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テリー・ケイの『白い犬とワルツを(原題:ToDancewiththeWhiteDog)』(1998年/新潮文庫/兼武進・訳)を読みました。テリー・ケイはアメリカ、ジョージア州生まれの作家で、2020年に82歳で亡くなっています。この『白い犬とワルツを』を書いたころ(1990年上梓)は、まだ50代。主人公・サムが81歳の設定で、物語冒頭から数年後に亡くなっているのを考えると、何やら著者自身”将来こうありたい”という願いも込められていたのかもしれないと思ってしまいました。夫婦
こんにちは、こんばんは、古野芽雨です。妹は知っている9巻が発売されました。いつもなら予約しているはずなのに珍しくしてなかった。感想の前に···妹は知っている9巻で累計10万本突破とのことです。おめでとうございます今回は割と真面目な話で兄妹の主体ではなく、石風呂さんと横尾さん、天野さんが色々と変わる展開。男女間の性的行為の、下ネタ的なこと含まれるので言及しにくいとても面白かったです。
先ごろ公開された映画『ラスト・サバイバー』の原作、ピーター・ヘラーの『いつかぼくが帰る場所』(2015年/早川書房/堀川志野舞・訳)を読みました。映画化に際して上下2巻の文庫版(改題『ラスト・サバイバー』)も出版されています。『【映画】ラスト・サバイバー』リドリー・スコット監督の最新作『ラスト・サバイバー』を観てきました。ピーター・ヘラーの小説『TheDogStars(旧邦題:いつかぼくが帰る場所)』(2…ameblo.jp映画版ももちろん面白かったのですが、原作とはディ
『メイドの推理とミステリー作家の殺人』ニタ・プローズ著二見文庫【内容(「BOOK」データベースより)】五つ星の〈リージェンシー・グランド・ホテル〉のティールームで、世界的に人気のミステリー作家が、ある「秘密」を発表する会見を開くことになった。ところが、当の作家が会見場で倒れて絶命し、毒殺と見られることから殺人事件の捜査が始まる。まず疑惑の目が向けられたのは、作家にお茶を供した新人のメイドと身近にいた作家の個人秘書だった。メイド主任に昇進していたモーリーはふたたび殺人事件に巻き込まれ
のんびり読んでいた幽冥の岸、読み終わりました。懐かしい人々の姿に何やら微笑むと同時に感じたことがいくつか。あまり高い低いという言葉では語りたくないのだけれど、それぞれの人の持つ視点の高さ、あるいは視野の広さによっては同じ事象が全く違って見えるということは常々感じていることで。視点が高い/視野が広い人からは視点が低い/視野が狭い人の考えることを理解することは難しいことではない反面、その逆は全く不可能なんだなと、幽冥の岸を読んで改めて感じて。じぶんの視点が低い、視野が狭い、と深く自覚すれば長
夏川草介さんの『君を守ろうとする猫の話』(2026年/小学館文庫)を読みました。2024年に単行本として刊行されたものの文庫版になります。『本を守ろうとする猫の話』の続編に位置する物語で、主人公は中学二年生のナナミ。言葉を話す不思議な猫、トラネコのトラが再びラビリンスへと主人公を誘います。ファンタジーな設定の中に、社会的なテーマを潜ませた”本を愛する人”のための物語。そして、人間の気高さと愚かさまでも感じさせる、”読ませるファンタジー小説”でした。読んだのはこの本
『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』五条紀夫著角川文庫【内容(「BOOK」データベースより)】身代わりとなった親友を救うため、メロスは推理した――!自身の身代わりとなった親友・セリヌンティウスを救うため、3日で故郷と首都を往復しなければならないメロス。しかし妹の婚礼前夜、新郎の父が殺された。現場は自分と妹しか開けられない羊小屋。密室殺人である。早く首都へ戻りたいメロスは、急ぎこの事件を解決することに!?その後も道のりに立ちふさがる山賊の死体や、荒れ狂う
藤まるさんの『時給三〇〇円の死神』(2017年/双葉文庫)。映画館で予告編を観て気になったので、原作を読んでみました。作風はラノベっぽく、文章も内容も若者向きな感じ。気軽に読めました。”死神”というワードが出てくる時点で、人の生き死にを描いた話だと想像はつくのですが、今まで読んだ”死神”とは一風変わった立ち位置(設定)。「生きること」「幸せとは」を考えるきっかけになりそうな物語でした。読んだのはこの本時給三〇〇円の死神[藤まる]楽天市場楽天市
『猫弁』天才百瀬とやっかいな依頼人たち大山淳子著講談社文庫【内容(「BOOK」データベースより)】お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生!満場一致で第一位、TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作。この作家の『イーヨくんの結婚生活』を読んで、大好きになり、猫弁シリーズも読んでみ
島田荘司さんの『水上都市の冒険』(2026年/講談社)を読みました。文芸誌「メフィスト」に掲載された4作の短編と、書下ろし1作を含む連作短編集です。”御手洗シリーズ”なのですが、主人公は中学生の”御手洗くん”(ただ、本文中、一度も主人公の名前が”御手洗潔”だとは明記されていないんですよね)。1960年初頭あたりの、まだ混沌とした横浜が舞台。水上生活者の暮らしや、米兵が闊歩する街、差別、夢を掴もうと藻掻く人たちなど、一つの時代を象徴するような内容で、島田荘司さんらしい、単なるミ
菜根譚ビギナーズ・クラシックス中国の古典(角川ソフィア文庫)Amazon(アマゾン)中国の古典シリーズ、今まで、詩経、論語、孫子と読んできて、今回は「菜根譚」(さいこんたん)。中国の古典は、編纂された年代が大きく違うが、この古典は、四、五百年前、過去の書から「処世訓」をまとめたものらしい。従って中国にしては比較的新しい年代のものだ。菜根譚とは、野菜の根っこは固い、これをかじって頑張った、というような意味らしい。作者は洪王明、あんあまり著名な方ではない。明代末期
恩田陸さんの『三月は深き紅の淵を』(2001年/講談社文庫)を読みました。1997年7月に単行本で刊行されたものの文庫版です。4部作からなるお話ですが、それぞれがまったく別の舞台&登場人物で、唯一、謎めいた稀覯本『三月は深き紅の淵を』でゆるく繋がっている。4作はそれぞれ単独でも面白いのですが、”繋がっている物語”として読んだ時、なんとも言えない不思議な世界に引き込まれるような、稀有な体験をしました。謎×謎。その終着点が、最初に戻る…。入れ子構造の境界線が、滲んでいくよ
『新装版ROMMY越境者の夢』歌野晶午著講談社文庫そして歌声が残った――。大切な人を守るとは?「こんなに切ない本格ミステリは、読んだことがない!」史上初・本格ミステリ大賞2回受賞の歌野晶午の名作が復活!!【内容(「BOOK」データベースより)】人気絶頂の歌手ROMMY(ロミー)が、絞殺死体となって発見された。ROMMYの音楽に惚れ込み、支え続けた中村がとる奇妙な行動。一瞬目を離した隙に、ROMMYの死体は何者かに切り刻まれ、奇妙な装飾を施されていた――。一体誰が
第148回直木賞受賞・映画化もされた、朝井リョウさんの『何者』(新潮文庫/2015年)を読みました。就職活動を通して、人間の本質を浮き彫りにしていく内容。最近の就活って、本当に大変だなぁと思う。大学生の頃に、”自分はこういう人間で、適性はこれだ”なんで明確に悟っている人は決して多くないのではないかと思うのです。その意味では、就活って自分が思う自分と、他人から見られる自分のギャップについて考える良い機会になってるのかもしれない、そんな風にも思いました。読んだのはこ
『公爵さま、それは誤解です』リン・メッシーナ著コージーブックス【内容(「BOOK」データベースより)】ケスグレイブ公爵と二度も殺人事件の謎を解いたベアトリスは、いつのまにか彼に想いを寄せるようになっていた。身分違いの恋心に蓋をするには、何か「新しい謎」が必要だ。それもとっておきの事件が。そんなふうに願っていた矢先、知人から殺人事件の捜査を依頼される。突然もがき苦しんで死を遂げた男性の謎――ベアトリスは読書家ならではの知識を総動員して、現場検証をする。毒殺に使われたのは、インドに
『解決まではあと6人:5W1H殺人事件』岡嶋二人著講談社文庫【内容(「BOOK」データベースより)】次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか?やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。平林貴子と名乗る女が興信所に奇妙な依頼をしていく。住所も連絡先も教えず、女性の
夏川草介さんの『本を守ろうとする猫の話』(2022年/小学館文庫)を読みました。夏川氏といえば、デビュー作『神様のカルテ』の著者で、内科のお医者さんでもあるかた。個人的に猫好きなので、猫が登場するお話なら……と軽い気持ちで手に取った1冊でしたが、思いの外、現代の風潮をシニカルに描いた深みのある内容でした。読んだのはこの本本を守ろうとする猫の話[夏川草介]楽天市場楽天市場で詳細を見るAmazon(アマゾン)で詳細を見る夏木
東野圭吾氏の「白鳥とコウモリ」上下巻とも読みました読後感想は「さすが一流の作家作品」映画化しやすいように構成が上手くて(当然ですが)この通りに映画を作っていけばちゃんとできあがるように書かれていました。さすがです(お前が言うなって言われそうですが)さすが、映画化され続けている作家だと感心しまくりでしたそして本日公開の映画「白鳥とコウモリ」観てまいりましたこの原作を映像化した場合どうなるのか?
『イーヨくんの結婚生活』大山淳子著講談社文庫【内容(「BOOK」データベースより)】五人兄弟の長男をとつぜん亡くした夏目家の通夜に、長男の婚約者を名乗る妊婦が現れた。親代わりに五人を育てた伯父夫婦の苦肉の策は、どんな頼まれごとでも「いいよ」と引き受ける末っ子・伊代太との無茶ぶりすぎる結婚!圧倒的人気「猫弁」シリーズ著者真骨頂、涙と感動のラストがあなたを待つ。いつもお邪魔しているブロガーさんが紹介していた一冊。内容はとてもほのぼのとして温かい物語のよう。興味
井上真偽さんの『アリアドネの声』(2025年/幻冬舎文庫)を読みました。単行本は2023年に出版されています。久しぶりに読んだ井上真偽さん、そしてわたしにとって井上氏の長編はたぶん初めて。井上真偽さんは、ミステリアスな小説家さんでご年齢も性別も非公表。東京大学工学部を卒業されているということだけが分かっている、かなり謎に包まれた方です。『アリアドネの声』は、本格ミステリにカテゴライズされているようなのですが、ハラハラするアドベンチャーでもあり、主人公の心の脱皮(あえて、”成長”
『檜垣澤家の炎上』永嶋恵美著新潮文庫『細雪』×『華麗なる一族』×ミステリ!「女であっても、私はすべてを手に入れたい」富豪一家に拾われた娘のたったひとりの闘いが始まる【内容(「BOOK」データベースより)】横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才
孫子・三十六計ビギナーズ・クラシックス中国の古典(角川ソフィア文庫)Amazon(アマゾン)今日は読後感想。ビギナーズクラシックの中国古典「孫子・三十六計」を読んだ。文庫本で電車の中や登山のためのザックに入れてもあんまり負荷にははならない。孫子は、二千五百年前、春秋戦国時代の人。本書の前半は孫子の兵法十三編について、後半は三十六計だ。「卦」(け)と呼ばれる占いの番号のようなもので区分されている。卦は横棒と、途切れた横棒が何本かで構成されている、理解しようと思っ
本の内容について[読後感想]孤独なおやじがコンビニ食で2型糖尿病を治した話只今学会のWEB講演を視聴中ですが,先月読んだこの本の読後感を少しだけ.(C)甘多朗表紙を見てギョッとさせられますが,著者のお嬢様がこの本のために描かれたものです.一瞬『切腹か?』と見えた構図は,よく見ると腹に突き立てているのはイン...shiranenozorba.comもうかれこれ、3年以上前になります。でも、読後感想をいただけた時は、本当に嬉しかったです。
2012年に日本ホラー小説大賞読者賞を受賞し、デビューした櫛木理宇さんの『鬼門の村』(2026年/東京創元社)を読みました。ホラーに限らず他のジャンルでも同様ですが、ホラー小説を読みたいけれど、肌に合わないものだと食当たりのような不快感だけが残ることがあります。当然、それは読んでみないと分からないわけで……、この『鬼門の村』は、ゾクゾクするような怖さはそんなに感じなかったのですが、なんだかミステリーを読んでいるような感覚で、いい意味で予想を裏切られ、面白かったです。――怪奇現
『町内会死者蘇生事件』五条紀夫著新潮文庫【内容(「BOOK」データベースより)】この町には、死者を蘇生させる秘術があるんだよ――。生まれも育ちもここ信津(しなづ)町の、健康(たけやす)・昇太・由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに……。なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。「誰だよ!せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユ
荻原浩さんの『明日の記憶』(2007年/光文社文庫)を読みました。2004年に単行本で刊行され、2006年には渡辺謙さん主演で映画化。今回読んだのは2007年に文庫化されたものです。(余談ですが、『明日の記憶』と聞くと、ARASHIの曲が思い浮かんでしまうのですがw、あの曲も大好きないい曲です)若年性アルツハイマーと診断された、まだ50歳になったばかりの男性のその後を追ったドキュメンタリータッチの物語。どんなエンディングが待っているのか……と気になって読み進めましたが、雲の切
『私が大好きな小説家を殺すまで』斜線堂有紀著メディアワークス文庫【内容(「BOOK」データベースより)】突如失踪した人気小説家・遥川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった少女の存在があった。遥川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。しかし、遥川が小説を書けなくなったことで事態は一変する。梓は遥川を救う為に彼のゴーストライターになることを決意するが――。才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女、そして迎え
流星の絆(上)(講談社青い鳥文庫Eひ8-1)Amazon(アマゾン)流星の絆(下)(講談社青い鳥文庫Eひ8-2)Amazon(アマゾン)東野圭吾さんが亡くなられて、買った本だ。「あさ8」で百田さんが推薦していたものだ。私、東野圭吾さんは、クスノキの女神以来になる。文庫本なんだが、総ルビが振られている。小学上級から中学生も読めるようになっている。ミステリーだから、さすがにストーリーをここで、描くわけにはいかない。殺人事件なんだが、最
『キャンプをしたいだけなのに』山翠夏人著TO文庫【内容(「BOOK」データベースより)】社会に疲れてなるべく人と関わらず、平日は会社員、休日はソロキャンプを楽しむ斉藤ナツ。今日も山奥のキャンプ場で一人を満喫していると、暗がりで声をかけてきたのは、顔半分が無い女。幽霊っぽいけど興味無いし、癒し時間を邪魔されたくない。早くどっか行ってと願うが、始まった幽霊女の身の上話に付き合ううち、彼女は気づく。このキャンプ場、幽霊よりもヤバい奴【殺人鬼】がいる――。怪異より恐ろしい夜が始まる時、無
倉知淳さんの『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』(2021年/実業之日本社文庫)を読了。タイトルのインパクトにひかれて手に取った1冊は、表題作はじめ捻りの効いたクセツヨのミステリー6作が収められている短編集。倉知淳さんと言えば、猫丸先輩のシリーズが思い浮かびます。この短編集にも1作収録されていて、飄々としたキャラクターを堪能でき嬉しかったです。星新一を彷彿とさせる作品、近未来を題材にしたものや、スピリチュアルな雰囲気のお話など、それぞれ色味の違う物語が収録されていて、最後ま