押しまくってやっと一緒にいられ
「珀美?!どうしたの?!」「ちょっと外行ってくる!」コートも持たず慌てて外へと飛び出す。そこには私服姿の彼の姿がそこにあった。「どうしたの…ってか家なんで」「ん。あー杏田さんに聞いた。直で話した方がいいかなって思ったから」わざわざこっちまで。駅から歩きとは言えこの寒い中悪い事したなと少し思う。「とりあえずコート着てくれば。風邪引かれても困るし」乃逢君はそう言うと私はそうだねと話一度家に入って行く。お母さんにちょっと外に行ってくると話すと、遅くなり過ぎないようにと言われた。
今日はこの曲MAISONdes「ラリーラリー」激闘の翌日、夏の眩い日差しが容赦なく照りつける栄城高校の校舎。目が眩むほど真っ白な外壁には、刷りたてのインクの匂いを漂わせた色鮮やかな横断幕が、大きく掲げられていた。『祝栄城高校男子バスケットボール部インターハイ出場決定』部活動などで登校してきた生徒たちがそれを見上げて歓声を上げ、互いに肩を叩き合っている。しかし、その喧騒を遠くに聞きながら、肝心のバスケ部員たちの表情はどこか晴れない。全国大会開幕まで、あとわずか10日。アスフ
「おしまいって…え?」突然の言葉に乃逢君は意味が分からず困惑している。当然と言えば当然だ。数十分前まで楽しい時間を過ごしていたのに、ここに来て楽しい時間を過ごそうと思っていたのに、今私から伝えられた言葉は終わりを意味する言葉。「な…何いきなり。おしまいってどういう事?受け取れないって?」「ごめんなさい。せっかく楽しい時間過ごさせてもらったのに。クリスマスプレゼントまで用意してもらったのに…でも…ごめんなさい。これ以上一緒にいるの無理」「無理って、なんでいきなり。あ、これ気に入
「お邪魔しまーす」あれから乃逢君の家に到着した。ご両親共仕事中という事もあって家には誰もいない様子だ。2階に上がっててと言われると、私は2階へと向かって行った。階段から近い場所に部屋があると言われドアを開ける。ここが彼の部屋だろうか。スッと覗き込むと男の子の部屋らしい雰囲気だ。多分そうだろうと思い中へと入って行く。『本がいっぱい!あ、バスケのユニフォーム』部屋には本棚に沢山の本が並んでいる。窓の側にはクラブチームで着ているユニフォームがハンガーに掛けられている。し
またまたご無沙汰してます。久々にブログに戻ってきました。一時期小説を書くこともやめていたのですが、春先から短編を練習し始め、リハビリを経て戻って参りました。エブリスタで青春小説を書いてます。自分の好きなことや物。そういったことを子育ての間に忘れてしまっていたり、諦めてしまったり。それを少しづつ取り戻し始めたのは数年前に小説を書き始めてからでした。大好きだった星空とか、星座柄の小物たち。それを中学の頃ダサいと言われて捨ててしまったことを思い出して、中学の頃の私を抱きしめてあげたくなりま
今日はこの曲Luna「イグニッション」「嘘でしょ、タカ……!」事態の深刻さを察した純子は、すぐさま会場の公衆電話へと走った。受話器を握りしめる指は冷たく震え、ダイヤルを回す番号を何度も間違えそうになる。途切れ途切れの声で救急車を要請し、受話器を叩きつけるように置くやいなや、弾む息を押さえてベンチ裏へと駆け戻った。冷たい床に倒れ込む孝也を抱えるようにして介抱する。「タカ?タカ?私の声聞こえる!?」必死に呼びかけながら触れた孝也の体は、まるで火の塊のように尋常ではない熱
テーブルの上に食べ終えたお弁当などのゴミと一緒にあのキーホルダーが置かれている。一緒にゴミ箱に…片付けようと思いコンビニの袋を持ちキーホルダーも手にした。『捨てようと思った』と思わず言ってしまったが、実はそうじゃない。どうしたらいいのかと困っているというのが本当の所だ。『あの日…どんな気持ちでこれを渡してきたんだろう…』終業式が終わり、私は乃逢君とちょっと早いクリスマスを過ごしていた。学校帰りに一緒にお昼を食べていつものように彼の自転車の後ろに乗っている。地元に
「あらまだ残ってたの?そろそろ帰りなさい」「はーい」先生が廊下を歩いていると、私達が教室に残っているのを見つけた。ほとんどの生徒が帰宅しており教室は私と珀ちゃんしかもう残っていない。「美蘭ありがと。そろそろ帰ろうか」「うん」黄坂君と花星君の2人があんな事になるなんて思いもしなかった。私が智弛君達と別れて教室に向かって行くと、2人は何かを話している様子だった。いつも通り他愛もない事話して笑っているのかな、なんて思って教室へ入って行くとどうやらそういう訳ではない。2人とも険しい
今日はこの曲CLANQUEEN「踊楽園」(動けなくなる前に……1点でも多く)荒い吐息が、灼熱の体育館の中に白く煙るように霧散していく。視界の端が明滅し、鼓膜の奥でドクドクと血の脈動が鳴り響いていた。全身の筋肉が悲鳴を上げ、乳酸の重みが鉛のように脚へ溜まっていく。意識が朦朧とし始める中で、孝也は奥歯を強く噛み締め、研ぎ澄まされた集中力の糸をどうにか繋ぎ止めていた。その時、須賀がマンツーマンの網を寸分の狂いもなく狭め、相手のドリブルの退道を完璧に塞いだ。コート上の空間を支配
「お二人共どうしたんですか?」「え…あー」秉ちゃんの言葉に私も藍野君も言葉を詰まらせる。「今日は珀ちゃんと帰るからって話そうと思って来たんだけど?」美蘭ちゃんはそう話すとチラリと私の方を見る。どー見ても何話してたの?と言った表情を浮かべている。「藍野君。今の話大丈夫だったら美蘭ちゃんに話とけば?」「え?あー。そうだなー」「私達の事は気にしなくていいから。あ、色々あったけどさっきの件については解決済みで私ももう気にしてないから‥その会ってたり帰ってたりしていた件も含めて」私は
3学期。冬休みはあっという間だ。特に今年は今までに無い位早く感じていた。新学期が始まり学校生活も残り3ヶ月となった。みんなで初詣に行った後はそれぞれの時間を過ごしていた。試験を控えている人達も大勢いる。新学期が始まりもう少ししたら試験に向けて人が教室から消えて行く。ここまで来ると授業らしい授業もほぼ無くなって行く。2月になったら学校に行く事もほどんど無くなると聞いていた。『このまま卒業なのかな…』「羽琉香ちゃん、冬休みどーだったー?」「んー?のんびりしてたよー」始業
「お待たせー」「俺達もさっき来たばっかだよ」お昼になり待ち合わせの所に到着した。私ものんちゃんも何袋かの福袋を持ち美蘭ちゃんも買いたかったお店の福袋を購入していた。男子チームはというと…?「今回は靴買ってきたー」「俺はダウン。あ。福袋じゃないけどな」そう言って福袋ではなくSALE品を購入したと袋を持ち上げる。それぞれ気に入った物があったようでみんな満足そうだ。それじゃお昼は何にしようか、そう言ってお店の周りをぐるりと歩く。お昼時とあってどのお店にも列が出来ている。
今日はこの曲心世紀「Ephemeralfeat.100回嘔吐」(お願い、もうやめて……)体育館の観客席、手すりを白くなるほど強く握りしめながら、純子は心の中で小さく叫んでいた。熱気に満ちた会場のどよめきが、まるで遠い出来事のように耳の奥でくぐもって聞こえる。勝ってほしい。けれど、勝ってしまえば彼はまた、あの真夏のアスファルトのように硬く厳しいコートの上に立ち続けることになる。怪我と熱に身を焦がしながら、限界を超えて戦う彼の姿を見るのは、もう胸が引き裂かれる思いだった。
祈祷の時間となり、次々と名前が呼ばれて行く。私達も順に呼ばれ部屋の中へと入って行くと数十人まとめて祈祷出来るような場所へと通された。ずらりと並べられた椅子には呼ばれた人達が席につこうとしている。みんなで一列に並び座り始めると、私は辺りを見渡した。『いつもお参りする所の更に奥にこんな場所があったなんて知らなかったー』部屋いっぱいに人が入り扉が閉められるといよいよ祈祷が始まる。流石にここではうるさくする訳にはいかず、遥もみんなも静かにその様子を見守っていた。「なんか不思
Spectrum-31【素直な気持ち】1月2日。今年も安定の早朝からの出発だ。昨日の昼過ぎにみんなからあけおめのメールが届いていた。初詣、および福袋参加者は連絡を!というのんちゃんの返信に対し私と遥、それに青依くんは返事をしていた。いつものメンバーに送るも返事としてはやはり全員では行ける気配はなく、予想通り珀美達は行かないという返事だったらしい。「まあ仕方ねーよな。やっぱ顔出しずらいっしょ」ガタンゴトンと電車に揺られ私達は寿朔を目指す。遥はそう言ってのっちに会えな
今日はこの曲緑黄色社会「PLAYER1」イーサンの豪快なアリウープダンクが決まった。その巨体が着地した瞬間、ドスンと重い衝撃が体育館の床を揺らし、相手ベンチから耳をつんざくような歓声が上がった。那賀工業は一瞬の隙も与えず、即座にディフェンスを整える。オールコートゾーンプレス継続。まるで獲物の呼吸を止める網のようにコート全体へ蜘蛛の巣を張り巡らせ、栄城高校を窒息させようとしていた。スコアボードの数字が刻まれる。点差は14点に広がっていた。重圧が栄城高校の選手たちの肩に重くのし
「うわぁぁぁ!」神社に到着した私達は自転車が置いてある所に止めると3人で境内へと向う為に歩き始めている。「恵摩ちゃんここ来るの初めて?」「うん。お祭りみたい」彼女を真ん中に入れ歩いている私達。彼女はこういう経験は初めてなのかキョロキョロしながら歩いていた。「普段だったらこの時間寝てるらしいんだけど、今日は特別だってさ。ま、たまにはいんじゃね?」遥はそう言って来ると私はなるほどと頷く。確かに小学生の子がこの時間まで起きているというのは珍しいからだ。夜という事もありだいぶ寒く
「はぁー。余計な事言わなきゃ良かった」「一緒というのは最悪だね」トボトボと廊下を歩く夏毅を前に私は苦笑する。年末年始の初詣、夜出かけるかもという話しをしていた際夏毅も友達から誘われているという事を話して来た。「友達連れて姉ちゃん達となんてあり得ねーし」「一体どこまで行こうって話し出てたのよ」階段を上り始めぼやく夏毅を見ながら声を掛ける。「ん、いや竜杜の方まで出てって話しだったから…」「あーしたら寿朔に行こうって話か」「何だか知らんけど」トホホと言いながら歩いていると私はその
今日はこの曲水曜日のカンパネラ「ウォーアイニー」孝也が重々しい足取りで交代席に腰を下ろすのを視界の端で捉えた瞬間、那賀工業の監督は素早く審判へ向けてタイムアウトを申し出た。タイムアウトを告げるブザーが全体に響き渡り、熱気に満ちた空気が一瞬だけ固まる。エースがコートへ舞い戻ったこの土壇場で、敵陣の浮足立ちを制し、チームの意思統一を図る目的なのは明白だった。ベンチへと戻る足取りの中で、栄城のメンバーはそれぞれ荒い息を吐き出していた。孝也の不在という暗雲を払いのけ、栄城のオフェン
恋心-目次プロローグ30年後の公園『プロローグ30年後の公園』まっすぐな国道を、車が走っていた。人影はなく、ただ風の音だけが続いていた。山道に入ると、道はゆるやかに曲がり続ける。同じようなカーブを、いくつも抜けていく…ameblo.jp高校1年生前半編1話〜5話『実話青春小説『恋心』目次|1年生編』恋心目次第1話三沢恒一一年四組『高校1年生-第1話三沢恒一一年四組』19××年4月5日。M県立I高校の入学式の日だった。真新しい制服を着た生徒たちが、…ameblo.jp生徒
「はぁー…こんなんだったら飽きずにずーっと出来んだけど」「あのねえ…ちょっと離して頂戴よ。帰りたいんだけど」おばさんが仕事から帰る前に退散…というのは変な話しだけど、彼の家で夕食を食べるという話しにはなっていない。あの後だらだらとしており結局たいして勉強が進まないまま終ってしまっていた。まぁ私の場合は別に構わないんだけど…「やだぁー。だってもふもふしてあったけーし」そう言って遥は私の事を抱きしめながら話しをしている。え?何をしているのかって?帰ろうかと思ってコートを着込んでい
『恋心』演奏会編目次第61話誰も知らない『2年生演奏会編-61話誰も知らない』里穂が校門に来た。でも、三沢は何もできなかった。それ以上に、何しに来たんだろう――そんな思いの方が強かった。里穂と別れてからも、学校生活は変わらない。授業があ…ameblo.jp第62話走れ正直者『2年演奏会編-62話走れ正直者』最後の演奏会のメンバーが決まった。結局、リコーダー合奏の時とほとんど同じメンバーだった。でも、男子たちはかなり喜んでいた。リコーダーが上手くいったのは、三沢の…ameblo.
「うぁ~~~!!ねみぃ…」数日後…ガバッと腕を上げ叫び声を上げる遥…私はすっと顔を上げ顔をしかめる。「まだ始めたばっかりなのに…」「だってやる気ねーもん」いともあっさり返され私は顔を引きつらせる。今日は彼の家で私は冬休みの宿題を…遥もまた勉強をしていた。「飯喰った後はやる気なんてある訳ねーだろ」「そう言われても」お昼を外で食べてここに来ている。それではと始めた矢先にこの話しだ。「なぁちっと昼寝しねーか?」「しません…てかするなら1人でどーぞ」呆れながら私はそう言って
「なぁーんか腑に落ちないんだよねー」「んー…」冬休みが始まって数日…もうすぐお正月を迎える前に私はのんちゃんと会っていた。「詳しく聞くってのもどうかと思ってあれから連絡入れてないんだよね」「私も入れてないんだ。こう何て言うか…珀美らしくないというか…」サッ…サッとハンガーを右から左へ動かしながら話しをしている。今日はのんちゃんと竜杜に買物がてら遊びに来ていた。(ちなみにお連れ様は両方共自宅で勉強中)「そ!そうなんだよ。珀ちゃんらしくない!」動いていた手がピタリと止まり、彼女
今日はこの曲konoco「アルマ」「体温を下げるのが最優先、凍らせたスポーツドリンクはある?」純子は目元を指先で強く拭うと、瞬時にその瞳から迷いを消し去り、医療従事者としての鋭い光を宿した。声には一切の動揺を感じさせない。部員の一人が凍らせたボトルのスポーツドリンクを手渡した。熱気で半分ほど溶けている。好都合だった。ベンチ脇の騒然とした空気の中で、判断のすべては看護師である純子の手腕に委ねられた。激しい呼吸を繰り返していた孝也は、純子の手つきに一切抵抗することなく、静か