『ビリギャル』は、実在の受験体験をもとにした成功譚という、扱いを誤れば安易な感動物語になりかねない題材を、教育、家族、自己肯定という3つの軸から組み直した青春映画である。2010年代の日本映画には、実在人物の体験記やベストセラーを原作とする作品が数多く作られたが、本作がその中でも強い支持を得た理由は、「偏差値40上昇」という奇跡そのものより、1人の人間が他者から信じられることで、自分を信じられるようになる過程を、極めて明快な娯楽映画として成立させた点にある。坪田信貴のベストセラー実録書を原作に、