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先日銘木市場で黒松の素晴らしい板を仕入れましたのでそのお話。。。↑(隠岐島産黒松乾燥床板3,000×30×1,025㎜)久々に素晴らしい肥えた黒松に出会い惚れ込んで2枚仕入れました♪この黒松珍しい事にシラタが生きておりますこのクラスの木になると立ち木の時から銘木なので松枯れ病などに掛からない限り伐採されることはありません。出品者の方に聞くと今から約15年ほど前に島根県の隠岐で伐採された黒松だそうで、他にいた数人の関係者の方も原木の時の事をよく覚えていらっしゃいました。黒松は島根
棕櫚の新木が2本入荷しましたのでそのお話。。。↑(棕櫚4,380㎜×末口約130㎜Φ)まだ毛を剝いたところで生材ですがヤシの木科だけあり繊維質なので立てかけて干せば6カ月~12ヵ月で使用できるまでに乾燥します。棕櫚はヤシ科シュロ属の常緑高木で東北地方南部~九州沖縄まで広い地域で見かけます、一説には平安時代大陸より持ち込まれヤシ科の植物としては寒さに強く定着したとされます。幹の表面は、古い葉鞘の繊維に覆われている為この繊維を取り除く作業がかなりの手間仕事になります。。。↑
乾燥時に強いねじれが出る板が時々あります、現代では高周波など矯正する方法などもありますが、今回は昔ながらの方法をご紹介します。↑(加工仕上がりサンプル)製材機で厚みを揃えるのが一般的ですがねじれが強く厚みを揃えると薄くなりすぎて地板やカウンターに使用できなくなってしまう材もなかには出てきます・・・その様な材であっても使用したい価値がある材で片方が壁などに収まる時は上面と見付面でサイズを整えて使用する方法があります。↑(ねじれ補正約5㎜)↑(裏面)溝側を電気鉋で厚みを揃えて
昨日「材に残るシミどーすれば消えますか?」と尋ねられたのでそのお話。。。↑(先週お買い上げ頂いた欅)この材は20年ほど前に解散された愛知銘協のウグイス(商品番号)が付いた良い板です、手前に水をこぼした様な跡が見て取れますのでイメージサンプルにこの写真を使いますが欅に限らず大体の木材に当てはまるお話なのですが、この様に水濡れでできたシミや夏場の氷の入ったグラスの汗シミ気になりますよね・・・この様にただの水が原因の場合たいていは木材のアクが水に誘われて表面に残っただけなのでお湯を含ませたタ
昨日の事。。。以前御山杉などお買い上げいただいたお客様にこの度は大銘理事長賞を頂いた南天などをはじめ国内外の超希少な銘木をお買い上げいただきました、今回改めて思ったのは銘木は活かして頂ける所に行きたがつているのだろうと実感しました、さて今回のお話もそんな超銘木霧島杉です。。。↑(霧島杉笹杢床柱3000×135×135完全乾燥材)霧島杉とは霧島連山一帯で産する天然の霧島杉は、大径木として知られていますが、随分と前よりそのほとんどが霧島神宮周辺の神木となり、自然倒木や枯木のみが使用でき
戸袋用杉板のご注文をいただきましたのでそのお話。。。↑(杉源平ムジ2,000×12×240乾燥材)葉枯らし材の好い色をしております、葉枯らしとは山で伐採後枝葉を付けたまま虫が入らぬ様樹皮を剥がし数カ月放置しておくことで葉から水分を蒸発させることにより原木の状態で予備乾燥を行う伝統的な技法です、メリットはゆっくりと葉から水分を抜くので木材に掛かる負担が少なく製材後の収縮が少なく割れにくい事や原木の状態で乾かすので製材後挽肌が空気にふれ黒く変色するのを抑え赤身の色艶が好くなります。↑(
先日製材した櫨をお手入れしました。↑(櫨耳付3,000×24×300w)櫨(ハゼ)はウルシ科ウルシ属の落葉小高木で主に実から蝋を採取する目的で江戸時代に琉球より持ち込まれたと伝わっております。しかし明治の終わりごろにかけて安価な西洋蝋に市場を奪われ次第に生産数も少なくなり櫨を育てる農家も減ったとされます。木材としての用途は護摩木・象嵌細工また油分が多く腐りにくい特性から漁船の網掛け(ガンネル)・魚用俎などに利用されますがウルシ科の樹木故葉に触れると肌がかぶれるので大正時代には太い木は
少し前に組子欄間と筬欄間のお話をしたと思います。。。その組子欄間を月曜日にオープンしたカフェLaLunaさんでランチョンプレートとして導入してもらいましたので組子欄間続編です♪↑(組子ランチョンプレートと50℃低温蒸し料理の前菜)欄間をカットし杉赤で枠を組みワーロンを合わせてあります。アイデアってやつですねではでは。。。
11月初めに仕入れた鳥取県産の杉を製材しました。。。↑(智頭杉4m末口60cm)鳥取県智頭町産の杉檜はよく手入れされた良材が多く個人的に好きな産地です。↑(製材機に載せて位置決め)原木を生かすも殺すも最初の位置決めに掛かっております!!↑(慎重に挽進めていきます)今回の個体は特に芯のデキがよく節が異常なまでにありませんでした♪在庫用のカウンター材にと思い製材したのですが、あまりにも良い材が次々と採れるので赤身巾が1.6尺(49cm)に達したところで厚みを75mm
カフェプロジェクトも無事完了して今週は原木製材からスタートです。。。昨日お客様からの注文材で櫨の原木を挽きました。↑(櫨3m末口32cm)今年は櫨によく出会います♪↑(黄色い赤身)さて今日のお話は櫨の瘤(バール)です。↑(櫨瘤板1m~1.5m5枚乾燥済み)長い年月水中乾燥させていたので本来なら黄色い部分もグレースケールになっていますが、削れば元の色に戻ると思います。思いたいですw↑(瘤)↑(瘤)↑(裏にも瘤)ボールペンなど小さな作品やレジンテー
歴史的建物を活用したカフェプロジェクトも無事完了し明後日2025/11/17グランドオープンとなりました。その前に、今回のお話作州桑です桑はその葉を蚕に食べさせて育てる事でも知られていますが、乾燥後の安定性と硬さ色艶など優れた面が多く木地・炉縁・家具・建築材と幅広い用途で使用される高級材です、中でも桑材で造られた襖の縁などは襖紙を引き立て部屋全体を上質な空間に見せてくれます。↑(真ん中の茶黒いのが桑)一般に伊豆七島の御蔵島が最高峰と言われておりますが、作州(岡山県美作地方)の桑も負けず
現在コーディネート中のカフェ装飾も大詰めを迎えてまいりました。今回は植栽の鉢カバーを船板で製作しましたのでそのおはなし。。。↑(船板鉢カバー)以前から付き合いのあるお洒落な観葉植物屋さんと現場打合せした時に植物屋さん「古材で鉢カバー作ったら良いかも」の話の流れで、どうせ作るなら城下町のカフェコンセプトから近くに年貢米を運ぶ船の船着場が有った事もあり船板を使ってみました。↑(船板)↑(組み立て)以前のお店で何らかのスペースであった所に鉢がすっぽりと入る穴を開けて船板で覆
兵庫県たつの市にある古い町並みが残る美観地区内で明治44年当時としては珍しい産科の病院が今も残っておりまして、カフェとして営業されていましたがこの度リニューアルして新たなる運営法人さんの下にお洒落な新スポットとして今月再スタートします、そこで今回私が内装装飾のお手伝いをすることになり現在急ピッチで進めております。何せ114年前の建物ですから長い年月の間に度重なる増改築や店舗になる度にその時々のコンセプト「病院だけど古民家とか!?」で何かしら施されていますから謎だらけの建物になっておりますので
現在、10日ほど前に紹介した本チークの長尺カウンターをワイドサンダーをお持ちの加工屋さんに出しておりまして、進み具合を見に行ってきました。↑(黒柿杢契)せっかく私Hiroが携る事ですし店舗のメインテーブルですから契を柄の好い黒柿にしてみました♪契(チギリ)とは木材の乾燥などで割れた部分がそれ以上開かない様に木材をリボンの形に切り出したものをこれ以上割れない様にしたい部分に寸分狂わぬ寸法にくりぬきそこにはめ込む伝統方法です、そしてその契の材料を何故黒柿にしたのかと言うと、古来より数万本に
リゾート事業部はオフシーズンって事で完全予約制のお休みモードですが、ちかごろ歴史的建造物を活用したカフェのスタートアップに伴うコンサルティングやらであわただしく過ごさせていただいております♪そして原木シーズンという事もあり昨夜山方さん(林業業者さん)から「櫨の原木伐採したよ~」って電話いただいたので土曜日ですが早速早朝より仕入れてきました♪↑(櫨2.6m×末口30cmΦ)地上がりによる芯腐れはありますが、どのみち芯は使用しないので問題も無くそれよりも通直で赤身の好く張った稀に見る良材で
杉柾貼りの天井板をご注文いただいたのですが・・・お客様のご希望は厚貼りでしたが、現代社会において本格的和室の需要も少ないので今はメーカーさんも厚貼りを製造していない模様でした。↑(普及品の杉貼り天井板)貼り天井板とはベニヤ板に薄くスライスした単板を張り付けたものですが、単板は極めて薄い物ですから板目なら杢落ちも少なく柄が揃いやすい事や心材がベニヤ板なのでエアコンなどの影響を受けにくいといったメリットが有ります、もっと言うと最近ではぱっと見では分かりにくいクロスも多いですが薄いとはい
先週銘木市場に仕入れに行くと、筬欄間と組子欄間が並んでいたので仕入れてみました。↑(左:筬欄間右:組子欄間)欄間には彫刻欄間の他にこの様な細工物も存在します、建物の様式や部屋の使用目的に応じて欄間の種類を選ぶと良いでしょう。では、細かく見ていきましょう。↑(筬欄間)先ず筬欄間の筬とは機織り機に使う櫛の様な桟に似ている事からその呼び名に由来します縦に細い縦格子のデザインがとても上品で玄関などに用いると空間を一層良質な物に挽きたててくれます。↑(組子欄間)次は組子
今朝のお話。。。マンゴーウッドをお求めの方からご来店予約を頂いておりまして立林場より倒して見やすく出してみました。↑(マンゴーウッド2.4m乾燥丁物)↑(杢)このマンゴー珍しく杢ありです!!因みにマンゴーウッドやニューギニアウォールナットはウルシ科でして、今日のお話はそんなウルシ科繋がりで櫨です。先日、肥えた高樹齢の良い櫨が入荷しましたので製材しました。↑(櫨2.4m末口30cmΦ)櫨は幹径が10cm程までの成長は早いのですがそこから先はなかなか育たない樹木で
朝から原木の仕入れに行っておりました。最近見かけなくなった木材を棟梁が作業スペースで加工していたのでそのお話。。。↑(ノーブル4,000×155×95乾燥材)前回の米松もそうですが数十年前は建具用材として一般に流通しておりましたが久しく見ておりません・・・ノーブルとはマツ科モミ属の北米材で安価な障子や箱などに使われておりました、加工性が良いので今回はデザインモールの塗装下地用造作材に加工しています。この匂いをかぐと子供の頃蒲鉾の板で遊んだのをおもいだします。ではでは。。。
昨日の事。。。遠方のお客様より「米松で500mm巾の材有りますかと?」お問い合わせをいただきピーラーではなく米松ってところに妙に惹かれました♪↑(米松3,000×105×740完全乾燥材)この米松、十数年前に廃業された私が「ビジネスの師匠」と仰ぐ方が営まれていた米松専門工場を廃業されるときに全量買い取った材の一部でなんとなく思い出に取っておいた特大の盤です。↑(今では考えられない740㎜幅!!)実はこの材今からさかのぼる事20年前に特殊物件で6~9mの105×600~11
こんど店舗デザイナーとして携わる事になり、使用する材料をピックアップして居りました・・・その中に数年前仕入れた本チーク(ビルマチーク)の長尺カウンターがあるのですが、まだブログで紹介したことが無い一枚なので今回はそのお話。。。↑(ビルマチーク5,700×75×730~970mm)チークとはクマズラ科チーク属のインド・タイ・ラオス・ミヤンマーなどに自生する木で樹高30m直径80cm程に育ちます、耐久性・耐水性に優れ狂いにくい事から船舶のデッキや家具・床材などに用いられウォールナット・
毎年シーズンになると原木をお買い上げ頂いているお客様用に本桜を仕入れて製材しましたのでそのお話。。。↑(本桜3,000×末口38cmΦ)本桜は山桜とか真桜などとも言います、用途は敷居や框材にフローリング、木地に家具と幅広く使われるバラ科サクラ属の広葉樹です。↑(元口)真ん中で大きく倒し割れが入りもう少し丁寧に伐採して頂きたいな~とも思いますが・・・さいわい広葉樹の割れが入りやすい方向に割れておりましたので問題ないと判断しました。因みに赤いしるしの方向で鋸を入れていき
近頃縁甲板のお問い合わせがやたら多いです、中には輸入元の企業さんまで・・・昨日もお問い合わせ頂いたので今朝は縁甲板のお話でも。。。↑(ラオス松赤柾縁甲板4,000×15×110)縁甲板とは要するにフローリングの事で、松柾の縁甲は主に日本建築の広縁や玄関ホールに好んで使用されます。その昔(昭和~平成初期)には地松の縁甲板がよく使われていましたが高価なうえにだんだんと良質な国産の松が少なくなり代替えに中国松やラオス松が輸入されるようになりました、因みにどれぐらい高価だったと言えば地松
文化財か何かのお問い合わせで台湾檜のお話が入りましたのでそのお話。。。↑(台湾檜芯去□ム3,000×105×105)以前大量に持っていましたがブームの時に完売しましたので今は後から出てきた材がほんの少し有るだけです。↑(いわゆる割材)今も良い香りがします。木出し寸法から読み解くと高欄かなにかだと思います。昔は木曾檜の代用品と小ばかにしておりましたが、古い材を多く扱ううちに曲がらず腐らず白アリも来ない超優秀な木材と気が付きました♪ではでは。。。
先週注文しておいた桧の羽目板が届きましたのでそのお話。↑(桧4,000×9×働き120本実目透かしム/上)定期的に購入いただいている工務店様から急ぎのご注文で働き巾4寸ご指定でしたが定期購入していただいているメーカーに原板がたまたまなかったので、別のメーカーさんで別注しました、働き4寸ってことは原板4.5すんですね♪↑(左から15入り15入り16入り14入り)合計60枚の注文ですが隣り合わせに2枚の差が有る右の1束に違和感を感じ他の3束が15入りと思い込んで頭がこんがらがって
真桜をお買上げいただいたので桜のお話↑(式台サイズの真桜)水目桜や樺桜、たまに椨桜など桜に似ている為別樹種ですが桜を付けて呼ばれている材と区別するために真桜(マザクラ)や本桜(ホンザクラ)と言います・・・しかしその本桜の中にも14品種エドヒガンやオオシマザクラなど色々ありますが木材業界でそこまでは厳密に区分されることは有りません、ただ原木を仕入れ製材を繰り返すうちに色々と気が付くこともありまして、例えば↑(ソメイヨシノの表面)↑(ヤマザクラの表面)たまたま伐採された方
最近銘木らしい木材のお話少なかったので今回は弊社倉庫奥に鎮座している超銘木のお話でも・・・↑(ジリコテ極上杢4,500×220×220)ジリコテとはムラサキ科カキバチシャノキ属の落葉性高木の一種で日本の銘木業界では一般に「シャム柿」と呼ばれています。主にユカタン半島周辺に分布しています。しかしシャム柿と呼ばれているのでインターネットが発展する以前は暹羅(シャム)と付くだけにタイの木材だと思い込んでいた方も多かったです・・・私が13~14歳の頃、初めてこの木を実際に見た今から30
華水木(ハナミズキ)のご注文いただきましたのでそのお話。。。↑(華水木2,000×60×60乾燥丁物)最近水木のご注文よく頂きます・・・防火のおまじないで古くは茅葺屋根の棟木などに使われていました、茅葺の場合接合部分を縄で縛るスタイルなので問題ありませんが、とにかく乾燥させる時に狂いが出ます、ですから最近では棟札や今回の様に御幣の棒などに使うのだと思います。どれくらい狂いが出るのかと言いますと↓↑(ネジネジ・・・)この大きな4mの塊から写真の2本しか取れませんでした(-_
7月末4.5畳のサービスルームを和室にリフォームした現場を見てきましたのでそのお話。。。↑(出来上がった和室)八窓庵の配置を参考に提案しました、実際には茶室として使用しないので茶道の動線は割愛して施主さんや棟梁の意見を取り入れ茶室風に仕上がりました。↑(床周り)以前紹介した栃純白縮杢の床には狆潜りを設けて台目座の陰影を演出しました。↑(桐の落とし掛け)落とし掛けは木材の中で位の高い桐材を使用し床の天井は竿を吹き寄せ雲板は地域柄杉赤の柾です。↑(天井板は屋久杉
先週末、杉の金襴杢と水目桜の板が売れて行ったので空きスペースに新しく青森檜葉とナツメを展示しましたので、今回は青森檜葉のお話。。。↑(青森檜葉2,000×70×640乾燥材)個人的には天然青森檜葉の事を「津軽檜葉」と呼んでいますが「青森檜葉」と呼ぶ方が一般的で通じやすいですね。↑(木表拡大)因みにこの材は下北森林管理署から出材された天然木で目合いも細かくそれでいて油分たっぷりの良材です、青森檜葉はヒノキチオールを多く含むことから殺菌性に優れ高級俎で有名ですね。中杢の