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一貫堂医学は漢方を勉強している人間なら一度は触れたことがあると思う。その一貫堂医学の代表方剤の1つ、荊芥連翹湯昔は生薬構成を見ても、何をどうしたいのか全く分からなかった。なぜ清熱剤の中に、温性の四物湯が配合されているのか?四物湯の芍薬は赤芍、地黄は乾地黄で涼血を目的に使用していると説明されるが、んなことあるかいな。。。どう考えたって温性でしょ。特に現代のエキス剤では。。。ましてや処方が頻用された時代背景として「結核」が流行った時代であり、その解毒を目的に多用さ
80代後半の女性年齢に伴って腎機能が低下し、BUNやクレアチニンの数値が異常値を示し、そのための漢方を処方していた。尿はしっかり出ているとのことだが、痰の絡んだ咳が出るとのことで、内科を受診したところ、胸水が溜まっていると言われ、入院した方がいいのではと提案された。そこでいつも腎機能を診てもらっている医師に改めて診察してもらったところ、腎機能の低下は今に始まったわけでもないし、数値が悪化しているわけでもないから、様子を見てもよいのではないかと言われ、利尿剤を処方された。し
昨今、漢方業界ではエキス製剤の製造中止が相次いでおり、有用なエキス製剤が次々と姿を消していっている。なくてはならないエキス製剤が製造中止になってしまうと、こちらが使えるカードが減ってしまうため、臨床上、非常に困ることになるのだが、各エキス製剤をどのような考えに基づき運用したいのかをきちんと考えておけば、代替方剤を用意することも不可能ではなくなる。その時に必要になるのが、「方剤の応用力」である。手元にある専門書には、各種方剤の適応症や処方構成、効能効果などが詳しく記載されている。
胃腸関連の疾患、特に機能性ディスペプシアの女性で症状が長期に及んだり、深刻な状況に陥ったりしている方は本当に治しにくい。本当に食べられなくなり、体重が激減し、30数キロと骨と皮のような状態になった方からの漢方相談もあるが、こういう症例は何をしても無効である。というより、改善した例がない・・・(涙)過去、どれだけ多方面から症状を考え、様々な方策を取り、服用方剤はもちろんのこと、用法・用量など、考えられる限りの手をつくしても何の変化も出てこない。。。考えるに胃腸機能が著しく減
30代男性仕事のストレスか、暴飲暴食の影響か、季節的なものなのか、落ち着いていたアトピー性皮膚炎が一気に爆発し、上半身を中心に赤み、浮腫み、熱感、強度の痒み、多量の滲出液が出現。夜間に痒みが気になって気になって全く眠ることができないとのこと。患部所見は、顔面全体、デコルテ、前腕部は真っ赤か、浮腫んでシワが消失し、触れると熱感あり。圧迫にて赤みは消失するため、毛細血管の拡張が強度にあり、血球成分の漏出はなし。毛細血管の拡張および肌肉の保水力は限界を超えてしまっているため、多量の
25歳から東洋医学の勉強をし始めて、気づけばもう20年近くの時が経っている。。。ごっつ、早いやん。。。勉強し始めたころは、若造で、何の権威もなかったから、早く40代半ばになって、ええ感じに権威付けできたらな、なんて思ってたけど、実際になったら悲しいしかあらへん。。。年を取るということの意味がこの1年で急激に理解できるほど、谷底を転げ落ちるかのように老いてきつつある。これから先、まだまだ転げ落ちていくのかと思うと、本当に恐ろしい。今まではできることが増えることが当たり
漢方薬局というのは、日々、人間の健康を考える仕事だ。現代の日本は、「人生100年時代」と表現されるように、100年もの間、生きていかなければならない状況になっている。しかも高齢になっても安心して暮らせるような雰囲気ではなく、とにかく最後の最後まで「自己責任」が付きまとう有様だ。とするならば、絶対的に各個人が自己責任という名の下、「健康寿命」が1年でも長くなるように自己努力し、自分の頭と体を使って生きることを真剣に考える必要があるように思う。なのにほとんどの人は、自分の健康
東洋医学の勉強をし始めた当初は、触れるものすべてが初めてのことばかりで、それまで漢方や鍼灸なんぞ全く興味がなかった自分が、「これで臨床ができるようになる!」という純粋な気持ちから、朝から晩までとにかく東洋医学を極めんとして没頭していた記憶がある。その時は「信じる心100%」で、中医学基礎、診断学、中薬学、方剤学などを網羅すべく、『黄帝内経』から始まり、金元四大家の臨床理論やら『難経』やら『傷寒論』やら『温病学』やら、片っ端から読みまくってまとめまくっていた。「経験がなんせないから、知
つい先日、一番下の息子が保育所から帰宅するなり、全身に蕁麻疹が出ていると妻から報告を受けた。その時は、「んなもん、大したことないわ」と何の処置もせず、ほったらかしといた。自然に治るし、薬も嫌がって飲まないだろうからほったらかしにしといたのだが、翌朝、全身に大小無数の蕁麻疹が出て、痒がってほとんど寝なかったらしい。仕方がないから、そこでようやく身体の様子を確認する。そうすると、全身にしっかりと赤みのある浮腫が無数に出ており、「こりゃ、間違いなく蕁麻疹だわ」と瞬時に判断できた
人の病気は、「気」の不調から来ており、その不調を調えて、スムーズに巡るようにすれば、あらゆる疾患を治すことは本当に可能なのか?東洋医学の勉強に没頭していた時、いや盲信していた時期と言った方が適切か・・・「気」さえ順調に巡らせることができるようになれば、津液や血も自ずと巡るようになるため、気血津液の盈虚通滞はなくなり、あらゆる疾患を治すことができると信じていた時期がある。というかそう教わっていた。しかし自分が臨床を行うようになり、実に様々な臨床経験を積むことで、それはとても
機能性ディスペプシアの漢方相談では、初見で「これは対応不可ですね」というような、どうみても漢方で回復させることは不可能なくらい堕ちこんだ女性の相談も少なくないが、これらは早々にお断りして、お互いが不幸にならないように気を付けるようにしている。機能性ディスペプシアと一言で言っても、漢方で対応可能な範囲内の方、そうでない方の差が激しいのがこの疾患の特徴の1つかなと現時点では感じている。そんな中、まだ回復可能と判断した30代女性の症例。西洋医学的な治療は一通り行ったものの、食べること
中医学ベースで漢方を処方する場合には、総じて「弁証論治」を行い、証に基づいて処方を決定するというのがスタンダードである。しかし中医学の至極曖昧な世界観がどうしても自分に合わないと気づき出した時期がある。中医学は人体の機能を非常に分かりやすく説明してくれており、優れた理論であるのは間違いないのだが、その一方で、曖昧であるが故、イメージしにくく、当てずっぽや思い込みが入りやすく、さらに空理空論に振り回されてしまう場面も少なくない。そのような状況下では、自分の導き出した「証」が間違っ
☆コロナウイルス治療の漢方薬小柴胡湯の使い方と温病学本年の営業も終了しまして、少し気楽になりました。ということで、今日は漢方・中医学のプロとして、今年経験したことをメモ代わりに書き残しておきたいと思います。22年も、COVID-19に振り回された一年でしたね。正直言って「まつもと漢方堂」はあまり影響を受けない方でしたが、それでも、「ソーシャルディスタンスを確保するため、講座の人数を絞る」「発熱したご相談者さまがご予約キャンセルされる」など対応した点もありました。
☆プロ養成スクール第2部中医診断学を開催しましたただいま東京で、漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクール<東京・第5期>を開催しています。12月は、「第2部中医診断学」の2回目。これは、スクール内で「ワーク」に取り組んでいただいているところです。講座は聞いているだけだとラクで楽しいのですが。「聞いた」だけの知識って、するーっと頭の中から抜けてしまうんですよね。そして、そのときはメモを取るのに一生懸命で、後から見返すと内容を思い出せない…
大雪(2022.12.7~12.21)師走という名前の通りあっという間に12月も半分過ぎて、年末を意識する季節になりました。いかに弁証論治するか「疾患別」漢方エキス製剤の運用菅沼伸(監修)菅沼栄(著)東洋学術出版社日本でおなじみの漢方エキス製剤を中医学の視点でどう運用するかを疾患別にまとめてある本です。いかに弁証論治するかという名の通り、疾患別に「病因、病機」ではそれぞれのきっかけやどのような経緯で疾患に至ったかの分析、分類を行い、「弁証論治」ではそれぞれの特徴的な
小雪(2022.11.23~12.6)北風の冷たさをはっきりと感じ、鍋などの温かい食べ物が恋しくなる季節になりました。「証」の診方・治し方-実例によるトレーニングと解説-鍼灸:呉澤森(著)漢方:高橋楊子(著)東洋学術出版社鍼灸と漢方でそれぞれ活躍されている中国の中医師の先生による、「中医臨床」という専門誌の「弁証論治トレーニング」という誌上での症例検討の連載をまとめた本です。実際の臨床例からどのように中医学的に弁証し、鍼灸もしくは漢方薬で治療するかの流れやアドバイスが書
☆1月29日「卵巣嚢腫や生理前のむくみの対処法」をお話しします来年(23年)の勉強会ですが、小太郎漢方製薬さま主催小太郎小グループ勉強会にまた登壇させていただきます。テーマは:卵巣嚢腫や生理前のむくみの対処法~芎帰調血飲第一加減をマスターする~日時は:23年1月29日(日)14:00~16:00対象は:漢方相談を行っている先生方技術を向上したい先生方漢方や中医学に興味のある全ての方開催は:Zoomでお申込は:小太郎漢方製薬さ
昔々、僕の漢方相談にて、なかなか自然妊娠せず、体外受精を考えていたご夫婦。その当時の体外受精は保険が適応されず、高額な費用をかけて体外受精をした方がいいかどうか迷っていたのだが、「まぁ、漢方を使いながら、ちょっと様子見て、体外にチャレンジする前に1回だけ人工授精してもいいんじゃない」と提案し、その人工授精で見事に妊娠。その後の経過も順調で、元気な女の子を出産された。その女の子が、風邪を引いた後、パラパラと頭髪が抜け始め、みるみるうちに頭部全体の髪が抜け落ちた。小児科医から
9月の診療日恵比寿駅から徒歩7分の春翠堂鍼灸院院長山下よしえですホームページclickお知らせ感染対策を万全にし、通常診療を行っております。太極拳の先生から頂いた、巾着✨「太極拳の先生の資格取りたい!」とこちらのブログに書いてから、2年経ちました。地道に太極拳を続けていました。楽しくて!😍先日、母が体調崩してすぐ、太極拳の先生から、「来年、師範へ推薦してもいい?」とお話し頂きました。😄母の心配と、喜びとで複雑な気持ちでした
☆リアルのお客さまの不調を治したい!弁証力UPセミナーを行いました漢方相談を仕事にしたい!もっとスキルを磨いて、悩んで来られるお客さまを治したい!そんなみなさんに「プロレベル」の中医学をお伝えしている、こちら、漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクールですが、このスクール卒業後は「まつもと漢方堂相談力向上大学」というサロンで学び続けることができます(希望者のみ)。毎月、自分の仕事で出会った症例を相談したり、まつもとからみなさんに「ワーク」を出すのでWeb上
☆【動画公開】【3分でわかる】アトピー性皮膚炎の本当の原因/漢方・中医学のプロが解説月に2本更新しております、まつもと漢方堂YouTubeチャンネルですが、新作動画をUPいたしました。【3分でわかる】アトピー性皮膚炎の本当の原因/漢方・中医学のプロが解説です!ついに、わたくし松本比菜の、もっとも得意とするところの、「アトピー性皮膚炎」解説動画でございます。やっと、たどりつきましたね、ココに。これから、「原因」「治し方」「漢方
☆22年10月開講決定!漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクール東京・第5期参加希望生が集まったところから開講しております、漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクールですが、おかげさまで「東京参加可能」組が人数に達しまして、【2022年10月開講決定!!】いたしました。カリキュラムは、全4部。スケジュールはこんな感じです。第1部中医基礎理論10/19、10/20第2部中医診断学11/16、11/17、12/14、12/15
☆9月19日(月)午前広島で「弁証力UPセミナー」的……なものをやります以前こんな記事をUPしました↓↓おかげさまで記事通り、6月は盛岡で、「弁証力UPセミナー~漢方相談をしている先生のアタマの中は、どうなっておるのか~」を開催。すでにご相談に出ておられる先生方に、「弁証<実習>」をしていただいて、「弁証のコツ」を体得していただきました。もうね、国際中医師試験を受けてから時間が経っちゃってるとね。いろいろ忘れちゃうこともあるのよね。そんな先生方と触れ
☆【動画公開】漢方相談を仕事にするには、何から始めればいいの?UPしましたいつもご覧いただきありがとうございます!まつもと漢方堂YouTubeにて、新作動画漢方相談を仕事にするには、何から始めればいいの?漢方・中医学のプロに聞いてみた!を公開いたしました。「漢方相談に、資格は必要ですか?」や、「漢方相談は、どこで勉強できますか?」といった、これから人生を変えたいみなさんにすぐ役立つお話や、「漢方相談に挑戦したいひとへのアドバイ
☆漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクール【東京・第5期】開催ほぼ決定!「仮申込」「無料個別相談」をお受けしておりました、漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクールですが、参加希望の方が集まってまいりまして、次期=第5期は、東京にて開催決定いたしました。現在、仮申込されたみなさんと、開催日程について調整をしているところです。今のところ、「第3水・木」希望に集中している気配ですので、多分こそこで開催の運びとなりそうです。この、漢方相談
☆【満席】8月21日東京弁証力UPセミナー受付終了します先日からお伝えしておりました、8月21日八重洲開催の、弁証力UPセミナー~漢方相談をしている先生のアタマの中は、どうなっておるのか~ですが、【満席】となりましたので、お受付を終了いたします。あとそれから。漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクール第5期ですが、【開催地:東京】にて2022年後半開講できそう感じとなってきました。こちらの方も合わせて、詳細決まり次第ご案内
☆いきなり処方選択に行っちゃダメ!弁証論治ってこういうものと体感してください先日お伝えした、7月21日に東京で行います、弁証力UPセミナー~漢方相談をしている先生のアタマの中は、どうなっておるのか~ですが、当日は、実際に弁証してみる<実習>を行います。6月に同内容で盛岡で開催しましたが、みなさん、「分かってる積もり」なのに、弁証するのってなかなか難しい!具体的には、★実際にあった(ありがちな)ご相談を材料に★「どうしてこの不調が起こった
☆弁証力UPセミナー弁証論治実習します8月21日東京先日からお伝えしております、弁証力UPセミナー~漢方相談をしている先生のアタマの中は、どうなっておるのか~ですが、漢方相談をしている先生は、どこに着目して、どう判断し、どう治していくのかを体験していただける<実習>を行います。この、「自分の手と頭を動かして、実際にやってみる」体験が、弁証力をUPするのに、絶対、ゼッタイ、必要なんですよね!だって、講義を聞いても、本を読んでも、目の前
☆Q、このスクールを卒業するとどうなりますか?先日からお伝えしております、漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクール第5期ですが、個別に30分程度、「無料相談」をオンラインでお受けしています。そこでいただいたご質問とそれへのお答えを、一部ご紹介しています。誰かの質問は、ほかの誰かの役に立つのです。いただいたご質問の中に、「卒業したら、どうなるか」というものがありました。今日はそれをご紹介しますね。●このスクールを卒業すると、どうなりますか?
☆Q、全4部申込は「一括」じゃなきゃダメですか?先日からお伝えしております、漢方相談を仕事に!中医学プロ養成スクール第5期について、お問い合わせやご質問をお寄せいただいています。少しずつ、こちらでもご紹介していきますね。質問は、ほかの誰かのためになるのです。お寄せいただいたご質問の中で、受講料についてのものがありました。今日はそれを、いくつかシェアしますね。●「受講料のお振込は『一括』でないとダメですか?」「分割払い」をご選択いた