細田守という作家のキャリアにおいて、2012年に発表された『おおかみこどもの雨と雪』は、単なるアニメーション映画の枠を超え、日本映画史に刻まれるべき「母性」と「自立」の叙事詩として君臨している。瑞々しい躍動感で衝撃を与えた『時をかける少女』や、夏の熱狂を描いた『サマーウォーズ』を経て、細田監督がより深く、ひとりの女性の半生と異質な血を引く子供たちの成長を13年にわたって描き切った本作は、彼の作家性が新たな地平へと到達したことを示す野心作である。ファンタジーという意匠を借りながらも、そこで語られる