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なぁ視点空港の到着ロビー人の波に流されそうになりながら、私はきょろきょろと周りを見渡していた。──三か月ぶりの再会。こんなに待ち遠しかった日って、今まであったかな。緊張と嬉しさと、ちょっとの不安。全部が混ざった気持ちを胸に抱えて、ゆうちゃんを探していた。すると、少し先で、スマホを手に立っている女の子と目が合った。あの目。あの髪。あの、ちょっと不器用そうな立ち姿。ゆう「……なぁちゃん?」なぁ「……ゆうちゃん!」
なぁ視点緊張して朝めっちゃ早く起きてしまった…10時に下に集合だから9時に起きたらいいくらいだったのに現在時刻、6時半…しょうがないからシャワーを浴びて、ゆっくり準備を始めるなぁ「髪型よし、メイクよし、あとはー」なぁ「どのくらい気合い入れたらいいんだろ」クローゼットに並ぶ服を眺めてはや20分、ピピピッツ10分前のアラームが鳴るやべっ急いで着替え、鞄を手に部屋を出た下につくと
みおん視点付き合って、ちょうど一か月。早かったような、長かったような。いや、本当は…まだちょっと、実感がわかないまま過ごしてる。今でもふと、「これって夢じゃないよね?」って思うことがある。もぎ「みおーん、こっち座って〜」スタジオ撮影の休憩中。小さなソファにちょこんと座る茂木さんが、手を広げて私を呼んでくる。私のほうが年下なのに、甘えられてる気がして、なんだかくすぐったい。おん「もぎさん、ここ狭いよ…?」もぎ「え〜
私を焦がす、甘い後輩5浴室の扉が開く音が聞こえた。香里奈が、お風呂から上がってきたのだ。まゆは、リビングへと続く廊下から、香里奈の姿を目で追った。そこに現れた香里奈は、意外にもパジャマを身につけていた。それは、ゆったりとしたコットンの、ごく普通のルームウェアだ。まゆが今着ている、透けるようなレースの下着とは対照的だった。「…香里奈は、パジャマなのね…」まゆは、思わず呟いた。自分の声が、少しだけ恨めしそうに聞こえたのは気のせいだろうか。まゆの視線に気づいた香里奈は
香里奈の予想外の反応と、その言葉の重みに、荒木は一瞬固まった。しかし、次の瞬間、彼の顔にはそれまで見たことのないような、興奮した、楽しそうな笑みが浮かんだ。「へえ、香里奈って、そういうとこあんのな!」荒木は、ニヤニヤとしながら、興味津々といった目でまゆと香里奈を交互に見る。彼にとって、二人の間に流れる禁断の空気は、まるで手の込んだミステリー小説か、あるいはスリリングなゲームのようだった。「なんか面白そうじゃん。まゆさん、香里奈のこと、どう思ってるんですか?」荒木は
夜が明けるまで香里奈の猛攻は止まらず、まゆはぐったりと疲労困憊のまま、なんとかベッドを這い出した。全身に残る甘い痛みとけだるさに、足元がおぼつかない。昨夜の記憶が鮮明に蘇り、香里奈を見るたびに顔が熱くなる。重い体を引きずり、会社へ向かう。いつもならもっと早く到着するはずが、電車の時間ぎりぎりになってしまった。オフィスビルに入ると、冷房の効いた空気が、火照った体にひんやりと心地よい。しかし、その涼しさも、まゆの頭の奥でくすぶる情欲の熱を冷ますことはできなかった。エレベーターホールで、ふ
私を焦がす、甘い後輩1noteで1から14話まで無料公開中まゆと香里奈は、職場でいつも一緒にランチに行くほど仲が良い。香里奈は、仕事でもプライベートでもまゆを「憧れの先輩」として慕っている。まゆもまた、ひたむきな香里奈を可愛がっている。ある日の仕事帰り、二人は連れ立って居酒屋へ。和やかな雰囲気の中、香里奈はまゆにお酒を勧める。いつものまゆなら控えるはずが、香里奈の無邪気な笑顔につられて、ついつい飲みすぎてしまう。まゆの意識が朦朧としてきた頃、香里奈はそっと会計を済
光降る魔法の森。貴方がここで出会うものは、目が覚めたら手の平からこぼれ落ちてゆく白砂のように儚いものかもしれない。苦労してどんなに詳細を書き綴ろうと思い出と記憶は減衰していき、月が消えていくように意識は無意識下へと姿を隠す。──────────────────裕唯はいつもと同じ私室、安い賃貸の白天井を仰ぎ見て朝が来たことを認めた。そして、泣きたくなるほどの強い恋慕の気配を感じて首を傾げた。何か、大切な存在が頭から抜け落ちたような虚無感。そして同時に、かつて自分は仕事に追い込まれ、
パーティも終わりを迎えた。あんずは人々を元の世界へと笑顔で送り出し、瑞美鈴と裕唯は集った動物達と後片付けを始めた。「千秋。」「……お姉様。」眠るチハルを撫でる千秋の隣に祈織は腰掛けた。「貴方には沢山心配をかけたわ。ごめんなさい」「いえいえそんな!!私こそいつも強引なところがあるというか、いつも猪突猛進というか……!!」分かりやすく狼狽える千秋を見て、祈織は優しく千秋の頭を撫でた。「私、貴方と正面から向き合ったこと……無かったかもしれない。」「何言ってるんですかあ。そこが私の好き
「一人でいる時間は、好き。自分と向き合えるから」そう言って空を見上げる祈織を、スミレは彼女の膝の上で喉を鳴らして見ていた。「あなたは、どう?私とずっと一緒にいると退屈でしょう」「……にゃあ」1つあくびをして誤魔化して、また彼女の膝の上で微睡んだ。退屈を感じることは無い。こうしている間は自然と祈織の考えが読めるから。今は数刻前に読んだ小説の余韻に浸っている頃だろう。そして最終的に人間とは、という所まで思考を飛ばしている。いつからか、祈織とは思考を共有しているような感覚があった。人と猫
雨上がりの高い空。湿った土と紫陽花の香り。そんな中、チハルの湿った鼻は千秋の残り香を嗅ぎ分けては無我夢中で追いかけていた。千秋───チハルの最愛の飼い主は、大事な”お姉様”を捜すと言って家を出てから数日が経っていて、千秋の母に預けられたチハルは、いつもの宅配のお兄さんが来た隙を狙って外へと飛び出したのだ。「こら!!」なんて声が後から追いかけてきたがそんなことは知ったことか。いつもいる人がいない、当たり前だった温もりが離れてしまったというのにチハルは1日以上『待て』が出来たのだ。
愛しい人の声が聞こえた気がした。千秋は反射的に振り返る。「千秋」「お姉様……!!」もう一度自分の名前が呼ばれた千秋はいても立ってもいられずその人に駆け寄り抱きついた。しかしその人が示したのは拒絶だった。「どうしてここにいるの……私の知らぬところで使命が歪んでいる……?森を破壊するのは……貴方なの……?」「祈織お姉様……」「その名を呼ばないで!」祈織は千秋を振り払い、背を向けた。しかし、千秋にはそんなことはどうでもよかった。目の前に祈織がいる、それだけで満たされる心
本日2回目の投稿です。約20年前、図書館司書の彼女とお付き合いをしていた時、お勧めの本を教えてもらった。三浦しをん、江國香織、西加奈子と名だたる方々。わたしは当時、小説があまり好きではなく、自己啓発本やエッセイを好んで読んでいた。そこに是非とも読んでほしいと、田口ランディの『コンセント』を勧めてくれた。率直なところ面白いと思い、続けざまに『アンテナ』『モザイク』も読んだ。そして女性同士の恋愛小説を書く、中山可穂の本もいいよっていうので、『白い薔薇の淵まで』『猫背の王子』『花伽藍』『サ
★★★★「椿と悠」「友達未満」「変温動物な彼女」「いいよ。」女性同士のピュアな関係を描いた4話収録の短編集。いわゆる百合小説と呼ばれるジャンルだが、友達以上恋人未満の彼女達の言動が初々しくてとてもキュート。どの登場人物も一途に相手を想い、嫌われないように手探りで少しずつ距離を縮めていく姿が愛おしい。近年ようやく世の中にLGBTQが認知されるようになって来たけれど、まだ偏見の目で見られる事は多いと思う。でも彼女達の純粋さは何よりも尊い。好きな人に好きと言える世界が当たり
この星は壮大な愛の実験施設である───そんなことを云う学者がいた。この場合、愛を何と訳すべきなのかは定かでは無いが、きっとそれは私……これを読むあなた自身でもある……と訳すのが正しいのだろう。どんな命も、初めは愛という性質を持っていたはずである。そこで多種多様なエネルギーをもつ存在、異なる概念、形、種族……そういったものが間接的に『自分は何者なのか』ということを引き出してくれる。その場合、愛で始まったはずの個人の性質は愛で終われるのか、ということだ。果たして愛とは自然発生的な変
国内でも有数のお嬢様学校。その昔、千秋はそこに通っていた。広くてよく手入れのされた中庭の片隅か、少し黴臭い静謐な図書館。そのいずれかが千秋の居場所だった。───否、厳密に言えばとある上級生の隣こそが千秋の居場所だった。「先輩。私を貴方の妹にしてくださいませんか」父の大手取引先社長のご令嬢。「くれぐれも失礼のないように」と両親に釘を刺されて出会った、幼少期からの仲。どこか遠い存在で、陰があってどうにも気になるひとつ年上の先輩。千秋はその人を追って同じ私立の女子高に入学した。そこ
「ねえ、あんずさん」裕唯は昨日からあんずの様子がおかしい事に気づいていた。何も無いところに目線を投げたり、他のお花の世話を放り出して枯れた紫陽花を懸命に観察していたり。今もぼうっと鬱蒼とした森の奥を見つめているあんずに声をかけても特に返事はなかった。「あの……あんずさん?」だらんと下ろされた腕に縋るように手を伸ばす。何故かそうしたくなった。裕唯は希死念慮に苛まれていた時に差し伸べられたあんずの手が温かいことをよく知っている。その柔らかな眼差しが冷たくなった心を溶かしてくれるこ
「驚いたでしょ、狭くて」『でも、一人暮らしでしょ?充分じゃない?』「下ごしらえくらいだから、座っててもいいよ?」『一緒にやりたいの』「……何それ」『……せっかく、二人なんだから」』୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧「そしたら、食器の出してもらえるかな」『隣にいたいのに』「ワガママ言わない」『えっと…?』「大きめの白いお皿と、小分けのやつ」「これだよ」『―――!』「……なに、意識してんの」model❤️汐音-しおん-https://twitter.c
ひみつの花園〜美少女たちの饗宴:百合小説集(愛欲書館)Amazon.co.jp:ひみつの花園〜美少女たちの饗宴:百合小説集(愛欲書館)eBook:貴島璃世:本Amazon.co.jp:ひみつの花園〜美少女たちの饗宴:百合小説集(愛欲書館)eBook:貴島璃世:本amzn.asia(こちらはプロモ用の表紙です)満月の夜。月がわたしを淫らに狂わせる。(青い月の女)同棲している彼氏が一泊の旅行へ出かけることになった。「寂しくないように、君の後輩を呼んだらいい」
意識が行動を形作るように、無意識が人格を形作るように───(私は、何によって形作られるのだろう。)そんな些事なことを考えている。失われた記憶、存在するかも怪しい私の過去。殆どの人間に生まれた時の記憶が無いように、私にもこの森に来る以前の記憶が無い。……かといって赤子のように純粋無垢かと言われるとそんなことは無い。明確に存在する私の心の闇に蓋をするように私はこの森を『観』るのだから。先日の1件から明けない夜を体現してしまった魔法の森は始祖の精神状態を表す。──
こんにちわんだほーい!食べるのが好きなのに少食だからたくさん食べれないのがもどかしい、めろんです😌うーん今回の挨拶、なんかパンチ弱いな…(小声)あーあ私が大食いだったら食べ放題とかで元取れるんだけどなーしゃぶ葉とか私がいっぱい食べれないからお母さんが一緒に行きたがらないっていうw(たまにお母さんと一緒にご飯食べにいくんです)お酒というか飲み物自体?もいっぱい飲めないんですよねお腹タプタプになって苦しくなっちゃうカラオケ屋とか行くとたまにお酒飲み放題プランがあるじゃないですか
「あれ?瑞美鈴さん?瑞美鈴さん??」真っ白になった視界からようやく目が慣れてきた。繋いでいたはずの手がどうにも寂しくて、無意識に開いたり閉じたりしながら辺りを見回した。目の前は無機質な都市、振り返れば寂しげに佇む小さな雑木林がそこにあった。既に入口は閉ざされていて、待てど暮らせどはぐれてしまった瑞美鈴は出てこない。──仕方ない。だって「だって、お花さん……枯れてたもん」なんなく予感はしていた。瑞美鈴とはぐれてしまうこと。それでも自分は光の中へ進まなくてはならないこと。そして自
脚本家・壽倉雅(すくら・みやび)でございます。普段脚本をメインに書いている私にとっては、小説の執筆は数少ない機会です。脚本として書いた作品をノベライズ化する形で執筆したことはありますが、1月から執筆し、2月に書き終えた百合小説『私と先輩のキス日和』は、初めてのオリジナル小説書き下ろしでした。私と先輩のキス日和(壽倉雅)-カクヨム10年ぶりの再会から始まる小説家の先輩と編集者の後輩によるガールズラブkakuyomu.jp実はこの作品を脚色し、脚本という形で書き直しているので
昔、朝鮮のとある王国に、美しき姫がいた。名をヨニといい、優しく聡明な娘であった。ヨニがまだ幼い頃、王宮の庭で傷ついた白い狐を見つけた。狐は息も絶え絶えで、真っ赤な血が白い毛皮を汚していた。ヨニは哀れに思い、自らの衣で狐を包み、こっそりと王宮の奥にある小さな部屋で手当てをした。「大丈夫よ。私が守るから」その言葉に応えるように、狐は震える身体を寄せてきた。夜が明ける頃、狐は一人の美しい女性へと姿を変えた。長い黒髪に白い衣をまとい、瞳は月の光のように妖しく輝いていた。「私はホラン。クミホよ」
・幸福の戦士、全員集結!「このまま飛び出していけば、俺まで幸福を奪われちまう。」そう感じた伊吹は、ひとまずその場を立ち去った。巨大な不幸の残骸が莉子の方に向かって近づいてくる。「あんた、莉子まで襲おうとするんじゃないわよ。」莉子が後ずさりする。その時、何者かの強烈な攻撃が不幸の残骸に当たり、不幸の残骸が倒れる。「デストロイア様!」、と莉子。デストロイアは黙って不幸の残骸の不幸だけを手から吸収する。「かなり集まったな。引き続き不幸集めを
高いところは好き?嫌い?▼本日限定!ブログスタンプあなたもスタンプをGETしよう今日はレインボーブリッジの日だそうです東京に住んでないので、いつか行きたいですねおはようございます(∩´∀`)∩今日の更新情報はこちらレモンペッパー味のからあげくん美味しいんですよ(=゚ω゚)ノ/もちっぱちの近況ノート-カクヨムこんばんは熱中症になっているのかただのお疲れもーどか頭がふわふわ中・・・・・・目が重くなってます眼鏡の話ではないですよ眠いんです140文字小説を3
・幸福の象徴その日、恵理はほのかの家に遊びに来ていた。幸い、今日は家に両親がいないため、恵理がほのかの家に遊びに来たことを知られる心配もない。「お邪魔します。」、そう言って恵理が家に入ってきた瞬間、ほのかの母の峰子は「しっかりししてそうな子ねぇ。」と心の中で思った。と同時に彼女が何らかの悩みを抱えているだろうということもすぐに理解した。というのも、彼女の瞳の奥は純粋な輝きを放っていなかったからだ。目というのは不思議なもので、人間の心の中の素直な気持ちがありのままに瞳に反映されてしまう
なぁ視点私とゆうちゃんは遠距離恋愛中お互い仕事は忙しいけど、毎日電話もして、お手紙も送って、いい関係だと思うなぁ「もしもし!」ゆう「もしもし、今時間大丈夫?」なぁ「もちろん、もうお仕事も終わったし」一日ぶりの電話でにやにやしちゃうなぁ「ビデオにしてもいい?」カメラをオンにしたけど、ゆうちゃんからは反応がないゆう「今日はお仕事早めに終わったの?」なぁ「そうそう、今日はラジオなかったから」そんな感じでいつも通り1
・2人の約束最高のカップル「ほの×えり」今は定期試験1週間前。ほのかたち3組は、4時間目は情報の授業だ。前半は誹謗中傷に関するビデオを見て、後半は各自テスト勉強をして良いらしい。去年の夏頃、ネットの匿名掲示板アスカ・プラネットに書き込まれた誹謗中傷によって有名アイドルグループAcidboysloveの1人、一之瀬鈴が亡くなった件に関して、誹謗中傷を行った加害者に対して取材を行うというのがビデオの主な内容だった。「去年の夏、一之瀬さんが金州区のマンションの10階から飛び降りたという
・未来から来た少女あの事件の後、ほのかは恵理に今まであったことを全て話した。恵理はほのかの話を最後まで静かに聴くいていた。話を終えると、ほのかは静かに呟いた。「怒らないの?」「そりゃぁ、私にも言えないことがあるのかと思って、少し引っかかったけど、何か事情があるんだろうと思った。それに、ほのかに何かあった時は私が守ってみせる。」恵理もまたほのかが意識を失っている時にあった出来事を話した。ほのかがその話を聞いて驚きを示したあと、2人は顔を見合わせて笑いあった。