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シンシャン村を攻めるため300騎の馬賊が集結する中、軍服姿の将校が春雷に声をかけてきた。四頭目の麒麟(チリン)である。麒麟「総攬把が一千元で買った壮士はおまえさんか」春雷「はい。俺は李春雷、あんたは」麒麟「チリンだ。官軍の顔を立てなきゃならんからこんな格好で来たが」春雷「官軍の顔をたてる?」麒麟「俺たちの馬賊は官軍に帰属している。俺は交渉役で軍費の掛け合いに行ったら金と一緒にこの軍服を渡されてな。まさか総攬把に着せるわけにもいけず・・まあせいぜい目立ってやるさ」
白猫(パイマオ)と別れて春雷はシンシャン村へ下見に向かった。途中で大樹の根元にうずくまる老婆を見かけ馬を降りて近づいてみた春雷「白太太か?まさかこんな所で・・」白太太「通りすがりの壮士が、かつて親しく知った顔に見える。さて・・汝は李家の春雷というたな。春の雷で春雷。おまえは強い名をもろうて幸せじゃ」春雷「おふくろはどうなった、春児は、玲玲は!」白太太「よう尋ねられたものよ。母と兄はとうに亡くなった。春児と玲玲は達者に暮らしておる」春雷「どこにいる!どこでどんな風に暮
張作霖と春雷の人物像ができたところで、次に登場する人物を本文前に紹介白猫(パイマオ)張作霖の馬賊のNO3好大人(ハオたいじん)NO2の副頭目にして豆腐屋との二刀流ではその夜春雷は故郷の村から逃げ出す自分を弟の春児と玲玲が追いかけてくる夢を見た春児「行かないでおくれよ雷兄ちゃん(しがみつく)」春雷「(懐から一枚の硬貨を出して握らせて)この金で春を待つんだ。兄ちゃんが帰ってくるまで」春児・玲玲「兄ちゃん!」二人を振り切ろうとする春雷に張作霖の声がかかる
龍玉を手に入れた二人は一昼夜馬を走らせ奉天の根城へ帰って来た。活気にあふれた街で民衆が「白虎張お帰り!」「総攬把お帰んなさい」と声をかけてくる様子に春雷は驚いている。馬を降りて家の中に入る。張作霖「春雷、道々考えたんだがな・・この龍玉のあるじは俺じゃないかもしれん」春雷「今更何を仰るんで。あんたの体は砕けずにそうして龍玉を抱いているじゃないか」張「占いの婆さんは俺が天下を取るとは言わなかった。満州の王になると言ったんだ。だったらめでたく紫禁城の玉座につくのは俺がくたばった後に龍
ちょっと前に放送されたWOWOWの浅田次郎特集で、唯一エアチェックした「ラブ・レター」を鑑賞…約26年前の旧作だったが、WOWOWでは今回が初放送。実は公開時に鑑賞している…はずなんだよな。当時、新宿の金券ショップで招待券がバカ安で売られていて…それを買って見た記憶があるんだけど、どんな映画なのか覚えていなくて、この機会に再鑑賞しておこうと。ちなみに、今現在、Amazonで通常購入できる商品ページ(あの頃映画松竹DVDコレクションラブ・レター)のジャケ画像がなぜかVHSのものなので、中古
龍玉のうなり声が続く中、二人は奥へと進んで行く春雷「俺はこのためだけに一千元で雇われたんですかね。バラバラになったあんたの体を奉天の奥方や子供に届けて『総攬把はバクチに負けました』とでも言うんですかい」張作霖「ハハハツ。(振り返り春雷の鼻先に松明を向けて)いいか春雷。俺は満州の民を飢えから救う自信はある。龍玉なんざいらねえ。だが俺が満州を苦労のない生活ができる土地に変えれば、人々はこぞって長城を超えてやって来る」春雷「つまり、満州だけを変えても意味が無いと」張「そうだ。自
文藝春秋上巻2019年12月第1刷発行351頁下巻2019年12月第1刷発行348頁江戸260年の泰平の世の間に積もり積もった借金はなんと25万両とんでもない負債を知った長男はショックで急死丹生山松平家12代当主は、おつむの弱い次男、病弱な三男を飛び越えて庶子の四男・小四郎に後を継がせて隠居すると密かに「大名倒産」の準備を進めます何も知らず丹生山松平家13代当主となった松平和泉守信房(小四郎)、21歳糞がつくほどの真面目さ、誠実さを武器に、なんとか倒産を
張作霖と春雷は雪の中馬を走らせ、清国の祖ヌルハチを祀る山の裾にやってきた。参道の入り口の下馬碑の前で馬を止めて張作霖「(下馬碑を見て)春雷、字は読めるか」春雷「聞くだけ野暮ってもんですよ。だが「下」と「馬」って字はわかります」張「俺よりはましだな。ここで馬を降りろと言うわけか」二人は馬を降りて雪の降り積もった参道を歩き出す春雷「ヌルハチ公の墓参りに来たんですかい」張「いや。おまえは龍玉の伝説を知っているか」春雷「代々の中華皇帝が持っていた王者のあかしって
馬賊の浪人市場に壮士たちが馬を連れて集まっている。ひと戦30元が相場とされる中で銃の腕をあげ百元壮士となった李春雷に白い皮大依(かわおおい)を着た張作霖が子分を連れて近づく。彼は「白虎張(パイフーチャン)」と呼ばれる馬賊の総攬把(そうらんぱ)である。張作霖「(春雷の馬をなでて)これはお前の馬か」春雷「ああ」張作霖「拳銃を見せてくれ」春雷が銃を渡すと手にして確かめる張作霖「いくらだ」春雷「銃は売らない。おまえさんのモーゼルと引き換えでもな」張作霖「銃の
単語登録のやたらと多い人物紹介を終え、いよいよスタートです。浅田次郎原作「中原の虹」第一幕龍玉を継ぐ者第二幕満州の風に聴け第一幕』龍玉を継ぐ者オープニング暗闇の中、白太太が張作霖の卦をたてる声がする『貧しき流民の子、張作霖よ。汝は遠からず百騎の兵を率い、やがては五十万の軍勢を養う大元帥となるであろう。恐るるでない、虎のごとく野を駆け行けば出会う者は皆ことごとく汝を怖れ、崇め、服うであろう』舞台が明るくなり大皮衣(毛皮のコートもちろ
咲ちゃんのリサイタル、あーさのツアー公演が終わりました。雪組はこれから「ベルサイユのばら」モード突入ですが、その間を架空公演「中原の虹」でお楽しみいただければと思います。浅田次郎氏の「蒼穹の昴」の続編とも言うべき「中原の虹(ちゅうげん)」は教科書でも習った張作霖(チョウ・サクリン)を主人公にした作品です。「張作霖を演じるなら和希そらさんしかいない。雪組の皆さんにも登場していただこう」と脚本にしました。では・・浅田次郎原作雪組公演「中原の虹」
連休最終日。あっという間に終わってしまったなぁ…。と言っても、ちょくちょく仕事はしていたし、何か特別大きなイベントがあったわけでもなく、いつもより少しお休みが、自由な時間が多く取れたかなぁ…くらい。皆さんはいかがお過ごしでしたか?連休は満喫できました?久しぶりに一冊の本を読み切りました。いいぜ、読書。〝おもかげ〟〜浅田次郎〜最近、長い作品を読むことが出来ていませんでした。言い訳の一つとしては、目の手術をして以来、細かい文字を読み続ける事に苦労するようになったから。元々飽き性で、一
『壬生義士伝』浅田次郎著2002年9月10日文春文庫第一刷発行はい、皆さまごきげんよう。ご訪問くださり、ありがとうございます。感謝、感謝、感謝。当方、今世では一度も結婚したこともなく、地球人の親になったこともないのですけど、この小説作品は凄すぎました。第13回柴田錬三郎賞も受賞しています。人の子の親になった経験を今世で味わっている人は、当方の3倍以上感動すること間違いないと思います。家族
蒼穹の昴('22年雪組・東京・千秋楽)Amazon(アマゾン)自宅で見ました。連休なのでおうち時間長いです。浅田次郎原作の小説を舞台化した作品です。NHKでもドラマになりました。DVDNHKドラマ蒼穹の昴全8巻Amazon(アマゾン)時の権力者西太后は先帝亡き後甥の光緒帝を3歳の時擁立。親政を開始した光緒帝は度重なる敗戦、国力の衰退を嘆いて27歳時「戊戌の変法」と呼ばれる改革を行おうとする。西太
☆久々に見応えの有る時代劇ドラマを観た、浅田次郎が原作の小説を実写化したものである(^o^)細かい時代考証など考えると話が面白く無くなるから、敢えてそれには触れずにおきましょう(^_^;)主人公の的矢六兵衛を演じたのは渋さ満点の吉川晃司だが、ほぼほぼ無言の演技は大変だったろう(^_^;)主人公が全く喋らぬ分を喋りまくって補ったのが尾張藩士加倉井隼人役の上地雄輔、勝海舟役の寺島進などもやたらと喋りまくってましたねぇ(^o^)他にもなかなか個性派の俳優揃いで西郷隆盛役を竹内力、大村益次郎役
ゴールデンウィークが始まってこんな田舎町でも…それなりに人混み散歩を兼ねて図書館へ読み終わった本を返却海老名市の図書館には一冊しか蔵書がなかった早く返さないと待っている人がいるかもしれない「武士の家計簿・磯田道史著」「加賀藩御算用者」の幕末維新次に読む本…思いついて…借りた浅田次郎の「大名倒産」最後のページ…浅田次郎との対談対談相手が磯田道史だった帰りはバス…空いていた…ラッキー中を改めると…寄贈の文字誰かが買って…図書館に寄付をした
二幕を書き終えました。小説では3巻、4巻にあたります。書きたい場面、台詞が満載でどう絞っていくか悩みます。ラストエンペラーで有名な幼い愛新覚羅溥儀が登場します。幼い皇帝には春児が付き添っています。春児は40歳近くになっています。状況の変化が目まぐるしく理解しきれずこれでいいのかと思うばかり。広すぎる中国という舞台に恐れ入っています。西太后が「光緒帝は日本に習って改革しようとしたけれど、この国は日本ほど小さくなく、民も多く小回りがきかなかった」と言う場面がありま
浅田次郎さんの「王妃の館」を読んでいたら、おもしろいセリフがありました。「あらゆる職業中、断然の長寿を誇るのは坊主である」つぶやいているのは、なんと森のねぐらへ帰るカラスというから、ふざけた話です。一方、「最短名は小説家に違いない」とも。もちろん、浅田次郎さん特有のおふざけです。「お坊さんと小説家の共通点は、どちらも運動不足気味。違いは、仏様に帰依する者と神仏に祟られている者」この差は大きい。それならば、小説家が仏門に入ったら寿命はどうなるか。僕が知っているのは一例だけです。瀬
旅のお供は決まって歴史小説。今回は久しぶりに続きものじゃなく読み切りタイプ。ですが、シリーズもので全6作品ある中で、今回は特に好きなシーンがふんだんに盛り込まれた一冊。そして、大好きだった張作霖が爆死する回でもあるみなさまこんにちは!家でも職場でもない第三の大切な場所“株式会社THIRDPLACE”代表で、三重県津市でエステティックサロンLotusLandを経営している香月です中国シリーズで張作霖爆殺事件を扱うなんて。。。そうです。知る人ぞ知る浅田次郎作品の中国シリーズ
小説「王妃の館」浅田次郎さん2001年(集英社)映画化されたり、宝塚歌劇団で舞台化されたこともある作品です。パリのヴォージュ広場の近く「王妃の館(シャトー・ドウ・ラ・レーヌ)」と呼ばれる、その建物はかつてルイ14世が寵姫のために建てた館で今は高級ホテルになっていた。旅行会社が企てたダブルブッキングのドタバタ劇に並行して、ツアーの参加者でもある作家の北白川右京が描く「王妃の館」を題材にした新作小説の世界が展開していきます。高額ツアーの光(ポジ)チームと、格
世の中それほど不公平じゃない浅田次郎最初で最後の人生相談Amazon(アマゾン)悩める相談者たちをまずは一の刃で真っ二つ。返す刀でもうひと太刀。ばっさばっさと斬り捨てたそのあとで、そっと両手をさしのべる……。笑えて、泣けて、勇気が出る。まさに浅田ワールドの「粋」を堪能できる、ぶっちぎりの人生相談書となりました。浅田次郎フリークを自認する人には、新たな発見と感動を。浅田次郎の本を知らない人には、豊かな人生を歩むための後押しと、めくるめく世界への入り口を。文壇を
14.日輪の遺産浅田次郎再読。内容を覚えていると思いつつ読み始めたのだが、後半のことはすっかり忘れていて初読のように読めた。最後の花見のシーンなんて全然覚えていなくて、この本、途中までしか読まなかったのか?と思ったほど。終章がまた悲しい。そういう時代だったんだよね。そんな犠牲の上に今の平和があると改めて思った。またいつか読もう。
浅田次郎先生の『パリわずらい江戸わずらい』を読み返していました。その中の「続·消えた二千円札」…沖縄に続く御当地二千円札を作るなら各都道府県の候補は誰になるか!なんて、浅田先生らしい妄想のお話なのですが、埼玉県なら渋沢栄一が文句なく選ばれるだろうとのお話合いでした。それがなんと、間違えなく渋沢栄一の肖像が選ばれ、しかも1万円札です。先生の思惑は大当たりでしたが、もしかしたら二千円札の方が良かったのかもせれないなと思う次第でございます。
やーっと序章を読み終えた浅田次郎の『流人道中記』遅っ笑っ実はこの本借り物。わたし「やっと序章読み終えたよ。言葉や漢字が難しくてさ。○○が××してそれについて三奉行があーでもないこーでもないって頭悩ませてるって内容だね」貸し主「そうそう。ても○○は××してないんだよね本当は。」あれ?いまサラっとこの本の一番重要なとこ言った?言ったよね?いま言ったよね?言うなよ笑っ流人道中記(上)(中公文庫あ59-9)[浅田次郎]楽天市場${EVE
浅田次郎原作「中原の虹」を雪組で公演するなら・・・で脚本を書いております。昨日、第一幕分を書き終えました。あらためて言っておきたい。「絶賛雪組男祭り」です。馬賊のべらんめえ口調がかっこよすぎます。主役の張作霖の台詞がまた、和希そらさんの低音ボイスで聞きてえ!となります。自分で十分持ち上げて、楽しみながら第二幕を仕上げていきたいと思います。好!(ハオ!いいね!)
お父さんっこだった長男新聞を読む主人の膝に乗って広げた新聞を一緒に読む…見るメガネを外して注意深く記事を読めば一緒になって…頷く写真のある紙面では指をさしながら(*-ω-)ウンウン♪さすがに大きくなってからは…やめたやめた代わりに…本を読み始めた読めないハズの平仮名や漢字覚えるのが速かった幼い頃の習慣から本を読むのが好きになった小学校に入ると益々…本がすきになった休み時間にみんなと遊ばないで本を読んでいたので「仲間に入れないのではないか
磯田道史著「磯田道史と日本史を語ろう」(文春新書刊)を読んだ。磯田道史氏と言えば歴史学者、歴史小説作家として今や押しも押されぬ有名人。本書はその氏がいろんな方々と歴史について語る対談集。例えば阿川佐知子氏、半藤一利氏、堺屋太一氏、浅田次郎氏、養老孟司氏などなど、ジャーナリスト、小説家、学者などそれぞれの専門分野でそうそうたる方々との歴史に対する対談。日本人の起源はどこからか?から始まりそれぞれの歴史の中での政治的、社会的現象がいろいろ語られていく。中でも大衆の判官贔屓「
浅田次郎さんが好きです。おそらく、小説を読んでいて1番泣かされた作家さんじゃないかな。短編なんて読もうもんなら、それぞれの話で悶えている、そんな感じです。涙腺が弱い?それは否定しないです、最近、すぐに泣くもんね。さて、そんな浅田次郎さんの小説、好きなお話はたくさんあるのですが、今日はちと違った角度から。〝地下鉄に乗って〟地下鉄、と書いて、メトロ、と読みます。この週末、家にいる時間が長かったので、映画でも、と思ったのですが。ちょうど、今読んでいる文庫本の、文庫帯の紹介が、この作品でした。文
読書をしたい、と思い、近くのBOOKOFFで110円で買える本のうち、一番面白そうな本を買って読んだ。葉室麟の直木賞受賞作、「蜩ノ記」である。とってもよくできた面白いお話で、あんまりにもすっと読めるものだから、拍子抜けさえした。たぶんあと2回か、3回読むと気づかなかったところに目がいって、より深まるような読後感だった。物事のバランスというか、塩梅が素晴らしいなと感じた。もうちょっと歪でもいいなあと思ったけれど、昔何か他の作品を読んだときにも同じような感想を持ったので、きっとこれは作家の特性
コンニチハ名古屋旅行から戻ってきました...名古屋旅にアップとりあえず...今日から我が儘な日々の開始です今日は午前中定期健診で総合病院へ異常なしサッソク祝いの酒だぁ~は無し名古屋で鱈腹うめ~ぇ食事し続けたので昨夜は体に優しい食事内容おでん菊の酢物手羽先ペッパー味今日の午後2時の昼食はにお願いして復刻矢場味仙のアサリラーメンニンチャー野菜いっぱい病院は相変わらず大勢の老人たちで...いっぱいですもその