文と更紗。二章の途中でもう話は見えてくる。理解されない一人と一人。行き着く先は分かりきっている。作中人物の不安な感情が読者の感情となる。大人になった更紗の長い長い第三章は、不穏な展開に心が揺れ動かされ続ける。行き場をなくしていく更紗と文。もうやめて!凪良さんやめて!ってくらい。文によるネタバレ的な第四章と、更紗によるその後の第五章は短く語られ、そして終章は第一章と繋がる。一人と一人は二人になって、三人になった。世界は変わらないだろう。だけど、自分を理解して必要とくれる人がいるだけで大丈夫なのかも