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ムラサキイガイはムール貝とも呼ばれ、フランス料理やイタリア料理で使われています。それもそのはずで、原産地は地中海沿岸です。日本で確認されたのは1932年で、船のバラスト水に混入した幼生や船底に付着したものが、日本中に広がったのではないかと考えられています。フレンチやイタリアンで使われているのなら、邪魔者なんかじゃないよね。そう思いがちですが、国内で採捕や養殖されているのはごく一部の地域です。石川県では養殖はもちろん採捕したものを市場で見かけたことがありません。釣りの餌としては人
えそは、市場ではちょくちょく見かける魚です。とは言っても、雑魚の山に数尾が混じっている程度で、大量に水揚げされるわけではありません。トカゲのような顔つきをしているちょっと怖い魚です。ワニエソの顔えそには何種類もいますが、よく見かけるのはトカゲエソ・ワニエソ・マエソの3種類です。他に、オキエソ・アカエソ・スナエソ・ホシノエソ・ハナトゴエソ・チョウチョウエソ・クロエソが日本海で確認されていますが、私は市場で見かけたことはありません。ということで、トカゲエソ・ワニエソ・マエソの
かにでは、お腹に抱えている卵を外子、身体の中の卵巣を内子と呼んでいます。えびでは内子や外子という呼び方をあまりしませんが、甘えび(ホッコクアカエビ)にも内子(卵巣)と外子(卵)があります。甘えび(ホッコクアカエビ)甘えびの内子(卵巣)は、発達すると青緑色で卵の形がわかるようになります。頭の殻を外すと宝石のよな内子(卵巣)を見ることができます。発達した甘えびの内子(卵巣)産卵後の甘えび内蔵産卵期は2~4月で、抱卵期間は約11ヶ月、その後に幼生がふ化します。産卵は
バカガイは、北海道以南の砂泥底に生息する殻長9cmほどの貝です。関東ではあおやぎと呼ばれて人気です。昔、学生時代に三重県に住んでいたときには、むき身のパックをスーパーでよく見かけました。三重県津市は伊勢湾に面していて、砂浜が広がっています。大潮になると、干満の差が2mほどになるので、波打ち際には生きたバカガイが打ち上がっていました。殻長4cmほどの小型ものが殆どでしたが、拾い集めるだけですぐにバケツが一杯になるほどでした。日本海側では大潮でも干満差が30cmほどなので、太平洋側
マハタとクエはともに超高級魚です。しいて優劣をつけるのであれば、クエの方がより高級かもしれませんが、いずれにしても魚屋さんには並ばない魚です。市場でもたまにしかお目にかかれません。両種を見分けるのは、縞模様です。マハタでは横縞が直線的ですが、クエでは頭部近くの横縞が前方に大きく傾き、目の方へ向かっています。並べて比較すると、違いが簡単?にわかりますよね。マハタクエところが、大型個体になると縞模様が消えてしまうんです。折角の手がかりが・・・・・・・。でも、安心して下さい。
キヌバリは全長10cmほどのハゼ科の魚です。市場で見かけることはありませんが、佃煮にしたものが穴水町で販売されています。黒い横縞が特徴的です。日本海側では7本ですが、太平洋側では6本です。ところ変われば模様も変わるということでしょうか。佃煮は保存食ですから、甘辛いのでご飯のお供に最適です。丸ごと食べられるのでカルシウム満点です。後味にキヌバリの風味が口の中にひろがります。なかなかの逸品です。海ごりの佃煮海ごりというくらいですから、川のごりもいるということです。
市場でたくさんの魚を見ていると、目が慣れてきて、似ている魚を見分ける力がついてきます。そうすると、「あれっ!これって、いつも見ている種類と違うんじゃない?」と気づくことがあります。ヨロイメバルもそんな魚のひとつです。カサゴにしては色合いがちょっと違うなという違和感を覚えました。写真を撮って図鑑で調べてみるとヨロイメバルでした。漁師さんや市場関係者の足元にも及ばない私の観察眼ですが、少しずつ向上しているのではないでしょうか。多分・・・・・。ヨロイメバルカサゴカ
コタマガイは石川県の中でもいろんな名前で呼ばれています。「あさり・あおさがい・おきあさり」です。結構紛らわしいですね。標準和名のアサリは七尾湾に生息していますが、コタマガイが生息する外浦の砂浜域には生息していません。そのため、この海域であさりと言えばコタマガイを指すことになります。あおさがいは聞き慣れない名前ですよね。水管を出す部分に海藻が付着することがあるので、海藻のアオサの名前が付いたと聞いたことがあります。おきあさりは雰囲気が伝わる良い名前ですよね。ところが、標準
七尾湾にはオニアサリが生息していて、地元ではふじがいやたばこがいと呼ばれ親しまれています。専門に獲る漁法がなく、鍬のような道具を使って細々と獲っているので、市場には出回らないようです。それで、石川県在住の人でも食べたことのある人はさほど多くはないと思います。冬から初春は年間で一番潮位が低くなるので、オニアサリを掘っている人が海岸沿いの道路から見えることがあり、獲れているのかなと興味津々で眺めることがあります。七尾湾の海底付近では、夏から秋にかけて酸素が低下することがあり
カサゴは防波堤で割と簡単に釣れる人気の魚ですが、市場に大量に水揚げされることはありません。能登ではメバルに似た魚をすべて「はちめ」と呼んでいて、ちゃばちめ(メバル)・やなぎばちめ(ウスメバル)・あからばちめ(ハツメ)・くろばちめ(クロソイ)など多様です。ところが、カサゴは「がんがん」・「くろどこ」・「どこ」と呼ばれていて「はちめ」が付いていません。不思議です??唯一七尾で「がんがんはちめ」と呼ぶという記録がありますので、「はちめ」に入れても良いのかなと思いますがいかがでしょうか。
海岸近くで見かける陸生のカニには、アカテガニ・ベンケイガニ・クロベンケイガニの3種がいます。クロベンケイガニは川の土手に巣穴を掘っていることを以前紹介しましたが、今回はアカテガニとベンケイガニです。志賀町の海岸で観察した時は、殆どがアカテガニでした。海岸沿いの藪の中に足を踏み入れると、ガサガサと足元から音がします。「何、何、何・・・・・・」ビビリな私は、恐怖で立ちすくんでしまいました。でも、よくよく見ると,無数のアカテガニが逃げ惑っている音でした。良かった~。草むらのアカテガニ
アメフラシの味を論じる以前に、食べられるのかという話ですよね。でも考えてみて下さい。なまこが食べられるのなら、食べられない海の生き物って毒を持つ物以外に考えられないのではないでしょうか。全長20cmほどで、巨大なナメクジのような形をしていますが、軟体動物の一種で、貝の仲間と言えます。島根県では食べる習慣があると聞いて、塩ゆでして食べたことがあります。歯ごたえ十分で、なかなかかみ切れないほどの弾力です。飲み込むと、ちょっと生臭い味がするだけで美味しさは感じません。あえて食べるとい
コタマガイとチョウセンハマグリを以前紹介しましたが、今回は両種の関係をお話しします。羽咋市から内灘町にかけて砂浜(開放性砂浜域)が30km以上続いています。ここには、コタマガイとチョウセンハマグリの両種が生息しています。羽咋市千里浜海岸コタマガイチョウセンハマグリ長く続く砂浜は南北で違いがあります。北へ行くほど、砂浜の粒径が小さくなっているんです。金沢市よりも更に南に手取川という大きな川があります。ここから流れ出る砂泥が、北向きの流れによって運ばれます。その途
能登島のホタテガイ養殖を紹介した際に、「畜養に近い方法」と表現しました。では、養殖と畜養はどう違うのでしょうか?うまく説明できるかどうかわかりませんが、調べたことを整理してみました。最初に断っておきますが、個人的な見解を含んでいますので、その点ご了解願います。m(__)m逐条解説漁業法(漁業法研究会著、大成出版社、2022年発行)では「養殖」収穫の目的をもって、人工手段を加え水産動植物の発生又は成育を積極的に増進し、その個体の数又は量を増加させる行為をいう。「
ヒザラガイをご存じでしょうか?磯の岩肌にへばりついているダンゴムシのような生き物です。貝のような名前がついていますが、貝類とは異なる軟体動物の一種です。剥がして裏をみると、あわびのような感じです。ネット上で美味しいとの評価がありますが、個人的には「う~ん?」という感想です。塩ゆでして食べましたが、味があまりしないし、旨みに乏しいと思いました。時期や場所で味が違うのかもしれませんが、もう一度食べたいとは思いませんでした。残念!塩ゆでしたもの塩ゆでしたものから表の殻のような部分
ヒジキを食べたことがある人は数知れないと思いますが、生のヒジキを見たことがある人はどれだけいるのでしょうか?私自身、生のヒジキを初めて見たのは9年前です。図鑑で見て知ってはいたものの、スーパーでみる黒いヒジキとは似ても似つかぬもので、ビックリでした。くすんだ緑色の海藻が岩肌に貼りつき、房状の枝が波に揺られる様子は可愛らしくもあります。北海道から九州まで分布していますが、日本海側では少ないそうです。でも、能登の海にもちゃんと生息しています。岩肌のヒジキ房状の枝を持つヒ
市場でコウイカだと思って近づいてみると、ちょっと雰囲気が違います。胴体の先端を触ってみると、コウイカにはあるはずの甲の突起がありません。なんだろう?と思いながら市場を後にしました。その後、知人に聞いたところ、「それはシリヤケイカですね」と教えてくれました。図鑑でも確認したら、甲の形状が種の特徴になっていることがわかりました。生きている時は、胴体の背面に白い小さな斑点があることで区別がつきますが、市場に並ぶ頃には目立たなくなり、パッと目にはコウイカかと思ってしまいます。シリ
カギヅメピンノはカクレガニ科の一種で、甲幅1cmほどの小さいかにです。ムラサキイガイやバカガイなど様々な二枚貝に寄生しています。寄生された貝は軟体部の重量が減るという被害を被るので、二枚貝のやっかいものと言えます。写真のカギヅメピンノは、七尾湾で獲れたトリガイの中に隠れていたものです。他のトリガイに比べると痩せていたのでしょうか?困ったものです。似た種類にオオシロピンノがいますが、歩脚先端部がかぎ状になっていることからカギヅメピンノだと判断しました。雌雄で形態や生活史が
石川県では、コタマガイがあさりと呼ばれることがあるように、チョウセンハマグリがはまぐりと呼ばれることがあります。標準和名のハマグリは、チョウセンハマグリが生息する外浦の砂浜域には生息していません。そのため、この海域ではまぐりと言えばチョウセンハマグリを指すことになります。とは言え、ネットで検索すると標準和名のハマグリが外浦の砂浜域に生息するのではないかという記事もありました。それでは、外浦砂浜域におけるハマグリ存在の可能性について検討してみましょう。両種の形態的