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エンジンの冷却系統は、空気冷却方式でエンジン・カウリングとシリンダー・フィン及びバッフル(導風板)で構成される。エンジン・カウリングは、上部カウルと下部カウルとに分割取り外しができ、整備性を良くしている。胴体側の取付けは、ゴム製のショック・マウントを介してエンジンからの振動を吸収させている。カウル・フラップは装備されていないので冷却空気流量の調整は出来ない。つまり上昇中とかはエンジンの温度が上がりやすいんだよね。あとはオイルでの冷却かな。こちらはまた別の記事で!
面白いところを一つずつ解説していく。・発動機又はプロペラは、これらが故障した時に回転を継続することによって火災の発生や、重大な構造上の破壊の危険が増大する恐れがあるときは、乗組員が発動機の回転を停止又は安全な回転数まで減少させることができなければならない。→これ、裏返すとパイロットは発動機故障が起こった時に、発動機の運転を継続するか、止めるか、減少させるかを判断できないといけないってことだからね。・発動機は予想される運用状態内の各高度において、再起動することができるものでなくてはな
航空機は牽引、整備、給油等の地上作業の時に航空機の安全上重要な部分が損傷しないようにしなければならない。当たり前ですけど、このための装置はどのようなものがあるか知ってますか?トーバーを掛ける部分とか、タイダウンするときにチェーンを引っ掛ける部分です。プロペラとかに引っ掛けるわけにいきませんからね。・地上での機体の移動及び方向変換は、各機に搭載されているトーバーを前輪に取付け、手で押し又は、引くことで実施する(ラダー・ロックを使用している場合は必ず取り外すこと)。なお、前輪の方向
・航空機は非常着陸の際の衝撃および火災に対して機内にあるものを保護できるようにしなければならない。・航空機は非常着陸の際に機内にあるものが速やかに脱出できるような設備を有するものでなくてはならない。ドアの構造がシンプルなのはこのためですね。衝撃はエアバックとかありますね。火災は防火壁でしょう。
航空機は与圧の低下、煙、毒ガス等が発生したときに機内にあるものを保護できるようにしなければならない。保護するものにはどんなものがあるでしょう。・シートベルト・エアバック・アッセンブリーエアバッグは、ハードランディングやランダムな振動又はシートへのフード・カートの衝突などの通常運用では、不意には膨張しない。しかしながら、約50ミリ秒間に9gもしくは9gを越える力がかかった時に作動膨張し乗員乗客の衝撃を緩和する。膨張後は、ミリ秒(1000分の1秒)以内に収縮し、システムは
防火壁っていうのがあるね。防火壁(ファイアー・ウォール)は、第1種耐火性材料の厚さ0.016inの18-8ステンレス鋼板が使用され、バルクヘッドやフレーム、ストリンガーなど、多くの部材と計器板アビオニクス・ラックやセンター・コンソールなどを含む床板や外板をリベット止めをした構造である。防火壁面には、強度補強されたエンジンを取り付けるためのエンジン・マウント・フレーム・フット(4ヶ所)と、ノーズ・ランディング・ギア・ストラットを取付ける上下サポート・フィティングとがある。防火
装備品等又はその系統の予想される重大な故障に際して、それから生ずる非常事態を防止する装置を有するものでなければならない。C172にはどんなものがあるでしょう?エアバック一酸化炭素検出器防火壁飛行機普通Nのところでまた詳しくやります
ここではざっくりいうと・装置は紛らわしくないように。・混乱しないように。・操縦室は視界が広く取れるようにする。視界を邪魔する光がないように。降水状態でも視界が保てるように。操縦席の窓もある程度横が見えるようになっているね。操縦席前ウインド・シールド及び、左右キャビン・ドアー、乗客シート左右および後方にアクリル樹脂製の窓がある。これらの清掃は、基本的に航空機用ウインド・シールド・クリーナーを使用するが通常はセーム皮(鹿皮)を水に十分浸し傷が入らないように拭きあげる。汚れが強い
大事なとこだけ抽出します。具体例は全てC172に関して。・航空機の構造は予想される運用状態において、有効かつ確実に機能を果たすものでなくてはならない。これらは試験もしくは調査研究又は経験上妥当であると認められるものでなければならない。ただし安全上重要な可動部分については試験をしなくてはならない。→具体的にはこんなことをして、強度を高めている。胴体は、2024-T42材の多くのバルクヘッド(隔壁・仕切)、フレーム(円きょ材)、ストリンガー(縦通材)、ダブラー(補強材)に使用し
ここもまだ一般的な内容です。カテゴリー別のものはそのカテゴリーの説明の中でします。ここで書かれているのは・荷重試験又は計算を行うこと・考えられる全ての重心位置、重量の組み合わせで行うこと・最も不利な重量分布でも行うこと・予想される空気力や慣性力、その他の力で生じる荷重に耐えられること・制限荷重および運用状態において予想される荷重以上の荷重に耐えられること→安全のマージンが必要だからです。・垂直突風速度、水平突風速度、突風速度勾配に基づいて決定された突風荷重に耐えられること
ここではざっくりいうと操縦者に負担がかからないで操縦できるように、っていうのが書いてある。そのほかで大事な点が3つ。・失速飛行機又は滑空機は失速から安全かつ迅速に回復できるものでなければならない。迅速とはどれくらいかわかる?失速というか、きりもみについてになっちゃうんだけど、最初の回復操作をしてから1旋回以内ね。これはまた飛行機普通Nのとこでまた説明する。・飛行機は、失速警報装置により、失速状態に入ったことを操縦者が明確に知ることができなければならない。つまり失速警報装置が壊れ
飛行機普通N類の上昇要件は次のものがあります。C172が該当するもののみ説明します。・地面効果を考慮せずに次に示す最小上昇性能に適合しなければならない。A)全ての発動機が作動中であり、初期上昇形態において①レベル1および2の低速飛行機については、陸上機は8.3%、水上機および水陸両用機は6.7%の上昇勾配。C)着陸復行については、着陸装置が下げおよびフラップが着陸形態の状態で、操縦者に過度の作業負荷をもたらすことなく、3%の上昇勾配。8.3%は4.744°3%は1.718°
ここでは重要なとこだけ言及します。航空機の性能に関する大雑把な内容が書かれています。・航空機の性能は静穏標準大気状態において操縦に特別な技術又は過度の注意力を要することなく、2−2の規定に適合するものでなくてはならない。訓練やってるとうまくいかなくて、特別な技術必要だろ!とか過度の注意力必要だわ!って思うことあるけどね、、笑2−2っていうのはこの『性能』の部分のことね。静穏標準大気状態っていうのは乱気流とかがない穏やかな大気ってことだと思う。明確な定義はわからない。気象学
この部分にはすごーくざっくり、耐空性の試験をどのようにやらねばならないかが書いてあります。条件は以下。①飛行試験またはそれに元づく計算によって証明されなければならない。計算は実際に飛ぶ試験と同程度に正確か又はそれより安全サイドよりであることが求められる。②上記の証明は、運用できる重心位置および重量の可能な全ての組み合わせで証明されなくてはならない。③種々の飛行段階における性能の決定と飛行性の吟味は適切な形態を設定して行わなければならない。何言ってんだ?ってなるけど①は、実際に飛
Vーn図とも言われるやつやつですね。Vcって何?Vnoとの違いは?ちなみにVc=Vnoになりがちです。設計巡航速度VC:正および負の制限運動荷重倍数までかけることができる最大の速度で、強度上巡航に用いられる最大速度だからVcはこの位置にあります。ところで、この位置って許容できる荷重の幅が一番広い(−1.52から3.8)中で一番大きい速度ですよね。つまりこの速度以下なら対応できる荷重の幅も広くて制限を超えにくいor制限荷重越える前に失速してくれる、から安全なんです。だ
後方限界とは「高出力、フラップ離陸位置、地面効果なし、などの条件の下で、最小トリム速度でトリムをとり、この速度で操縦桿から手を離したときに縦の正の静安定が得られる限界(から安全を考慮して1[inch]前方にずらした位置)」と定義されています。要は、失速からの回復やフラットスピンに入りにくくするための条件です。では失速やフラットスピンに入りやすい状況とはどんな状況でしょうか。一言で言うと臨界迎角に到達してしまう時です。ではどういうときに迎角が臨界迎角を超える可能性が高い
前方限界は「失速速度近くの低速時に、フラップ着陸位置、エンジンをアイドル出力で地面効果を受けた状態で、操縦桿を最大に引くか、またはエレベータを最大舵角まで上げて、最大揚力係数が得られる限界」です。この条件は「着陸時の状況で、揚力最大かつ引き起こし十分」を満たすために設定されています。つまりは安全に(ソフトに、メインギアから)着陸できるようにということです。一つ一つ見ていきましょう。・失速速度近くの低速時に→着陸するときは失速速度近くですよね。・フラップ着陸位置→着陸
耐空性審査要領普通飛行機N類について解説していきます。今回は普通N類とは何かです。最大離陸重量が8618kg以下で客席が19席以下のものです。8618kgは18999ポンドです。8619kgは19001ポンドです。アメリカで19000ポンドが基準になっているのでそうすると、区分けが8618と8619になってしまうんです。C172の最大離陸重量をkgで答えられますか?2550ポンドは1156.661kgです。席数が19席以下というのは、20席以上になってしまうと大きさ
三菱スペースジェットを悩ませている電気配線の相互接続系統「EWIS」とは?配線を含む電気部品全体の機能・装備要件・整備要目電気配線等のシステム経年劣化対策を含めた航空機設計の要件強化もう6度も延期となった三菱スペースジェットの納入。その原因としてあげられるキーワードに「電気配線」があります。以前から型式証明取得に時間を要しているとお伝えしていますが90年代に起こった2件の事故原因が電気配線にあったとされその後、新たな設計要件として耐空性審査要領にも追加されました。それが今回の「E
スペースジェット旧MRJの納入が延期される原因とは?将来に向けて見えてきた課題型式証明の全貌を把握することが非常に困難な理由証明の具体的な方法は示されていない審査が厳しくなる傾向に【航空業界ニュース】みなさま、飛行機の乗る際に、「客室乗務員はドアモードをアームにしてください」「マニュアルにしてください」などの言葉を耳にしたことはありませんか?その設計要求は耐空性審査要領にあります。その理由を解説していきます。参照したページMRJの納入が延期さ