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キャンディ♡キャンディファンサイトこのページは、キャンディキャンディ二次小説「11年目のSONNET」の続編を投稿中です。初見の方は「サイトmap」又は「第1話」からご覧ください♪続編の第1話はこちらから。コメントは承認制の為、反映されるまでにタイムラグがあります。★★★2-145月11日。その朝テリィは、爆撃の一報が入ったブルーリバー動物園に向かっていた。(くそっ、ドイツ軍の奴ら、ロンドンを焼き尽くす気だろうが、そうはさせないっ)怒りにたぎるテリィの
★★★2-13その夜二人は別々の場所にいた。テリィはいつもの地下鉄近辺に、キャンディは夜勤で病院にいた。ロンドンのどこにいようと空爆の危険は同じなのに、キャンディが側にいないだけで、テリィの不安は増幅された。――今夜こそ、ロンドン最期の日になるのでは。トンネルに伝わってくる爆撃の振動と音は、プラットホームで横になっている人々を何度も叩き起こし、震え上がらせていた。人々はただ、夜明けを待つしかなかった。「あ、そうだそうだ。あれを買いに行かんとな・・」突然一人の老人が
★★★2-12降り注ぐ爆弾は年の瀬などお構いなしに、経済の中心地である金融街に襲い掛かった。猛火と煙に包まれたセントポール大聖堂の姿は、まるでイギリスの最期を見ているような光景だったが、市民や消防士は命がけで大聖堂を守り抜いた。刹那の安堵と一筋の涙がこぼれる。何度も限界を感じながらも、惨事に対峙していく市民たち。実際の写真を、AIでカラー処理しました年が明けた1941年。スター・フィッシュ作戦がいよいよ始動した。ニセの施設やまやかしの炎は、夜の闇に偽りの座
★★★2-11「テムズ川を・・新しく造る?」そう言ったっきり、クリオはしばらく言葉を失った。早朝から役所に駆け込んできた劇団の先輩。てっきり『水が出ない』とか、その手のクレームかと思いきや・・・。「郊外の広い場所に川を造るんだ!いや、池・・に近いのか、テムズ川独特のS字カーブを模した水路だ。地面を掘って水を貯め、ドイツ機に誤認させる」老人が足を滑らせたのは、暗い夜で水たまりが見えなかったから。月明かりがあれば、きっと気付いていたはずだ。「ドイツ機は、テムズ川の反射を
★★★2-10連続爆撃記録は途切れても、ドイツ軍による空襲は断続的に続いていた。防御に回るイギリス軍には、反撃に転じるだけの力はなかった。この年は特に寒さが厳しい冬で、軍支給のコートを着ていても、外気の寒さはごまかせなかった。首元に巻いた青いマフラーが、まるで暖炉のようにテリィの身体を温めてくれた。空襲警報が解除されると、市民は直ぐにスコップを手に取り、救助活動を始める。テリィもまた、小型のクレーンが瓦礫をかき集める横で、スコップを振り続けていた。「あの部隊には頭が
★★★2-9「今こそ、誰もが毅然とした態度で立ち、それぞれの日常を続ける時である!敵が送り込んでくるどんな攻撃にも意志を失うことなく、耐え抜かねばならない!」朝陽と鳥のさえずりで目覚める朝がどれほど贅沢だったのか。今日も地下トンネルに響く誰かの話し声で目が覚める。粗末な朝食をとりながら、ラジオから流れる首相の演説に耳を傾ける。国民を鼓舞する声は力強いが、朝には重い。「今日で何日連続?」「30日だ」「よく爆弾が品切れにならないわね」「たぶん、半分はヤシの実を落と
★★★2-8「空爆が始まったのかしら・・」地下鉄の階段付近にある事務所の端っこで、体調の悪い老人を看ていたキャンディは、ドスーン、ドスーンという地響きの様な音と地震のような揺れを感じ、ふと天井を見上げた。灯りがゆらりと消えかかると、テリィはハッとした。(地下鉄の真上は主要道路・・その下には水道管とガス管が通っている。もし道路に爆弾が落ちたら、ここは――)――地獄の釜と化す。身体に戦慄が走ったテリィは、いても立ってもいられず「外の様子を見てくるっ」と階段を駆け上がった。
★★★2-71940年9月7日夕刻――キィ―――――――ッ耳に突き刺さるような高い金属音。「何、何、、?」キャンディは思わずテリィの腕にしがみついた。テリィは窓から身を乗り出し、市街地の方角に目を凝らす。薄暮の時とはいえ、空を染める赤は、陽の光ではなかった。「・・・爆発?」「坊ちゃま、空襲警報ですっ!すぐに地下室へ!」普段のテイラーとは思えないほどの機敏さで、メイドに指示を出しながら走ってくる。「灯りを消して、地下に避難を!」「テリィ、、」「――始まった
★★★2-6案内された先に現れたのは教会だった。「・・・戦没者の慰霊碑?」第一次世界大戦で命を落とした人たちの名が刻まれ、真新しいポピーのリースが供えられている。どうやら午前の式典の場所は、ここだったようだ。「――今回のフランスでの戦いで、犠牲になった兵士たちの・・・追悼式があったんだ」湿った風が吹き抜けるその場所に関係している人物。テリィに思い当たるのは、一人しかいなかった。ジャスティンは胸のポケットに手を入れ、取り出した物を、ギュッと握りしめた。「――こ
★★★2-5暗号の解読成功はトップシークレットとなり、国王や首相を含む、ごく限られた関係者しか知らされなかった。議員である父も知らない。数日間、テリィは新聞の隅々まで目を通したが、クイーン・メリー号が撃沈された――というニュースは見なかった。(逃げ切ってくれたのか、それともUボートを仕留めたのか・・)「病院は、今どうなっているんだ?」朝食の席には、テリィとキャンディだけが座っていた。「患者さんは地方の病院に移ってもらったの。残っているのは重症で動かせない人だけよ。妙
★★★2-4ロンドン某所にある、陸軍の兵舎。この日、テリィはジャスティンが寝泊まりしている兵舎を訪れた。「・・・兵役免除?代わりにシェークスピア劇をやれと?」テリィの誘いに、ジャスティンは素直には喜べなかった。「いやなのか?デュークス劇団も俳優が足りないらしく、快諾してくれた」「いや、嬉しいよ。嬉しいが、今は兵も民間人も似たような境遇だ。本土防衛に向けて、緊張が高まっている」ジャスティンの口調には、いつもの張りがない。「――ダンケルクからの撤退のさなか
★★★2-2©いがらしゆみこ・水木杏子画像お借りします短いロンドンの夏は、一年でいちばん心地よい季節。今日のブルーリバー動物園は、ゆっくり巡るのにちょうどよい人出だった。デートじゃないのは分かっていても、キャンディはテリィと歩くだけで特別に感じた。反省室を抜け出し、亀のヒューリーを抱えて訪ねた学生時代を思い出す。(あの時はアルバートさんに会いに来て、偶然居合わせたテリィと園内を回ったのよね・・)昔とほとんど変わらない風景に、目を細めなが
★★★2-1翌日の親子2人の朝食は、報告から始まった。「そうか、陛下は応じないか。・・お前が陛下付き近衛兵とは」「近衛隊は陸軍の正規歩兵隊でもあります。戦況によっては戦地に送られることもあるでしょうが、僕には芸術活動をしてほしいと言われました」「芸術活動?ストラスフォードでか?」「いいえ、ウエストエンドで。陛下の口添えで、ロイヤルデュークス劇団にゲスト出演という形で。この劇団とは過去に付き合いがあるので、今月中には活動を始められると思います。空いた時間に宮廷へ出向きます」
★★★1-13オーク材の長テーブルを覆うパリっと糊がついた白いクロス。色とりどりのばらが活けられ、整然と並べられた銀のカトラリーは、貴族の格式そのものだ。そんな中運ばれてきたのは、見覚えのある料理。「・・・アイリッシュシチュー?」「キャンディスさまが作られました。いつお坊ちゃまがお戻りになってもいいようにと」「キャンディが?」「ストラスフォードでも毎日作られていたそうですよ。坊ちゃまの好物だとか?」好物だと伝えた覚えはないが、そんな妻の勘違いに、思わず口元が緩む。「
★★★1-12熱烈な歓声を浴びる兵士の列に合流したジャスティンは、足の踏み場もないほど混雑した列車の中に消えていった。残されたテリィは、しばらく波止場で海を眺めていた。背後から時折フランス語が耳に入ってくる。「俺たちは、祖国を見捨ててしまったのか・・?」「フランスには家族がいるんだ」「イギリスに来ちまって、どうすればいいんだ」フランス軍人の声には、命拾いした安堵だけではない、複雑な感情が漏れ出ていた。クッキーは少し離れたところで、嬉々として話し込んでいた。相手は
★★★1-11ドーバー港は異様な雰囲気だった。船は一隻もない。どこから集まってきたのか、埠頭には白いエプロン姿の女性たちがやけに目立つ。作業の傍ら時折顔を上げ、沖に目を凝らしている。クイーン・メリー号が急遽ドーバー港への入港が許されたのは、レッドクロスの医薬品を積んでいたからだ。ニーブンさんがインネン中佐に、その必要性を強く進言したらしい。接岸して間もなく、テリィは直ぐにでも必要になりそうな荷をほどき、ブリティッシュ・レッドクロスに引き渡した。「船長が船を下りてい
★★★1-10「なるほど、公爵家の・・グランチェスター閣下のご長男、幹部候補ですな」クッキーの案内により、テリィは初めてこの船の指揮官であるインネン中佐の部屋へ通された。壁に貼られた大きな海洋地図と大陸地図が、不気味なほど威圧感がある。中佐は殆ど癖のように後ろに手を組みながら地図を見上げ、ぼそっとつぶやいた。「絶望的だ・・」テリィは一瞬、思考が止まった。中佐は今、何と言ったのか。速まる動悸を感じながら次の言葉を待つ。「もはやフランスも持ちこたえられない。・・イタリアが、
★★★1-9テリィの腰は自ずと引いていた。タラップを上る一歩一歩に緊張が走る。イギリス海軍に徴用されたその船の舷側には「クイーン・メリー号」の文字が見えた。かつて華やかなパーティが催されていた豪華客船。それが今や灰色に塗り替えられ、贅を極めた装飾は跡形もなく剥ぎ取られている。行きかう兵士の腰にはナイフや銃のホルスターが下がり、甲板には巨大な対空砲や自衛砲が、空を睨むようにガッチリと固定されていた。その光景は、戦争が日常であることを雄弁に語り、スーツ姿のテリィは、完全に"よそ者
★★★1-8『アーチーボルド・コーンウェル』に扮したテリィは、医療物資の管理者―ロジスティシャンとしてアメリカの商船に乗り込んでいた。レッド・クロスの支援物資が大量に積まれたその船は、大西洋を横断し、中立国ポルトガルのリスボンで荷を下ろすらしい。アメリカ船は『中立法』により、交戦海域に入ることはできない。とはいえ、外海なら安全かと言えば、そうとも言い切れなかった。アメリカ船をイギリス船と見誤って、ドイツ軍に誤爆されるリスクがあったからだ。テリィが乗り込んだ船も例に漏れず、
★★★1-7バンっ!!いつものように政治談義をしていた安息日の昼下がり、エグゼクティブルームのドアが、外れんばかりの勢いで開いた。「テリュース!アメリカにいたなら何故シカゴに来ない!」そう怒鳴る青年がアーチーだと気づくのにテリィは一瞬遅れた。どこか印象が違っていたからだ。「・・アーチー?しばらく見ない内に・・変わったな」「染めたんだよ!」頭をグシャっと触りながら不服そうに声を張った。(――白髪か)テリィは声に出してはいない。しかし、同情めいた口元を読んだのか、ア
★★★1-6翌年4月。セントラルパークが春の息吹を見せ始めた頃、冬眠していたドイツ軍がついに動き出した。ドイツ軍、ノルウェーとデンマークに侵攻!「ノルウェーもデンマークも中立国なのに、、」新聞を手にするテリィの腕がわなわなと震えているのを見て、アルバートの勘が働いた。「両国の王室は、イギリス王室と親戚関係にあったか?」「はい。グランチェスター家とも縁があります。しかもノルウェー国王とデンマーク国王は兄弟です。この両国を同時に襲撃するなんてっ」アルバートの表情がいつ
★★★1-5ニューヨークに初雪が降った頃、カールは珍しいことを言った。「あんたに会いたいって人が来てるよ」「断ってくれ」テリィは関心がなさそうに顔をそむけた。「女だよ?」「なおさら断ってくれ」最上階の眺望はどこまでも広がっていたが、テリィの心は、自分の中にしか向いていない。「ストラスフォード劇団とか言ってたぜ?ブロンドの長い髪と印象的な緑色の瞳で、キャンディになんとなく似てるけど、キャンディよりは――」無関心男は突然カールの方を向いた。「分かった。裏口で待
★★★1-4テリィを浮上させられる人物は世界にただ一人。「とりあえずさ、家族に手紙を書きなよ」キノコが生えてきそうな暗い男にカールは提案した。「・・知ってるだろ?イギリス行きの船はUボートに撃沈されている」「でも、全てじゃない。10通書けば何通かは届くさ」船舶に頼っている郵便事情が、戦時下でスムーズにいくとは限らなかったが、アメリカにいてできることは、これくらいしかなかった。「あんたに手紙が来てるよ!」朗報は秋の終わりに届いた。「キャンディか!?」はやる
★★★1-2©いがらしゆみこ画像お借りします「・・大丈夫だよ、パティ」一瞬、パティの目には夫の顔が若き日の恋人ステアと重なった。「僕はアメリカに住んでいる。徴兵は拒否できるはずだ」「ほんと・・?」夫の言葉に救われたようにパティは顔を上げた。「でも、国籍はイギリスのままだろ?」瞬間、テリィは不用意な事を言ってしまったと感じ「領事館に確認してくる!」と走るようにアパートを後にした。ブロードウェーにあるイギリス領事館には、さほど多くの人は訪れ
11年目のSONNET・終章――EternalCoda――エターナル・コーダ世界大戦の後、1919年に締結されたヴェルサイユ条約によって、厳しい制裁を科せられた敗戦国ドイツ。巨額賠償金、領土縮小、極端な軍備制限――世界恐慌の煽りも受け、屈辱と失業の深刻化の中で不満を募らせていくドイツ国民。ヒトラー率いるナチ党は、それらを覆すと力強く約束することで支持を拡大、再軍事化を開始した。「ゲルマン民族※は一つの帝国に統
キャンディファンのみなさま、お変わりありませんか?本編終了から5年、最後のスピンオフから2年半の月日が流れました。今でもこのブログを訪れてくださる読者さんがいらっしゃることに、驚きと同時に、心からの感謝を申し上げます一度は筆を置き、ブログを放棄してしまった罰当たりなブログ主ですがイメージ画「きちんと終わらせるためにもう一度始めよう」「責任を持って、このブログの管理者であり続けなければ」という気持ちになりました。この5年間、人の欲やネット社会の歪みを目の当
アクセスありがとうございますアーチーの誕生日のはずの5月25日。ところが、10月11日のステアの誕生日と入れ替わって「なかよし」の付録に印刷されてしまい世界中のアーチーファンは嘆き悲しんでいる…かなぁ〜?アーチーが好き!テリィの次にアーチーが大好き!テリィと同じぐらいという声が多いことに、ブログを始めて知りました。アーチーが1番好き、は聞いたことなしワタシも、最近はアーチーの株が上がり①夫②兄③親友④はとこの中では
本日はキャンディとアニーちゃんの誕生日です普段は隠居しているワタクシも、奮起しました(笑)コレが今回の目次です↓ご興味あるテーマがあれば、つまんでください目次キャンディのバラバラの意味を考える早稲田大に見たキャンディキャンディ画キャンディのバラ前回の記事で『スウィートキャンディというバラはありませんが、蘭ならあります』と書きましたが実は、ありましたキャンディキャンディというバラが!!なぜ今まで、ロザリアン※からその情報
※この記事は2025年6月に再編集しました。加筆アリファイナルの表紙何故水色?日本語版ファイナルの帯と装丁は、上巻はピンク、下巻は水色です。キャンディはテリィからの手紙の束を「水色のリボンで括っている」と、旧小説のあとがきにあるので、ピンクはスウィートキャンディの色=アンソニー(1章)で、水色はテリィ(2章)を表現していると感じます。ただ、よく見ると一般的な水色ではありません。青緑に近い、いわゆる(宝石の)ティファニーブルーです。ティファニーブルーは『駒
テリィという人物は、いがらし先生の絵と共に性格も漫画のイメージで完成されていると思いますしかし、漫画版と小説版では、テリィを描いた人物が違うので、微妙に違います。では実際に、どんな風に違うのか、比較したいと思います。まずは漫画のテリィ破壊系テリィビリッガシャーンバッ!暴力系テリィビシッ!!ピシ!ピシ―ッ!!並べると、すごく荒っぽい奴に見えますね「(連載当時)乱暴者で情緒不安定なテリィが嫌いだった」という意見を何度か聞