教育学者であり哲学者でもある苫野一徳氏が掲げる「自由と自由の相互承認」という言葉は、現代の教育現場において非常に力強い指針となっています。ルソーやヘーゲルといった近代哲学の巨頭たちの思想を汲み、一人ひとりが自分らしく生き、かつ他者のその権利を認め合うというこの理念は、民主主義社会の理想そのものと言えるかもしれません。しかし、哲学者・國分功一郎氏が提唱する「中動態」の世界観や、小児科医・熊谷晋一郎氏らが実践する「当事者研究」の視点を重ね合わせてみると、この美しい定義の背後に、ある種の危うさが隠れて