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そろそろ桜の開花情報もチラホラ聞こえてくる今日この頃。桜が終われば新緑の季節がやってくる。私が花や木をかくときに使う方法の一つをご紹介しよう。透明水彩絵の具で描く場合、明るい所を塗り残す“ネガティヴペインティング”のテクニックは避けて通れない。しかし、筆で塗り残すだけではワンパターンになり易いし“手癖”が邪魔になることもある。そんな時、私は食品用ラップを使ったりする。どんな効果があるか、シンプルに技法を紹介してみよう。1.
『質感は反射率で90%決まる』「質感がうまく出せない」という方がいる。私は「質感は反射率」と答えている。異論もあるかとは思うが、私はあえて“反射率”で質感は表わせると断言する。金属器は磨くと鏡のよう。周りがいいろいろ映っている。ガラスは映りこみと後ろのもの(透明感)が両方見える。海や湖の水面もゆがんだ鏡と考えれば、空が映っているわけだから、ベースにはグラデーションがあるはずだ。水面(ぬれた路面も)には空や建物や船がそのまま映り込んでいる。な
毎月第2・第4水曜日は、午前・午後のダブルでモンストレーションデー。午前の部デモンストレーション作品午後の部デモンストレーション作品《午後の部》午後の部はエストニアの地方都市パルヌの風景。水たまり越しの長閑な街角を描いてみよう。パルヌは、バルト三国の一番北の位置するエストニアの“生きた博物館”と呼ばれるキフヌ島への起点となる街。Googleストリートビューではこの辺り。パルヌは整備の行き届いたとても綺麗な町だった。
毎月第2・第4水曜日は、午前・午後のダブルでモンストレーションデー。午前の部デモンストレーション作品午後の部デモンストレーション作品《午前の部》Googleストリートビューではこの辺り。私が現地で撮った写真。《StepbyStep》ファーストウォッシュは空、水、壁のベースとなる色。白い壁は紙の白を残す。壁をかすめる太陽光を斜めの陰を追うことで表す。窓などの暗い部分を入れ
白いモノの陰はペインズグレーだとか、肌の色はジョンブリアンとか、葉っぱの影にはウルトラマリンやインディゴを混ぜるとか、なにか“決まり事”のように思っている方が時々いらっしゃる。本当にそうなのかな?光の種類、周りにあるもの、バックの色、時間、天候、気分、絵の完成イメージなどなど、様々な要因によって全て変わってくるのではなんじゃない?観察、発見(気づき)、表現の工夫、試行錯誤、技術分析、反復練習・・・等があって初めて自分のものになるんだと思う。決してあ
この記事は2019年8月25日に掲載した記事の改訂版です。音楽にはさまざまなジャンルがある。クラシック、ジャズ、民謡、歌謡曲、ロック、フォーク、サンバ、ボサノヴァ、シャンソン、カンツォーネ…あげたらキリがないほど分類されている。もちろん美術の世界も絵画、彫刻、工芸、デジタルなどなどに分かれるし、さらに細分化することもよくあること。では、もしあなたが“水彩画”を音楽に喩えるとしたら、どの系統のどのジャンルのイメージだろう?以前、水彩画の置かれている状況は70年
個展のハガキにも使い、個展の前に鹿児島の三人展にも出品するパークアベニューのヘルムズリービルの絵と対になる作品として描き始めた。個展のハガキ(ヘルムズリービル)ドリーム・ミッドタウンホテル(パート・オブ・ハイアット)の夜景がバットマンが出てきそうな異様な雰囲気だったので、そんな感じで描いてみようと思う。Googleストリートビューは昼間の画像。私が現地で撮った写真。マンハッタンのど真ん中"DreamMidtown-Part
3月~4月に3つの展覧会を予定しているので、まとめてお知らせします。🔳教室展『第13回横浜画塾展ー新しい光をもとめてー』4月2日(火)~4月8日(月)横浜市民ギャラリーあざみ野🔳個展『笠井一男水彩画展ー未知のフェーズへー』4月12(金)~4月17日(水)青山ギャラリーコンセプト21🔳グループ展『三人三様展ー近づく感覚・遠ざかる常識ー』3月29日(金)~4月8日(月)鹿児島ギャラリー白樺鹿児島の茂山寛氏、熊
毎月第1・第3水曜日の午後は、デモンストレーションデー。今日は土産屋の並ぶボスニア・ヘルツェゴヴィナの世界遺産の街モスタルの路地を“光と影”=大きな明暗関係を意識して描いてみよう。Googleストリートビューではこんな感じ。私が現地で撮った写真。《StepbyStep》鉛筆下描きは最小限度。ファーストウォッシュはそれぞのの場所の明るい所。左の人も陰の中なので、当面暗くしておく。乾いたら徐々に暗い
ちょっと気になること、二点…。■コロナ禍が収束の兆しを見せ始めた頃から、急にその他のワクチンの宣伝が多くなったように思い、ちょっと検索したら出るわ出るわ。何で急にこんなにワクチン推奨するんだろう。コロナ前もそうだったっけ?国のコロナ関連支出は現時点で77兆円(※国民一人当たり61万円!)と聞く。医療機関や医療関連企業は“コロナバブル”だったはずだ。もちろん、現場で大変なご苦労を強いられたお医者さんや医療関係者の皆さんには感謝しかないが
とても大切なことだと思うので、何度でも掲載しておく。横浜画塾では、ここを理解していただくことをスタート地点にしたいと思っている。より深く楽しい水彩画の世界を満喫するために。まず最初に、もしあなたがバンクシーに弟子入りしたら、何を教わりたいだろうか。型紙の作り方?スプレーの吹き付け方?スプレーの色選び?もしあなたがアンディ・ウォーホルに弟子入りしたら?シルクスクリーンの技法?残念ながらウォーホルは自分では刷ってないと思うョ。www
遠近法には、透視図法(線遠近)、空気遠近(大気遠近)、光遠近などがある。中でも、風景画を描く時によく出てくるのが空気遠近法。一般的には“遠くは薄く青く描く”ということですべてに当てはめているようだが…私は、そんなに単純なものではないと思っている。ただ“遠くは薄く”とだけ覚えてしまって、その日の天候、季節、場所を考慮しないでワンパターンになっていないだろうか?私は日ごろから条件によって近くと遠くがどう違うのか、アパッチと散歩しながら観察していた。(笑)
まさか“減点法”で絵を観てないよね?美大受験の絵ならともかく…。時々展覧会場で作者を前にして講釈垂れてるオヤジを見かけるけど…。展覧会に行って“アラ探し”しているような輩はレベルが低すぎる。観る方も作者にリスペクトを持って、その作者の意図や魅力を味わうべきだと思う。多少の欠点はあっても、魅力があって人を惹きつけること、欠点さえも魅力になるような…。これが“いい絵”の条件じゃないかな。心が動くのは自分にはない“突出”を見た時。アラ探しをして悦に入るようなコンプレックス野郎
白い陶器の花瓶を真っ白に塗り残す方をよく見かる。>場合によっては、陶器のツヤ(ハイライト)をマスキングしてあるのに、だ。白い陶器が真っ白なら、ハイライトはどうしたらいいのだろう…。紙の白より明るくする方法はないはずだよね…。“白い”陶器という言葉の魔術にかかった証拠。“白い”という言葉で紙の白にするしかないと勝手に思い込んでしまうから色が塗れなくなってしまうのだと思うのだけど…。実は、白い陶器も白磁もとてもたくさんの色があり、かなり暗いと思った方が正しいと思
毎月第2・第4水曜日は、午前・午後のダブルデモンストレーションデー。午前は空と白い壁、午後は大木と光と影をテーマに描いてみよう。午前の部デモンストレーション作品午後の部デモンストレーション作品《午後の部》バルト三国のラトビアの古都ツェーシスの路地に立つ大木の勇壮な姿を建物と対比して表現してみよう。Googleストリートビューではこの辺り。私が現地で撮った写真。《StepbySt
毎月第2・第4水曜日は、午前・午後のダブルデモンストレーションデー。午前は空と白い壁、午後は大木と光と影をテーマに描いてみよう。午前の部デモンストレーション作品午後の部デモンストレーション作品《午前の部》スペイン・カタルーニャ州の港町で水彩画の聖地ともいわれるカダケスの路地を光と影を感じて描いてみよう。Googleストリートビューではこの辺り。ホテルの看板が無くなっている!私が現地で撮った写真。
今までこのブログに、水彩画について“イイカゲン”“テキトウ”“ナントナク”“イイカンジ”的なことを何度も書いてきた。これって、実はすごく大事なことなんだと、確信する毎日。【関連記事】イイカゲンに、テキトウに!描きゃいいってもんじゃ…“のんべんだらりん”も“ただがむしゃら”もダメ。決めるところと抜くところ、出るところ引くところ、ボン・キュッ・ボン!水彩画もこの“メリハリ”が大事なんじゃないかな。“テキトウ“に生きつつ、肝心なところはび
絵の描き手は、自分の絵にとっての“監督”や“指揮者”と言っていいだろう。原作や原曲を“解釈”し、“演出”して作品にしていくのが“監督”や“指揮者”であると同様に、絵を描く人はその絵に関しての全権を握る“独裁者”だ。絵の中に限っては、民主主義は成り立たない。絶対的な独裁者(作者)が思いのままに依怙贔屓し、誰とも協議せず勝手に描いてもいい。その際、現実を捻じ曲げても構わない。いわゆるアーティスティック・ライセンス(詩的許容または芸術的許容)と言われる特権だ。絵は基本的に、
SNSで作品を紹介している皆さんのほとんどが経験したことのある「あなたの絵をNFTで買いたい」というコメントやメッセージ。自分の絵をトロけるような誉め言葉と共に『買いたい!』という申し出は一瞬最高の喜びを与えてくれるよね?たとえば、こんなやつ。でも、ちょっと待って、要注意!私にも数年前から(コロナが広がったころから)投稿するたびに毎回数件から十数件入ってきていた。最初はちょっと喜んで“いいね!”を押したりしてたけど、なんだか怪
シュミンケの新色“ランダムグレー”を使ってみた。説明書によると、パステルの製造過程で出る様々な色の削りカスをあつめて精製して透明水彩絵の具にした新色とのこと。いろいろな色がランダムに混ざっているので合わさってグレーっぽく見えるが、塗ってからよく見ると、たくさんの色が浮き上がってきて複雑で味わい深いグレーになる。掃除機で吸い取ったチリやホコリがグレーに見えるのと同じ原理。チリやホコリは顕微鏡で見ると実にカラフルなのだ!濃度、水との兼ね合い、流し方などによって
毎月第1・第3水曜日の午後、第2・第4水曜日の午前・午後は、デモンストレーション・デー。今日は久々に自然の景色。山の狭間の家を描いてみよう。イタリア、ドロミテのコルバラからミズリーナ湖に向かう途中のバスの中から撮った写真。《StepbyStep》ファーストウォッシュは雲と中景の山々。遠くの山は、薄く描くのではなく白濁させた濃い色で一気に流し込む。この場合は遠景を先にほぼ作っておいて、フォーカルポイントとなる家周辺を描い
“描き込み”について思うことを再度挙げておこう。“描き込み”というと、とにかくキッチリ全部描くことだと思う方が多いだろう。でも、私はそうではないと思う。では、“描き込み”とはどういうことなのだろう。よく、デッサンを描いている人が『描き込んだら真っ黒になっちゃった。』と言ったりするし、水彩画でも『描き込んだら汚くなっちゃった。』なんて言っているのを耳にする。本当にそうなんだろうか?私は、“描き込み”とは、“作品の完成度を上げる”ために画
私がスケッチに行って最初にすること。まず、描きたいところ描きたいものを探し、場所を決めた後、1.太陽の位置(影の方向)の確認2.自分の視点の高さ(水平線)の確認3.“どう描かないか”(演出)の確認そして、最終的な完成イメージを思い浮かべる。この三点を欠かさず確認してから構図を決めて描き始めるが、場合によってはこの三点が最初にあって、その条件にあった場所を探すこともあったりする。※この図版は、“ハードエッジとソフトエッジ”(2019年3月4日)
影の形を侮るなかれ!影(影法師)には必ずその影を作る本体がある。当然だが、その形があってはじめて影ができるのだから、影はなんとなくのカタチではない。その形や光の方向を意識して影を描くことで光や空間の表現が飛躍的に現実味を増すだろう。例えば、影法師の効果が有効なのはこんな時。とりわけ、逆光は影が面白い!もうかれこれ15年前の2回目の個展で出展した作品。なつかしい…。モチーフの形・質、光の方向・強さ、目の高さ、台(地面)の形状・・・いろいろな要素を考慮
大谷翔平選手も、井上尚弥選手も、これ以上ない程の結果を残してスーパースターに上り詰めているが、そこまで行くまでのプロセスがあっての結果であることはご存じの通り。※世間では、“努力の結実”などと言われるかもしれないが、それより前に“好き”だからこそやってきた結果だと思うので、“努力”嫌いの私としては、安易に“努力”などという言葉を使うべきではないと思ってはいるが…。では、美術の世界ではどうだろう。結果重視か、過程重視か。描き方から始めるか、観察から始
毎月第一木曜日は屋外スケッチデー。今日は画塾から2駅、北山田駅から徒歩3分の山田富士公園で梅林を描くことにした。昨年始めてスケッチに来て、思いのほか“穴場”だったので、開花の情報を得てさっそく来てみた。横浜市営地下鉄グリーンラインの北山田駅からすぐの山田富士公園の中に梅林がある。今日現在で、だいたい8分咲きと言ったところ。花にはメジロが何羽も寄って来ていた。人が少ないのでベンチを使っても迷惑になることはない。曇りで多少風はあるものの、
さて、今日のテーマは、わかればできるのか?…というお話。ある塾生との会話塾長『極力筆数を少なくして、いっぱつで決めた方が色の鮮度が上がって生き生きしますよ!』塾生『わかってるんだけど・・・できないんだなぁ。』塾長『すぐにはできなくても、その意識があれば…。』塾生『意識はあるんだけどなぁ…。』塾長『じゃ、あとは練習するだけですね!』塾生『え?すぐにできるようになる方法はないんですか?』塾長『・・・。』書
私は、講評会はとても大切だと思っている。横浜画塾のある日の講評会風景(現状10人一クラス)一番の理由は、一堂に並べた瞬間に、自分の良いところ、悪いところ、やってきた方向性、これからやるべきことを一瞬にして、直感的に“体感”することができるから。そして、もうひとつ、他の人の作品の良いところ、悪いところ、どんな人で、なにを求めている人なのか等を“体感”できるから。それは、つまり、自分の作品を客観的に冷静に見直すいい機会であり、“観賞”する目
このブログでも、「“上手い絵”と“良い絵”は必ずしも一致しない」と再三言ってきたし、「技術は後からついてくる」とも言ってきた。【関連記事】「“ヘタクソ”について」「技術は後から」ポール・セザンヌ“リンゴとオレンジのある静物”1895-1900年私は、セザンヌの絵について「いいなぁ」と思ったことはあるが、「上手い!」と思ったことはない。また、村山槐多や岸田劉生は「目が腐る」とさえ思う。美術史的に、あるいは作品価値的に高い評価の作品であっ
毎月第4金曜日は渋谷ファッション&アート専門学校公開講座のデモンストレーション・ワークショップ。午前の部デモンストレーション作品午後の部デモンストレーション作品《午後の部》キューバ・ハバナののんびりした昼下がりの裏道。陰を追うことで白壁を活かして描いて南国らしい光を描いてみよう。共産圏の国ではよくあることだが、Googleストリートビューでは目的地まで入れないようだ。私の撮った写真。赤枠で切り取