ブログ記事5件
最近の相談で出会ったケースの紹介です。相談の対象は中学2年生で、家族以外とは誰とも話せない、という比較的症状の重い子でした。小学1年生から緘黙症状があり、5年生の夏から2ヶ月に1回、近隣の病院に通院しています。この病院でこの子は、カウンセラーから「プレイセラピー」を受けていました。問題はこの「プレイセラピー」の効果です。この子は小5から3年間通っているのですが、症状はまったく改善していません。親子分離で行っており、保護者は詳しい内容は聞かされていないそうです。治療の目的や効
小学校低学年からの不登校・緘黙症状を克服し、高校で話せるようになったケース【対象】さとみさん(仮名)女性中学2年生~高校1年生(相談終了時)【概要】小学校低学年から不登校、強い緘黙症状と視線恐怖がありましたが、短期間の取り組みで顕著に症状が改善し、高校で話せるようになった方です。相談開始時は中学2年生、家からほとんど出ることもできず、話せる相手は母親だけという状態でした。本人とよく相談し、まずは緘黙症状の改善から取り組みました。緘黙症状が改善していくにつれ、学校にも少しずつ通
⑥中学2~3年生中学2年生以降の場合は、高校への進学に合わせて緘黙症状改善を目指しましょう。中3になってから始めるよりも、中2のうちから準備を進めるのが効果的です。1)高校進学は緘黙症状を治す最大のチャンスこれまで、「小学校入学」「中学校進学」で緘黙症状を治す方法をそれぞれ言及してきました。環境が変わるタイミング緘黙症状が治しやすいのは「高校進学」も同じです。ここまで緘黙症状が残っている子の場合、高校進学はこれまでで最大のチャンスと言えます。中学校進学と比べて、高校
⑤中学1年生中学1年生で緘黙症状改善に取り組む場合、ターゲットを明確にして練習するのがお勧めです。中学生になると関わる相手の範囲が広がるため、練習の計画も立てやすくなります。1)中学生は小学生よりも「話す練習」に取り組みやすい中学1年生は緘黙症状の改善のための練習が比較的行いやすい年齢です。小学生の時と比べて、先生も同級生も学校外でも、関わる相手が増えます。教科の先生や部活の先輩など、小学生のときよりも練習の選択肢が多くなります。このため最適な難易度の練習方法を選び
幼稚園から続いていた緘黙症状が、王道の練習方法ですぐに解消したケース【対象】ひろみさん(仮名)女性中学1年生【概要】幼稚園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でもほとんど話せない状態でした。中学受験をして私立の中学に進学しましたが、そこでも緘黙症状は改善しませんでした。地域の総合病院の発達外来でのカウンセリングを4年ほど継続していますが、改善がみられないため「いちりづか」に相談がありました。保護者・本人とオンラインで面談し、練習の計画を一緒に考えました。中学の担任をターゲット
【質問】中学2年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。学校で職場体験や進路の学習があり、将来のことが不安になりました。「話せなくてもできる仕事」「場面緘黙があってもできる仕事」はあるでしょうか。子どもは、家では普通に会話することができますが、担任の先生には挨拶程度しかできません。習いごとなどでも、慣れて話せるようになるまで半年以上かかりました。仲の良い友だちとオンラインゲームでボイスチャットで話すだけで、友人関係も広がりません。このままだと将来が心配です。以前、
小学2年生から続いた場面緘黙の症状が解消し、高校進学に向けて踏み出した中学生の子の話【不登校状態の場面緘黙の子の相談は多い】「いちりづか」は場面緘黙専門のオンライン相談室です。ですので、相談の対象はほとんどが緘黙症状のある方です。「場面緘黙」と言っても、「話せないことだけ」が問題の人はほとんどいません。話すこと以外にも、・運動や食事、トイレなどの行動ができない・学校に行けない、家から出られない・不安や緊張が強い・刺激に敏感で疲れやすいなど様々な困りごとを抱えてい
前回の記事の続きと補足です。『【質問】場面緘黙が治るまでに、どのくらい時間がかかりますか?』【質問】小学5年生の子の保護者からの質問です。夏休みに子どもと、「話す練習」の話をしました。1学期中は担任の先生と「話す練習」を続けて、音読などができるよう…ameblo.jp(質問の抜粋:小学5年生の子の保護者からの質問)1学期中は担任の先生と「話す練習」を続けて、音読などができるようになりました。ただ息子は、「このままずっと話せないかも」と言っています。「そんなことないよ、話せるように
「場面緘黙が治ったきっかけ」これまで数多くの「緘黙症状が治った方」「話せるようになった方」に出会ってきました。場面緘黙の症状が人それぞれなように、緘黙症状が治ったきっかけも人それぞれです。このテーマではそんな、「話せるようになったきっかけ」を紹介していきます。【きっかけ】「症状と向き合えた」緘黙症状に向き合えたこと自体が、症状改善のきっかけになる子はとても多いです。最初の大きな一歩が踏み出せれば、そこから話せる相手や場面は増えていきます。【事例】小学6年生の例です。小
場面緘黙の症状は治すことができる場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば改善させることができます。本人に「話せるようになりたい」という意思があれば、必ず話せるようになります。あとは「適切な計画」を立てて、練習を行っていけばいいだけです。場面緘黙の症状は、幼児期から小学生の間に現れることがほとんどです。小学生の場合なら、1年から数年程度で話せるようになるケースが多いと考えています。小学校低学年で症状が現れた子なら、中学校入学までにはかなり改善させることができます。もちろん
場面緘黙の症状は、何歳になってからでも改善させることができます。「10歳を過ぎると治りにくくなる」?「10歳を過ぎると治りにくくなるそうですが・・・」という話を聞くことがよくあります。「年齢が高くなると治りにくくなる」と言われることもあるようです。そんなことは全然ありません。年齢が高くなってからでも緘黙症状を改善させることはできます。むしろ私は、年齢が高い方が治しやすいと考えています。年齢が高い方が、本人とやりとりしやすくなります。話す練習の方法なども詳しく相談
学校に行きづらい状態でも緘黙症状が改善してきた子の紹介です。【対象】はるかさん(仮名)女性相談開始時は中学1年生【概要】小学校低学年から緘黙症状があり、高学年からは学校に行けなくなってしまいました。イラストがとても上手で、雑誌やSNSに投稿したり、イベントで販売したりもしていました。当初から「友だちと話せるようになりたい」という気持ちが強くありました。そこで、学校に通うことよりもまずは緘黙症状の改善を目指しました。友だちとのメールの交換から練習を始め、途中から
場面緘黙のカウンセリングで必要なのは「話すこと」ではなく「コミュニケーション」だから緘黙症状のある子とでもカウンセリングはできます。上手くいったカウンセリング緘黙症状のある中学生とオンライン面談で「話す練習」の相談をしました。その子とは初対面で、私に対して声を出すことはまだできません。でもこのときは、わずか20分ほどでその子と「話す練習」の計画を作ることができました。私は「話す練習」の計画を考えるときはいつも、「目標」と「練習方法」の2つを検討します。「練習方法」
「高校生になったら話せるようになりたい」と思っている場面緘黙の子は多い4月になれば彼女は私の好きなポール・サイモンの歌で、「4月になれば彼女は(AprilComeSheWill)」という曲があります。ギターのメロディと伴奏が美しい、詩情にあふれたとても綺麗な曲です。歌の内容とは全然関係ないですが、場面緘黙の子たちの中には「4月になったら話せる(ようになりたい)」と思っている子がたくさんいます。環境が変わることで「話せるようになる」ケースは多い実際、新しい