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今回はアイザック・アシモフのSF小説「アイ・ロボット」の感想です。アイ・ロボット(角川文庫ア11-1)Amazon(アマゾン)2050年代、世界中でロボットが普及した近未来が舞台。ロボット黎明期からの様々なエピソードや事件が、老齢のロボット心理学者スーザン・カルヴィンの回顧を通して紹介されていく形式で物語が進んでいきます。__________________スーザンが様々なエピソードを時代を追って思い出していくのですが、、、初期の頃は「子供と戯れ
今回は相場英雄の小説「KID」の感想です。キッド(幻冬舎文庫)Amazon(アマゾン)元・自衛隊のエリート兵士で、フリーランスの傭兵稼業を営む男・城戸護(通称:KID)が主人公。福岡で開催されるコンベンションに参加するために来日した中国のエリートビジネスマン・王の警護任務についていたところ、王が何者かに殺害されてしまいます。中国共産党や北朝鮮の陰謀が事件の裏でうごめく中、城戸はその犯人に仕立て上げられ、警察・公安に追われる立場に。城戸が公安の追手から逃れながら
『悪い夏』で虜になってしまったので、染井為人さんの作品をもっと読みたくて。これもこれとて、めちゃくちゃ面白かった!ダークなのに喜劇。登場人物達は皆真剣なのに、面白い。ふつうに笑える。映画を観ているような、止まらないストーリーの激しさに目が離せない。実写化してほしすぎる!対立したいたはずの純と鉄平がいつの間にか仲良くなってるところとか、不仲だったはずの純と蘭子の兄妹愛とか、鉄平が萌花とのディズニーランドを楽しみにしているところとか、そういう感動要素がたまらないしぐっとくる。気付いたら
沈黙を守ることは、犯人と共犯になってしまう──最後の誇りが矢萩路子を告訴に踏み切らせた。襲った犯人はすぐ割れたが、男は和姦を主張。事件は裁判に持ち込まれた。被害者であるのに過去を暴かれ、好奇の目に晒され、路子は職場を、恋人を、ささやかな日々を失った。強者の論理、レイプを告発する問題作。レイプという性犯罪は、肉体だけでなく自尊心や魂を傷つけ、警察での事情聴取では事件当時の行動や服装や過去の男性関係や学費を稼ぐためにしていたホステスの経験や中絶したことを「被害者の処女性を証明するため」とい
今回は朝井リョウの小説「桐島、部活やめるってよ」の感想です。桐島、部活やめるってよ(集英社文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}前回の「正欲」を読んでから、自分の中で朝井リョウがプチブームになっており、デビュー作である本作を読んでみました!地方の県立を高校を舞台にして、生徒達のストーリーがオムニバス形式で描かれていて、それらは一貫して「スクールカースト」や「格差」(部活のレギュラーと控え、運動部と文化部etc..)が大きなテー
垣根さんの本はこれまでワイルド・ソウル→室町無頼→本作と3作読んできましたが、どれも骨太で面白い。そして語彙がすごい。人物の描写が丁寧で、それぞれの心情と行動に説得力があるし、それらが絡まり合った展開の面白さもお見事。ワイルド・ソウルと室町無頼は改めて読み直した上で記事を書きたいなと思っています。以下極楽征夷大将軍について、好きなところを思いつくままに書いていきます。・直義〜!!師直とは対照的な実直さ、清廉潔白具合、故に自分の欲得で動く武士の人望を集められない直義。彼の正しいと
とにかく大大大好きな小説です。何もかもが面白すぎて、こんな面白いものがこの世にあるのかと衝撃を受けました。書きたいことを思いつくままに書いていきます。登場人物が本当に魅力的なので、キャラクターごとに。・梁文秀本当に何て魅力的な人なんだ。聡明で志高く、優しくて、自分の至らない点も痛ましいほど真摯に受け止める誠実な人柄。彼自身は自分の優しさは貧しい者への施しだったと評価するけれど、子供と話すときにしゃがんで目線を合わせたり、出自を気にせず相手と接する姿勢や、春児や玲玲の幸せを願う情の
どうも!新年一発目の書籍感想記事は、星新一のショートショート集「妖精配給会社」の感想です!妖精配給会社(新潮文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}いやぁ、星新一のショートショート集、定期的に読みたくなるんですよね。今回収録されている中で一番印象的に残っている作品は、今回のタイトルにもなっている「妖精配給会社」かな。______________________________________あらすじ:ある日突然、宇宙から地球へ
友人に「わたしは読みかけだけど、みくに読んでほしい」と言って借りた本が銭湯の女神/星野博美。感想なんてものじゃなく、文字を読んで、あ、駅着いた、本を閉じて、歩く、その間に考えていたこと。のメモ。借りたままで忘れていたが、ドレスコーズのライブまで時間があったので読んでみることにする。わたしはこのひとの考え方というか、世間への視線は好きではない。でも、これほどまでに強い断定の言葉で言ってしまわなければ、人に思いが伝わらない時代になったのかもとも思う。「感じ取ってね」なんて「キスしてい
前回、サクっと読める小説を読みましたが…『小説『ランチ酒おかわり日和』原田ひ香』原田ひ香さんの小説けっこう好きです全部読みたいのですがたくさん著書があって追いつきません今回読んだ本はこちら『ランチ酒おかわり日和』こちらはシリーズもので第…ameblo.jp今回も読みやすい小説を読みました1編10分くらいあれば読めると何かの合間に読めて気楽に読書ができます『ときどき旅に出るカフェ』(近藤史恵著)この表紙に吸い寄せられました内容は…37歳、独身、一人住
戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び―悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。「彼」が介護苦に陥っている家庭の披介護者を心不全に見せかけて殺害する連続殺人、介護事業者フォレストケアの営業マンだった佐久間が利用者の情報を利用した振り込み詐
考察している記事があまり見つけられなかったので、自分の考えを記したいと思いました。拙いところはご容赦を…。皆さんのご意見が聞けると嬉しいです。※以下、めちゃくちゃネタバレします。未読の方はご注意下さい。物語の構造『近づいては離れを繰り返し、そのたびに距離は離れる』まずは塁とクーチとの関係性について、全体を通して考察をする。2人の物語は塁がきっかけを作る→クーチが反応する→急激に2人の距離が縮まる→時間の経過と共にお互い不満が募る→別れるという一連を繰り返して、ラストに向かってい
今回は明石家さんまさん執筆の小説「Jimmy」の感想です。Jimmy(文春文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}「お笑い芸人」と「画家」の二束の草鞋で活躍されている、ジミー大西さんを主人公として描いたノンフィクション小説。ジミーちゃんが吉本興業に入社してからさんまさんに弟子入りし、芸人を経て画家として名を揚げるまでのストーリーが描かれていて、作中ではジミーちゃんのハチャメチャエピソードが数多く描かれています!特に一番好きだったの
今回は朝井リョウさんの小説「正欲」の感想です。正欲(新潮文庫)Amazon(アマゾン)朝井作品については、以前にも「世にも奇妙な君物語」を記事にしました。「コイツ朝井リョウばっか読んでんなw」と思われてそうですが(^^;『朝井リョウ「世にも奇妙な君物語」感想』今回は朝井リョウさんの「世にも奇妙な君物語」の感想です。有名テレビドラマ「世にも奇妙な物語」の大ファンだという作者が、同じような珍妙な世界観や大どんでん返し…ameblo.jp今回この作品を読んだのには理由があ
今回は「手塚治虫小説集成」の感想です。手塚治虫小説集成(立東舎文庫)Amazon(アマゾン)「漫画の神様」として有名な手塚先生ですが、一方で小説もちょこちょこ執筆されていたそうで、今回の小説は、それらの短編小説を集めた短編集です。・・・個人的に印象に残ったのは「蟻人境」という作品です。---------------------------------------------------------------あらすじ(ネタバレ注意):蟻のように地中に巨大な巣を
当ブログにご訪問の皆様こんにちは!ブログ主です。今世間で騒がれている中古車販売買取業者のビックモーターですが、前々から保険金詐取などの疑惑が噂されていたものの新聞やテレビ局は最近まで報じる事なくやり過ごしていました。テレビ局ではビックモーターのCMをつい最近まで流していましたね。CMのスポンサーですから報道しない権利を・・ゴホンゴホン・・ビックモーターの疑惑を積極的に報じていたのは、自分の知る限り自動車系雑誌の「ニューモデルマガジンX」ぐらい。保険金の詐取された保険会社
今回は、森見登美彦「四畳半神話大系」の感想記事です。四畳半神話大系四畳半シリーズ(角川文庫)Amazon(アマゾン)653円前回、同じく森見作品である「きつねのはなし」の感想記事を投稿しましたが、『【ホラーテイストな雰囲気が良い!】森見登美彦「きつねのはなし」感想』今回は森見登美彦の小説「きつねのはなし」の感想です。きつねのはなし(新潮文庫)Amazon(アマゾン)544円森見登美彦さんの作品というと、昔友人に進めら…ameblo.jp今回の「四畳半神話大系」は、
こんにちは、ピッピです。私は現代社会学部に通いながら写真家を目指す大学4年生です。小説や日常に関することを自由にブログにしています。最近『手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』という小説を読みました。作者は喜多川泰さん。喜多川さんは『運転者』という有名な作品もあります。(この本もとてもよかったまたこの本についても書きます。『手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』は題名の通り「手紙屋」を名乗る方と就職活動に出遅れてしまった学生が文通をするというお話です。この本に興味を持っ
こんばんは、暑いですね、麦野です!さて、さっそく最近読んだ小説の感想を。雪舟えまさんの「緑と楯ハイスクール・デイズ」集英社文庫から出ています。緑と楯ハイスクール・デイズ(集英社文庫)|雪舟えま|本|通販|AmazonAmazonで雪舟えまの緑と楯ハイスクール・デイズ(集英社文庫)。アマゾンならポイント還元本が多数。雪舟えま作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また緑と楯ハイスクール・デイズ(集英社文庫)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。amzn
今回は朝井リョウさんの「世にも奇妙な君物語」の感想です。有名テレビドラマ「世にも奇妙な物語」の大ファンだという作者が、同じような珍妙な世界観や大どんでん返しを含む短編を書いてみたいということで製作された短編集です。世にも奇妙な君物語(講談社文庫)Amazon(アマゾン)726円全5話の短編作品の中で、特に世界観が面白いと思ったのが、「リア充裁判」ですね。世界観とあらすじ:-----------------------------------------若者のコミ
こんにちは、ピッピです。私は、写真家を目指す大学4年生です。日常についてのブログをきままに書いていきます最近小説もいいなと思いました。おすすめの小説があれば、教えてください。ホラー系は苦手ですが、、最近読み終わった本は、「言葉のいらないラブソング」という本です。内容は、ミュージシャンなのにとても真面目で普通の人なのが悩みの男性と、元声優会社員の少し変わった人と違うことが悩みの女性が出会って恋をするというお話。私も、昔から人と違うという自覚がなんとなくあったので、女性に
今回はジェイムズ・P・ホーガンのSF小説「星を継ぐもの」の感想です。星を継ぐもの巨人たちの星シリーズ(創元SF文庫)Amazon(アマゾン)732円あらすじ:地球上で国同士の諍いは無くなり、人類が宇宙開発へ視野を移した近未来が舞台。ある日、月面調査隊が月で宇宙服を着た死体を発見します。その死体は明らかに現代の地球人と同じ身体特徴を持っているにも関わらず、現代の地球には存在記録が無い上に、5万年前以上も前に死んだことが判明。古代の地球に存在した科学文明の住人だったの
こんばんは。推しにてんてこ舞いすぎてなにをやってなにをやり忘れているか脳内???状態の麦野です(笑)マルチタスクは苦手です。。さて、久々に(?)小説の感想を書いてみようと思います!最近活字を読む余裕が出てきてうれしー…!水森サトリさんの「でかい月だな」集英社から出ています。リンク先はAmazonです~。水森サトリでかい月だな(集英社文庫)※以下、ネタバレ含みます。ある大きな満月が出ていた夜。友人に崖から突き落とされた主人公の中学生ユキが、家族や友人、二度目の中学生二年生
こんばんは。今日は読書感想ぶろぐ。儚い羊たちの祝宴米澤穂信読み終わったー!\(^o^)/本屋でこの装丁目に入って即ジャケ買い。短いお話が5つ収録されている一冊。お話それぞれが面白いのはもちろん「バベルの会」という読書サークルで5つのお話にゆるい繋がりもあってさらに大ラスのオチもしっかりしてました。全部よく出来ていて後味のわるーい「世にも奇妙な物語」みたいな感じ。5話中5話、ラスト一行、数頁で「落としにかかる」感じは、もうお見事としか言えない。こういう小説は好きだ
こんばんは。今日は読書記録。チルドレン/伊坂幸太郎だいぶ前に読み終わったー!この前サブマリンを読んだのでついでに一作目も読み直すことに。最後に読んだのは2015年。"そもそも、大人が格好良ければ子供はグレないんだよ。"しびれるよね。陣内さん。私は特に"チルドレンⅡ"のお話が好きでした。おしまい。オマケ世の中的にはまもなくバレンタインですね〜私はある時期からチョコは一律買う派。高校生の頃はとにかく大量にもらうから、頑張って手作りしてお返ししてたなぁ。私自身は甘い
"ピンク髪のチャラ男が笑顔で走ってる姿を見て何かを感じ取ってくれたら嬉しい"と言いながら、100km走り切った姿を見て私も"何か"を感じ取った夏の終わり。その"何か"を言葉にするのは難しいけど、生まれた場所による格差の違いに苦しみながら育って、家族のために大好きな野球を諦めて高校に行かずに働いて、ちょっと道を外したりもして、それなのに、すべての友人関係を切って東京に出て、表舞台に立つようになって、親を恨まずに親孝行までしていて🥲そんな生い立ちを24時間テレビで知って、どん
こんばんは。あっちゅうまに2月ですね。去年も言った!笑さてさて。今回感想を書きたいと思うのは、マヌエル・プイグの「蜘蛛女のキス」集英社から出ています。マヌエル・プイグ蜘蛛女のキス(集英社文庫)蜘蛛女のキス(集英社文庫)|マヌエル・プイグ,野谷文昭|本|通販|AmazonAmazonでマヌエル・プイグ,野谷文昭の蜘蛛女のキス(集英社文庫)。アマゾンならポイント還元本が多数。マヌエル・プイグ,野谷文昭作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また
こんばんは。今日は読書感想ブログ。母性湊かなえ読み終わったー\(^o^)/1週間、通勤中に一気読み。すごかった。幾らかエネルギーもってかれた気がした。ネタバレせずに伝えることがうまくできない。なんというかこう…心のやわーいところ…あまりエグられたくない部分に深々とブッ刺してくるような小説でした。リアルひとみん(母)にすぐおすすめしました。読み終わった後の感想戦が楽しかった。年末映画化されてたよねえ…WOWOWにきたら見たいな。おしまい。オマケ昨日は、あつ森で新年会
こんばんは。今日は読書感想ぶろぐ。伊坂幸太郎読み終わったー!勝手にやってる"本棚にある伊坂幸太郎作品読み直しキャンペーン"と見せかけて、初めて読んだー!買ったの随分前のはずなのに、本棚にてれっと並べてあったもんだから読み始めるまで未読なの気付かなかった。「チルドレン」の続編とも言える今作。チルドレンはかなり前に読んでたから記憶がごっちゃになったんだろうな。お話の中で人は亡くなるし、そもそもテーマが少年犯罪とシリアスだし、何やら物騒な事件も起きるのだけど、伊坂さんの小説は、
本は再読しまくる派、たこです。久しぶりに島本理生さんの「ナラタージュ」を読みたくなり、高校生ぶりに読んだので軽く感想を。ざっくりとしたあらすじを言いますと、高校生の時の演劇部の顧問の先生が好きだった主人公・泉が、大学生になってその先生と再会する話です。初回に読んだときは先生に恋をし始めた泉と近い年齢でしたが、今は先生と再会した泉に近い年齢で読んだということになります高校生の時は、「どうして泉は全然振り向いてくれない先生のことがこんなに好きだったんだろう?」と思っていました