「なぜ日本人は、こんなに高い金を払ってドイツ製の機械を買わなければならないのか」手術室で抱いたその悔しさが、一人の産婦人科医の人生を変え、日本をカメラ大国へと押し上げることになります。キヤノンの初代社長、御手洗毅。彼はもともと、北海道大学医学部を出て病院を開業していた、順風満帆な産婦人科医でした。しかし、当時の医療現場はドイツ製品の独壇場。顕微鏡も、記録用のカメラも、最高級品はすべてドイツ製であり、その価格は「ライカ一台で家が一軒建つ」と言われるほど高額でした。「日本人の手で、ドイツに負けないカ