世の中で珍しいものを好むだけでなく、『史記』に藺相如[1]が秦から夜光の玉を奪って帰ることを書いている。その素晴らしい点は、闇夜で光るだけで、飢えているときに食べて寒さに耐えられるわけでもなく、のどが渇いたときに飲まなくて済むわけでもなし、疲れても船に乗るにも役立たない無益の物である。しいて言うならば、闇夜を照らす役があるならば越後のろうそくを百本用意しておけばその玉よりも優れているだろう。このようにわずかな金を貪って、商売のための土地に換えることがあれば信を失うことになる。これを奪って秦や趙の