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「えっ?なに、それ」ボクはそんなこと、知らない…と裕太は驚いて、颯太を見る。「えっ?知らないの?てっきり裕太には、話しているとばかり、思っていたのに」何ということなのだろう。孫である裕太が知らなくて、友達である颯太が知っているとは!「え~っ」言葉を失う裕太を見て、「たまたま、そこに居合わせただけなんだよ」あわてて颯太が慰める。「何でだよぉ~じいちゃんはボクよりも、ソウタのことを信用していたってこと?」これは裕太にとって、かなりのショックだ。「だから、たまたま
第二話二票目内部研究資料を登録してから三日後。久世の端末に通知が届いた。《研究資料90-1174》《申告選好と支払選好の構造的乖離》《一次自動評価が完了しました》《政策研究価値:高》《既存制度との重複:低》《統計的再現性:高》《追加検討を推奨します》久世は、最後の一行を二度見た。その下に注意事項が続いている。《購買行動は、所得、価格、供給制約、時間制約、地域条件その他の影響を受けます》《支払選好を、申告選好より優越する意思表示として扱う根拠は確認されていません》《
なぜかアキが、どうしてもリンネさんの杖から、手を離さない。「仕方がないわねぇ~いいわ、わかった」ようやくリンネさんが、折れる。「ちょっと、アキちゃん!どうするつもりなの?」ただカガリだけは、納得出来てはいない様子。アキはにぃっと笑うと、「いいから、見てて!」そう言うと、リンネさんの杖に、「これ借りてもいい?」これまたリンネさんの組みひもを借りて、おもむろにポケットから、鏡を取り出す。「あっ」これにはカガリも、思わず声をもらす。「大丈夫よ、しっかりくくりつければ、いい
端末を閉じたセイは、しばらく何もせずに座っていた。まだセツナが来る時間ではない。そう分かっている。それでも、なぜか落ち着かなかった。しばらくして、あることが気になった。(本当に来るだろうか)すぐに首を横へ振る。今日は来ると言っていた。セツナは約束を破るような人ではない。そう理解している。だが――(年末だから急用が入る可能性はある)仕事。家族。現実世界の用事。自分の知らない事情はいくらでもある。(いや、セツ
翔さんのマンションへ行った次の日のお昼、まぁくんと『お昼何食べる?』と話しながら、大学内を歩いていたら、ニノさんから電話。あれっ?ニノさんからだ。なんだろう?ふふっ、潤ちゃん櫻井さんからじゃなくて残念だったねっ♪別にそんな事ないよぉ〜。まぁくんに揶揄われながら、ニノさんからの電話に出ると、会社案内の見本の冊子が出来上がった、という報告であっ、見本が出来上がったんですね。はい、、、それで、潤くんにも見て頂きたくて、今日学校が終わってから会社に来て頂く事
*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*season11episode3*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*もしもこの今が……ツインレイ統合期の最終章なのだとしたら……ほんとに山は高くて厳しいよ……⛰️これまでの恋愛的ツインレイの試練がまるで序章に感じるほど、……今の章は比べ物にならない。何故ならあの時は……恋愛的試練に没頭できる環境があったからだ。車があって会いに行かれる時間があって電話も出来て連絡もとれてぶつかり合って
「ねぇ~先生は今、どこにいるんだろう?」じいちゃんしか、ここにはいない…ということは、今じいちゃんに、すべてをまかせている、と考えて間違いはないだろう。「だったら今先生は、何をしているんだろう?」猛烈に先生のことが、気になってきた。自分たちは、先生の表の顔…上っ面しか知らないのかもしれない。先生は単なる歴史バカ、と思っていたのだけれど、実際はスゴイ研究を、しているのかもしれない。そう思うと、何だかまったく、知らない人のように思えるのだ。「先生は、裕太のあの島で、調
第一話よくなった国九時十二分。久世直の端末に、祭礼保存審査の定期報告が上がってきた。《高宮地区・百灯祭》《参加人口:前年差-3.8%》《運営負担:上昇》《観光収益:低》《地域幸福度寄与:測定困難》《文化継承代替性:低》その下に、小さく表示されている。《人間的例外:適用中》《保存根拠:説明不能性を含む継承価値》《次回再審査:三年後》久世は内容を確認し、承認欄を閉じた。特に意見はない。祭りを続ける。それだけだった。以前なら、この一件だけで何十ページもの説明が必要だ
「どうやって?」今度は、リンネさんも尋ねる。(やった、のってきた)アキは飛び上がりたいくらい、嬉しいのだが…あえて、平静な顔を装う。「ね、リンネさん」いきなりアキは、リンネさんを見上げる。「なに?」あまりに無邪気な顔で、自分を見上げるので…リンネさんは嫌な予感がする。「その杖」ニヤニヤしながら、リンネさんの持つ杖を指し示す。「これ?」「そう」「なに?」「それって…ちょっとだけ、貸してもらえない?」さらにニヤニヤしながら、アキはリンネさんを見る。「ダメよ、私たち
昨日のうちに、今日やるべきことまで全て終わらせてしまっていた。そのことに気づいたセイは、しばらく何もせずに立っていた。やるべきことがない。改めてそう認識すると、何をすればいいのか分からなくなる。「……」自分の徹底ぶりに、思わず小さくため息をつく。では、どうするべきか。セイは考える。だが思いつかない。掃除は終わっている。料理も終わっている。買い出しも必要ない。今から新しく何かを始めるほどの時間でもない。しばらく考えた末、
なんとか話題をショートに関するものから反らそうとした結果コハネのとんでもない現況を知ることになってしまった。オレも人のこと言える立場じゃないとはいえ、さすがにそこまでの状況になったことはないな……。「そこまでヤバいんだったら今日一日教えてやっただけじゃどうにもならないだろ」「そうね、だから何日か続けて向こうに行くみたいよ。しばらく放課後はりんねはいないと思うわよ。コハネ次第ね」「りんねも大変だな……」「りんねの周りバカしかいないしもう慣れてるんじゃない?それにほら、コハネだったら好
男子生徒のオートバイの後ろに制服のまま乗せられ、明美は夏の海岸道路を走った。彼の、黒くペイントされたフルフェイスヘルメットにはシールドも無く。お構い無しに風が入り込み、明美は薄目を開けるしかなかったが。まるで川の水のように流れていく空と海の青さは、よく見えていた。そして……オートバイに同乗することにより、男子と身体を密着させたことも初めてとなり。明美は自身の大胆さ?に赤面も禁じ得なかった。走り始めて暫くすると、右脇を一台の別のオートバイが抜き去って行った。それは明美達の乗っている車
英国の女流推理作家クリスティン・ペリンによる長編ミステリー。大叔母の謎の死を解き明かそうとするアニーの奮闘を描いた物語です。今年二十五歳になるアニー・アダムズは、ミステリー作家を志望する女性。―――彼女はある夏の日、キャッスルノールという田舎の村に招待された・・・。そこにはアニーの大叔母にあたるフランシスが住んでいて、なんでも彼女は最近遺言書を書き換えたらしい(?)。ところがフランシスの弁護士ゴードンとともに、彼女の屋敷を訪れたアニーは、図書室で死んでいる大叔母を発見
気づけば夜の22時を回っていた。さっきまで暇でやることが無かったのだが、すっかり集中していたらこんな時間になってしまった。しかし、まだまだ俺の夜は終わらない。そう、今宵はオンリーワンの時間を存分に楽しむのだ。仕事を早々に切り上げて、洗濯を取り込んだら、夕食の準備だ。さて、今日は何を食べようか。適当に作って食べるかと冷蔵庫の中を覗くと、賞味期限が近い大量の豚肉があるではないか。これは豚ちゃんを使わざるを得ない。よし、豚キムチでも作ろう。人生で3回くらいしか作ったことが
命のリレー、その先にSnowMan総合病院4階手術室前の廊下。12時間のマラソン手術を終え、アドレナリンが切れて泥のように眠りたいはずなのに、どこか達成感で満たされている鳳医長。当直中で心カテ室出し帰りの阿部ちゃんが、手術室から出てきた鳳医長とバッタリ。鳳医長は、12時間戦ったとは思えないほど背筋がピンと伸びているが、少しだけ乱れた後れ毛が激闘を物語っている。阿部ちゃん:「(立ち止まり、真っ直ぐ鳳医長を見て)……鳳先生。……遊離空腸、無事に終わったんですね。
「え~っ」せっかく楽しみにしていたのに…不満そうに、裕太はじいちゃんを見る。だがじいちゃんは、裕太に背を向けて「ワシは、火の番をしているから、裕太は安心して寝なさい」追い払うような仕草をする。なんでだよぉ~急に軽くあしらわれたことに、裕太はヘソを曲げる。「そりゃあ、仕方がないだろ?じいちゃんだって、することがあるんだし」仕事の邪魔をしてはいけない。うなだれる裕太のことを、颯太がポンポンと軽く背中に触れる。「ねぇ~じいちゃんも、クローンの研究をしていたの?」
プロローグ推奨《国家目的関数・第六周期重み投票の集計が完了しました》朝七時十二分。久世直がコーヒーを淹れているあいだに、日本人の祈りが集計された。壁面端末に結果が並ぶ。《生活安定:27.8%》《医療維持:18.6%》《環境保全:24.1%》《地域共同性:8.3%》《文化保存:6.7%》《未来活力:5.9%》残りは、教育、治安、自由裁量、格差抑制その他。環境保全は、制度開始以来の最高値だった。ニュースフィードはすでに祝賀的な見出しを流している。《環境価値、若年層を中心
どうしたらいいのだろう?アキはすっかり、頭の中がいっぱいいっぱいになる。「ねぇ、試してみたいことがあるんだけど」いきなり切り出す。「へっ?」「なに?」一体、何を言うんだ、とけげんな顔をするのだけれど。「まぁまぁまぁ~そんな怖い顔をしないでよぉ」みんなの視線がこちらに向くのを、アキは笑ってごまかそうとする。「でも、無茶をする気なんでしょ?」すかさずリンネさんが言う。「もう~信用がないなぁ」どれだけ、そんな風に思われているの、とアキは少しだけへこむ。「大丈夫よ、
その後、部屋へ戻る。ルカの食事を用意し、自分の朝食も作る。いつも通り、何も変わらない朝だった。食事を終え、片付けを済ませる。そこで1度立ち止まった。今日やるべきことを頭の中で確認する。庭の手入れは終わっている。掃除も昨日のうちに済ませた。夕食の下ごしらえも終わっている。来客の準備も問題ない。暖炉も正常に稼働している。不足はない。しばらく考える。そして気づいた。(……やることがない)静かな沈黙が落ちた。
智さんがいたからキス出来なかったし、勿論翔さんからのハグもなくて、だから、僕は少し(かなり?)欲求不満僕の方から翔さんに『〝ぎゅっ〟ってハグして、熱いキスして♡』ってお願いしたいけど、なかなか言い出せない、、、、それでも、なんとか勇気を振り絞って、あの、しょおさん、、、ん?何?えっと、、、あ、、、ん?あっ!もしかして、後片付けの事?いいよ、いいよ、俺があとで全部やるから心配しないで。ううん、そうじゃなくて、、、あの、、、///・・・やっぱり恥ずかしくて言え
烈貴の両親、正和と明美が10代を過ごした1980年代前後は、校内暴力の増加に対抗するため、全国の学校で「管理教育」や詰め込み教育がピークを迎えていた時代であった。私立進学校や伝統校も、進学実績の維持や学校の秩序(ブランド)を守るために、校則を厳格化して生徒を管理する傾向が強まっていた。日本の教育界全体が「管理教育」に傾倒していた時期でもあり、私立の伝統的な宗教校もその影響を強く受けていた。キリスト教系学校、特にカトリック系の女子校や修道会が母体となっている学校においては如実に、厳格な校則が
「深海の生物は、かなり古くから生息しているのもあるし…それなりに、制約もありそうなんだ。全部が全部、というわけにはいかないなぁ」こうしていると、じいちゃんの苦労の一端がほんの少し垣間見えるようだ。「もっともワシは、先生じゃあないから、詳しいことは、わからないけどな」「いや、十分だよ」裕太は、じいちゃんをねぎらうように微笑む。そう言うわりには、じいちゃんは嬉しそうだ。「まさか裕太と、こんな話が出来る日が来るなんてなぁ。大きくなったもんだ」しみじみと、噛みしめ
グン!と後ろに引っ張られ、思わずアキはつまずきそうになる。「あっ、大丈夫?」すぐにリンネさんが、声をかける。「あの穴の中を、確認したいんだけど…」アキがさらにそう言うと、「ちょっと、待って!」なぜかリンネさんが、彼女を止める。「え~っ、どうして?やっと怪しい穴を見つけたのに!」なんで、止めるの?アキは、リンネさんの顔を恨めしそうに見つめる。安全確認…とはいっても、ここは見通しが今一つだ。「だったら、どうやって?」アキは挑むように、リンネさんを見返す。だが
【第6章特別な人】朝。いつも通り目を覚ます。だが、その瞬間に真っ先に浮かんだのは彼女の顔だった。(今日はセツナさんが来る日だ)その事実を思い出した瞬間、ぼんやりしていた意識が少しだけはっきりする。そして次の瞬間、自分でも少しだけ驚いた。起きて最初に考えたことが、セツナのことだったからだ。(……僕は思っていた以上に楽しみにしていたらしい)静かに息を吐く。胸の奥がわずかに落ち着かない。今日は彼女が来る。その事実が改めて意識の中
「烈貴!烈貴!?」「………う」正和が声をかけ続け、次第に烈貴は意識を回復して来た。改めて明美に向き直る正和。「何があった!?何なんだ、一体!?」床に座り込んだ明美は虚空を睨み付けたまま、ボソボソと呟き続ける。「………私は、正しい。私は………」茉莉が、明美に駆け寄る。「お母さん!」正和は、苛立ちながらも諭し始める。「幾ら何でも、子供に手を出すのはやり過ぎだ!この俺だってしない。何があったのか、言ってみろ!」それまでボソボソと呟くだけだった明美が、おもむろに目を見開き
子ども達は夏休みだから、毎日たらふく寝ている。放っておいたら1日寝てるんじゃないかと思うくらい寝ている。私は決まって夜明けと共に痒みのウェイクアップがあるから、こんなに寝れることがアンビリーバボー。でも、若かりし頃を思い出せば、午後にようやく起きることはザラだったと振り返る。恐るべしヤングライフ。あの頃が懐かしいぜ。だから、夏休みくらいはゆっくり寝かせてあげようと特に起こしはしない。どころか、自分のその波に乗って、5度寝くらいしながらダラダラと過ごす。生
「それで研究は…どのくらい、進んでいたの?」実際のところは、竜が成功している、という事しかわからない。(まさか、他の恐竜は、うまくいかなかったのか?)そんなことまで、、疑うけれど…「あぁ~他のがどうなったかってこと?もちろん、竜ほどたくさんは出来てないけど…それなりに、進んでいるはずだ」何でも、大きい恐竜は、化石が見つかったりしているから…サンプルを取るのは、さほど困ってはいないらしい。(他のものと、比べては…だが)「もっとも、クローンを作るとなると、それなりに
いくつかの分野に章を分けています。まずは住宅ローン編からどうぞ!住宅ローン編第7話崩れ始める日常住宅ローン編第7話崩れ始める日常-未来銀行(CML)-カクヨム審査するのは、人ではない。未来だ。kakuyomu.jp次回更新までお待ちください!
夜。ベッドへ横になる。目を閉じる。明日は彼女が来る日。その事実が静かに意識へ浮かぶ。わずかに胸の奥が高鳴る。呼吸を整える。気づかれてはいけない。その前提は変わらない。だが――明日が待ち遠しい。そんな自分がいることも、もう否定はしなかった。セイは小さく息を吐く。そして、明日のことを思い浮かべながら、静かに目を閉じた。(第244話に続く)
もっともポコンと開いた穴は、10cm程度の小さな穴だ。それが、秘密の入り口というわけではなさそうだ。(あれ?ホントに、この穴なんだろうか?)アキは何だか当てが外れて、すっかりガッカリする。その穴に手を突っ込むと、丸い取っ手のようなものが、指先に触れる。「あっ、何かある」今度こそ、見つかるのだろうか?(まさか、ワナじゃあないよね?)一瞬疑うけれど、思い切ってグンと引っ張る。ギギギギギ…かすかに、何かが開くような音がする。「え~っ、なに?」さすがに、これは何かある