ほつれるを観た。監督は演劇界の俊英(29歳!)らしいが見事な作品だ、と言うより素晴らしいカメラと音声だ。浅ピントと横パン横移動多用の上に、アスペクトはまさかのスタンダードだが、冒頭列車内の移動からそのクオリティの高さに画面に引き込まれる。撮影/中島晶太とグレーディング/大西悠人は100点満点の仕事だ。物語は予告編が全て。男の未練がましさ、女の切り替えの早さとズルさ、そして後先考えずに感情を吐露してしまう愚かさなどを克明に、しかも最小のセリフと仕草で見事に描く。正妻:安藤聖が完全な背中芝居で、自分