坂口が「透明人間」になって2年目の春、消防学校を卒業したばかりの後輩である新人・鈴木(21)が入る。通常、消防の世界では1年先輩である坂口が「兄貴役(指導員)」となり、マンツーマンで資機材の扱いから署のルールまで教え込むのが慣例だが、今の坂口にそんなことができるはずもなかった。兄貴役の任務は坂口を飛び越え、さらに上の先輩がやることになった。「おい、今日から配属された鈴木だ。お前の一応、1個上の先輩だから」と紹介された時も、坂口はただ手の平を合わせて「あ、どうも、スイマセン……」と、米つきバッタの