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小説FINALSTORYに出てくる「エレノア・ベーカーへの手紙」を基にした一話完結の物語です。ファイナル、SONNET本編が未読でもご覧いただけます。※ネタバレには絡みません11年目のSONNETスピンオフハムレットの招待状★★★ごめんなさい、ミス・ベーカー。ミス・ベーカーのお気持ちは痛いほどありがたいのに。この招待券を見つめているだけで、わたしにはテリィの舞台が観え、歓声と鳴りやまぬ拍手が聞こえてくるような気がします。この招待券はわたしの宝物として大
全国100万人のテリィファンの皆さんの中の今さらテリィに萌えている100人の皆さんお宝テリィのセル画を発見しましたその前に、ぴゆっちさんが発見していたことは、内緒です許可を頂きましたので、リブログします。お時間のある時にご覧くださいどなたかが所蔵しているセル画を、依頼を受けて補修なさっているようです。とても細かい作業の工程がご覧になれます。※元のブログをいつの間にか見失いましたが、せっかくなので続きを読んでください🙇♀️【2024年3
※このお話は、本編エピローグの冒頭の一文をピックアップした物語です。本編を未読でも読めるようになっています。前回のスピンオフ業火の劇場の1ヶ月後の出来事です。★登場人物・・・アルフレッドテリィのアメリカ時代からの旧友(劇団員)。ややぽっちゃり体型。どんな人物だったか知りたい方は、5章アルフレッドの告白をご覧ください。アルフレッドの独白11年目のSONNETスピンオフ★★★焦げ臭さの残る黒い地面とは対称的に、透き通るエイボン川は淀みなく、抜ける
11年目のSONNETスピンオフ★★★業火の劇場後編「無茶はやめろっ!キャンディ――!!」ジャスティンの制止する声など聞こえるわけもない。「――キャンディ、どこへ行くつもりだ」だが、この声は何故か聞こえたのだ。――テリィ・・・?テリィの声に聞こえた。町中に響く鐘の音と、サイレンの音と、野次馬たちの声をすり抜けて、聞き慣れた声だけがキャンディの耳元に届いた。「テリィ・・・?」確認するように振り返ると、ハムレットの衣装に身を包ん
今回のスピンオフは、本編を未読でも読めるお話です。本編終了後の「エピローグ」の中の一文をクローズアップしました。前回のスピンオフ「おめでとう」でキャンディのおめでたが判った、一ヶ月ほど後の出来事です。舞台は、エイボン川の町です。登場人物のおさらいジャスティンテリィのライバル役者で親友(悪友)。キャンディに片思いしていた過去がある。王子系のプレイボーイ。アルフレッド劇団員。テリィとはアメリカ時代からの付き合い。性格も体格もやや緊張感に欠けている。おばあちゃん子
これは「11年目のSONNET・エピローグ」の中の一文をピックアップしたスピンオフです。ネタバレには絡まないお話です。おめでとう―11年目のSONNET―★★★アメリカからの帰りの便、キャンディは船酔いが酷かった。赤い愛車をニューヨークの家に置いてきたテリィが、イギリス本土へ足を踏み入れた瞬間、馬車で向かった先は車の展示場だ。「これにしようと決めていたんだ」今日もテリィの決断は早かった。明らかに以前とは車種が違うことにキャンディは驚いた。箱型
諦めていませんか・・・?3万円出せないと。。。。何がってこれです!!諦めるのはまだ早~い!!※つい昨日まで諦めていたのは誰?こちらのブログをお読みください『「キャンディキャンディ」ファンの想い』昨日、ある一本の動画がYouTubeにアップされました。それはツイッターで数年前からキャンディキャンディに関するツイートを探してはリツイートする活動をしてきた…ameblo.jp復刊ドットコムは絶版になった書籍を復活させるWEBサイ
めっきり寒くなりました布団から出られない朝にはつくづく思います。ソネットの連載が夏でよかった連載が終って一ヶ月以上経ちましたが、みなさんが口を揃えて言ってくださった「もう一回最初から読み直しま~す」とのお言葉は嘘ではなかったようで一読が終わったと思われる今日この頃アクセス数はガタ落ちです。夏草やつわものどもが夢の跡松尾芭蕉※季節違いはご容赦下さい与太話はこれぐらいにして、今回はお堅い「考察」をお届けします。考察!テリィの下まつ毛与
※考察は全編にわたり、頻繁に加筆修正しています。考察好きの方は、定期的な再読をお勧めします考察①FinalStoryって?1考察のはじめにテリィ派って?派閥争いFinalStoryって?ファイルの構成時系列のポイント原作者の言葉2補足資料7つのエピソードの正確な文章テリィの手紙キャンディの出さなかった手紙名木田先生のインタビュー記事イタリア版ファイナルのまえがき考察②新旧手紙の
SONNETのあとがき物語は全て終わりました。如何でしたでしょうか。スッキリしていただけたでしょうか一番思い入れのある8章。5月の誕生石エメラルドの緑とキャンディの瞳の色との符合は、おそらく偶然ではないのでしょう。原作者の名木田先生、神です!!そして宝石言葉が「幸せ」と知った時にはもう鳥肌が立ちました。物語の中でキーワード的に何度も登場する言葉。これも瞳の色と掛けていたのだとしたら・・、ホント神業ですね。「エピローグ」の最後の数行は、FINALSTORYからの抜粋です。原
【2024年3月4日加筆しました】テリィという人物は、いがらし先生の絵と共に性格も漫画のイメージで完成されていると思いますしかし、漫画版と小説版では、テリィを描いた人物が違うので、微妙に違います。では実際に、どんな風に違うのか、比較したいと思います。まずは漫画のテリィ破壊系テリィビリッガシャーンバッ!暴力系テリィビシッ!!ピシ!ピシ―ッ!!並べると、すごく荒っぽい奴に見えますね「(連載当時)乱暴者で情緒不安定なテリィが嫌
謝っていないスザナテリィに会いにNYへ行ったキャンディは、自分の手紙がスザナによって(殆ど)隠されたことに対して憤慨しています。「私が出した手紙を隠されたように、もう、二度とスザナに邪魔をして欲しくなかった。はっきりそう言ってやろう、と意気込んでいた」下巻235ですが、スザナの自殺未遂の現場に居合わせたキャンディは急転直下テリィとの別れを決意します。その後、キャンディとスザナは病室で話をしたと思われますが、キャンディは手紙のことを話題に出せるような状況ではなくなりました。
今回の考察は、ファイナルには全く触れられていない「空白の10年」を扱っています。つまりほぼ妄想です。くだらぬものに付き合わせて、申し訳ありません皆さんのお考えと違うところも多々あると思いますが、一意見としてご覧ください手紙を隠したスザナファイナルで初めて追加された、スザナが手紙を隠していたエピソード。漫画のスザナはどうだったか?テリィは不注意で手紙を落とし、それをスザナが拾います。拾ったから渡す、という普通の展開でした。つまり、漫画版スザナは
★★★8-22暖炉の薪がパチパチと大きな炎を上げ始めた頃だった。「・・降り始めたのか・・」窓ガラスの向こうがうっすらと白くなっていることに気付いたテリィは、ちらちらと光りながら落ちてくる雪に誘われテラスへ出た。雲の割れ間から令月が覗く雪月夜・・。幻想的な光景だった。「テリィ・・?」食器を洗っていたキャンディの耳に、柔らかなハーモニカの音色が届いた。雪のカーテンで視界がぼやけ、ガラス戸の外は何も見えない。テラスへ近寄って行くと、ついたばかりの足跡が三つ四つ。冬のあの日、ポニー
★★★8-21消えかかった暖炉の炎も、一吹きの息で橙色に変わる。やがてパチパチと心地よい音を立て、再び燃え上がる。こんな炎はもういらない・・。燠(おき)のように、静かに、熱く、いつまでも――「何を考えているの?」キャンディは運んできたトレイを暖炉の脇に置いた。「ジャムとの別れを噛みしめている・・」暖炉を炊きながら真顔でふざけた事を言うテリィに、「それを言うならアーチーとアニーとのお別れでしょっ」キャンディはテリィの額をチョンっと指で押した。「アーチー嬉しそうだったわ
★★★8-19「あなた達の記念樹も楽しみね。今年はもっと咲くといいわね。私も微力ながらお手伝いするわ」パイを食べ終わった頃、不意にエレノアが言った。「えー・・と、・・スウィートキャンディのことか?きっと俺の手紙がプレッシャーをかけたんだな。ごめん、そんなに肩に力を入れなくてもいいよ」テリィが決まり悪そうに答えると、エレノアは目をぱちくりさせた。「あのばら、スウィートキャンディって言う品種なの?・・――えっ、偶然?」とたん、(ばれたっ・・!)と、キャンディは真っ赤になって顔を覆った
★★★8-18黄金のオーラを身にまとい、本物のエレノア・ベーカーが目の前に座っている。テリィはその大女優を『母さん』と呼び、キャンディは『ママ』と呼んでいる。分かり過ぎる状況なのに、アーチーにはこの状況がてんで理解できない。(こ、これは、・・いっ、いったい、・・どういうことだ――!?)アーチーはまばゆいばかりの美しさを放つその人に恐る恐る目を向け、隣にいるキザな奴と見比べた。何故今まで気づかなかったのか。二人が親子であることは一目瞭然だ。(そのままの顔じゃないかっ、いったい今まで、
★★★8-17「どうされましたか?ウィリアム様」運転席のジョルジュは、笑いをこらえているようなアルバートの声に気付き、後部座席にちらっと目を向けた。「いやぁ~、この設定はすごいよ。キャンディは住み込みの看護婦で、テリィがマーロウ家に入り浸っていたのはそのせいだって。ゴシップのプロの発想はすごいな。そんな筋書き、僕には思いつかない」ニューヨークで調達した新聞を見て、アルバートはしきりに感心していた。「グランチェスター様はインタビューに応じたようですね。その記事、どうなさるおつもりです?」
★★★8-16「キャンディ・・お待たせ・・」打ち合わせ通りの席で映画を観ていたキャンディに声を掛ける。「・・上手くいったみたいね。よかった・・」小声で話すキャンディの横の席にテリィは腰を下ろした。午前の早い時間の映画館。上映作品は西部劇のようだ。客など殆ど入っていない。「私、西部劇って初めて。お芝居とはまた違って、すごく新鮮・・」テリィも映画を観ようとするものの、もはや話の筋に付いていけない。キャンディの肩に頭を乗せ、うとうとしかけた時、画面がラブシーンに切り替わった。反射的に
★★★8-15「く~っ、かっこいいねぇ。何をしゃべっても芝居のセリフにしか聞こえんよ」「しかし、本音を言ってたよな?十年以上だんまりを決め込んでいた人物とは思えないぐらい」踊り場で待たされていた記者たちは井戸端会議を始めた。「ああ、惚れ込んでいるのは伝わったよ。財産目当ての線は消えたな。そもそもテリュースの実家もかなりの資産家なんだろ?」「どうかね、貴族って言ってもピンからキリまで。落ちぶれた貴族だっているそうじゃないか?」記者の一人がそう言った時、さきほどの女性記者が毅然とした態度
★★★8-13「おはよう、あなた・・」甘い声・・。キャンディの・・。「・・・おはよう」少し頭が混乱する。「・・犯罪者になった気分だわ。――こんなに囲まれちゃって」とぼけた声に変わり、テリィは全ての状況を一気に理解する。「やっちまった―・・」テリィは一言漏らすと、脱力したように枕に顔を埋めた。やはり壁が薄すぎたのか、カンテラの灯りが強かったのか。いや、たぶん窓を全開にして、シーツをはたいたのがいけなかったのだろう。テリュース・グレアムの在宅を嗅ぎ付けた記者達が、朝からアパートの
★★★8-12ブロードウェーから四ブロック入ったウエストサイド地区。狭い道路の頭上には蜘蛛が巣をはるように洗濯物が干されている。お世辞にも高級住宅街とは言えない。「寒くないか?角部屋で窓が多いから、隙間風が入ってくるんだ。この部屋、冬は最悪で、」「大丈夫よ。部屋が狭いから暖かくなるのも早いわ。ストーブの薪がいいのかしら?」キャンディは部屋をゆっくり見回した。きれいに掃除されているとはいえ、テーブルの横はすぐベッド。一流の役者に似合う部屋とも思えない。「・・引っ越そうとは思わなか
★★★8-9手紙を隠したスザナ・・――誰かを心底、愛してしまったら、きれいな気持ちのままではいられない―自分のエゴイズムに負けてしまったスザナ。そんな自分の罪の深さをスザナは知っていた。きっとつらかったに違いない。そう、私達以上に・・。「・・何も知らなかった・・、私――」蒸気で曇った窓に手をあて、キャンディは建物と建物の隙間からわずかに見える空を見上げた。今にも雪が降り出しそうなよどんだ空。――わたしはテリュースの心がどこを向いているか知っていました。テリィがあなたのこと
★★★8-8グランチェスター家の封印が押された手紙が届いたのは、それから間もなくだった。父さんの直筆で書かれたその手紙には、たった一言『帰国せよ』。外国在住でしかも外国人との結婚は異議が多く、議会の承認が下りないと書かれた弁護士の書簡も同封されていた。グランチェスターの名を捨てることは絶対に認めないとも。不肖の息子とはいえ公爵家の長男であることはゆるぎない事実。どこか納得している自分もいた。実家と縁を切り結婚話を進めることも出来たが、もうそんな必要もなかった。マーロウ夫人を諦めさせる
★★★8-6気が付くと俺はアパートの部屋にいて、一番古い消印の手紙を手にしていた。――最初にキャンディが書いた手紙・・。消印はシカゴでつかの間の再会を果たすより一か月以上も前のものだった。「こんなに前に・・君は俺の事を知ってくれていたのか・・」薄ピンク色の封筒を見詰めたまま、どのくらいの時間そうしていたのか分からない。―・・今更、読んだところで何になる。惨めになるだけだ。そう思う自分と、もう一度キャンディに触れたいという自分が葛藤した。頭がキャンディの事で一杯になった時・・・君の
★★★8-5『春の公演の慰労会・・ですか?―・・あいにくその日はスザナと予定が、彼女の誕生日なんです』『それならスザナと夫人も連れてくるといい。陰の功労者だ、一緒に祝わせてくれ。久しぶりに会いたい』その日ロバート先生が恒例行事に俺を誘ったのはいつもの事だが、スザナにまで話が及んだのは初めてだった。そろそろ団員たちに紹介した方がいい、という団長らしい配慮だったのかもしれない。『何もかも白いパーティですって?素敵!テリィはこういうパーティに参加したことあって?』『すっぽかしたことならあ
7章の中書き7章、お読みいただきありがとうございました。🙇♀️レ・ミゼラブルを出したのは、あのひとの本棚にフランスの文学書があったからです。ブロードウェーミュージカルでロングラン公演になるのは、ず~と後世ですが、その前身になる舞台で、エレノア・ベーカーも関わってるといいな、というブログ主の願いも込めて。ポニーの家の子がよそへ引き取られる際に、新しいパジャマを持たせるというエピソードは、アニメオリジナルのものです。巣立つ子供への先生たちの愛情がよく表現され、じ~んと
★★★7-14人もまばらなピッツバーグ行の夜行列車。出発時間が遅いためか、乗客達は席に着くなり次々と眠りについていく。「やっぱり君が窓側に座ってくれ。どうも落ち着かない」キャンディはなぜこの期に及んでテリィがそんなことを言うのか見当がついた。「あなたって意外と単純なのね。さっきの若い夫婦を見てそう思ったんでしょ?」キャンディがにたりと笑うとテリィはぐっと口をつぐんだので、図星だったようだ。(・・この列車なら大丈夫そうね・・熟年の男性ばっかりだわ)「君も寝ていいよ。俺はこれを読みた
★★★7-13「フンギャー・・フグッ・・オンギャー」どこかで泣き声がする。車内を見渡すと、いつの間にか混雑し始めていた。都市が近いからなのか、夕刻の一時的な混雑なのかは分からない。通路にも人が立ち始め、押し出されるように赤ん坊を抱いた若い夫婦がキャンディの直ぐ横に立った。「あの、この席をどうぞ」即座に立ちあがったキャンディは、テリィに肘で合図を送り通路へ出た。「え・・いいんですか?」「赤ちゃん、お腹が空いているのかしら?・・立ったままじゃ無理でしょ?どうぞ」奥に座った若い母親
★★★7-12キャンディは移動中も気遣いは忘れなかった。「あなたが窓側に行くべきよ!通路側じゃ顔を見られちゃうわ」「レディが窓側に行くべきだ。通路側じゃ誰かに襲われた時、守れない」「想像力が飛躍し過ぎよ。襲われたりしないわっ」「よく言うよ、イギリスへ着いた途端暴漢に襲われただろ?ジャスティンから聞いたぞ」「襲われたのはジャスティンの方!私は暴漢を襲った方よ」事実を聞いたテリィは呆気にとられ、思わず額に手をあてた。「・・君が襲うのは、俺だけにしてほしいな・・」結局座席の譲り合いは