タイトルは、大岡昇平が「文學界」に断続的に連載していた日記文藝「成城だより」からの引用。1982年4月8日の記述だ。次の1行は、「痛い目に合わなければわからぬのは、東西古今通有とす。」と記してある。1982年に仮に二十歳だったひとは今年で64歳になるわけだ。大岡昇平のこの2行は、今の私には眼に痛すぎるほどだ。悲惨な戦争体験は長年、普遍的な体験だと思い込んでいた。が、思い込みは思い込みであった。1982年の首相は中曽根康弘であり、たしか官房長官だった後藤田正晴の反対を押し切って靖国参拝を敢行したは