僕の父は家に対して並々ならぬ思い入れがありました。それは父が長野県伊那谷の旧家に生まれ、次男であったために家から出てあちこちを彷徨わなければならなかった事と関係していると思います。父の生家は現在も僕の従兄が守っており、築200年の立派な家です。雪の少ない地方ですので、屋根の勾配が少ない独特の外観で、二階はかつては養蚕に使われていました。父は地元の飯田中学を卒業して遠く離れた山口高商に進学しました。そしてそのまま満州国新京の満州中央銀行に就職し、そこで家庭を持ちました。と言っても戦争中のことですか