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※2015年の記事リライト。地域によって変調のルールが異なるのも苦しかったです。声調の変調ルールの地域差台湾語の地域差の問題は当初相当に頭を悩ましてきたが、声調の変調ルールの地域差も頭痛の種だった。まずこの「地域差」の「地域」がよくわからない。というのが本当にモヤモヤした。一般には5声が変調するとき、一般的には北部は3声に、南部は7声に変わると言われているが、これは相当にザックリした言い方。私がいろんな地域の出身の台湾朋友や知り合いの台湾語を聞いた限り、かなり混沌としている気がする。北
※2013年記事のリライトです。今は慣れたけど、当初はこういう苦労もありました。母音の「e」と「ue」の対立台湾語の「方言」音について、よく知られたものは、母音の「e」と「ue」の対立。子音では、「j」と「l」の対立。(他にもあるが詳しくはあとで。)前者の違いは、今でこそ慣れたが、最初はかなり悩まされた。なぜなら、教科書や辞書のものと先生の発音がまったく逆だったから。それもよく使う頻出単語がそうなのだ。例えば、”食飽未?(ごはん食べた?)”の“未”。教科書では”be”だが先生は“bue
※同じく2013年の記事ですが、少し悩みが解決してきた状態です。。盧廣誠著『台灣閩南語概要』の場合前回からの続き。台湾語の「方言」音について、日本語(で書かれた、台湾語)のテキストを読んでたまりにたまったフラストレーションを一気に解消してくれるのが、『台灣閩南語概要』(盧廣誠著)である。わたしが台湾でたまたま見つけて買ってきたもので、これまで何度か登場してきているが、この本、本当にグッド!わかりやすいが詳しくないテキスト、詳しいがわかりにくいテキストが多い中、この本はわかりやすいのに、
※2013年の記事。めちゃめちゃ悩んでた時期です。悩みは少しづつ解決していきます。台湾語には「標準語」がない台湾語には「標準語」がない。「標準語」と言うのは、普通、ナショナルランゲージかそれに近いステータスを持つ言語について、ほぼ100%人為的な操作により決定されるもの。そして規範化、成文化、精緻化といった作業が常になされ続けて作り上げられていく。なので、どれだけ民間で浸透していようと、それだけのステータスのない言語では、「標準語」化はむずかしいのである。台湾語の場合は、政治的なステー
※2015年の記事リライト台湾語では声調がどれだけ大切かという話。台湾語レッスン、いつもは予習もせずかなーり適当に台湾語読んでいたのだが、それでも優しい先生、「う、うん、わかるよ。聴有だよ」と言ってくれていた。でも先生に褒められたこの前のレッスンはちゃんと予習をした。声調の変化もしっかり考えて、その上それを練習して臨んだので、いつもよりは声調が正確だったはず。先生曰く、いつもの発音とぜっんぜん違う!!今日のはホントによくわかる!と。"很清楚""很清楚"と何度も言ってくれたのは、逆に言
※2013年の記事のリライトです。そう言えば昨日は台湾語レッスン。今回も、いろんなことを教えてもらった。台湾映画『海角7号』の中の台湾語のセリフ(明日書く予定)を聞き取ったものを確認してもらったり。その他昨日覚えた大切なことをいくつか。共你揣麻煩。(Kālítshuēmâ-huân)迷惑かけてごめんね。と言われたら、何と答えればいいか。先生に聞かれて私は「うーーん・・・無要緊。(Bôiàu-kín)だいじょうぶですよ。かなあ?」と答える。それでも、もちろん間
※2014年の記事です。タイトルの『金罵沒ㄤ』は、台湾の女優林美秀さんが映画『総舗師(ぞんぽーさい)』の中で踊りながら歌う歌のタイトルである。(昔書いた記事はコチラ)漢字には意味はない。注音符号も混じっている。そう、これはお約束の台湾語なのである。「這馬無翁(tsit-mábôang)」(使用漢字はいろいろある)を、最初の2文字は国語に音訳して「金罵(jīnmà)」と書き、3文字目は国語に意訳して「沒(音はméiだが意味が「無」)」という文字を使い、最後は注音符号に音訳(?)して「
もしも台湾で病気になっても、きっと台湾語は使わない。でももしも、南部のいなかで病気になって、病院には台湾語しかできない先生と看護師さんしかいなかったら?あるいは台湾語しかできないお年寄りが倒れていて、台湾語のできない先生と看護師さんしかいない病院に連れて行く。そのとき私が台湾語わかれば、そのお年寄りは助かるんじゃないの!?というわけで、台湾語in病院。「病気になる」→破病(phuà-pēnn)「医者」→醫生(i-sing)「風邪をひく」→感冒(kám-mōo)「全身だるい
と言うか、どんな悩みがあるのか気になる↓↓↓、笑。袂堪得(bē-kham-tit)がまんできない袂堪呢!?(bē-khamnih!?)もうだめなのか――!?擋袂牢(tòngbētiâu)耐えられない心情無好(sim-tsîngbô-hó)気持ちがふさぐ頓椅頓桌(tǹg-í-tǹgtoh)机を叩く應該(ing-kai)ざまみろ!自作自受(tsū-tsok-tsū-siū)自業自得漚少年人(àu-siàu-liân-lâng)ダメダメヤング毋捌
電話はかける方とき、と受けるとき、絶対覚えておきたいセリフ。どちらさまですか→咱佗位欲揣?(lantó-uībehtshuē?)※「佗位」は「どこ、どちら」、「欲」は「要」、「揣」は「找」。※まさに台湾華語の「哪裡找?(どちらさまですか)」の原型だね。※あれ?「咱」は「私たち」じゃないの?と思った方はスルドイ。ここが台湾語の「咱」の不思議なところ。詳しくは過去記事を見てね。『台湾語の一人称代名詞「阮(guán/gún)」と「咱(lán)」』前回の記事で「咱只有一粒卡
日程行程(hîng-tîng)/日子(li̍t-tsí)二晩泊まる蹛二暗(tuànn̄gàm)空港飛行機場(hue-lîng-kitiûnn)/機場(ki-tiûnn)それから了後(liáu-āu)/然後(liân-āu)乗り換え換車(uānntshia)両替換銭(uānntsînn)~から對~(tuì)※この「〜から」を表す「對」が中国語とちょっと違うので最初はドギマギするね。中国語と同じように「〜に対して」「〜について」という意味もあるけど、「私は
台湾語の「その通り!」をもらうと、一瞬ドキッとする。それは二重否定だから。私の回答に対して台湾語鬼コーチ(でも超優しくてイケメンよ)が書いてくれる「bôm̄tio̍h」、漢字で書くと「無毋著」。中国語の漢字なら「無不對」。「正しくないは無い」という二重否定で「そうだよ」という意味になる。これに慣れるまでは、いきなり否定で始まるためビクっとしていた。間違った答えを言ってしまったかと思って「ひいっ」となっていたが、最近は慣れた。「bôm̄tio̍h」の連発で嬉しいです!
感覺真無歡喜。(覺得真不愉快。)Kám-kaktsinbôhuann-híホント不愉快よ。莫受氣矣。màisiūnn-khìahもう怒らないでくれよお。莫遐爾歹!(不要那麼凶!)Màihiah-nīpháinnそんなに怒らないでくれよおお。我想欲佮你tshè。Guásiūnnbehkahlítshè私はあなたと別れたいわ。彼はいったい何をやらかした!?
台湾朋友は、みんな優しい。風邪をひくと必ず言われるのが、コレ↓加飲水!(Kelimtsuí!)たくさん水を飲んで!台湾語の難解副詞“較”を使って次のようにも言える。飲較濟水!(Limkhahtsuētsui!)たくさん水を飲んで!元気がないときはこんな風に声をかけてくれるね。莫傷忝!(Màisiunnthiám!)無理しないで(疲れすぎないで)!莫傷操勞!(Màisiunntshau-lô!)苦労しすぎないで(がんばりすぎないで
「ここはどこ?」。遮是佗位?(Tsiasītó-uī?)ここはどこ?いや、こんな簡単なフレーズ、とっくに知ってなきゃだめでしょ。って?いやいやもちろん、知ってましたってば。「ここはどこ?」のもう一つの言い方、それも、よく使うらしいのが、これ↓遮搭?(Tsiatah?)ここはどこ?「じゃあだっ?」。短くてなんか面白い。
「~と同じ高さ」とか「~と同じ年齢」、つまり中国語で言うと“跟~一樣高”、“跟~一樣大”…、のような表現を台湾語でどう言うか。台湾語では「平(pênn)」を使う。佮~平高(kah~pênnkuân)~と同じ高さ佮~平大(kah~pênntuā)~と同じ年齢他の言い方もあるとは思いますが。
台湾語の可能補語台湾語の結果補語「著(tio̍h)」は、その行為の目的に達したことを表す。中国語で言うと“到”や“着”に近い。「聞こえた」は聽著矣(thianntio̍ha)「見えた」は看著矣(khoànntio̍ha)なので「聞こえたんかいっ、こらあっ⁉」は有聽著無?(ūthianntio̍hbô)となる。映画やドラマのセリフでよく出てくる。1)中国語の結果補語「見」は台湾語では可能補語中国語と違うのが結果補語“到”、“懂”、“見”の使い分けである
台湾語の結果補語結果補語、文字通り、動作の結果を表す補語。中国語は動詞に直接くっつく。使われるのは、次の例文の下線部のような動詞や形容詞。(もちろんほかにもいろいろある。)聽懂了(聴いてわかった)學好了(マスターした)找到了(探し出した)做完了(やり終えた)1)中国語とほぼ同じ使い方台湾語も基本は同じ。例えば、「お腹がいっぱいになった(食事は済んだ)」は、【中国語】吃飽了。【台湾語】食飽矣。(tsia̍h-páah)となる。台湾語で「~
台湾語の様態補語(程度補語)補語の二つ目、様態補語。行われた動作がどんな様子なのかを評価する言い方である。中国語の場合は、構造助詞“得”を用いて她(唱)歌唱得很好。(彼女は歌を歌うのがうまい。)となる。形容詞の程度を表すのは程度補語と言って、“好得很(とてもいい)”とか“冷得多(ずっと寒い)”となる。また、助詞“得”を使わずに“好極了(めっちゃいい)”、“累死了(死ぬほど疲れた)”とするような方法もある。が、台湾語に関しては、まだ今ひとつよくわかっていない。わかったことだけまとめると
4)「開始」を表す「起來」が結びつくことのできる動詞が中国語より少ない方向補語“起來”は、中国語の場合、本来の「起き上がる、立ち上がる」という意味のほかに派生義として①「~し始める」(下起雨来了)、②バラバラのものをまとめる(包起来(包む)、收拾起来(片づける)、团结起来(団結する))③「~してみると」(看起来要下雨(見たところ雨が降りそうだ))といった意味がある。台台湾語の方向補語“起來”にも「~し始める」の意味はあり火燒起來矣。(火が燃え始めた)面紅起來矣。(顔が赤く
台湾語の方向補語その1中国語の補語は基本的に4種類。一般的には次のように分類される。1)方向補語2)結果補語3)様態補語(程度補語)4)可能補語台湾語も基本的には同じだが、細かく見るとだいぶ違う。まずは、方向補語から。方向補語とは、読んで字のごとく動作の方向を表すもの。実際の具体的な動きだけではなく、抽象的な意味を表す派生義もある。中国語の方向補語と意味や使い方が違っているのは…1)台湾語の方向補語起來と起去が違う台湾語の方向補語には次のようなものがあ
いや、多分どなたもお読みにはならないだろうと思っていましたが、意外に読んで頂いていてありがたい限りです。もうちょいがんばろうっと。もういいって!?笑
予(hōo)「予(hōo)」は次の三つのキモさえ押さえれば意外にシンプル。①「予(hōo)」の漢字は「予」だけを使おう。「予(hōo)」に漢字がいろいろ使われていることに、学習者が混乱する最大の原因がある。例え教科書や辞書や歌詞で「給」「互」「乎」という字が使われていたといても、自分で脳内変換させて「予(hōo」にしてしまおう!②「予hōo」には動詞と、前置詞の二種類がある。二つは全然別物。「予hōo」の目的語の後に動詞がきていなければ、その「予hōo」は動詞だ!「~に…をやる、あげる
台湾語の使役と受け身1)使役と受け身に使われる前置詞「予(hōo)」台湾語の使役と受け身の表現で使用されるマーカーは前置詞の「予(互/乎/給)hōo」。この言葉には、動詞の「やる、あげる」という意味もあるが今回は前置詞としての働きに絞ってみてみる。台湾語の使役&受け身、ただでさえ複雑怪奇なのに、これまた色んな漢字が使われていて本当にマジでガチで頭が痛い。台湾教育部の推薦漢字は「予(hōo)」だが、音をとって「互」や「乎」と書かれることも多い。さらに日本で出されている台湾語の辞書やテキスト
台湾語の「ちょっと〜する」動作の進行時間が短いことを表すとき(「ちょっと~する」「~してみる」と訳すことも多い)、単音節の動詞は重ね型にしたあと“咧(teh/leh)”をつけるか、動詞のあとに直接“一下(tsi̍t-ē)”をつける。2音節の動詞は、すべて“一下”をつける。咱出來去行行咧。/咱出來去行一下。(ちょっとでかけようか。)果子食食咧才來去。/果子食一下才來去。(果物ちょっと食べてから行こう。)你先看看咧才決定。/你先看一下才決定。(まず見てみてからきめなきゃね。)咱
台湾語の経験相「経験相」、つまり「~したことがある」の言い方。これは華語の文法と比較的近いので覚えやすい。台湾語で経験を表すときには…1)捌(bat)V過(kuè)即本冊我捌看(過)。(この本は私は読んだことがある。)*“捌”をつけるときは動詞の後の“過”はなくてもよい。2)有(ū)V過(kuè)這本冊我有看過。(この本は私は読んだことがある。)※「台湾華語」の特徴とされていた“有V過”表現(“我有去過台灣WǒyǒuqùguoTáiwān。”)は,まずまちが
台湾のことを知るにつれ、台湾に行くたびに、台湾語の重要性を痛感し勉強を始めて約10年。最初は映画やドラマのセリフがだいたーい、なんとなーく意味が分かるようになれば充分、と思っていたが、やっぱり勉強しているからには話せるようになりたいと欲が出てきた。でもなかなか話せるようにはなりませんね。台湾ドラマ『憤怒的菩薩』には映画監督の北村豊晴さんも出演しているのだが、彼が台湾語を話す場面が少しある。メイキングでは彼がその台湾語のセリフで苦労している様子が他の出演者の爆笑とともに収めてあり、ほーと思っ
台湾語の進行相と持続相1)進行形「~している」を表すのは、“(當)咧V”。動詞の前に“(當)咧(tng)-teh”を置く。“咧”はlehとも発音する。私の台湾語の先生は“leh”派。伊當咧食飯。(彼は食事をしている。)老師當咧佮學生講話。(先生は学生と話をしている。)阿明佇房間咧看冊。(みんちゃんは部屋で本を読んでいるよ。)恁老爸佇灶跤咧僎設啥物好料的。(あなたのお父さんは台所で何かよい材料を選んでいる。)這馬咧落雨。(tsit-málehlo̍h-hōo)今雨がふ
台湾語未来の実現相前回の実現相に引き続き台湾語のアスペクトについて。前回は、すでに実現済みの事象についての表現だったので一種の過去形、現在完了形だったが、今日は未来形と言ってもいい構文である。まずは、1)未来の予測話者が未来のある時点や期間に何かの動作や状態が実現することを予測しているときに使う表現方法。基本的に動詞の前に“會(ē)”を置いて表す。否定は“袂(bē)”である。連鞭會落雨。(いまにも雨がふりそうだ。)明仔載袂好天。(明日はいい天気にはならないな。)伊後禮拜會去山頂。
※2013年の記事のリライト、また続きます💧台湾語の実現相アスペクト(aspect)とは、ある動詞が表す動作或いは状態について、それがどのような様態にあるのか、つまり、動作が持続しているのか、起動したのか、進行中なのか、完了したのか…などを示す文法形式である。動作の始まり(始まる前含む)から終わりまで(終了後も含む)のうち、どの段階にあるのかを表すことができる。過去、現在、未来を表す時制(テンス)とはまた別の概念である。中国語(華語)の文法項目のうち、このアスペクトは最大の難関の一つ。“