気に入っていた焼肉店の屋号が変わったり、同じくホルモン屋の接客がどうも荒くなったりして、それで最近立ち寄るようになった焼肉屋さん。飛騨牛専門とうたうだけあって、それなりのお値段はするけれど、客席のどこからも見えるようお店の中央に肉をしつらえるキッチンがあり、ひとりの白衣を着た男性が黙々と作業をしているのがいい。更に、彼は無口なのだが、お客さまの入退出の際だけ、ここはオペラ座かと思うようなテノール歌手ばりの艶のある声で「いらっしゃいませぇ」「お待たせいたしましたぁ」「ありがとうございましたぁ」など