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実家のすぐ近くにできた酒蔵、上川大雪酒造さんへ見学に行ってきました。碧雲蔵と名付けられたこの蔵は、見学してもらうことを前提に設計されています。見学ルームに入ると、コの字型に囲まれたガラス張りの作業スペースを一望できます。開かれた酒造り。これからの時代に合った、素晴らしい取り組みだと感じました。私の所感ですが一昔前、北海道の日本酒のレベルは正直高くなかったと思います。しかし、昨今では上川大雪さんをはじめ、とても美味しい酒造りをされていると思います。自信をもって私の故郷のお酒で
きゅうりに塩をすると、水が出ます。なぜでしょうか?今回は野菜の浸透圧について学んでいきましょう。浸透圧とは、水が濃度の低い方から高い方へ移動する現象です。塩を振ると、野菜の外側の塩分濃度が一気に高くなります。すると、細胞の中にあった水が外へ引っ張られます。これが、塩もみで水が出る理由です。野菜の細胞は、細胞膜で囲まれています。この細胞膜は、水は通しますが、塩の分子は通しにくい性質があります。だから外側だけが高濃度になると、内側の水が動く。これが浸透圧です。ここか
私たちは毎日、食品を食べることで健康や生命を維持しています。では「食品」とは何でしょうか!?食品と呼べるものには条件が3つあります。①有害な物質を含まないこと。②1種類以上の栄養素を含むこと。③人の嗜好に適していること。つまり、安全で、栄養があって、食べられるもの。これが食品です。しかし、食品にはいろいろな種類がある一方で、1種類だけで必要な栄養素をすべて満たすのは難しい。だから私たちは、食品をバランスよく組み合わせて食べる必要があります。さらに食品には「3
こんにちは、竹内尚樹です。2025年も一年間、ご拝読いただいた皆さま、本当にありがとうございました。YouTubeにおいては2020年6月にスタートし早いもので5年半の年月が過ぎました。発信したコンテンツは、459本目となりました。まだまだ辞める気はありません。伝えたいことはたくさんありますので、2026年も楽しみに待っていていただけたらなと思います。ただ最近はショート動画中心になってきているので、通常の動画も、もう少し配信していけるように頑張りたいと思います。
プロの料理には「火の入れ方」だけではなく、実は「移し替え方」にも知恵があります。飲食店のプロが当たり前のように行っているのに、一般的にはほとんど知られていないのが「地洗い」地洗いとは、水ではなく、使用する地(調味液)で容器を洗うことです。例えば、漬け地を瓶に移して保存する場合。洗浄済みとはいえ、瓶の中には水滴や小さなゴミが残っている可能性があります。そこで、漬け地を少量注ぎ、軽く振ってからその地を捨てる。その後、改めて漬け地を注いで保存します。こうすることで、
食品は、加工や調理、保存の途中で、色が濃く変化することがあります。この現象を褐変といいます。褐変には、大きく分けて2つの種類があります。まず1つ目は酵素的褐変りんごやじゃがいもの皮をむいて放置すると、茶色くなることがあります。これは、食品中に含まれるポリフェノールという成分が、酸素と酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)の働きで反応し、褐色の物質に変化するために起こります。この酵素的褐変を防ぐには、いくつか方法があります。水に浸して酸素との接触を防ぐ。レモン汁
調理とは何か!?その根本的な意味を、少し深く掘り下げて考えてみましょう。人は食べ物から栄養を摂ります。しかし、食材の多くはそのままでは硬くて食べにくく、消化が悪かったり、場合によっては有害な成分や細菌を含んでいることもあります。そこで登場するのが「調理」です。不可食部分を取り除き、加熱・加工・味付けなどを行うことで、食品を食べやすく、安全で、おいしく変化させます。調理の4つの目的①「栄養効果を高める」加熱や刻むなどの操作で、消化吸収を良くし、栄養を効率よく体に取
料理は、味を足すだけではありません。ときには、組み合わせることで味が変わります。甘味が強くなったり、苦味がやわらいだり、うま味が深くなったり。今日は、プロの味づくりに欠かせない「味の相互作用」についてお話しします。味の相互作用とは、食品に含まれている味の成分、つまり「呈味物質」を2種類以上混ぜたときに起こる現象のことです。味の相互作用には、大きく3つのタイプがあります。①対比効果②抑制効果③相乗効果です。まず①対比効果異なる味の成分を2つ
人が食べたいと思う一番の理由、それは味ではなく香りです。食品の香りは数十から数百種類の香気成分が混ざり合ってできています。コーヒーやワインでは800種類以上の香気成分が確認されています。食品の香りは・もともと食品に含まれている成分・酵素作用によって生成されるもの、・微生物の働きによって作られるものなどさまざまな要因で形づくられます。代表的な食品と香気成分•しいたけ:レンチオニン•まつたけ:マツタケオール、桂皮酸メチル•にんにく:ジアリルジスルフ
和牛=国産牛だと思っていませんか?実はちがいます。和牛は品種名・黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種です。国産牛は日本で育った牛の総称で、和牛もホルスタインも交雑牛も含みます。ホルスタインは乳用種(ミルクをたくさん出すことに特化して改良された牛)で赤身中心、交雑牛は黒毛和種×ホルスタインなどの掛け合わせでサシと赤身のバランス型です。そして誤解されやすいのですがA5は品種ではありません。A〜Cの歩留まり等級は「牛から取れる肉の量」を
牛乳はそのまま飲むだけでなく料理や菓子の材料として広く用いられます。牛乳の成分は水分がおよそ87%たんぱく質が約3.3%脂質が約3.7%を占めています。たんぱく質の内訳を見ると、カゼインが全体のおよそ80%β-ラクトグロブリンが約9%α-ラクトアルブミンが約4%です。牛乳の主要なたんぱく質であるカゼインは、加熱には安定している一方で、酸性の条件下では凝固する性質を持ちます。ヨーグルトは、この性質を利用し、乳酸発酵によってカゼインを凝固させたもので
仕入れを利益に変える基礎歩留まりはご存知でしょうか?歩留まりとは仕入れた重さのうち実際にお客様に出せる可食部の割合のこと。公式はシンプル。歩留まり(%)=可食部の重さ÷仕入れた重さ×1001キロあたりの原価を知りたいときはこうなります。可食部1kgの原価=仕入れ単価÷歩留まり(小数)100gあたりの原価は、その金額を10分の1にすれば出せます。実例でいくと丸の魚を2.5kg、1kgあたり2,800円で仕入れました。可食部が1.
「洗い」とは、薄く切った魚の身を氷水にさらし、身を締める調理法です。これによって弾力が増し脂が適度に抜けさっぱりとした味わいに仕上がります。スズキやコイが代表的ですがクセのある魚や脂が強すぎる魚を最適化する手法としても有効です。本質的には、死後硬直前の新鮮な魚を使い氷水との接触で人為的に筋肉を収縮させる技術です。切り身を氷水にさらすと筋肉を動かすエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が急速に放出されます。その結果、筋肉が収縮し、身がはぜる。これが
かき氷を食べると…「キーンと頭が痛い!」実はこの“キーン”、氷の質で変わるんです。今回は、家庭用の氷と、天然氷。この2つでかき氷、どちらがキーンとしやすいのか、食べ比べてみます!まずは家庭用の氷から。冷凍庫で作った氷を、家庭用のかき氷機で削ります。見た目はちょっとザラッとしていて、粒が大きめ。いかにも“冷たそうな”かき氷。これは確かにキーンと来ます冷たさが一気に頭まで突き抜ける感じ。続いて、天然氷のかき氷。天然氷は、数日かけてゆっくり凍らせた、透明で不純物の少ない氷。業
「甘くてトロリ…」これは甘エビの魅力です。エビ全般はアミノ酸の一種「グリシン」を多く含むため甘く感じます。でも、甘エビは不思議なことに…グリシンの量は他のエビより少ないのに甘いんです。その秘密は、トロミ。甘海老はタンパク質が溶け込んだトロミを持っているから、とろっとした舌ざわり。このトロミが舌に甘さを長く留めるんです。カボチャのポタージュなんかも濃度があるので、口内での滞在時間が長くなり、甘さを感じやすかったりしますが、理由は一緒です。しかし甘海老は加熱するとタンパク質が固ま
梅酒を作るときになぜ「氷砂糖」を使うのか?意外と知られていない理由を解説します。梅酒は、焼酎などのお酒に梅の実と砂糖を加えて漬け込むことで作ります。このとき、使用する砂糖として選ばれるのが「氷砂糖」です。実はこれには、きちんとした理由があります。氷砂糖が選ばれる最大のポイントは、「溶けるのがゆっくり」だから。これが、梅酒づくりにとってとても大切なんです。もしグラニュー糖や上白糖のように、すぐに溶けてしまう砂糖を使った場合、液体の糖度が一気に高くなってし
和牛ってA5ランクが最高とよく聞くけど…実は「A」と「5」にはそれぞれ違う意味があるんです。今回はその格付けの仕組み、わかりやすく解説します!まず最初のAですが、これは歩留等級といって1頭の牛からどれだけキレイな肉がたくさん取れるかを表しています。A:たくさん取れるB:まあまあC:少なめつまり「A」は、肉を捌いたときに優秀な体型であったということです。次に数字は、肉質等級を意味します。肉の質そのものを5段階で評価したものです。この数字は4つのポイントを
酢と油って、混ざらないものですよね?でも、それを小さな滴の形にして混ぜ合わせ美味しく仕上げたのがドレッシング。今回は、誰が食べても美味しいと言うであろう王道の醤油ドレッシングを作ります。材料はシンプル。まずは多きめのボールを用意し玉ねぎすりおろし100g(玉ねぎ1/2個分)生姜すりおろし20g濃口醤油150cc米酢250cc砂糖20gを入れホイッパーで混ぜ合わせます。そして、ここからがポイント!サラダ油750ccを少しずつ加えながらかき混ぜ
一流と三流を分けるものって、なんだと思いますか?技術?実績?もちろんそれも大切だけど、僕は「姿勢」だと思っています。たとえば、通勤中。ある飲食店の前を通ると、いつも同じ人が制服のまま店先でタバコを吸っている。誰も禁止はしていないかもしれない。でも三つ星レストランの料理人は、絶対にそんなことはしません。職業に一流・三流はありません。でも、仕事には確かにある。それを決めるのは「どう見られても恥ずかしくないか」という意識。制服でタバコを吸う。汚れたエプロンで買
きゅうりは、料理の下ごしらえとして「板ずり」して使われることがあります。板ずりとは、きゅうりの表面に塩をふり、手のひらでゴロゴロと軽く押しながら転がすことです。きゅうりの皮は組織がかたくて丈夫なため、切ってから調味料をかけても、なかなか味がなじみにくいという特徴があります。しかし、塩をふって板ずりをすることで、表面のいぼが取れ、組織がわずかに壊れるため、調味料の味がしみこみやすくなります。また、きゅうりの緑色はクロロフィルという色素だが、板ずりによってクロロフィルが
やたら手の遅いスタッフ、いませんか?ベテランなら10分で終わる仕事を、なぜか30分もかける。これは、単なる「のんびり」では済まない問題です。飲食店では「原価」が大切だと言われます。たとえば料理なら、食材にかかったお金が「原価」です。でも実は、それ以上に大切なのが「製造原価」という考え方。これは、食材の原価にくわえて、人件費やガス・水道代など、その料理を作るために実際にかかったトータルコストのことです。たとえば、時給1000円の人が1時間かけて、2000円の食材で料
「なんか、いまいち美味しくないなぁ」そんなとき、料理に厚みがないことが多いです。「味が薄っぺらい」と表現されることもあります。でも、料理経験が浅い人に「厚みがない」と言ってもあまりピンとこないかもしれません。簡単に言うとそれはいろんな味が重なり合って生まれる「味の変化」や「奥行き」のこと。たとえば肉と水だけで作ったスープは、どうしても単調で平面的な味になります。でもそこに、人参・玉ねぎ・セロリなどの野菜を加えると、それぞれのうま味や香りが合わさって、ぐっと立体的
調理器具としてのすり鉢は、飛鳥時代に登場し、鎌倉から室町にかけて広まり、江戸時代には包丁と並んで、調理には欠かせない道具となりました。ですが、近年は高性能のミキサーやフードプロセッサーが登場し調理場での出番が少なくなってきたのも事実です。それでも、すり鉢ならではの良さがあります。その一つが「香りが飛びにくい」ということです。例えば木の芽と玉味噌を合わせて作る「木の芽味噌」すり鉢を使って丁寧にすり合わせて仕上げたものは、やはり香りがすごくいい
料理人の仕事をしていると、「マクドナルドやカップラーメンを食べる」と言うだけで、驚かれることがあります。たしかに、「そんなものは食べない!」という強いこだわりを持つ料理人もいます。その姿勢も一つの美学だと思います。でも、料理というジャンルにおいて、新しいものを知ることはとても大切なこと。いわゆる“ジャンクフード”と呼ばれるものを、過剰に食べるのは良くないと思います。ただ、そこには新たな発見や、現代の流行を知るヒントが詰まっています。大手企業をリサーチすることはとて
筍を炊くと、とうもろこしのような香りがします。実際、「ジメチルスルフィド」などの共通の香り成分が含まれています。あまりよくない筍を下処理して使うと味が抜けた感じがして美味しくないことがある。そんなときの裏技としてとうもろこしの風味を加えてみると美味しく感じられる。例えば、筍を天ぷらにするときにコーングリッツを使うのである。ちなみにコーングリッツとはとうもろこしの胚乳の部分を乾燥させ粗く粉砕したものです。パンやマフィン、トルティーヤの皮などに使われたりします。
日が経った食材や仕込んだ料理に対して「腐っていないからいい」という考えの者がいる。はっきり言いたいのは、「腐っていない状態」だからといって、料理屋の商品として価値があるわけではないということです。腐っていないものを提供するのは当然だが、「美味しい状態」で出さなければならない。例えば、筍を糠ゆでし、水にさらして保管しておくことがある。こまめに水を替えれば、1ヶ月ほど腐らずに使うことができる。しかし、それで本当にいいのか?確実に筍本来の味は抜け、ただの抜け殻になってしまってい
イカの刺身に入れられた包丁目をよく見ると、適当に入れられたものが多い。包丁が入っている部分と、まったく入っていない部分が混在していることもある。そこには、こだわりも意味も感じられない。「みんなやっているから…」「そうやれと言われたから…」そんな理由で包丁目を入れていないだろうか?プロならばすべての仕事に意味を持たせるべきである。では、イカの刺身に包丁目を入れるのはなぜか?イカの種類にもよるが、主な目的は口の中でとろけるような食感にするためである。さらに、イカの
熟成させたジャガイモが甘くて美味しいと注目を集めてます。今回は熟成ジャガイモとは何か!?なぜ熟成すると甘くなるのか!?について迫っていきたいと思います。________________________________________________「熟成ジャガイモ」とは低温で長期間貯蔵されたものです。ジャガイモが多く穫れる北海道では古くから、氷室(ひむろ)や雪室(ゆきむろ)で貯蔵していました。するとジャガイモが甘くて美味しくなる知られていて、これを応用したものです。今
昔に比べて、「まずい店」はほとんどなくなりました。YouTubeや料理本、インスタ、ブログなどで多くの料理人が日々情報を発信し誰でも簡単に美味しい料理を作れる時代になっています。「まずく作るほうが難しい」と言ってもいいかもしれません。そんな時代において「美味しい料理を提供する」ことは、もはや当然の価値。お店にはそれ以上の価値が求められるようになってきています。では、その価値とは何か?●誰が作った料理なのか?●どんなストーリーがある料理なのか?この2つが、これ
焼き豆腐は豆腐の表面をバーナーで焼いたものであるが、ここにもプロだからこそのポイントがあります。氷水を張ったバットに豆腐を入れ、焼き目を付けたい部分だけが水の上に出るように水の量を加減してバーナーであぶる。すると焼き目をつけない面の無駄な加熱が避けられる。豆腐以外の食材に焼き目をつける際にもほんのひと手間かけると道具に対して優しくなります。深さのあるバットに氷水を張り、その上に金網を乗せて食材を置き、バーナーであぶればよいのである。平らなバットに食材を