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えそは、市場ではちょくちょく見かける魚です。とは言っても、雑魚の山に数尾が混じっている程度で、大量に水揚げされるわけではありません。トカゲのような顔つきをしているちょっと怖い魚です。ワニエソの顔えそには何種類もいますが、よく見かけるのはトカゲエソ・ワニエソ・マエソの3種類です。他に、オキエソ・アカエソ・スナエソ・ホシノエソ・ハナトゴエソ・チョウチョウエソ・クロエソが日本海で確認されていますが、私は市場で見かけたことはありません。ということで、トカゲエソ・ワニエソ・マエソの
磯歩きをしていたらカラマツガイを見つけました。最初は、ウノアシかと思いましたが、波しぶきが届かないような乾いた場所だったので違和感を覚えました。乾いた岩に貼りつくカラマツガイ波しぶきで濡れた岩に貼りつくウノアシ図鑑で調べてみると、カタツムリなどと同じグループの汎有肺目だとわかりました。てっきり、ウノアシと同じカサガイ目だと思ったのでビックリです。カラマツガイは、水中では鰓で呼吸しますが、陸上では肺の役割を持つ外套腔で呼吸します。水中も陸上も両方OKなんて、二度ビック
キシノウエモエビは超レアなえびです。この種類が載っている図鑑自体レアなくらいです。全長5cmほどの小さなえびで、水深100m帯を底びき網で操業した時の漁獲物に混じっていました。独特の見た目で、ずんぐりむっくりな体型につぶらな瞳が可愛らしいですよね。まさに、えび界のゆるキャラではないでしょうか。食べたことはありませんが、沢山集めて素揚げにすれば美味しそうです。でも、ぽつんと1尾が混じっていた程度なので、集めることが不可能に近いかもしれません。モエビ科の一種で、トゲ
「群来」を広辞苑で調べると、「産卵のため沿岸へ押し寄せる魚群。特に、北海道沿岸へ来遊するニシンの産卵群」とあります。北海道の小樽へ行くとニシン御殿を見ることができます。ニシンの大漁で財をなした網元が建てた豪華な建築物ですが、それほどニシンがお金になったということですね。北海道におけるニシン漁業は、明治時代に最盛期を迎え、100万トン近い水揚げがあったそうです。2019年の石川県の全魚種漁獲量が5万3千トンだったことを考えると、とんでもない量ですよね。でも、1950年代に
朝からぼんやり🍞☕️🍳🍌🥗朝ごはんを並べて🍴🙏テレビを観ながらの食事となる大音量のテレビの音に紛れてモニャモニャ夫が一人言のような問いかけ👨『海が見える駅なんか国鉄時代の能登線はいくつも当たり前にあったなぁ…』妻はちゃんと聞いていたその時妻は頭の中で~中2の夏クラスで能登にキャンプに行き乗り合わせた🚋国鉄時代の🛤️能登線は海岸線が続いていたなぁ…~~高校の夏休み『恋路海岸』の近くの民宿
市場でも滅多にみることがない貝がオオハネガイです。殻高が17cmほどあり、水深100~1400mの砂泥底に生息します。ただし、足糸があり、岩などに固着していると考えられます。オオハネガイの情報を得ようとネットで検索すると、やたらと化石に関するページがヒットします。大昔から生息しているようで、まるで生きた化石ですね。出現時期を調べると、約1億6~8千万年前でした。大昔には違いないのですが、約4億5千万年前に出現したオウムガイのように生きた化石の代名詞を持つことはないようです・・・
ジンベエザメは魚類中最大で、全長18mに達します。とは言え、水族館で見ることができるのは、全長5m前後のようです。のとじま水族館で展示されているのは、能登半島や富山県氷見市の定置網に入ったものを輸送しています。活かしたまま運ぶのは、大変ですよね。昔聞いた時は、生け簀のような専用船があるので、これを使って定置網から港まで輸送し、その後陸送で水族館まで運ぶということでした。図体がでかいだけに、取扱が大変なのは容易に想像できます。ゆったりと泳ぐ姿を眺めていると本当に癒やされま
ウミトラノオは素人でも見分けやすい海藻です(多分・・・)。岩礁域や堤防を歩いていると、ふさふさモールのような海藻が目に付きます。ホンダワラ科の一種ですが、モール感満載の海藻は他には見当たりません。逆に言うと、他の種類は自信を持って判断することができないくらい似たような種類が多いということですが・・・・・。ウミトラノオの群落能登ではいろんな海藻が食用とされていますが、ウミトラノオの名前が見当たりません。なぜなんだろうと思い、味噌汁にして食べて見ました。水洗いしたもの
きっかけは、YouTubeの釣り動画でした。堤防から釣り上げた魚がニジカジカだとテロップが入っていて、そんな浅いところにもいるんだろうかと疑問に思いました。ニジカジカを同定したのはずいぶん昔のことです。水深100m帯を底びき網で操業した漁獲物の中に混じっていたのを、精査して判断しました。ニジカジカそれで、比較的深いところに生息する魚だというイメージをもってしまいました。今回、改めて図鑑を調べてみると、水深50mくらいに生息すると書いてありました。では、岸壁から釣れ
内浦海域ではマゴチと似たイネゴチが獲れます。南日本に生息するコチ科の魚で、全長50cmほどに成長します。マゴチは活魚で市場に並ぶ高級魚ですが、イネゴチは雑魚の山に入っています。マゴチに比べると扱いが雑です。イネゴチ眼が大きいので顔つきでマゴチとは簡単に区別できますが、メゴチと同様に細かい点をチェックしないと確実には判別できません。他に候補となるのは、マツバゴチ・エンマゴチ・トカゲゴチ・ワニゴチ・ハナメゴチ・セレベスゴチ・オニゴチ・アネサゴチです。私がイネゴチだと判断した
七尾湾のトリガイ養殖は、コンテナを海中につり下げて行われています。害敵に食べられないように網で蓋をしていますが、網目をすり抜けてコンテナの中に貝の幼生が入り込み、いつの間にか成長することがあります。そんな貝の中に、マダラチゴトリガイがいます。殻長1cmほどの小さな貝です。トリガイと同じトリガイ属で見た目が似ていますが、大きくならないので食用にしているという話も聞きません。でも、光沢のある殻に白いまだら模様がある綺麗な貝で、見とれてしまいます。かわいいちん入者です。考えてみると、
コショウダイは体高が大きく、斜めの線と黒い点が目立ちます。コロダイ属の一種で南日本に分布し、全長60cmほどに成長します。市場でたまに見かけますが、大体はポツッと1尾が他の魚と一緒に並んでいます。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、2016年は0.7トンと少ない魚種のひとつです。コロダイ属にはユニークな名前の種類がいます。クロコショウダイやオシャレコショウダイです。「胡椒」に「黒胡椒」「お洒落」って、どんだけセンスのあるネーミングでしょう。「お洒落」の
市場でたくさんの魚を見ていると、目が慣れてきて、似ている魚を見分ける力がついてきます。そうすると、「あれっ!これって、いつも見ている種類と違うんじゃない?」と気づくことがあります。ヨロイメバルもそんな魚のひとつです。カサゴにしては色合いがちょっと違うなという違和感を覚えました。写真を撮って図鑑で調べてみるとヨロイメバルでした。漁師さんや市場関係者の足元にも及ばない私の観察眼ですが、少しずつ向上しているのではないでしょうか。多分・・・・・。ヨロイメバルカサゴカ
能登で採れるもずくには、石もずくと絹もずくがあるのをご存知でしょうか。標準和名で言うと、石もずくがイシモズク、絹もずくがモズクで、種類が違います。同じナガマツモ科ですが、各々イシモズク属、モズク属と属レベルで異なっています。以前紹介したのは絹もずく(モズク)のことです。生態も異なっています。石もずくは岩盤や転石に付着しますが、絹もずくはホンダワラ類に付着します。主な採集時期も石もずくが6~8月、絹もずくが2~6月です。石もずくは輪島市や珠洲市で多く、輪島市では海女の潜水
ヨロイイタチウオをご存知でしょうか。アシロ科ヨロイイタチウオ属の一種で、全長70cmぐらいまで成長します。南日本に分布し、水深200~350mに分布します。石川県では、底びき網や刺し網で漁獲されます。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、2016年は0.0トンです。50kg未満ということでしょうか。幻レベルの魚です。でも、集計魚種の中にちゃんと入っているんです。びっくりです。マダラやスケトウダラのようなタラ科ではありません。なのに、たらの王様とはどういうことか
ヒレナガカンパチをご存知でしょうか。私は、3年くらい前に初めてその存在を知りました。お恥ずかしいかぎりです。カンパチと同じブリ属の一種で、南日本に分布し、全長120cmぐらいまで成長します。石川県でまれに水揚げされるようです。ある日市場で魚を見ていたら、寸詰まりのカンパチがいるなと思い、写真を撮って帰りました。図鑑で調べたら、これはヒレナガカンパチに違いないという結論?に達しました。ヒレナガカンパチカンパチどこが違うかというと背びれです。ヒレナガカンパチでは
カンパチは、南日本に分布するブリ属の一種で、全長2m近くにまで成長します。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、2016年は3トンと少ない魚種のひとつです。9~10月に漁獲が集中し、大部分は全長40cm以下の小型の個体です。横からみると体高の高いブリに見えますが、眼の上に暗色の斜め線があります。真上からみると、その斜め線が八の字のように見えます。これが名前の由来だそうです。横からみたカンパチ真上からみたカンパチ図鑑をみると、尾びれ下側の先端が白
ツムブリという魚をご存知でしょうか。たまに市場で見かけることがあります。本州中部以南に分布し、全長1mぐらいに成長しますが、これまでに私が見かけたのはせいぜい全長50cm程度です。色合いはブリに似ていますが、ブリよりも紡錘形で優しい顔つきをしています。紡錘のことを「つむ」と言い、ブリに似た紡錘形の魚だからツムブリと名付けられたそうです。なるほどです。ブリモドキよりはブリに似た見た目をしていますが、分類上はツムブリ属で、ブリ属のブリとは微妙な近縁関係です。ブリという名前は人気があ
市場で、ごく希にうなぎ(ニホンウナギ)を見かけることがあります。海で獲れた天然うなぎですが、どこで育ったのだろうかと不思議に思います。ニホンウナギは、約2000キロ離れた太平洋のマリアナ諸島付近の海で産卵すると推定されています。その後、海流に運ばれながら成長し、日本の沿岸にたどり着きます。その稚魚が河川に遡上し、5~15年生活し、成熟すると生まれた海へ戻っていきます(ただし、河川に遡上せずに沿岸で生活する個体も少なくないそうです)。能登半島の海で獲れるニホンウナギはどこで育った
ホッケを以前紹介した際、鮮度が良ければ刺身にして「野性味のある味と淡い甘み」を楽しめるとお伝えしました。実は、最近、いつも行くスーパーで鮮度抜群のホッケを買うことができました。迷わず、刺身にして食べたら以前たべたものと比べものにならないくらい美味しいんです。全長40cm足らずで、体重は400gあまりでした。薄いピンク色の身はきれいで、うっすらと脂がのっていました。くせが全くなく、甘みが強いんです。食べ始めたら止まらない美味しさです。昔、食べていたのは全長30cmほどでし
メゴチをご存知でしょうか。釣りをする方は、ネズッポ科の魚を連想するかもしれませんが、標準和名のメゴチがコチ科にちゃんといるんです。南日本の内湾~水深100mの砂泥底に生息する全長30cmほどの魚です。石川県では底びき網に入ることがありますが、市場で見かけた記憶はありません。船上で選別後、海に戻されているのでしょうか。市場に出荷する一般的な方法は、定置網では魚40kg入りタンクですが、底びき網では魚3~5kg入り発砲スチロールです。タンクは何度も使いますが、発泡スチロール
トゲモエビは、水深250~500mに分布する全長4cmほどの小型のエビです。クロザコエビなどと一緒に底びき網で漁獲されますが、まとまって獲れないせいか市場で見かけた記憶がありません。うちわのような額角と赤い体色が存在感を高めています。昔、漁船で捨てるものの中から拾い集めて食べたことがあります。小さいので、刺身には向きませんが、フライパンに油をひいて、頭をつけたまま放り込み、塩をふって炒めるだけで超美味しい料理の出来上がり。殻ごとバリバリと食べると、エビ特有の甘みと香ばしさが口いっぱいに
ブリモドキをご存知でしょうか。東北地方以南に分布する全長60cmほどの魚です。石川県では、市場でまれに見かける程度です。名前の由来はブリに近いからということですが、ブリモドキはブリモドキ属、ブリはブリ属と微妙な近縁関係です。見た目も似ているというには微妙なレベルです。ヒラマサの方がずっと似ていますよね。「もどき」を辞書でひくと、「まがいもの」という意味があります。まがいもの呼ばわりはちょっと可哀想ですよね。もうちょっと良い名前があったのではという気がします。ブリモドキ
シマウシノシタは、以前紹介したクロウシノシタと名前も体型も似ています。でも、シマウシノシタはササウシノシタ科、クロウシノシタはウシノシタ科で、科の段階で違います。背びれを上にすると、シマウシノシタは右向き、クロウシノシタは左向きです。シマウシノシタの有眼側シマウシノシタの頭部シマウシノシタの無眼側クロウシノシタの有眼側シマウマのような縞模様が市場で一際目立ちますが、注目したいのは尾びれです。割れていて少しわかりにくいのですが、黄色の部分をつなぐと丸くなっています
バカガイは、北海道以南の砂泥底に生息する殻長9cmほどの貝です。関東ではあおやぎと呼ばれて人気です。昔、学生時代に三重県に住んでいたときには、むき身のパックをスーパーでよく見かけました。三重県津市は伊勢湾に面していて、砂浜が広がっています。大潮になると、干満の差が2mほどになるので、波打ち際には生きたバカガイが打ち上がっていました。殻長4cmほどの小型ものが殆どでしたが、拾い集めるだけですぐにバケツが一杯になるほどでした。日本海側では大潮でも干満差が30cmほどなので、太平洋側
キチヌは南日本に分布するクロダイ属の魚です。クロダイに良く似ていて、全長50cmほどまで成長します。石川県でもまれに水揚げされることがあります。ただし、超レアなので、私は市場で見かけたことがありません。そこで、のとじま水族館で飽きるまで眺めてきました。クロダイそっくりで、市場で並ぶクロダイの中に混じっていれば気づかないかもしれませんね。というか、市場で出会ったのに気づかなかっただけかもしれません。見分けるポイントは、腹びれ・しりびれが黄色いところです。かなり鮮やかな黄色で、特に
能登半島では、とびうおは5~7月に漁獲が集中する魚で、その殆どがツクシトビウオとホソトビウオです。他に、ホソアオトビ・アヤトビウオ・トビウオ・ハマトビウオ・アリアケトビウオが混じっている可能性があります。でも、コンテナにまとめて入っているので、混じっていても正直わかりません。石川県では、ツクシトビウオをかくとび、ホソトビウオをまるとびと呼んで区別しています。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、トビウオ類として集計され、2021年が143トン、過去10年平均が233
タカノハダイとユウダチタカノハは良く似た魚です。といっても両種ともレアな魚なので、魚屋さんで見かけることは希だと思います。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、タカノハダイは2016年に0.2トンとごくわずかです。ユウダチタカノハは集計魚種の中に見当たりません。もしかすると、タカノハダイと一緒に集計されているのかもしれませんね。斜めの縞模様は一緒ですが、写真では色が違いますね。でも、決め手は尾びれの模様です。タカノハダイは白の水玉模様ですが、ユウダチタカノハは下半分
磯で見られるかににイワガニがいます。甲幅3cmぐらいの小さなかにで、黄緑色の横筋模様が特徴です。模様を観察することで他のかにと区別できるのではないでしょうか。このかには敏捷でなかなか捕まえることができません。それでも捕まえるコツはいくつかあるので紹介します。①場所を選ぶ大きな岩やテトラポッドの周辺では簡単に逃げられ、手が届かなくなります。そこで、ゴロタ場と呼ばれる「こぶし大の石がころがる海岸」が狙い目です。石をひっくり返すと慌ててかにが逃げ出します。そこをすかさず手づかみ
バショウカジキは、石川県では7~9月に水揚げが集中する魚です。石川県ではばれんやかんぬしと呼ばれることがあります。石川県水産総合センター主要10港水揚げ量をみると、2016年は4トンと少ない部類に入ります。それでも夏場にまとまって獲れることもあり、市場では目立つ存在です。バショウカジキの背びれは帆船のように大きく特徴的です。この特徴が名前に活かされています。バショウには芭蕉の字を当てるそうですが、俳人のことではありません。バナナそっくりの植物のことです。確かに、背びれと