30年以上住んだところから越して来て5年。コロナ禍の中,作家シリーズ最後となった三島由紀夫から寒山拾得を経て,実在した人物の制作からは足を洗ったはずが,8年ほど続けた被写体から陰影を排した手法から、かつて陰影を与えられたことのない鎌倉時代の実在者に逆に陰影を与える,という展開に至ったわけだが、ここに来て建て替えによる引っ越し,ということになった。経験上,これはシナリオに急遽加筆され、新たな展開のための予兆と考えている。12年ぶりに女性を作り、詳細な頂相が残されている人物を手掛ける、という制作上の