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読書日記2024-55老人ホテル原田ひ香(著)[光文社2022年10月発行]あらすじ生活保護を受給する大家族で育った天使は、キャバ嬢時代に知り合った投資家の綾小路光子と再会する。訳あり老人たちが長逗留するビジネスホテルにひっそりと暮らす光子の指南で、極貧人生から抜け出そうと、生きるノウハウを学ぶことになるが……。秘密を抱えた二人の「投資版マイフェアレディ」!感想タイトルから想像した話とは随分とかけ離れていた…ある程度お金を持っている老人達がホテルを老人ホーム代わり
No.0562022.5.15(日)小さき王たち第一部濁流/堂場瞬一/早川書房/2022.4.25第1刷1900+10%……新聞記者と政治家。二つの家系の物語を壮大に描く、大河政治マスコミ小説の新たな金字塔……後半の怒濤の展開を予感させるような日本海に座礁し大量の原油を撒き散らし新潟の海を覆い尽くす黒い臭気の激しい風景が冒頭。国会議員選挙を目前にした新潟市で再会した幼馴染みの仲の良かった二人の前に拡がる道は、大きく左右に別れていたのだった。元新聞記者の作家が満を
No.0552022.5.12(木)無明警視庁強行犯係・樋口顕/今野敏/幻冬舎/2022.3.15第1刷1600+10%…記者にとって本当に大切なのはスクープなんかじゃない…真実だ。樋口さんのおかげで、真実を追究することができた。そして、俺はそれを知ることができた。それが何より重要だ…部下の藤本と二人だけの真実の追究が遂に本部捜査となり事件の解決を見た時、端緒となった事件を持ってきた新聞記者の下柳が記者仲間の遠藤に言う。急に機嫌はよくなる樋口に管理官の天童が確認する。
No.0532022.5.8(日)アキレウスの背中/長浦京/文藝春秋/2022.2.10第1刷1800+10%面白い。何がなんだか分からないが。一気に読めるので面白いんだろうという事で消極的な理由なのだが。2023年1月に始まり3月のマラソンレースを頂点に5月まで、警視庁の各部署から集められたタスクフォース・MITの活躍を描くサスペンス&警察小説。堂場瞬一の描く『ボーダーズ』とものすごく被るような設定で思わず「最近の流行か?」とビックリしながら読む。両者の違いはあまり感じられ
No.0522022.5.7(土)ボーダーズ/堂場瞬一/文春文庫/2021.12.25第1刷900+10%「検証捜査シリーズ」が完結し、本作が新シリーズの幕開けとなる。上梓は作年末。客年は5月に堂場瞬一の驚愕ハードボイルド「ピットフォール」で全てをチャラにするほど感動したのが、本作の解説で評論家の池上冬樹氏の文章で腰が抜ける程驚く。そうなのか?あの作品はそんなバックボーンがあったのか!?今更だが(笑)……確かに、アメリカの新人の邦訳だと言われたらすんなり信じたかも知れない。新
朝は霜が降りて昼には20℃まで気温が上がる。年齢とともに気温への耐久性が著しく劣化傾向にある高齢者にはちょっと大変な毎日です。しばらく更新していないことに気付き、これはイカンと……。No.0512022.5.5(木)悪の包囲ラストライン5/堂場瞬一/文春文庫/2022.3.10第1刷800+10%しつこく岩倉に絡んでいたサイバー犯罪対策課の福沢と立ち寄った警視庁の食堂でばったりあった時にちょっとしたいざこざを起こしてしまった岩倉。一週間後その福沢が何者かに拷問を受けたような
こんばんは「嵐が会社設立」のニュースに朝から涙がちょちょ切れて心拍数爆上がりしてます読書日記63冊目(2024年5冊目)「ライオンのおやつ」小川糸さんこの作品、読んでいて結構気持ちが入ってしまって…今日の記事、めちゃ長いです🙏以前、ブロ友さん達の間で読み継がれていた作品です皆さんがブログで感想を書いているのを拝見して読んでみたいな、と思っていたのだけど一方で扱っている内容が「人の死」なので読んだら苦しくなっちゃうんじゃないかなという気持ちもあって文庫化と同時に
ツユクサナツコの一生Amazon(アマゾン)益田ミリさん、大好きなんです刺激的じゃなくのんびりしたトーンとか高低差を感じない日々の流れとかマンガに出てくる人たちの考え方とかワタシもこんな風にありたいな、といつも思う「すーちゃん」す-ちゃん(幻冬舎文庫ま10-2)Amazon(アマゾン)すーちゃんの恋(幻冬舎文庫)Amazon(アマゾン)結婚しなくていいですか。:す-ちゃんの明日(幻冬舎文庫ま10-4)Amazon(アマゾ
読書日記Vol.7/元素がわかる事典/宮村一夫著/PHP/77ページ糖質は大事なんです。摂りすぎはなんだってダメですが糖質は制限しすぎるべからず。それはこのような本を眺めても明らか。といってもこちら健康本ではなくそのタイトルのとおり人体含めて身近なものがどんな元素から成り立っているかを紐解いた本。〜人間の成分(重量比)〜酸素65%炭素18%水素10%その他、窒素3%、カルシウム1.5%、リン1%以上で98.5%。その他1.5%人間の成分は酸素が1番多く続いて炭素
か最近、何冊も読んでるけど読書日記書けてないわー。安壇美緒のラブカは静かに弓を持つを読んだ。作品のイメージが美しい。嫌味でなく、青黒い深海の透明で物悲しく苦しく美しいイメージが、現代の東京の話だが、漂っている。自分の作ったイメージを壊すことなく、丁寧な言葉選びや感情表現で綴る作者だ。生死とか劇的な内容を無理に使わず、あくまで現実の延長のようにして、今の私たちの生きる社会の生きづらさとかを描く。メロドラマじゃなく、どこか淡々ともしてるのに、なんでこんなに人を惹きつけるのだろう。
読書日記2024-52芸能界染井為人(著)[光文社2024年2月発行]あらすじ①黒い噂で業界から見放され、長年在籍したプロダクションを退所しようとしている俳優。②人気女優を10年かけて育て上げ、今度はピン芸人と新人アイドルグループを担当する辣腕マネージャー。③新しいファンを獲得しようと、Instagramにハマったベテラン女優。④容姿端麗な若い男たちをキャストにミュージカルを運営する女性プロデューサー。⑤容姿を弄るネタで30年笑いをとってきた漫才コンビ。⑥誹謗中傷や家
台北ナビさんの台湾読書日記、久々に更新しました!今回紹介した本はこちらです。↓台湾作家18名が豪華競演!日本について書き寄せたエッセイ・アンソロジー『我的日本』【台湾本】『我的日本』大原扁理の台湾読書日記⑰|台北ナビ【台湾本】『我的日本』大原扁理の台湾読書日記⑰。台湾作家18名が豪華競演。日本について書き寄せたエッセイ・アンソロジーwww.taipeinavi.com我的日本:台湾作家が旅した日本Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で
漫画を通じて「伝える力」を楽しく学べる一冊です。日常生活やビジネスシーンで重要なコミュニケーション能力を向上させたい方に最適です出版社PHP作者池上♡あらすじ♡コミュニケーションの基本から応用まで、多様なシナリオを漫画で楽しく学ぶことができます。読者は、実生活や仕事で直面する様々な「伝える」シチュエーションを効果的に乗り越えるための具体的な方法を身につけることができます。♡感想♡まず言えるのは、めっちゃ楽しみながら学べるってことです🎉漫画ってい
それでも、生きていく。生きていることはかなしい、人間は無力だ。そのことから目をそらさず、真摯に生きている先人たちの記録。人は誰でも心の底に、さまざまなかなしみを抱きながら生きている。病や老いだけでなく、ほんの小さなことや、時には愛するがためのかなしさもある。今、大切なことは「生きるかなしさ」に目を向け、人間のはかなさ、無力を知ることではないだろうか。「生きるかなしみ」と真摯に直面し、人生の幅と厚みを増した先人達の諸相を読む。===〈いま多くの日本人が何より目を向けるべきは人間の「生きる
以前、2冊目の方を読んでいますワタシ的にとてもよかったので前作も読みたくなった、というところ内容的には基本的に同じですが復習にもなります
50歳からのごきげんひとり旅山脇りここの本もなんとなく手に取った本。あと数年で50歳。50歳っていう響き重いな(笑)この本を読んだら、またまた行きたいところ増えた。著者と私では経験財力嗜好すべてにおいて違うけど、こんなもの持って行けばいいんだな〜とか、旅先での気持ちのもち方とか自分に置き換えながら参考になることもいっぱいあった。以前森まゆみさんの「用事のない旅」を読んで京都大阪旅行の参考にしたように、この本も今回のソウル旅行に少し活かせた気がする。例えば靴。歩きやすいようにスニー
こんにちは暖房がいらない日が多くなりましたが、しかし花粉症で洗濯物を室内干しにしている身としては暖房いらない=洗濯物が乾かないホントなら良い季節なんだろうけど私にとっては憂鬱な季節です読書日記62冊目(2024年4冊目)「レモンと殺人鬼」くわがきあゆさんブロ友さんが紹介されていて気になっていた作品ですラストの解説を読んで知ったのですがまだ最近デビューされたばかりの作家さんだったんですね👀・・父親を殺された主人公その妹もまた誰かによって殺されてしまうこうい
3月の読書メーター読んだ本の数:10読んだページ数:4300ナイス数:395いまはただ瞳を閉じて(mirabooks)の感想スターとケイド、惹かれ合う二人だけれど互いに抱えた秘密が。その秘密が二人の距離をなかなか縮めてはくれない。けれど、ケイドのスターを守りたい思いとスターの想いや考え方を尊重しようとする姿が、スターが過去に受けた傷と贖罪の念を語れるようになり、そして共に戦い共に未来を見るためにケイドも自身の秘密を明かし、信頼し合うようになる様子が良かったです。特にスターが岩から飛び
本のタイトル:夏の終わりに君が死ねば完璧だったから出版社:メディアワークス文庫作者:斜線堂有紀♡あらすじ♡一見すると普通の夏の終わりを迎えた高校生たちの物語である。しかし、彼らの夏は、ある不思議な出来事によって、他の誰も経験したことのない特別なものへと変わる。主人公たちは、夏の終わりに訪れる切ない別れと、それに伴う成長を経験する。彼らの友情、恋愛、そして自己発見の旅は、読者に深い感動を与える。♡感想♡読み終えた後に心がぽっかり空いたみたいな、でもそれが嫌いじゃない
No.0502022.5.4(水)月の王/馳星周/角川書店/2022.4.4第1刷1800+10%馳星周描く『平井和正リスペクト』かと思えるような『人狼伝説』かと読みながら大いに楽しみワクワクの一気読みをしてしまう。時代は戦争へと日本がひた走る危険な香りで満ちた頃。ところは中国上海。各国の思惑が交錯し魑魅魍魎が跋扈する。ある日、特務機関の伊那は天皇家に連なる一条公爵家の令嬢綾子がフランス旅行中にあろうことか、フランス特務機関の男と駆け落ちし中国行きの船に乗った。この令嬢を日本
No.0352022.4.3(日)真田の兵ども/佐々木功/角川春樹事務所/2021.12.18第1刷1700+10%非常に読ませるリズムと力を持った文章にワクワクしながら読み始め、止まらない止まらないと思っているとあっという間に物語世界に取り込まれ抜け出せない。一気に読了。このストーリー感は、奇想天外な自由発想の山田風太郎に繋がっていく「忍者物語」だろうか。ラストの「真田十勇士」が吠えるシーンでは、知らず知らずの内に込み上げる高笑いを抑えることが出来なかった。これも、作家の技
そう言えば、葉室麟さんが亡くなってからほとんど時代小説に興味を失いつつあることに気付いた。大きな存在だったのだ、と今更思う。No.0342022.4.2(土)底惚れ/青山文平/徳間書店/2021.11.30第1刷1600+10%故郷の村を捨て江戸で流れ流れの暮らしを続け気が付くと四十の坂も越えた。一万石の小大名家の一年毎の中間生活をしている「俺」。御家の二十歳過ぎの「御老公」が手を付け子まで成した相模の百姓女・芳を宿下がりで生まれた村に送ることになる。芳に不憫さを覚えて
人生の複雑な糸を紡ぎながら、二人の異なる背景を持つ主人公が出会い、互いに深い絆を築いていく過程を、繊細かつ力強い筆致で描いた作品です。本のタイトル:ともぐい出版社:新潮社作者:河崎秋子♡あらすじ♡異なる世界から来た二人の人物が、偶然の出会いを通じて互いに影響を与え、成長していく物語です。一人は田舎から来た純朴な若者で、もう一人は都会育ちの洗練された女性。彼らの出会いは、最初は些細なものでしたが、時間が経つにつれて、彼らの関係は深く、複雑
読書日記2024-48サドンデス相場英雄(著)[幻冬舎2023年9月発行]あらすじ21歳の理子は金銭面で厳しい生活を送ってきたが、ある女性と出会い、人生が好転する。彼女に誘われてラウンジで働き、高い評価を受け、新規の店を任されることになった。充実した暮らしぶりをSNSにアップロードする一方で、その飛躍を妬む者も増えていく。百貨店で閑職に追いやられ、しまいには墓穴を掘ってクビになった小島もその一人だ。そんななか、世間では無差別殺人事件が立て続けに起きる。模倣犯なのか。警視
実家から帰ったら。ピアノを練習していた長男。私も少しのんびりしてたら。「外でちょっと付き合って」って。一緒にフットサルボールでの練習をしました。確かに、いろいろな重さのボールに触れるのがいいからと。フットサルボールも買っていましたが。小学生の頃に、持っている人が少なかったために。フットサル大会前に、練習に使われたくらいで。家で眠っていたフットサルボール。また日の目をみるとは。ボールを蹴っている長男は、やはり楽しそうです。まあ、しばらくボール蹴っていなかった分、
読書日記2024-47なぜ猫は旅をするのか?永嶋恵美(著)[双葉社2013年2月発行]あらすじ同じ大学病院に勤める、医師の鳥羽裕太と事務の夏海はある事故が原因で親しくなった。裕太が夏海の甥をかばって車にはねられたのだ。病院は「猫の町」として有名な下町にあり、芸能人が取材に来たり、謎の老人が出没したり、「日常を突き崩す」事件が次々に起こる。夏海と裕太の推理が冴え渡る、チャキチャキッと明るい、人情系ミステリー連作短編集。感想図書館の棚でたまたま出会った1冊。最近、タイ
花と紅茶で、日常に「ほっ」と一息の豊かな時間を♪白岡のプリザーブドフラワーとお茶school&atelierのFlowersweetです。❁お問い合わせ❁・0480-93-9617・info@flowerweet.com・@seo9806e・お花のインスタ@flowersweet.s・お茶、ハーブ、食などの暮らしのインスタ@flowersweet.t・読書のインスタchie.ishikawa72おはようございます♪昨
No.1542022.12.1(木)名探偵のいけにえ人民教会殺人事件/白井智之/新潮社/2022.9.15第1刷1900+10%たぶん初めて読む作家だと思う。非常にこってりとした「変格ミステリ」なのか、それとも感情を排した探偵がある一線上から不意に強い意志を全面に出して物語をリードする「ハードボイルド探偵」譚なのか。作家のプロフィールを読むと“特殊設定ミステリ”の旗手に読める。つまりドンデン返しも平気の平左の“超変格”が信条という風に理解するのだが。入り組んだロジックの迷路
今頃?との疑問は知らんぷり。読んだのが1年半以上前になるのに全然アップしていなかっただけ。文句のある人は体育館の後ろに放課後に来い。No.1602022.12.11(日)方舟/夕木春央/講談社/2022.9.6第1刷1600+10%こういうことか!!そうなのか、そうなんだな!?と何度も何度も最初に戻り確かめながらラストの衝撃から逃れようとしたのだが、ダメだ。これは今世紀何度目かの衝撃的物語で間違いないと確信して、やられた……。物語の根幹をなす謎解きはオーソドック
No.1632022.12.18(日)水本の小説/北村薫/新潮社/2022.11.30第1刷1750+10%なるほど〈本の私小説〉だ。〈本〉を題材にしたエッセイであり、その作家に纏わる謎を追うミステリーでもある。特に好きな作家の小林信彦「悪魔の下回り」に関する考察には、思わずそうかそういうことかと膝を打つ(と言うような表現はもう見掛けることもなくなった)。こんなファン以外には、たぶんあまりメジャーではないようなコアな話題がたまらないのだ。明治大正昭和と生きた作家達が