〔太宰さんは6月に死ぬ〕。彼がそう予言されたのが昭和22年の年明け。予言した人の名前は忘れたが、当時千里眼と言われるほどカンの鋭い女性だったそうだ。すると太宰はその言葉を面白がり、あちこちに吹聴して回った。そして春になると彼は体調を崩す。だが持ち直し、その年の暮れを無事に迎えることができた。だが翌年。太宰は〔人間失格〕を脱稿し秘書の女性と玉川上水に消えた。でもちょっと考えてみてほしい。太宰ファンならご存じだろうが、終戦直後は無頼派。特に太宰の絶頂期だった。戦前に川端康成の先輩の横光利一は永井荷風