だから目の前のことを基に判断して、田んぼを預けて、土地を預かって小作をする人が多い。特に天地は三十年すると変わってしまうという。世の中と同じように変化して年が過ぎるとともに人も入れ替わり、他の人からまたほかの人の手に渡り、今も昔から同じ土地を耕す百姓は極めてまれである。開発した持ち主がそのまま持ち続けるのも少なく、かつ百姓の田地二十石以上百石あまりを持つものは、一割も存在しない。人を雇って馬を使って、自作しても割に合うものではない。小作に預けて他人にやらせて米を受け取る、そのうち」年貢を集める役