中世の特徴的な神に、「荒神」や「翁」があります。これらは、単純に神祇信仰・神道の神でもなければ、仏教の神でもなく、それらが習合する中で生まれてきました。はっきりと形をとった寺院での「荒神信仰」は、11C初め頃、まず、箕面の真言宗の勝尾寺で起こり、箕面寺がこれに続き、その周辺の北摂津を拠点にして広まりました。この「荒神信仰」は、仏教だけでなく、陰陽道とも交流しながら、修験者によって広められました。「荒神」が生まれた背景には、神祇信仰の「荒魂」の観念や「怨霊信仰」があると思われます。ですが、直接的に