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前回までは糖尿病薬のうちインスリン分泌非促進系の薬剤(ビグアナイド、チアゾリジリン、αGI、SGLT2阻害薬)を紹介してきました今回からインスリン分泌促進系薬剤を紹介していきますが、このクラスの薬剤は、さらに血糖非依存性と血糖依存性に分類されます。今回紹介するSU剤は血糖非依存性薬剤ということになります。【機序】・膵β細胞に作用して、インスリン分泌を促進【特徴】・作用は強力だが、高齢者や腎機能低下例では、重症の低血糖が遷延しやすい・同じ
医療従事者でない私が、夫と出会ったのは医師の友人の紹介です。夫が医学生のとき、共通の友人に女の子の紹介を頼んだようで呼ばれました。そこから仲良くなり交際、初期研修医のときに結婚しました。医師になってからであればもっといい女性と縁があったと思います。夫も早まったなとか思ってるかもしれませんね…笑
茨城県内科学会というものがあり、県内の研修医や内科医らの発表の場として年3回の学術集会を開催しています。先日3月16日に第225回目の学術集会が筑波大学を会場に開催され、当院からJ1の大城先生が発表してきました。年3回の開催で225回ですから、75年も前から続く伝統ある学会です。ちなみに公式サイトがあるのですが、開催履歴のページを見ると、昭和57年が111回目(!)と掲載されています。続きはこちら会場の一コマ
先日(3月17日)東京で開催されたレジナビもだいぶ盛況だったようですが、当院はリアルではなく、3月11日に”レジナビFairオンライン2024東日本”にの方に参加しました。多数の方にご参加いただき、どうも有難うございました!ご承知の通り、研修病院探しではレジナビは完全に定番となっています。20分という短い時間ですが、司会がいて上手に進行してくれるので、沈黙の時間がなく、我々としてもやりやすいですね。いつも通り前半は病院説明、後半はJ2の金光先生も加わっ
3月15日に医師国家試験の合格発表があり、当院マッチング10名全員が合格でした♪おめでとうございます!!今までの努力が報われて、ホントに良かったですね。これから引っ越しなどで慌ただしいと思いますが、受け入れる我々も万全の準備でお待ちしています。そして良いスタートを切れるように全力でサポートしていきますので、4月からの研修を頑張っていきましょう!喜びもひとしおかと思いますが、毎年お伝えしていることがあります。続きはこちら
3月15日土曜日病院見学(持ち物リスト+やることリスト+注意点)もうすぐ病院見学があるので、自分用に持ち物リスト+やることリスト+注意点を書きます※今回は面接は受けません。※まだ見学したことがないので、見学してから反省点があれば改めて日記にしようと思います。持ち物リスト白衣、ケーシー(病院によってスクラブ不可)、白スニーカー、聴診器、フォーマルなコート(ダウンコートは絶対❌)リクルートスーツ、ワイシャツ、パンプス、ビジネスバッグ健康チェックシート、コロナ陰性証明書
こんにちは、研修医小池です。久しぶりにブログを更新していこうと思います。先日2/25昭和新山の国際雪合戦に参加してきました!メンバーは日鋼研修医3人、看護師1人、市立室蘭研修医1人、天使病院研修医2人です。チーム名は「母恋メディカル」他院の研修医とは他院研修選択可能な期間で仲良くなり、メンバー入りしてもらいました。僕らは初参加ということもあり、ビギナークラスで参加しました。当日はまず雪玉作りから!専用の機械を使って雪玉を作っていきます。結構疲れる作業でした。実際の試合前の
日本麻酔科学会では,麻酔科医の仕事を理解してもらうために,以前から医学生ならびに初期臨床研修医を学術集会に招待する企画があった。コロナ禍で中止にはなっていたが,2024年度には復活する。今年は神戸で,6月6日(木)~8日(土)に開催される。所属先の大学麻酔科学講座あるいは研修先の麻酔科科長に相談してみてください。喜んで事前手続きしてくれると思います。当講座では,麻酔科学に興味のある札幌医大第6学年,ならびに当講座での専門医研修に興味のある初期臨床研修医を対象に現在,数名を対象に募集して
3月9日に茨城県臨床研修病院合同説明会がつくば市のつくば国際会議場で開催されました。これは県内の臨床研修病院が集まる説明会で、医学生80名以上が参加してくれました。昨年まではコロナの影響でWeb開催でしたが、5年ぶりのリアル開催となりました。当院のブースにも20名以上の医学生に訪問していただきました。どうも有難うございました!今回は指導医として金野先生とJ2の藤森先生、J1の平尾先生が休むことなく対応してくれました。続きはこちら
このブログでたびたび紹介している帝京大学感染制御部の松永先生の感染症カンファを先日開催しました。今年度の最終回でしたが、タイトルは「医師も知っておきたい感染対策」でした。内容としては、・問題となる微生物を作らない・問題となる微生物を広げない・耐性菌の種類・結局、基本の徹底と言った感じで、クロストリジウムディフィシル感染(CDI)や多剤耐性菌結核、麻疹、風疹、水痘、ムンプス手指衛生・・・といった感じで,、毎日の病棟やERでの業務にすぐに役立つ内容ばかり
今回はSGLT2阻害薬です。ご存じの通り、SGLT2阻害薬は糖尿病薬というよりも、心血管イベントを低下させる循環器病薬、腎保護作用を有する腎保護薬としての地位を確立しましたが、なぜ心血管イベントが低下するのか詳細な機序ははっきりしていません。これからもしばらく話題を提供してくれるでしょう。今回は、循環器領域のことはあえて触れず、基本に戻って糖尿病薬としての役割を整理しておきます。【機序】・腎臓で糖を再吸収させるSGLT2の働きを阻害することで、尿糖排泄
今回は、インスリン分泌非促進系薬剤のうちαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)を紹介します。【機序】・小腸において二糖類からブドウ糖への分解を阻害し、糖の吸収を遅らせて食後の急激な血糖上昇を抑える。【特徴】・二糖類が未消化のまま大腸に行き、それが大腸の細菌叢により発酵されてガスが発生する。このため副作用として、おならや腹部膨満感などがある。・体重が増加しにくい。続きはこちら今日のER♪
第3回高知家QQセミナー手技祭り!!2024.1.27高知大学医学部スキルスラボにて第3回高知家QQセミナー「手技祭り!!」を開催しました高度シミュレーターなどを使用して初期研修医や救急専攻医が手技を学びました高度シミュレーターと除細動器を使用したペーシングのトレーニングです胸部の処置ができるモデルを使用しての胸腔ドレナージを行っています。こちらは、REBOAとECMOのトレーニングをモデルを使用して行っています。大動脈などの血管が透明なチュー
今回は、インスリン分泌非促進系薬剤のうちチアゾリジリンについてまとめてみます。一般名はピオグリタゾン(先発品はアクトス)です。【機序】・肥満細胞に作用して、インスリン抵抗性を改善【特徴】・インスリン分泌に関与しないので、単独では低血糖を起こしにくい・体重増加がみられる【禁忌】・心不全患者続きはこちら縫合結紮セミナーの一コマ
先週の2月24日にWebで茨城県修学生スプリングセミナーが開催されました。このスプリングセミナーは、茨城県の地域枠や修学生を対象に県内の臨床研修病院を紹介するものです。前半では各病院の特色を動画で紹介し、後半では各病院の研修医らがリアルに回答する質疑応答コーナーで構成されています。修学生らが対象と言え、Webでの開催ですので一般医学生も参加できます。当院は24日の午後に、日立総合病院、水戸赤十字病院、筑波メディカルセンター病院と共に参加しました。参
糖尿病薬については、細かくなくて良いので、主な作用機序と禁忌有名な副作用、そして適した症例や避けた方がいい症例という感じにイメージを掴んで覚えるのが効率的だと思います。今回は、インスリン抵抗性改善系薬剤の代表格であるビグアナイドについてまとめてみます。【機序】・肝臓での糖新生抑制・消化管からの糖吸収抑制・末梢組織でのインスリン感受性改善など【特徴】・体重が増加しにくい・心血管イベントを低下させる・安い続きはこちらインスリン勉強会での一コマ
どの診療科に行っても糖尿病の患者さんがいて、入院や手術、各種の検査の際に糖尿病薬や食事をどうするかの指示を出す必要があります。他にも、今までずっと服用していた糖尿病薬だとしても、高齢者の入院を契機に中止も含めて処方を見直す必要が出てくる場面にも良く遭遇します。たとえあなたが糖尿病はちょっと苦手と思っていても、糖尿病薬について全く知らない訳にはいきません。そこで、あなたが知っておくべき最低限のクスリの知識を紹介していきます。続きはこちらERで
先週のことですが、院内でCPCが開催されました。前回のCPCは12月に臨時で朝に開催しましたが、通常は毎月開催されている水戸市医師会病棟検討会という地域の先生方にも参加いただく症例検討会の場を利用して年に数回開催しています。コロナの最中からZoomを用いて開催していますが、今回も同様にハイブリッドで行いました。今回は2症例で、肝硬変患者の敗血症と急性心筋心膜炎疑いの症例でした。2症例とも来院されてから亡くなるまでの時間経過が早く、診断も死因もすっき
研修医外来で少し前にあったエピソードからです。70才台の女性が受診しました。主訴は右肩の疼痛。でも、右上肢の可動制限や筋症状、神経症状も無く、すでに整形外科を受診して治療も開始されていました。研修医が一通り話を聞き終えてから、隣で外来をやっている指導医のところに相談に来ました。「特に問題なさそうで、整形外科でも痛み止めを処方されています」「何もすることもないと思うんですけど・・・、」続きはこちら
前回までは心不全患者さんの問診や指導医へのプレゼンの際に押さえるべき2つのポイントのうち「基礎疾患」と「誘因」について紹介しました。「基礎疾患」を押さえることで治療の方針がある程度決まることはご紹介しました。では、なぜ「誘因」を押さえることが重要なのでしょうか?前回も少し触れましたが、今回はこの点を詳しく紹介したいと思います。下の図は、心不全の経過についてです。ガイドラインに載っているものですが、あなたもいろいろなところで目にしているかもしれません。
心不全患者さんを診る時に押さえるべき2つのポイントは「基礎疾患」と「誘因」ですが、今回は「誘因」についてです。患者さんが心不全悪化で来院する時には、なにかしらの「誘因」が隠れているはずです。もちろん原疾患の進行(例えば大動脈弁狭窄症の進行)ということもありますが、なぜこの時期に悪化したのか?なぜこのタイミングなのか?と常に考えてみる必要があります。どうして誘因をおさえることが重要なのかと言うと、基礎疾患の治療ができないことがあるため、心不全コントロ
初期研修医を受け入れている武蔵村山さいとうクリニック。今回は整形外科医を志願する加集先生が研修に来た。日本最高峰の大学を卒業され、整形外科医、というより、母校で整形外科学を研究していくようだ。彼と話して、自分の若い時を思い出した。医師になって3年目。大宮日赤(現さいたま日赤)心臓外科に出向した。隣にある循環器内科に同じ立ち位置で出向してきた医員がいた。ネットのない時代だから、彼は寝ても覚めても文献を読んでいて、卒後2年目でニューイングランドジャーナルのSecond
このところ連日冷え込んでいる影響で、特に高齢者の心不全が毎日のように入院してきます。もしかしたら、あなたも「心不全パンデミック」という言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、今でも多い高齢者の心不全が今後はさらに激増すると予想されています。そうなると、循環器内科医だけでは到底対応できないので、たとえあなたが循環器に苦手意識があっても、ある程度は対応できないといけません。そこで今回から心不全患者をみた時におさえておくべきポイントを紹介します。心不全
80歳台の男性が外来にやって来ました。主訴は両下肢の浮腫と労作時息切れです。診察室にはご家族と一緒に、杖を使いながらも、自分の足で歩いて入って来ました。聞けば、1か月前から浮腫に気づいていたけど徐々に増悪。それに合わせて息切れも出現。最近は就寝中に咳も出るようになってきたと。食欲はあって、屋内ADLは自立していますが、家族の話では、診断はされていないものの、認知症の症状もありそうす。高血圧のため長年かかりつけ医で降圧剤を処方されていて、腎臓が悪くなってきたと
前回は分布性ショックについて紹介しました。今回はショックの分類の最後となる閉塞性ショックです。閉塞性ショック(Obstructiveshock)の代表格は肺血栓塞栓症(PTE)です。体液量は減っていないのですが、肺動脈が閉塞してしまうことで左房、左室への還流が低下して、心拍出量が維持できない状態です。他には緊張性気胸(血胸)や心タンポナーデ、挿管中のPEEPのかけすぎや外傷によるACS(Abdominalcompartmentsyndrome)も閉塞性ショ
前回は心源性ショックについて紹介しました。今回は循環血液減少性ショックです。循環血液減少性ショック(Hypovolemicshock)は外傷や消化管からの出血や下痢や嘔吐が原因となります。循環動態のパラメーターは、収縮能がよくても血液がないので心拍出量(CO)や肺動脈楔入圧(PCWP)、肺動脈圧(PA)、右室圧(RVP)、右房圧(RAP)は全て低下します。血圧を維持しようと末梢血管が収縮するので末梢血管抵抗(SVR)が上昇します。末梢への酸素供給が悪化するた
前回はショックの定義を紹介しました。今回からショックの分類をみていきます。ショックを理解するには、血行動態を示すパラメーターの動きを理解する必要があります。CO、PCWP、SVRなどと出てくると、苦手に思うかもしれませんがそう難しくはありません。一度ゆっくり考えてみて下さい。理解してしまえば、何てことありません。最初は心源性ショック(Cardiogenicshock)を取り上げます。心源性ショックは、左室の収縮不全のため全身への血液供給が出来なくなったこと
ERでも病棟でもショック状態の患者さんにしばしば遭遇します。先日も病棟で、そろそろ退院という患者さんの具合が悪くなったのですが、J1の先生が速やかに敗血症性ショックと診断して対応して事なきを得ました。あなたも敗血症性ショックとか、心源性ショックとか、普段から使っているはずです。でも研修医に「ショックの定義は?」と尋ねると意外と答えられません。血圧が低い=ショックと考えている人も多いのですがあなたは大丈夫ですか?UpToDateではショックの定義を以
ある日のER当直の話です。救急隊から受け入れ要請の連絡がありました。70歳台の男性、突然の全身性のけいれんがあり、その後尿失禁と冷汗あり。救急隊が接触した際にはけいれんは止まっていて、麻痺無し、共同偏視なし、顔面蒼白あり。さて、これだけの情報で、あなたは鑑別疾患をいくつ挙げられますか?ちょっと考えてみてください。↓↓いろいろあると思いますが、当然ながらてんかんをはじめとした頭蓋内疾患が鑑別に挙がりますよね。ではここに、下記のような救急隊からバイ
初期研修医の客観的な臨床能力の実力を知ることができる基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)というものがあります。日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)というNPOが行っている研修医向けのテストです。毎年この時期に各病院で行われるのですが、昨日当院のマッチング研修医にも受けてもらいました。数年前からCBT方式になり研修医室の自分の机で受験してもらうので、あまりテストという雰囲気ではないのですが、さすがに真剣に臨んでいました。試験の内容は、基本的臨床能