ブログ記事312件
楢山節考(1983)1983年。『戦場のメリークリスマス』と本作の2本が、日本映画としてカンヌ国際映画祭に出品され、大方の予想を覆して、本作がパルムドールを受賞しました。奥深い山奥の山村。自然信仰に基づくであろう古からのしきたりにより、齢70を迎えた老人は『楢山参り』に出なければならないという掟があった。『楢山参り』とは、とは姥捨てのことであり、その日が来たら自分が母を背負って山に捨てに行かないといけないということだった。辰平(緒形拳)の母、おりん(坂本スミ子)
昔、「蒸発」が社会現象になり、今村昌平監督で、映画にもなりました。ワイドショーでは、蒸発した人に、家族が涙で訴えるコーナーもありました。人の心の奥に蒸発願望があると、思いましたね、知らない土地で、知らない人生、デビットジャンセンのテレビドラマ逃亡者が大ヒットしました。でね、僕が東京に来たのも、ある意味蒸発、計画的蒸発、住民票も保険証も持ち、当座の生活費も夢も持ち、でも路頭に迷うのが怖くて、前から欲しかった医療系資格が欲しくて専門学校に行った。これが面白かった。
この記事の続きである。『【映画『黒い雨』】私の原爆への関心の凸凹ぶり母親が被爆者だと認識したのは8年前前篇』私は、よく映画を見ているが、何もすべての映画の感想をここにアップしているわけではない。だが、見てしばらくして、やはり感想を書いておいた方が良いかなと思うものも…ameblo.jp2月27日にこんな記事を書いてから、間もなく1週間が経過しようとしている。おまけに、この映画自体を見たのは、2月22日だから、そこから数えると間もなく二週間になる。今日、この続きを書かね
先日、母を看取った。今は本通夜の最中で、線香を絶やさぬように夜通しの番を息子たちが交代でやっているところである。満86歳、女性の平均寿命には少し達していないが、それでも頑張った方ではあると思う。母は映画が好きだった。今、自分がこのように映画のモノ書きなどをやれているのも母の影響で、幼い頃から母の好きだった映画の話を良く聞かされたものである。そんな母が好きだった映画のことを、今、うつらうつらと思い出している。『二十四の瞳』1954年壺井栄の同名小説を、木下恵介監督のメガホンで映画化。
10/28晴れ洗濯してからフードコートへ。対談の文字起こし。早めに切り上げて、久々にブックオフへ。マンガを5冊くらい買って、スーパーに寄って帰る。帰宅後はサラダとプリンを食べたのち、再び文字起こし!17時をすぎて、ちょっと昼寝。秋の夕方、気温が下がるタイミングって眠くなる…。2時間後、のっそり起きて、白湯をのむ。とちゅうで昼寝すると、1日が2回やってくるような錯覚が…。リセット感あるからいいけども。賞味期限の切れたカップ焼きそばを発見したので、それを消費しながら、今村昌平監督の映画『エ
映画評論家、田山力哉が書いた「小説・浦山桐郎」を読んだ。昭和の映画評論家の教養は深いなと思わせる力作。浦山桐郎を描きながら、さながら日本映画史になっている。昭和37年、吉永小百合主演の「キューポラのある街」で監督デビューした浦山桐郎。田山力哉は浦山桐郎の周辺を描きながら、それが戦後の日本映画界の地図になっている。昭和30年代初頭に頂点を極めた日本の映画人口。その当時は小津安二郎、溝口健二、黒澤明、木下惠介など巨匠がスタジオに君臨していた時代。浦山桐郎はその次の世代。ほぼ同世代には今
ええじゃないか1981年公開!話題になった「復讐するは我にあり」(1979)で、絶好調ぶりを見せた、あの今村昌平監督の次の作品!!←両作とも当時劇場で見てる!でも、「ええじゃないか」のほうは、なんだか微妙だったような記憶が・・・・。(笑)でも、次に撮った「楢山節考」(1983)は、カンヌ映画祭でグランプリ!!大したもんです!!さて、昔見た映画を、今見直しみて、どう感じるか!!という趣向を数年前から、私、実行してきてるんですが、その、第何番目かに選んだのが、この「ええじ
2月5日月曜日〜その8P193では、今村昌平監督の松竹映画『復讐するは我にあり』が面白かったと有る。(写真)DVDで楽しませてもらっています。
ひとつ前の当ブログで書いたように、日下部五朗さんが岡田茂社長に「誇大説得」をしかけ、念願の『楢山節考』(1983今村昌平監督)を作り、何とカンヌ国際映画祭で最高の「パルムドール」を獲得します。下馬評は、同じ日本から出品した『戦場のメリークリスマス』(1983大島渚監督)の方が圧倒的に高く、岡田茂社長も今村昌平監督も出席しなかったので、日下部五朗さんが授賞式で栄誉を受けたのです。カンヌには日下部さんと主演の坂本スミ子さんだけが派遣され、当地で関係者を招くパーティを開く資金もじゅうぶんに貰えな
ひとつ前の当ブログで、日下部五朗さんが宮尾登美子さん原作「鬼龍院花子の生涯」を映画化しようと、OKを出さない岡田茂社長をいかに説得したかを書きました。「濡れ場」が多いと強調して説得し映画化に成功した日下部五朗さんには、同じようにハッタリで岡田社長のOKを勝ち取った例がもう一つあります。日下部さんは今村昌平監督と仕事をしたくて深沢七郎さん原作の『楢山節考』の企画を考えます。ところが、岡田茂さん(当時は東映社長です)「昔、木下恵介さんが作ったやろ。ええ加減なもん持ってくるな」とOKを出しません。
私は勝手に自分の中の<ブーム>に則って映画や本をみているので、時代遅れも甚だしいですすごく昔の映画や小説を楽しんで味わっている。だから現代の事象からは離れたところでの鑑賞になることがほとんどなんだけど稀に、考えていることと現実とが近いところに合わさってくることがあります。映画「すばらしき世界」を観ました。2021年公開の日本映画。で、まずこの映画を観て最初に思ったのは(いい映画だし、ストーリーも素晴らしいんだけどなんとなぁく、原作と映画にズレがあ
女衒ZEGEN1987年公開!今村昌平監督ならではの破天荒な人間ドラマ。当時、劇場で見たはずだけど、見たという鑑賞記録がない。不思議不思議。(笑)この時期、忙しくて書くヒマがなかったということか?内容など忘却の彼方だけど、わずかに残ってる印象は、話が次々と流れていくだけで、あまり面白くなかったような気がする。(笑)本当にそうだったのか確かめようと、今回、劇場で見て以来の鑑賞!レンタルDVDで!うーーーん・・・・。なるほどねええ・・・・・・。(笑)映画鑑賞眼が備わ
「盗まれた欲情」「盗まれた欲情」プレビュー1958年5月20日公開。ドサ廻りの劇団における恋愛映画。原作:今東光「テント劇場」脚本:鈴木敏郎監督:今村昌平キャスト:長門裕之:国田信吉南田洋子:山村千鳥滝沢修:山村民之助喜多道枝:山村千草柳沢真一:山村栄三郎香月美奈子:みさ子小沢昭一:藤四郎あらすじ:中河内高安村にドサ回りのテント劇場、山村民之助一座がやって来て大入満員、座員は大喜びだ。一座の演出家・国田信吉(長門裕之)は芝居一途に
昨日アップしたこの記事の続きだ。『【話題の映画】パーフェクトデイズ『騙され』感漂う?賞獲り映画前篇』本日(25日)は久しぶりに、カミさんと一緒に映画を見に出掛けた。わざわざ、『南町田グランベリーパークス』まで出掛けたのだが、それはもともと見ようと思っていた(…ameblo.jp昨日(25日)の書き方だと、何となく、故意に観客を騙しているかのような作品のようにとられるかもしれないが、それほど阿漕(あこぎ)な映画でもない。ただ、カンヌ国際映画祭で賞(最優秀男優賞)を獲
5人を殺害し全国を逃走した稀代の殺人鬼・榎津厳の犯行の軌跡と生い立ち、数々の女性遍歴や父との相克など生々しい人間像を描いた佐木隆三の直木賞受賞作を映画化し、その凄絶な生き様をとらえた犯罪サスペンス映画。監督:今村昌平、主演:緒形拳。1979年公開。九州、浜松、東京で5人を殺害し、史上最大といわれる重要指名手配の公開捜査をかいくぐり、時には大学教授、時には弁護士と称して詐欺と女性関係に明け暮れる犯罪王・榎津は、にこやかに罪を重ねる…。映画の冒頭は厳冬の昭和39年1月、
洋画が見たい~~ん?あるのは知ってた「デンデラ」でんでら、死者の魂がいきつく場所だっけな姥捨て山のこと監督がね、「楢山節考」の監督今村昌平の息子さんなんだってうっそイマヘイの息子なんか(ブフォ親子二代で同じテーマ楢山節考、パルムドール受賞してさ塾のテストに出たの社会科だったかなあ今年海外で大きな賞をとった映画はなんでしょう的な答えわかってんのに「楢山」の漢字がわからなくて不正解悔しかったことだけすごく覚えてる(ブフォ五十路100点ばっ
黒い雨1989年5月13日(土)公開原爆による黒い雨を浴びたために人生を狂わせられてしまった女性と、それを暖かく見守る叔父夫婦とのふれあいを描く。あらすじ昭和20年8月6日、広島に原爆が投下された。その時郊外の疎開先にいた高丸矢須子は叔父・閑間重松の元へ行くため瀬戸内海を渡っていたが、途中で黒い雨を浴びてしまった。20歳の夏の出来事だった。5年後矢須子は重松とシゲ子夫妻の家に引き取られ、重松の母・キンと4人で福山市小畠村で暮らしていた。地主の重松は先祖代々の土地を切り売りしつつ、同じ被爆
ひとつ前の当ブログで、今村昌平監督が松竹時代、『東京物語』(1953小津安二郎監督)に助監督としてついているときに、小津監督の自分の映画のためにはいかに「非情」になれるものかと思ったエピソードを書きました。今村助監督同様、のちに名キャメラマンになる川又昂さんも「小津組」の撮影助手についていて、小津監督にしごかれました。名作『麦秋』(1951小津安二郎監督)で、撮影助手のチーフだった川又昂さん、移動撮影のための台車を押す仕事を命じられます。元々、パンもズームも少ない「不動」のキャメラで知ら
3つ前の当ブログで、今村昌平監督の鬼演出について書きました。『復讐するは我にあり』(1979今村昌平監督)では実際に殺人が行われたアパートの部屋で撮影したり、『にっぽん昆虫記』(1963今村昌平監督)では北村和夫さんがあやうく底なし沼に沈むところでした。その今村昌平さんに「監督とは何と非情な人種」なんだと思わせた人物がいます。それは何と、小津安二郎監督です。今村昌平監督は日活で『盗まれた欲情』(1958今村昌平監督)によって監督デビューしましたが、元々は松竹で助監督をしていて日活に移籍し
ひとつ前の当ブログで、『復讐するは我にあり』(1979今村昌平監督)の劇中、連続殺人犯の榎津(緒形拳さん)が老弁護士(加藤嘉さん)を殺し、押し入れに死体を隠す場面は、モデルとなった事件で実際の殺人現場で撮られたということを書きました。さすがの今村昌平監督もロケハンでこの部屋に入ったとき「いやな感じがした」と語っていますが、撮影前に「お祓い」とかしたのかなあ。それに関しての証言はないようですが。撮影前に「お墓まいり」をするといえば、「四谷怪談」を撮るときは「お岩さん」のお墓にお参りするのが決
ひとつ前の当ブログで取り上げた『インビクタス負けざる者たち』(2009クリント・イーストウッド監督)は1995年のラグビーWカップ・南アフリカ大会を舞台に、ネルソン・マンデラ大統領を描いています。マンデラ大統領はラグビーWカップの4年後の1999年にあっさり1期で大統領の座を降ります。権力にしがみつき憲政史上最長期間、一狂独裁政権で国民を愚弄し続けた、どこかの国の首相とは大違いの偉大な大統領です。「アパルトヘイト」政策が行われていた時代、白人政権により投獄されたマンデラさんは27年半もの
あっという間の1週間。10月21日Saturday、偏食的スイミング&シネマデー。まずは腹ごしらえ。セブンイレブンでイートイン。玉子王子推しのおむすび「オムライス」。アプリクーポンで150円→120円(税抜き)。「温めますか?」。女性スタッフ、優しい声かけ。玉子焼きもケチャップライスも美味しさレベルアップ。ドリンクはホットコーヒー。こちらクーポンで102円→72円。支払い総額211円。お手軽過ぎる朝ごはんでした。お腹が膨れ、心おきなく約1時間スイミング。体
にっぽん昆虫記(1963)大正末期から昭和の高度成長時代に突入する時代を生きた昆虫のようなエネルギッシュな生命力を持つ女性の半生を今村昌平監督が描いています。東北の田舎町で生まれた松木とめ。父、忠治と母、えんの子供であるが、母親は多数の男と性交渉をもっていたようで、実際の父親は定かではない。とめが思春期になったころ、母親が情夫と情事に耽っているのを目撃してしまったとめは、ますますそのことに疑念を持つようになり、血縁を疑うようになり次第に父親に性的な好意を抱くようになる。
天才は必要ない。常識に縛られるな。粘っこく人間を追究し、無人の広野に向かって走り出す勇気を持て。今村昌平ブログを始めてよかったこと教えて!▼本日限定!ブログスタンプあなたもスタンプをGETしよう
20230913夜忘れられない日本映画今村昌平監督「にっぽん昆虫記」をめぐって映画の音源、映像等は、使っておりません。チャンネル登録をぜひお願いします。↓をタップして下さい。名画「にっぽん昆虫記」(今村昌平監督)をめぐって(映画の映像、音源等は、使っておりません。)2023年9月13日藤谷蓮次郎・製作#にっぽん昆虫記#今村昌平#左幸子youtu.be藤谷蓮次郎2023年9月13日
これは、先日、墓参りで、東京の菩提寺を訪ったとき、山門脇の掲示板を撮ったもの。何枚かあるうちの、手書きで書かれた一枚に、アクチュアリティを感じた。《正義にはだれにも反対できないという毒がある》おそらく、住職が書いたのだろう。かれは何冊か本を出版していたし、あちこち講演で忙しいという。いつ頃書かれたものかは不明だが、文字が消えかけ、曲がった紙の印象から、一年くらいは経過しているように見える。その住職が、プリントする間も惜しく、敢えて、手書き、殴り書きのまま、張り付けたと
今回はめずらしく邦画の感想です。洋画好きなので常に洋画で手いっぱいで邦画は全然詳しくないんですが古い作品は少し見ていて監督だと今村昌平や増村保造あたりは好きです。で、今回は今村昌平を代表する名作1979年の「復讐するは我にあり」。「にっぽん昆虫記」や「神々の深き欲望」などドロドロした独特の世界かつ人間という生き物に対して冷ややかな視線を向け続ける今村昌平監督の中でも屈指の名作です。ベースは当時日本を震撼させた「西口彰事件」で5人の人間を殺して大掛かりな警察の捜査
朝、雨が音を立てて降っていましたが、やがて止み、蒸し暑い1日でした。おやすみのボクは朝からプラモデル作りをしていました。夏休みで友達と出かける息子を車で送る前の我が家のカメさん飼育スペース“亀鳴苑”の様子です。左よりクサガメの柚子、ウンキュウのしほ、そして池から顔を出すウンキュウの千代です。カメさん的には、いつもよりは温度が高くなかったので、過ごしやすかったのかな???さて…、息子が出かけたので、ボクは自宅でのんびりとテレビドラマ「ザ・サスペンス松本清張「突風
先年、BS放送で、今まで見逃してきた名画「楢山節考」を偶然ですが見ることができました。素晴らしい作品に圧倒される思いがしました。この映画は1958年の公開作品で、技術的には富士フイルム社のカラーネガが使用された初の長編映画という点が特筆されます。日本が戦後の復興から高度経済成長期に入った頃で、様々な技術力や生産力が発展を遂げていた時期でした。###映画「楢山節考」(1958年製作版)###監督・脚本=木下惠介原作=深沢七郎製作=小梶正治美術=伊藤憙塑梅田千代夫