ブログ記事16件
この日定時で帰宅した俺たちは、のんびりとテレビを観ながら過ごしていた。ランは俺の足元で丸くなって寝ている。テレビではバラエティ番組が終わり、何気なくそのまま番組が切り替わった。ふと画面が暗転し、不穏なBGMが流れる。今夜は秋の夜長にぴったりの心霊特集をお届けします――(……マジかよ。)身構える間もなく、テレビには廃墟の映像。ノイズ混じりの音声に、カメラマンの息遣い。「うわ、怖……!」思わず声が漏れた。「ん?櫻井くん、ホラー苦手?」大野さんがのんびりした声で聞いてくる
雨音に溶ける、八角の香り朝から降り続く雨が、窓ガラスを執拗に叩いている。潤は予定していたジムをキャンセルし、リビングで持ち帰っていた仕事を片付けていた。社畜の性は休日も抜けない。一方、智はさらに停滞していた。リビングのラグの上に寝転がり、ぼーっと窓の外の雨空を見上げている。「……潤くん、はらへったぁ」「……昼飯食ってから2時間しか経ってないけど」「雨の日は、はらが減るんだよ。……なんかこってりしたやつ、食べたい」智は寝転んだまま、潤の足を足の甲で軽く小突いた。潤は溜息をつき、ノートパ
仕事を終えて、大野さんと同じ家に帰るなんて、まだ不思議な気分だった。何でもないような顔で並んで歩く大野さんの横顔を、こっそり盗み見る。この人と同じ家で眠って、同じキッチンに立って、同じ食卓で食事して。まるで家族みたいな生活が、俺の日常になりつつある。けど、まだ俺は、心の奥でどこか緊張していた。「ただいまー。……ラン、いい子にしてた?」玄関を開けると、ランがしっぽを振ってぴょんぴょん跳ねる。大野さんがすぐに膝をついて抱き上げると、ランが顔をぺろっと舐めて嬉しそうに鳴いた。「櫻井くんに
想定内のスパイス、計算外の熱日曜日の午後、松本.潤はキッチンで戦っていた。先日の焼きおにぎりへのお礼をどうしても形にしたかった。潤にとって、借りを作ったままなのは仕事のタスクが残っているようで落ち着かない。「……よし。玉ねぎは3ミリ幅。これで加熱効率が最大化される」潤は、まるでコンサートの演出をするかのような綿密さで包丁を動かしていた。まな板の上には、寸分狂わず切り揃えられた玉ねぎの山。今日のメニューは、水を使わない「無水カレー」。素材のポテンシャルを100%引き出すこの料理は、緻密な性
目が覚めた瞬間、見慣れない景色が飛び込んできた。いつもより少しだけ高い天井。窓のカーテンから漏れる朝の光が、静かに差し込んでいる。部屋の空気も、枕のにおいも、どこか他人の家のものなのに、不思議と落ち着く。その感覚に、ようやく思い出す。「……あ、そっか。俺、大野さんの家に……」昨日は前の職場の上司からの電話で動揺していた俺を、大野さんが心配して「しばらくうちにいなよ」と言ってくれた。そのまま流れるように泊まることになって、気づけばこうして朝を迎えている。ベッドの上で小さく伸びをする
焦がし醤油の誘惑午前2時。リビングに響くのは無機質なタイピング音と、時折鳴るハードディスクの駆動音だけ。大手広告代理店でアカウントプランナーを務める松本.潤は、ブルーライトに照らされた顔を険しく歪めていた。明朝の会議までに、クライアントから投げられた無理難題な修正を完璧に反映させなければならない。「……あと、三枚」乾いた声で独りごち、冷めきったコーヒーを流し込む。胃の奥がキリリと鳴ったが、無視した。効率を重んじる潤にとって、この時間の空腹は「ノイズ」でしかない。「……まだやってんの?」
ドアを開けて中に入った瞬間、ほっと胸の奥が緩んだ。ここには、今までの緊張や不安が溶けていくような優しい空気が流れている。「おかえり、櫻井くん」大野さんの声はいつも通り柔らかくて、確かな温かさが宿っていた。ランがしっぽをふりながら駆け寄ってくる。その姿を見るだけで、俺の心は自然と和らいでいった。しゃがみ込んで、ランの毛を撫でる。ふわふわの感触に触れながら、俺の胸のざわつきは少しずつ静まっていく。「今日は泊まっていきなね」大野さんの言葉は、優しく心に触れるようでこんなにも心を落ち着かせてくれ
どうも、こんばんは。櫻井.翔です。えー、これまでこういった回はニノが担当してくれたわけですが、今回、初めて、わたくし櫻井が担当させて頂きます。よろしくお願いします。で、ごめん。本題に入る前にちょっといい?いきなり脱線でごめんなんだけども。あのー、昨日は音声なむぁはいしん.......音・声・生・配・信!本当に沢山の方々が見てくださって....見てくださって?聞いてくださって!本当にありがとうございました!嵐の近況、それこそこれから始まるツアーの話だったり、新曲のミュージックビデオの
スマホを落とたその日の終業後に新しい端末を手に入れた。新品の画面を見ていると、少し気持ちが引き締まる気がした。だが、翌朝から状況は一変した。大量の着信履歴。俺が前の職場を辞める時にブロックした、元上司からだった。今日は一日中スマホが気になって集中できなかった。でも、こんなこと誰にも相談できるはずもなくただ無視し続けた。打ち合わせが終わって、外に出ると夕暮れの風が案外冷たくて、背筋がぴんと伸びた。頭の中では資料の細かい数字がまだカラカラと鳴ってるけど、それよりも何よりも今は、スマホが
「出張のあいだ、ランがちょっと拗ねちゃっててね」大野さんが、少し困ったように笑いながら言った。「拗ねる……って、子犬が?」「うん。部屋に帰ったら、そっぽ向かれてて。ずっと玄関のほう見てたみたい。帰ってきたの、僕じゃなくて櫻井くんだと思ってたのかな」……そんなことを言うのはずるい。胸の奥が、じわっと熱くなる。「そっか……会いたいなぁ、ラン」思わずこぼれた言葉は、ほとんど独り言だった。なのに大野さんは、ほんの一瞬目を見開いたあと、すぐにやわらかく笑った。「……そんなに会いたいな
いつものオフィス。いつもの会議室。俺は胸の奥に熱がこもったままみたいに、どこか落ち着かない気持ちを抱えていた。そう。例の出張の翌朝、目を覚ました瞬間。俺は──見てはいけないものを見てしまったのだ。隣で寝息を立てている大野さん。薄い浴衣は見事に胸元がはだけ、脚元にはくるくるにねじれた帯がまるで脱ぎ捨てられたかのように転がっていた。(うわ……ほんとに帯だけになってる……)「毎回、帯だけになるんだよね」っていう笑い話は、冗談じゃなかった。「いやいやいや……」必死に目を逸らし、布団を
布団を並べて、横になった。部屋の照明を落とし、スタンドライトだけがほのかに枕元を照らしている。旅館の空気はしんと静かで、窓の外では虫の声が微かに響いていた。「……眠れそう?」布団の中から大野さんの声がした。隣で柔らかな気配が布団越しに伝わってくる。「……どうですかね。こういうとこ、ちょっと緊張しちゃって」俺の声は少し上ずっていた。部屋が暗いせいで、逆に緊張してしまう。「そっか。……でも、櫻井くんとこうしてるの、不思議な感じだね」「俺もです。まさか、大野さん
売店でペットボトルの水を二本手に取り、会計を済ませる。帰りの廊下は心臓の音がやけに大きく感じた。部屋に戻って障子を開けると、湯気の残り香と夜の静けさが迎えてくれた。布団の上。大野さんは、そのまま寝落ちしていた。浴衣姿のまま、すぅすぅと静かな寝息を立てている。頬の赤みは少し落ち着いているようだった。小さく息を吐いて、ペットボトルをテーブルに置く。そのとき、ふと視線が吸い寄せられた。まつげが長い。呼吸に合わせて胸が上下してる。普段は見せない、完全に無防備な顔。──綺麗だな。
部屋に戻ると、大野さんは「ふぅ……」と小さくため息をついて、そっと布団の上に腰を下ろした。浴衣姿のまま、座布団に背を預けるようにして、軽く目を閉じている。湯上がりの頬はまだほんのり赤くて、首筋には汗が一筋だけ伝っていた。「……やっぱり、ちょっとのぼせました?」俺がそう声をかけると、大野さんは薄く目を開けて、穏やかに笑った。「んー……ちょっとね。でも大丈夫。すぐ戻ると思う」そう言いつつも、横になった方が楽そうだったのか、浴衣のままごろんと布団に寝転がる。枕元の扇子を手に取
脱衣所に入ると、ほのかに石鹸と木の香りが混ざった空気が鼻をくすぐった。誰もいない。貸切状態のようだった。「空いててラッキーだね」そう言って、大野さんは迷いなく浴衣の帯を解きはじめた。その一連の動きに、俺は思わず目を逸らした。いや、逸らしたつもりだった。ほんの一瞬だけ、視界の端に映ってしまった、白い背中。温泉の湯気が恋しくなるくらい、俺の体温が一気に上がっていく。(ダメだダメだ、見んなって)自分を叱咤しながら、急いで浴衣を脱ぎ、バスタオルを腰に巻いた。心なしか、手の動きもぎこちない。視線を
食事の片づけが終わると、部屋にはほのかな柑橘の香りと湯気の余韻が残っていた。空になった膳を下げた仲居さんが去ると、静寂が戻る。「……そろそろ、お風呂行く?」あっけらかんと大野さんが言った。たぶん、まったく深い意味はない。ただ“食後に温泉”、という自然な流れを口にしただけ。それでも、俺の心臓はピクリと反応した。ああ、やっぱり来てしまった……この時間が。「……あ、はい。行きましょうか」表面上は冷静を装いながらも、心の中はぐるぐるしていた。(まずい。まずい、まずい。やば
「着いたねー!」タクシーのドアが開き、山の澄んだ空気が一気に車内に流れ込んでくる。見上げた旅館は、年季は入っているけれど、手入れが行き届いていてどこか懐かしい雰囲気を漂わせていた。「うわぁ……いいところですね」俺が思わずこぼすと、大野さんが横でふわりと笑った。「でしょ?こういうところ、落ち着くよね」そう言って、彼は鞄を肩にかけ、正面玄関へと歩いていく。その後ろ姿に、一歩、また一歩とついていきながら俺は心の中でもう一度だけ言い聞かせた。「……冷静になれ、櫻井。と、とにかく今
一泊二日の地方出張が決まった。それ自体は、社会人としてごく普通のことなのかもしれない。だけど今回ばかりは、俺にとって“普通”とはほど遠かった。「……泊まり」出張の予定が決まった日、デスクに戻ってから何気なくこぼれた言葉を、俺自身が妙に引きずっていた。それは別に、長時間の移動が面倒だとか、業務内容に不安があるとか、そういう話じゃない。問題は、“誰と”泊まりがけなのか。上司の大野さん。柔らかい雰囲気で、誰にでも優しくて、でも仕事では一切の妥協を許さない人。俺がこの会社に
会社に戻る途中、急な雨に降られた。傘を持ってきていなかった俺たちは、走って駅に飛び込んだものの、濡れたスーツと髪が肌に張りつく。電車に乗り込んで、ようやくひと息ついた。「濡れたねえ……この時期の雨って、すぐ乾くようで意外とじっとりするよね」隣に座る大野さんが、柔らかく笑いながら、ハンカチで髪をぬぐった。その仕草さえ、なんとなく優雅に見えるのがずるいと思う。「打ち合わせ、お疲れさま」大野さんはそう言って微笑み、少し湿った髪に指を通す。「はい。……っていうか、俺、正直ついてくだけで精一杯で
「……その話、僕、実は前にも聞いてるんだよ」「え!?」大野さんは少し照れたように、でも真剣な表情で俺を見ていた。「面接のときに、話してくれたでしょ。最終面接のとき。あのときも、同じ話をしてくれたよね」──ああ。そういえば。緊張しすぎて忘れてたけど、「なぜ広告業界に残るのか」と聞かれて、俺は自分の過去を話したんだった。「正直、あの時……泣きそうになってたんだよ、僕」「えっ、泣きそうって……」大野さんは、ゆるく笑って、「泣いたら面接官としてまずいから、頑張ってこらえたんだ
出勤二日目。昨日よりは緊張していないけど、やっぱり朝は肩が落ち気味になる。俺の肩が、じゃなくて、気分が。……いや、スーツもやっぱり合ってないんだけど。会社に着くと、大野さんは変わらずふんわりとした笑顔で「おはよう」と声をかけてくれた。昨日の子犬のことがちょっと気になってたけど、大野さんの口から先に出たのは仕事の話だった。「今日ね、水族館にクライアント訪問に行くから。準備できたら声かけて」「はい、わかりました」昨日と同じ、優しい口調。なのに俺の心臓は、毎回反応する。慣れる気配がない。
「それにしても、いきなりだなぁ……ごはん、何あげればいいんだろ」大野さんの部屋は、一人暮らしにしては広くて生活感はあるのにどこか整っていた。靴を脱いで入った瞬間に、なんとなくいい匂いがした。柔軟剤や香水じゃない。たぶん、出汁か、味噌か。料理の匂い。「俺、犬飼ったことなくて……ペットフード、今から買いに行きます?」「んー、今日は無理させたくないから、白湯とふやかしたごはんで様子見ようかな。獣医さんには明日連れてく」「めっちゃ頼もしいじゃないですか」「そうか?」そう言いながら、さっ
定時には初日の研修が終わり、帰り道が同じ方向だという大野さんと二人で駅に向かって歩くことになった。緊張はしてるけど、どこかうれしい。この人の横を歩くのは嫌じゃない。「今日は本当に、ありがとうございました。大野さんがいてくれたおかげで、気持ち的にも、すごく助かりました」「ふふ。そう言ってもらえると嬉しいな。こっちこそ、素直に聞いてくれて助かったよ」この人、やっぱすげぇ。言葉ひとつで、ぐらぐらにされる。やさしいけど、芯がある。俺がいちばん苦手なタイプで、いちばん惹かれてしまうタイプ。「…
櫻井は雑踏の中を走っていた。通行人のざわめきも、クラクションも、まるで耳に入らない。渋谷署を飛び出してからもう十数分が経っているが、足は止まらない。──智くん、どこだよ……。頭の中で、繰り返す名前。そのたびに胸が締め付けられる。スマホを取り出し、登録されている名前をタップする。すぐに発信音が鳴るが、それはむなしく空気の中に消えた。コールは続き、やがて留守番電話へと切り替わる。無意識に歯を食いしばり、再び発信。だが、結果は同じ。コールだけが無情に響き、誰の声も返ってこない。指が震えた
スーツの肩がやっぱり合ってない。鏡に映る自分の姿を見ながら、俺は朝から軽くため息をついた。シャツの襟も、ネクタイも、きちんと整ってる。なのに肩のラインだけが、毎回しっくりこない。……まあ、これは今に始まったことじゃない。いい加減、慣れろって話なんだけどな。今日は、新しい職場の初日。スーツのフィット感なんか気にしてる場合じゃない。気合いを入れ直して玄関のドアを開けると、朝の光がまぶしくて、自然と目を細めた。前の職場では、まぁ、いろいろあって……最後は正直、心折れかけてた。上司と
R18・J禁・P禁気象系アイドル赤→青←紫3人専用妄想小説部屋実在する人物・団体とは一切、関係ございません✼••┈┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈┈••✼side領見上げた空はどこまでも広がっていて………ずっと陽射しを浴び続けるには肌がヒリヒリする程の真っ青な空は、今の領の気持ちを表すには残酷過ぎるほど輝いているが……太陽に悪気がこれっぽっちもないことを領は知っているから…………〚太陽に励まされてるのかも………〛『ほょ?//』「領ぉ~!!」〚……………あ/
【渋谷署・銃保管庫】静まり返った渋谷署の地下通路をひとつの影が歩いていた。保管庫の管理官が、いつも通りの手順でログブックを差し出す。「……大野さん、確認お願いします」無言でそれを受け取り、癖のない丁寧な字で署名する。「用途は?」「熊田弁護士の件です」「……ああ、例の件ね。上にも一応、報告は……」「報告済みです。上からの許可は取ってます」一拍置いて、管理官はうなずいた。鍵が回され、厳重に管理されたロッカーが開く。中から、拳銃と弾倉が取り出され、整然とした動作でホルスターに装着される
R18・J禁・P禁気象系アイドル赤→青←紫3人専用妄想小説部屋実在する人物・団体とは一切、関係ございません✼••┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈••✼side領それは、突然だった__ガチャ……〚……お父さん!?///ぉ母さんッ!お父さんが帰ってきたよッ!!〛母[あなた?!//]ある日の午後__領と領の母親が声を荒げ、緊迫した雰囲気で向かう先は……自宅の玄関__何故、こうも慌てているかというと………出張中の父から[期間が数日延びた]とだけ連絡が入る
どうもcastella-09です。お立ち寄り頂きありがとうございます。本記事では、これまでにアップした主なお話の設定や、あらすじを簡単にまとめました。それぞれに関連性を持たせているお話もありますが、もちろん単発でも読める内容になってます。〈#1はこちら〉『これまでのお話まとめ【S×O編】#1』どうもcastella-09です。お立ち寄り頂きありがとうございます。本記事では、これまでにアップした主なお話の設定や、あらすじを簡単にまとめました。それぞれ…ameblo.jp目次F
R18・J禁・P禁気象系アイドル赤→青←紫3人専用妄想小説部屋実在する人物・団体とは一切、関係ございませんこのお話の最新話です♡『お話の案内【LíveinTruth_】〔翔→智・潤→智・影山→領〕』R18・J禁・P禁気象系アイドル赤→青←紫3人専用妄想小説部屋✼••┈┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈┈••✼お話のご案内先日、なんのお知らせもなく取り…ameblo.jp✼••┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈••✼side領元々は、幸せな家庭だった__父[今年