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なんとか話題をショートに関するものから反らそうとした結果コハネのとんでもない現況を知ることになってしまった。オレも人のこと言える立場じゃないとはいえ、さすがにそこまでの状況になったことはないな……。「そこまでヤバいんだったら今日一日教えてやっただけじゃどうにもならないだろ」「そうね、だから何日か続けて向こうに行くみたいよ。しばらく放課後はりんねはいないと思うわよ。コハネ次第ね」「りんねも大変だな……」「りんねの周りバカしかいないしもう慣れてるんじゃない?それにほら、コハネだったら好
男子生徒のオートバイの後ろに制服のまま乗せられ、明美は夏の海岸道路を走った。彼の、黒くペイントされたフルフェイスヘルメットにはシールドも無く。お構い無しに風が入り込み、明美は薄目を開けるしかなかったが。まるで川の水のように流れていく空と海の青さは、よく見えていた。そして……オートバイに同乗することにより、男子と身体を密着させたことも初めてとなり。明美は自身の大胆さ?に赤面も禁じ得なかった。走り始めて暫くすると、右脇を一台の別のオートバイが抜き去って行った。それは明美達の乗っている車
英国の女流推理作家クリスティン・ペリンによる長編ミステリー。大叔母の謎の死を解き明かそうとするアニーの奮闘を描いた物語です。今年二十五歳になるアニー・アダムズは、ミステリー作家を志望する女性。―――彼女はある夏の日、キャッスルノールという田舎の村に招待された・・・。そこにはアニーの大叔母にあたるフランシスが住んでいて、なんでも彼女は最近遺言書を書き換えたらしい(?)。ところがフランシスの弁護士ゴードンとともに、彼女の屋敷を訪れたアニーは、図書室で死んでいる大叔母を発見
気づけば夜の22時を回っていた。さっきまで暇でやることが無かったのだが、すっかり集中していたらこんな時間になってしまった。しかし、まだまだ俺の夜は終わらない。そう、今宵はオンリーワンの時間を存分に楽しむのだ。仕事を早々に切り上げて、洗濯を取り込んだら、夕食の準備だ。さて、今日は何を食べようか。適当に作って食べるかと冷蔵庫の中を覗くと、賞味期限が近い大量の豚肉があるではないか。これは豚ちゃんを使わざるを得ない。よし、豚キムチでも作ろう。人生で3回くらいしか作ったことが
命のリレー、その先にSnowMan総合病院4階手術室前の廊下。12時間のマラソン手術を終え、アドレナリンが切れて泥のように眠りたいはずなのに、どこか達成感で満たされている鳳医長。当直中で心カテ室出し帰りの阿部ちゃんが、手術室から出てきた鳳医長とバッタリ。鳳医長は、12時間戦ったとは思えないほど背筋がピンと伸びているが、少しだけ乱れた後れ毛が激闘を物語っている。阿部ちゃん:「(立ち止まり、真っ直ぐ鳳医長を見て)……鳳先生。……遊離空腸、無事に終わったんですね。
「え~っ」せっかく楽しみにしていたのに…不満そうに、裕太はじいちゃんを見る。だがじいちゃんは、裕太に背を向けて「ワシは、火の番をしているから、裕太は安心して寝なさい」追い払うような仕草をする。なんでだよぉ~急に軽くあしらわれたことに、裕太はヘソを曲げる。「そりゃあ、仕方がないだろ?じいちゃんだって、することがあるんだし」仕事の邪魔をしてはいけない。うなだれる裕太のことを、颯太がポンポンと軽く背中に触れる。「ねぇ~じいちゃんも、クローンの研究をしていたの?」
プロローグ推奨《国家目的関数・第六周期重み投票の集計が完了しました》朝七時十二分。久世直がコーヒーを淹れているあいだに、日本人の祈りが集計された。壁面端末に結果が並ぶ。《生活安定:27.8%》《医療維持:18.6%》《環境保全:24.1%》《地域共同性:8.3%》《文化保存:6.7%》《未来活力:5.9%》残りは、教育、治安、自由裁量、格差抑制その他。環境保全は、制度開始以来の最高値だった。ニュースフィードはすでに祝賀的な見出しを流している。《環境価値、若年層を中心
どうしたらいいのだろう?アキはすっかり、頭の中がいっぱいいっぱいになる。「ねぇ、試してみたいことがあるんだけど」いきなり切り出す。「へっ?」「なに?」一体、何を言うんだ、とけげんな顔をするのだけれど。「まぁまぁまぁ~そんな怖い顔をしないでよぉ」みんなの視線がこちらに向くのを、アキは笑ってごまかそうとする。「でも、無茶をする気なんでしょ?」すかさずリンネさんが言う。「もう~信用がないなぁ」どれだけ、そんな風に思われているの、とアキは少しだけへこむ。「大丈夫よ、
その後、部屋へ戻る。ルカの食事を用意し、自分の朝食も作る。いつも通り、何も変わらない朝だった。食事を終え、片付けを済ませる。そこで1度立ち止まった。今日やるべきことを頭の中で確認する。庭の手入れは終わっている。掃除も昨日のうちに済ませた。夕食の下ごしらえも終わっている。来客の準備も問題ない。暖炉も正常に稼働している。不足はない。しばらく考える。そして気づいた。(……やることがない)静かな沈黙が落ちた。
智さんがいたからキス出来なかったし、勿論翔さんからのハグもなくて、だから、僕は少し(かなり?)欲求不満僕の方から翔さんに『〝ぎゅっ〟ってハグして、熱いキスして♡』ってお願いしたいけど、なかなか言い出せない、、、、それでも、なんとか勇気を振り絞って、あの、しょおさん、、、ん?何?えっと、、、あ、、、ん?あっ!もしかして、後片付けの事?いいよ、いいよ、俺があとで全部やるから心配しないで。ううん、そうじゃなくて、、、あの、、、///・・・やっぱり恥ずかしくて言え
烈貴の両親、正和と明美が10代を過ごした1980年代前後は、校内暴力の増加に対抗するため、全国の学校で「管理教育」や詰め込み教育がピークを迎えていた時代であった。私立進学校や伝統校も、進学実績の維持や学校の秩序(ブランド)を守るために、校則を厳格化して生徒を管理する傾向が強まっていた。日本の教育界全体が「管理教育」に傾倒していた時期でもあり、私立の伝統的な宗教校もその影響を強く受けていた。キリスト教系学校、特にカトリック系の女子校や修道会が母体となっている学校においては如実に、厳格な校則が
「深海の生物は、かなり古くから生息しているのもあるし…それなりに、制約もありそうなんだ。全部が全部、というわけにはいかないなぁ」こうしていると、じいちゃんの苦労の一端がほんの少し垣間見えるようだ。「もっともワシは、先生じゃあないから、詳しいことは、わからないけどな」「いや、十分だよ」裕太は、じいちゃんをねぎらうように微笑む。そう言うわりには、じいちゃんは嬉しそうだ。「まさか裕太と、こんな話が出来る日が来るなんてなぁ。大きくなったもんだ」しみじみと、噛みしめ
グン!と後ろに引っ張られ、思わずアキはつまずきそうになる。「あっ、大丈夫?」すぐにリンネさんが、声をかける。「あの穴の中を、確認したいんだけど…」アキがさらにそう言うと、「ちょっと、待って!」なぜかリンネさんが、彼女を止める。「え~っ、どうして?やっと怪しい穴を見つけたのに!」なんで、止めるの?アキは、リンネさんの顔を恨めしそうに見つめる。安全確認…とはいっても、ここは見通しが今一つだ。「だったら、どうやって?」アキは挑むように、リンネさんを見返す。だが
【第6章特別な人】朝。いつも通り目を覚ます。だが、その瞬間に真っ先に浮かんだのは彼女の顔だった。(今日はセツナさんが来る日だ)その事実を思い出した瞬間、ぼんやりしていた意識が少しだけはっきりする。そして次の瞬間、自分でも少しだけ驚いた。起きて最初に考えたことが、セツナのことだったからだ。(……僕は思っていた以上に楽しみにしていたらしい)静かに息を吐く。胸の奥がわずかに落ち着かない。今日は彼女が来る。その事実が改めて意識の中
「烈貴!烈貴!?」「………う」正和が声をかけ続け、次第に烈貴は意識を回復して来た。改めて明美に向き直る正和。「何があった!?何なんだ、一体!?」床に座り込んだ明美は虚空を睨み付けたまま、ボソボソと呟き続ける。「………私は、正しい。私は………」茉莉が、明美に駆け寄る。「お母さん!」正和は、苛立ちながらも諭し始める。「幾ら何でも、子供に手を出すのはやり過ぎだ!この俺だってしない。何があったのか、言ってみろ!」それまでボソボソと呟くだけだった明美が、おもむろに目を見開き
子ども達は夏休みだから、毎日たらふく寝ている。放っておいたら1日寝てるんじゃないかと思うくらい寝ている。私は決まって夜明けと共に痒みのウェイクアップがあるから、こんなに寝れることがアンビリーバボー。でも、若かりし頃を思い出せば、午後にようやく起きることはザラだったと振り返る。恐るべしヤングライフ。あの頃が懐かしいぜ。だから、夏休みくらいはゆっくり寝かせてあげようと特に起こしはしない。どころか、自分のその波に乗って、5度寝くらいしながらダラダラと過ごす。生
「それで研究は…どのくらい、進んでいたの?」実際のところは、竜が成功している、という事しかわからない。(まさか、他の恐竜は、うまくいかなかったのか?)そんなことまで、、疑うけれど…「あぁ~他のがどうなったかってこと?もちろん、竜ほどたくさんは出来てないけど…それなりに、進んでいるはずだ」何でも、大きい恐竜は、化石が見つかったりしているから…サンプルを取るのは、さほど困ってはいないらしい。(他のものと、比べては…だが)「もっとも、クローンを作るとなると、それなりに
いくつかの分野に章を分けています。まずは住宅ローン編からどうぞ!住宅ローン編第7話崩れ始める日常住宅ローン編第7話崩れ始める日常-未来銀行(CML)-カクヨム審査するのは、人ではない。未来だ。kakuyomu.jp次回更新までお待ちください!
夜。ベッドへ横になる。目を閉じる。明日は彼女が来る日。その事実が静かに意識へ浮かぶ。わずかに胸の奥が高鳴る。呼吸を整える。気づかれてはいけない。その前提は変わらない。だが――明日が待ち遠しい。そんな自分がいることも、もう否定はしなかった。セイは小さく息を吐く。そして、明日のことを思い浮かべながら、静かに目を閉じた。(第244話に続く)
もっともポコンと開いた穴は、10cm程度の小さな穴だ。それが、秘密の入り口というわけではなさそうだ。(あれ?ホントに、この穴なんだろうか?)アキは何だか当てが外れて、すっかりガッカリする。その穴に手を突っ込むと、丸い取っ手のようなものが、指先に触れる。「あっ、何かある」今度こそ、見つかるのだろうか?(まさか、ワナじゃあないよね?)一瞬疑うけれど、思い切ってグンと引っ張る。ギギギギギ…かすかに、何かが開くような音がする。「え~っ、なに?」さすがに、これは何かある
職場の"女子会”から戻った夜、明美の機嫌はすこぶる悪かった。「おやぁ?早かったねぇ。二次会は?」「うるさいッ!!」間抜け面で尋ねる夫・正和に、手を上げんとばかりに噛みつく明美。鬼瓦のような表情そのままに、ダイニングキッチンのテーブルに座りこんだ。自室から降りて来た娘・茉莉も、母の様子を怪訝そうに覗き込む。「お母さん、具合悪いの?」それに対して父・正和は、これまた間抜けなレクチャーをする。「いやぁ、普段慣れない酒飲んだもんで、悪酔いしてんだろ」そう言って正和は冷蔵庫から麦茶の
翔さんは、智さんにブツブツ文句を言っていたけど、でもさ、潤が今日ここに来る事、オイラに話したんは翔ちゃんだゾ。オイラに来て欲しくなかったら、潤が来る事言わなければ良かっただろ?確かにそうだけど、、、あの、、、一番悪いのは僕だから、ここはしょおさんの家なのにしょおさんに確認取らないで智さんを通しちゃったから、、、あ〜あ、翔ちゃんが怒るから潤が責任を感じちゃったじゃんか、あ、いや、そういう訳じゃなくて、、、潤ごめん、俺怒ってるとかじゃなくて、智君がいて
形成外科の中でも最難関とされる、マイクロサージャリー。それは、血管や神経をミリ単位で繋ぎ直し、「体の一部を別の場所で生かす」究極の再建術。今回行うのは——遊離空腸移植。失われた食道の代わりに、小腸を首へと移植し、新しい通り道を作る手術。消化器外科×形成外科。二つの頂点が交わる、12時間の戦いが始まる。12時間のプライド午前9時。SnowMan総合病院第1オペ室。鳳医長が、手洗いを終えて入室。鳳医長:(鋭い眼差しでモニターを射抜き、手袋
「それが、同じなんだよ。まったく同じ。一頭の竜のDNAから作った個体なのに…顔が違う。体の色も違う。何で違いが出るのか、わからないんだ」ニコニコしながら、じいちゃんが言う。「単に陽射しの強さとか?この島の方が熱いし…あっちの竜は、地下にいるからなんじゃあないのかなぁ?」ほぼあてずっぽうで、裕太が言うのだが「なるほど、そうか!」なぜかじいちゃんは、本心から感心しているように見える。「太陽光線の強さとか?日光に当たる時間とか?まさか…エサが関係するとか
夕方。一通りの準備を終え、部屋を見渡す。配置。導線。清掃状態。不足はない。そのはずなのに、視線は何度も室内を巡った。椅子の位置を整える。棚の上を軽く拭く。使う予定の食器を確認する。必要以上に整えている自覚はあった。だが、止めはしなかった。やがて日が落ちる。窓の外は静かだった。セイはキッチンへ視線を向ける。下ごしらえを終えた食材。冷蔵庫に並んだ材料。焼き上がったクッキー。明日の準備は、もう十
見た目は黒ずんで、アンティークな木目の祭壇だが…意外ともろくなっているのだろうか?(ベニヤ…じゃあないと思うけど?)「どこどこ?」カガリがアキの手をよけて、思い切って手を伸ばす。あらためて、アキもさわりながら、その場所を探す。見た感じは、何も異常がなさそうな気がするのだが…手で撫でさするうちに、ようやく違和感を感じた場所にたどり着く。「ここ」探り当てた場所を、思い切ってグッと押す。初めは固くて、抵抗感があったものの…場所を変えて、何度か押すうちに、ついにガコン!
烈貴の母、高橋明美の現在のパート先は全国展開している某スーパーマーケットである。明美は、そこの事務職で会計・業務手配など総合的役割に於いて正社員を超える活躍を極め、一目置かれている。そうした中、明美は総菜などを扱うデリカ部門の係員達とは特に親密に交流を持ちつつ、自らの家庭業務=食事=に役立てている。明美は、こうしたことでも自らを"良妻賢母とは、こうでなくてはならない”と自負していた。そうした中、デリカのパートさん達から「たまには"女子会”でもしましょうよ」との声がかかり、公私にケ
この季節は本当に天気が急変しやすい。さっきまで晴れていたと思ったら急に曇り始めて、風が激しくなったかと思えば、いきなりピカピカ光り出してゴロゴロ言い出す。ここは日本か、アマゾンか。昔に比べたら確実に熱帯化している気がしてならない。でも、これこそが夏の醍醐味でもあり。人々の生活を脅かすような豪雨や洪水だけは止めてほしいけど、たまには大雨や雷だって風物詩としては悪いことだけではない。たちまち雷が鳴り出すと、さっきまで大喧嘩していた子ども達は一瞬で静かになる。さっきまで生
「違い?」「そう、違い。何だと思うか?」ふいに、じいちゃんがニヤリと笑って、裕太を試すような目つきで見る。「え~っ、成長が違うとか?」いきなり聞かれても、わかるもんかぁ~と、裕太は適当なことを並べるのだが…「あ~惜しい!」さらににやにや笑って、裕太をからかっているようだ。「惜しい?惜しいって…早く大きくなるとか?その逆で、中々大きくならないとか?」ただの小学生に、わかるわけがないだろ、と裕太はうらめしく思う。「う~ん、それもある」やっぱりじいちゃんは、裕太の反応
次に、副菜の準備へ移る。保存の利くものから順に仕上げていく。包丁の音が規則正しく響く。切り揃えられた野菜が並び、少しずつ作業台が埋まっていく。工程をひとつ終えるたびに、頭の中の予定表が静かに更新されていった。そして、デザート。材料を並べ、手を動かす。計量。混合。成形。焼き上がりを想像しながら作業していることに気づき、ふと手が止まる。淡々とした作業のはずだった。それなのに、わずかに感覚が違う。ほんの少しだけ、楽しい。