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「歯と爪」などで知られるミステリ作家B・S・バリンジャーの、子供の時から名前だけ知っていた「煙で描いた肖像画」「赤毛の男の妻」を先日初めて読んだので、この際と思って2000年代になってから翻訳された「美しき罠」を図書館で借りてみた。私の苦手なハヤカワのポケット・ミステリなのだけれど、叙述トリック作品の名手・折原一氏が解説を書いておられてバリンジャーの魅力について、2006年出版当時最新の情報も踏まえて伝えておられる。バリンジャーが大好きだという折原氏のこの解説を読めただけでも儲けものだと思
昨日、北九州芸術劇場中劇場にてトークショウがあったので行ってきました。抽選でサイン会もあったのですが、外れてしまいました(;∀;)でも、最前列を確保しました(^^♪今回、登壇なさったのは北村薫さん、有栖川有栖さん、竹本健治さんで、フリートークという事だったのですが、主催が松本清張記念館という事もあったせいか、清張について語り合う感じになりました。とにかく北村さんが清張についてお詳しくて、登壇なさる前の段階からかなり語っておられたとか。ステージ上でも熱く語られて、2、3時間でもお話して
『ならぬ堪忍』(山本周五郎/新潮文庫平成8年4月1日発行/平成10年12月15日7刷)。2月11日に読了。本棚にあった『寝ぼけ署長』(新潮文庫/昨年12月読了)を読んでみたらこれがなかなか。購入(2018年10月/くまざわ書店函館店)時の帯の「上司にしたい男№1デス‼周五郎が⦅覆面⦆で書いた唯一の探偵小説、発見‼」も頷ける面白さ。で、遅ればせながらの山本周五郎、2冊目。「昭和3(1928)年から昭和20(1945)年4月の間に執筆された戦前作品」が13編。意外にも表題
「なぁホ~ムズグリムスビー・ロイロット博士の額に巻かれたおしゃれなまだらの紐はなんだろう?」「イエロースネークカモ~ン!」「ぎゃっ!蛇じゃ~!」「驚くには当たらないよ私の推理どおりだ」「おっおいホ~ムズはっ博士をよく見てみろよ」「あらら~ぁグリムスビー・ロイロット博士毒蛇に噛まれてもう息をしてないよ犯人なのに~」「そうか博士は毒蛇をジュリアさんの殺害に使ったんだな」「
ネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。松竹による「八つ墓村」のリメイクが発表されました。原作は私にとって思い入れのある作品なので、そのことについて書いてみようと思います。横溝正史の作品は、全作読んだ江戸川乱歩と違って、まだ未読のものが多くあります。読んだ中での個人的な金田一耕助物の探偵小説ベストスリーは、「悪魔の手毬唄」「獄門島」「犬神家の一族」となります。「八つ墓村」は別格というか、探偵小説というジャンルを超えたエンタメ作品として、日本の小説の中でも屈指の出来だと思
従来探偵小説に使用せられた、おびただしいトリックの中に、「顔のない死体」と名づける一連のトリックがある。-「顔のない死体」江戸川乱歩被害者の死体が、実は犯人だと思われていた人物の遺体だった、死体の顔を認識できないほど傷つけておいて、被害者と加害者が入れ替わるというのが探偵小説における「顔のない死体」トリックの基本だが、これには様々なバリエーションがある。このトリックについては何度か書かせて頂いているのだが、去年発行の「失われた貌」(櫻田智也著・新潮社)という作
八つ墓村の新作の話題で盛り上がったおかげで、ネット上で吾郎さんの金田一シリーズ5本中4本まで視聴することができた。見られていないのは、悪魔の手毬唄。そして、女王蜂は一部欠損があって、正確な評価は難しい。前回も書いたけれど、八つ墓村は映画館で上映してもいいと思う。きっちりした本格推理ではないけれど、立派な探偵もの。それに、なんといっても、セットからしてテレビを超えている。そして、シリーズ全て見られたわけじゃないけれど、本格推理としての一番の出来は「悪魔が来たりて笛を吹く」じ
1月後半に読んだ小説は6冊。前半は5冊読了だったので1月は11冊読んだことになる。『1月前半の読書そして「満月の夕」』2026年も順調に読書は進んでおります。1月前半に読んだ小説は5冊。例によって例の如くの簡単レヴューです。伏尾美紀「百年の時効」去年はちょうど昭和100…ameblo.jp2026年読書の滑り出しは上々。上出来な書き出しの冒頭は上等。から堂々と滔々と語ります。というわけで例によって例の如くの簡単読書レヴューです。森見登美彦「恋文の技術」(
アガサ・クリスティ著深町眞理子翻訳『ABC殺人事件』(東京創元社創元推理文庫)を買った書店で購入する。春陽文庫探偵小説篇9冊目。木々高太郎の作品を読むのは初めてである。長篇1作短篇3作収録。4篇全て精神医学者大心地(おおころち)先生が探偵役として登場する。4篇全てミステリーの要素より医療ヒューマンドラマの要素が強い。表題作に登場する人物の性癖のくだりを読んで、谷崎潤一郎のケッサク短篇「青塚氏の話」を思い起こす。変態だっ!木々高太郎著日下三蔵解説横尾忠則装画
けっこうレトロな長編推理小説、読みましたー!こういうのはミステリーというよりも推理小説と呼んでみたい。実は作者の芦辺拓さんは、『乱歩殺人事件』という作品で以前挫折しており読む前はちょっと心配だったのですがね。今回、面白く読めました。以前挫折した理由は、クドすぎて頭がついていかなく・・・今作品もクドいっちゃクドかったですが・・・内容は、明治21年の大阪を舞台にして、質屋の家族が惨殺された事件の内幕を暴く新聞記者と弁護士のお話です。あるじ夫婦や番頭や女中など複数人が斬りつ
※各段落の頭文字を繋ぐと「む・そう・の・たん・て・い」となるように工夫しました。昔、子供の頃に町の小さな本屋で江戸川乱歩の随筆集「探偵小説の謎」を買ってから、何十回も数えきれないくらい読み直している。創元推理文庫の編集長・戸川安宣氏も、好きな乱歩作品を一つ挙げよと言われて、やはり同様に「探偵小説の謎」を一番に挙げておられたので、この本が好きなのは私だけではないのだなあと、嬉しく思ったこともある。後に読んだ瀬戸川猛資氏の「夜明けの睡魔」「夢想の研究」という2冊のミステリ評論も
子供の頃に読まなかったコーネル・ウールリッチ(別名ウイリアム・アイリッシュ)の「暗闇へのワルツ」を先日初めて読んだら面白かったので、他のアイリッシュ作品の中にも、改めて読めば面白い作品があるかも知れないと思って、いくつかの未読のアイリッシュ作品を読もうと思いついた。ところがなかなか根気がなくて、最近、お手軽にディクスン・カーのミステリ作品「魔女のかくれ家」を図書館の児童向けリライトで読んだのに味を占め、「少女・世界推理名作選集」(金の星社)の1冊であるウールリッチ名義の「黒衣の花嫁」を借り
11月の後半に読んだ小説は以下の通りの6冊。気がつけば11月も終わり2025年もあと一ケ月。「読書の秋」も終わりこれからは「読書の冬」でやんす。前半は5冊だったので11月は11冊読んだことになるな。『11月前半の読書』読書の小さい秋が絶賛進行中。11月前半に読んだ小説は5冊。例によって例の如く簡単読書レヴューでやんす。佐藤青南「一億円の犬」六本木のセレブという設定で…ameblo.jpというわけで例によって例の如く簡単読書レビューです。石川智健「エレガ
ミステリ作家であるウイリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の有名作品「幻の女」を子供の時に読んでいたく感動し、続けて何冊か長編を読んでみたけれど余り面白く読めず、ようやく「夜は千の目を持つ」を読んで再び感動したものだ。その後、創元推理文庫から出ていた短編集6冊を矢継ぎ早に楽しく読んだのだが、何年か前に「幻の女」を新訳で読み返してみたら少しも面白くない。「夜は千の目を持つ」を再読した時も同じで、「暁の死線」に至っては、昔、読んだ時も面白くなかったし、今、読み直してみても全くそ
久しぶりの更新です。現在、生活面でこれまでにない苦境を強いられており、がっつり読書する余裕は無いんですが、以前に読んだ本の再読なら気負わずにできそうなので、いつか再読するつもりだった本作を本棚から引っ張り出しました。元ストリートキッドの探偵ニールのもとに、数ヶ月後に副大統領候補として推される予定の上院議員から、行方不明の我が娘アリーを探し出して連れ戻して欲しいという依頼があり、ニールは、アリーの目撃情報があったロンドンに渡る・・・というストーリーです。本作を最初に読んだのは20年ぐ
「小市民シリーズ」Vol.2[Blu-ray]Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}静かに高校生の内面を描くアニメ、という少し変わった、たぶん何度でも見たくなるような、細部に凝った情景が繰り返される。探偵小説の構成をとっている青春ものともとれるが、あまりに事件の事実よりも恋愛感覚がない高校生の小鳩常悟朗と小佐内ゆきの行動と会話のすべてがデリケートに包まれている。ただそれは伝統的な推理小説のような刺々しさではなく、スイーツに豊富な知識を披露する小佐
🍂山本巧次著『大江戸科学捜査八丁堀のおゆう』一時期本屋の棚を席巻した異世界物...と言うかタイムスリップ物ですね🍂次回月組別箱『侍タイムスリッパー』は江戸時代の侍が現代日本に偶然やって来る話ですが..🌸🍂『八丁堀のおゆう』は、平成の現役OL優佳が祖母の遺してくれた家の秘密の部屋から江戸時代にスライド🙌‼️自由に時代を行き来しながら女岡っ引き「おゆう」として現代科学捜査も駆使して事件を解決する話🌸🍂科学捜査で優佳=おゆうのサポートしてくれる宇田川や(秘密の過去を持つ)八丁堀同心の鵜飼伝三
「男なら、女の成長を妨げるような愛し方はするな!」閑話休題「『ユダの窓』という推理小説を知っているか」もちろん知っている、知ってはいるが、、あれは推理小説ではない、あれは探偵小説だ👀✨「正体?」湯川は眉根を寄せた。「ただの物理学者だ」「うそだ。探偵でしょ」沈黙のパレード/東野圭吾湯川先生は四年ほど日本を離れていたんだねぇ、行き先はアメリカ、なんだか金田一耕助っぽいけど、湯川先生は行方知れずになることなく帰国、そのアメリカでは研究三昧の日々だったようで👀で、「犬
作中、二度目にE.クイーンの名前が出てくるところが物語の構成として洒落てて✨衆人環視のなか、馬上から崩れ落ちる様は、その死の一部始終を映像として記録されていた、、それってなんとなく、K大統領の暗殺シーンを思わせて、先駆的だなぁと「つまり、なにかい」私は痛くなってきた頭をかかえて言った。「きみは、連中がひとり残らず、あの殺人事件において、なんらかの関わりを持っていたと言いたいのか──」アメリカ銃の謎[新訳]/E.クイーン[再読]1933なんだか百鬼夜行シリーズの某作を思わせる
【AI朗読】山を歩けば死体に当たる「山を歩けば死体に当たる」八月は常に灼熱の季節だ。街のディーラーから安く手に入れた型遅れのラングラーで国道を行く私の頭上からも、焼けつくような陽射しが容赦なく照りつけていた。山岳地帯へ分け入るにつれ、道は次第に険しさを増してゆく。昼過ぎに街を出てから、もう長いこと走りづめだった。どれほどの時間を走り続けただろう。切り立った崖の間の深い谷間を走るうち、やがて目指す街、B市の街並みが見えてきた。街へ入り、私は初めて考えを改めるべきだと
『ルーブル博物館』からわずか10分足らずの時間に『155億円』の『宝石』などが盗まれたと言う。窃盗犯は四人。クレーン車も使用したらしい。『警備』も『不十分』だった様だがさすが怪盗紳士『アルーセーヌ・ルパン』の国かと思った。『ルパン』もさぞや『びっくり』か!尤も『ルパン』は探偵小説上の人物だが。それに『ルパン』は永遠に捕まらないが四人の犯人のうち二人は既に逮捕された様だ。しかし『盗まれた宝石』などはいまだに『行方不明』だそうだ。今日から『読書週間』。懐かしの『探偵小説』など読
いつも読ませて頂いているミステリ・ブログの方が、ジョン・ディクスン・カーの「魔女の隠れ家」のことをよく書かれていて、自分はすっかりその作品を読んだつもりでいたけれど、どうやら私はカーの有名短編である「妖魔の森の家」と邦題が似ているために勝手に混同していたようで、「魔女の隠れ家」に関しては未読であることに、ようやく気が付いた。有名であるにも関わらずこの作品は現在、絶版中だとのことなので、図書館で借りるなら、いっそ文庫本ではなく、児童書で出ていたはずの「魔女のかくれ家」バージョンを読んでみよ
入院中に読む本がなくなって、夫に「何か買って来て」と頼んだとき手にしていたのが『汐灘サーガ第2弾』だった。続きを探したがまだ未刊だったとのことで、なぜか今野敏のシリーズ本を6冊買ってきてくれたのだ。その『汐灘サーガ』の続きが7月25日に刊行されたとのことで、早速購入……。7月31日、『夜の終焉㊤汐灘サーガ第3弾』(堂場瞬一。中公文庫)読了二十年前に両親を殺されて以来、世捨て人のように生きてきた真野。ある日、彼が営む「深夜喫茶」に謎めいた少女が現れるが、不慮の事故に巻き込まれ、意識不明
江戸川大学・西条ゼミでは江戸川乱歩没後60年企画として12月7日(日)午前10時より『西条昇教授と歩く乱歩が愛した浅草』と題した無料特別講座と現地ウォークツアーを開催することになりました。今年で没後60年を迎えた江戸川乱歩の「押絵と旅する男」「人間豹」「一寸法師」「木馬は廻る」「浅草趣味」といった作品には、凌雲閣(十二階)、瓢箪池、花やしき、奥山、水族館、木馬館、安来節の御園館、娘玉乗りの江川大盛館、キネマ倶楽部など浅草六区周辺が多く描かれています、浅草芸能史、浅草文学史が専門の西条昇
スチュアート・タートンの「イヴリン嬢は七回殺される」を読もうと思ったのだが、3作目が出てるじゃねえか、ということで。そもそも変な設定で書くこの作家に興味があったのだから新しい方から読むことにした。イヴリン嬢は七回殺される(文春文庫)[スチュアート・タートン]楽天市場1,408円触れると命を落とす謎の霧が地球を覆い、世界は滅亡した。最後に残った人々は、霧を防ぐバリアに守られた世界の終わりの島で平穏に暮らしていた。そこには3人の科学者と100名余りの住民がおり、エービイという
エドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」(ThePurloinedLetter,1844年)は、C・オーギュスト・デュパン探偵が登場する短編推理小説で、ポーの「推理小説の元祖」とされる作品の一つです。以下にあらすじを簡潔にまとめます。パリのとある部屋で、語り手(名前のない友人)と探偵C・オーギュスト・デュパンがくつろいでいると、友人であるパリ警察の長官Gが訪ねてくる。長官は、ある重大な事件について相談したいと語る。事件の概要はこうだ:ある高貴な女性(おそらく王妃)が所有する重要な手紙が、
日本ミステリにおけるいわゆる三大奇書の内、夢野久作の「ドグラ・マグラ」だけは大好きで何度も読み直しているが、反論を承知で言うと、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」と中井英夫の「虚無への供物」は面白いと思ったことがない、それらに対するオマージュであり、時には四大奇書と呼んでくれる人もあったりする竹本健治の「匣の中の失楽」の方がまだ好きだということを、時々書かせて頂いたことがある。江戸川乱歩が「ドグラ・マグラ」を誉めず、反対に「黒死館殺人事件」に関しては絶賛していることも分かってはいるが、「虚無へ
好きな推理作品はある?▼本日限定!ブログスタンプ私が生まれる前後昭和一桁時代に売れていた探偵小説雑誌「新青年」昭和9年8月号この頃は横書きは右から左へ読みました題字も右から左へモーリスルブラン特集のようですその後、支那事変、太平洋戦争へと日本は戦争の時代へ「新青年」も廃刊になったようです戦後、いち早く探偵小説雑誌を発行した光文社の雑誌「宝石}お小遣いで創刊号から毎月楽しみで買っていましたこれは当
江戸川乱歩の短編「一人二役」の映画化で、江戸川乱歩没後60周年記念作品として作られた3作のうちの1作です。乱歩作品はすべて読んでいるのですが、内容を忘れてしまっている作品も多く、「一人二役」も憶えていなかったので読み返してみました。短編としても短めな作品で、長めのショート・ショートと言ってもいいくらいです。変装をテーマとしているものの夫婦間の奇妙な出来事をユーモラスな描写を含めて描く中間小説的な小品で、探偵小説、幻想小説にこだわり続けた乱歩作品としては、ある意味異色と言えるか
守屋SHIGE美さんとの共著、「探偵は甘すぎる」の第二弾が完成!今回も小田恵子さんイラストの表紙が素敵、ほんと素敵、かわいい。今回のテーマスイーツは、あんみつ、ドーナツ、ガトーショコラ。それが表紙にバッチリ盛りこまれてるのがときめきです。3本収録で200ページ超え!読み応えバッチリ、読みやすさアップ!SHIGE姐さんの書く探偵たちとお話はリアリティの手触りがやっぱり秀逸なのですよ。探偵と助手といったメインだけでなく、脇に控えてる登場人物たちにもスポットライトを当てて掘り下げしてくの