私は43歳の女性で、盲導犬の訓練士をしています。昨年の春のこと、18歳で突然視力を失った大学生の男性が、盲導犬との歩行訓練を希望して来所されました。生まれつきではない中途失明で、絶望感から「もう普通の生活は送れない」と涙ながらに話されていました。担当することになったラブラドールのハナは、3歳の雌で訓練を終えたばかりでした。でも男性は「犬と一緒に歩くなんて、本当にできるのか不安です」と心を閉ざしていました。最初の訓練で、ハナが男性の前に座って尻尾を振る姿を感じ取り、「この子は僕を受け入れてくれるん