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ちょっと込み入った仕事があって、昔のオペラ雑誌を総点検する作業をやっていました。記事をつらつら眺めていると、「こんなオペラ、あったのだ!」と気づくことが多いです。今日、新たに発見したのはウェールズ語のオペラ《Yŵr》でした。「インドシナの言語の作品?」などと勝手に思っていましたが・・・作曲されて、めでたく上演されて・・・・そして消えてゆく作品が多いです。しかしながら、どれも「完全に消える」わけではなく、またいつか、どこかの誰かが再発見してくれるかもしれません。皆が知るほどのネームヴ
1963年生まれですので、幼い頃は白黒テレビを見ていました。8歳の時、NHKさんが放映した来日イタリアオペラの《リゴレット》を数分間眺めました。「おじいさんが虐められている」という印象を持ちました。11歳の時、マリア・カラスが大阪でリサイタルを開きました。14歳の時、「世紀の歌姫死去」の報を朝刊の見出しで知りました。郵便ボックスを開けて、新聞を取り出して、その見出しに目が吸い寄せられました。「あの人だ!」と思いだしたからです。16歳になり、放課後の高校の音楽室に呼ばれて、「《魔笛》の伴
オペラの初心者です、と仰る方も、人生の初心者ではないと思うのです。オペラは、少年少女にも十分楽しんでもらえるものですが、大人になればなるほど、若い人たちとは違うポイントで感動の心が膨れ上がったりします。どうぞ、一歩踏み出してみて下さい。今週末の土曜日に講演会を行います。以下、告知です。「オペラは初めて」の方向けに特化した講演会のお知らせです。「これからオペラを観てみようかな?」「オペラってどんなものなんだろう?」そんな風に感じておられる方のために、今回、90分間の集中講演会を開
原稿を書くため、久しぶりにギュスターヴ・シャルパンティエの《ルイーズ》の楽譜を引っ張り出してきました。作曲者は台本も自作しているのですが、「パリの地方色」をいろいろな人の声で表すべく工夫したので、キャストの人数がものすごく多いのです。サインをして下さったのは、故・フェリシティ・ロットさんです。彼女の出世作です。私の手持ちのこの楽譜ですが、前の持ち主はルイーズの恋人ジュリアンの役を演じたテノールの人のよう。細かい書き込みがあります。なお、私が《ルイーズ》で最も感動するページが、工房で働く女
9.21深夜便クラシック。マリア・カラスクラシックやオペラをあまり聴かない人でもマリア・カラスの名前は知ってます、聞いた事があります、って人結構いらっしゃると思います。映画、ドキュメントが豊富に遺されていますし、20世紀最大のオペラ歌手ディーバ女神プリマドンナの最上級の呼び名はこの先も揺るがないでしょう。カラスの前にカラス無し、とは余りにも至言であります。カラスより美しい声の歌手ならザラにいる。美しく歌う歌手も数多いる。だけど、カラスがひとたび発すると場の空気がガ
関西圏の皆さま、本日は久々に講演会を開かせて頂きました。真に有難うございました。お足元お悪い中、たくさんの皆様とお話させて頂くことが出来ました。本当に有難うございます。いろいろなご質問を頂きましたが、「マリア・カラスの後継者」という観点から、私が、故レナータ・スコットを最初に挙げましたが、あとから思い返してみて、現役世代では、アンナ・ネトレプコも同種の道のりを歩んでいるのかな?と感じました。カラスも、政府関係のことでしばらくイタリアで歌えない時期がありました。ネトレプコも、政府関係の
10月に2度、朝日カルチャーセンター新宿教室さんで講演会を開催します。オペラ尽くしの講演会です。どちらも、「オンラインによる見逃し配信」が1週間あります。もし宜しければ、遠方の方にも一度ご関心を持っていただければ幸いです。90分間でやれる限りのことを、毎回やらせて頂いております。仔細は、下のURLからご覧ください。10月8日(木)の定例講座(10月から12月の3回)https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWe
スペイン語のオペラ=>イタリア語の19世紀末のオペラ=>イタリア語のバロック・オペラ=>日本語のオペラ=>フランス近代のオペラ=>フランス語のバロック・オペラ・・・と2週間ぐらいの間にいろいろこなす日程になりました。頂いた仕事を受けていると、こういう順番になりました。初めての作品もあれば、何度も解説している作品もあります。初めての作品でも、これまでの経験とどこか繋がっている場合もあります。仕事をいろいろ楽しみながら出来れば良いのですが、調べることが相変わらず多いので、四苦八苦
フィリップ・ゴセット先生の『歌の女神と学者たち』の下巻出版に向けて、原稿の校正をずっとやっています(来年2月末に発刊見込み)。その中で、1993年のニューヨークでの演奏会形式上演によるベッリーニの《異国の女Lastraniera》について触れておられたので、久しぶりに聴いてみました。フレミングがソロで歌うところのハイE♭がピーンと張って、クンデの朗々たる節回しがびしっと決まって・・・バリトンのラペリエールLapperière(モントリオール生まれ)の声も厚みがあって素晴らしいです。お
友だちが育てているサツマイモの苗がかなり茂ったので、お願いして、葉っぱと蔓を貰ってきました。蔓は明日でもかき揚げにしようかと思っています。葉っぱですが、貰った分の半分を冷凍の豚肉とニンニクとで炒め、焼き肉のたれをかけてみました。結果、「え、美味しい!」洗って刻んでただ炒めるだけですが、菜っ葉類とは違うコクがあり、蕗の葉の苦みを取り去ったかのような食感です。癖がなく、普通に野菜のように食べられました。私は以前、蕗の葉を佃煮にしたことがありました。アメリカ転勤時代、どうしても食べたくなっ
いろんなジャンルにおいて、「●●辞めろ!」などといったインターネット上の投稿を観るたび、自然に思うのですが「なら、誰なら良いのだろう?」と純粋に思います。また、そういう時、「自分ならXXさんが良いと思うけれどな・・・」と自然に自分なりの回答が出て来たりします。研究家とは、常に「ならば、こちらはいかがですか?」と代案を考える職業です。料理研究家の方に、誰かが「小麦粉のアレルギーがあるのですが、パンが食べたいのです」と訴えた時に、「ならば、米粉パンはいかがですか?」とすぐ提案できるよう
歌曲の解説や批評のご依頼は多いですが、オペラを解説することの数倍量の時間や労力が要ります。一曲ごとに作曲家が違ってくると、それぞれの由来の調べ方も変わってきます。でも、その労の多さとは関係なく、「これは素晴らしい!」と思える曲に出会ったときの喜びも大きいのです。例えば、最近、この曲の批評(この音源とは違う歌い手さんの演奏です)をさせてもらい、森林浴をしたかのようなフレッシュな気分になりました。この曲も最近批評したものです(こちらの音源とは違う歌い手さんの歌唱です)。ちなみに、上述の曲と
オペラ界にも、毎年、大変な数の新人がデビューします。私が実際に聴くことができるのは、そのうちの僅かな人々です。「新人が成長するのに必要なことって、何だろう」たまにそういう会話をすることがあります。この前も、ある名ソプラノにインタヴューする際に、そういう話題になりました。「向き不向きはあっても、まずはチャレンジすることではないでしょうか?」「一度はやってみたいと思うことって、周囲が止めない方が良いと思うんですよ」確かにその通りです。声を潰すかもしれないと思うレパートリーでも、若いうち
発売中の『音楽の友』2026年10月号で、「オペラ特集のコーナー」があります。今回は、2つの原稿を書かせて頂きました。コーナー・タイトルが、このブログの題に掲げた「オペラで、ととのう。―心と教養を調律する贅沢な時間」となっています。編集者さんたちも、自分よりも年若い皆さん揃いになりました。だからでしょうか?全く新しい考え方を示して下さるので、私自身も、いつもとは違う方向性で筆が進んだように思います。2つある拙稿のうち、最初のものは、イラストレーターさんの手助けが入っています。「へー
まずは《奥様女中》で有名なペルゴレージ(1710-1736)。脊椎カリエスを患っていたようで、肖像画でも、背中が曲がったものがあったりしますが、不滅の傑作を残しました。明るくお茶目でテンポ良い、短編オペラの傑作中の傑作です。続いては、バスク語でオペラを書いたウサンディサーガ(1887-1915)。結核で早世してしまいましたが、哀しい物語のオペラ化である《メンディ・メンディヤン》という作品が最近徐々に甦りつつあります。この《メンディ・メンディヤン》については、来月、やや詳しく紹介することにな
フランス語でgitanという名詞があります。この単語が、いま、日本語にとても訳しにくいのです。放送の現場などでは、Romaと呼んだりします。しかしながら、Romaと呼ばれる人々たちも世界中に散らばっているからか、一枚岩ではないようで、「自分たちはRomaではない!」と主張する一定数の人々がいると聞きました。でも、お陰様で、先人の知恵といいますか、いまのところは「流浪の民」という言葉を使えばなんとか説明できるのです。ところで、私は、英語のharassmentという英語に強い嫌悪
9月16日が命日・忌日の有名人・著名人1701年67歳没(脳出血)ジェームズ2世さんイングランド国王⇒『ジェームズ2世(1633年10月14日生~1701年9月16日没、イングランド国王)』1736年50歳没(水銀中毒)ガブリエル・ファーレンハイトさん物理学者華氏(ファーレンハイト度)⇒『ガブリエル・ファーレンハイト(1686年5月24日生~1736年9月16日没、物理学者、発明家)』1869年63歳没(?)トーマス・グレアムさんスコットランドの化学者グレ
今年生誕150年のファリャ。オペラを数作、歌曲もたくさん書いています。仕事で時間をかけていろいろ調べる必要がありました。本当に、知らないことだらけでした。「ちょっとしか知らない」そんな風に気づけただけでも拾い物です。その中で、オペラを1作、解説する必要が生じました。ある程度は知っていた作品ですが、いざ、楽譜を広げてみると・・・「ああ」と項垂れます。言葉狩りの嵐が吹き荒れる昨今、とても説明しにくい情景が広がっていたのでした。作曲者も台本作家も悪気があってやっているわけではなく、
「これからオペラを観てみようかな?」「オペラってどんなものなんだろう?」そんな風に感じておられる方のために、今回、90分間の集中講演会を開かせて頂くことになりました。NHK文化センター町田教室さんにご協力いただきました。「オペラをまだ見たことのない方も、少し知っている方ともに大歓迎!」と題しまして、来る10月3日(土)の13時から14時半までの90分間になります。お申し込みは、https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1341953.ht
オペラに詳しくなればなるほど・・・「嫌いな対象が減ります」この47年間で私が実感していることです。詳しくなると、「存在意義」がわかってくるのです。作品や歌手、指揮者、演出家。歌劇場などなど・・・ですので、出来る限り長い年数、オペラに親しんで下さればと願います。嫌いな対象が少ない方が、いろんなことに気づきやすくなります。気づけばまた、面白くなるのです。来る10月12日(月)14時から17時まで、地下鉄要町駅から徒歩5分ほどのサロン・ヴェーラさんにて、一般社団法人国際総合芸術研究会(
19世紀の一般的な数値として、オペラの楽譜(ヴォーカル・スコアが主)を印刷する際の部数は、1500部が基準であったそうです。有名作は何度も何度も増刷されますが、残念ながら、1回切りの印刷に終わった演目もあるようです。拙宅にも何冊か、「これは1500分の1冊なのかな・・・」と思えるようなスコアがあります。少し例に出してみると、オペラ・コミックの《L'Amourvengé》作曲はMaupeouオペラ・ブフの《CotillonIII》作曲はあのCasadesusドラム・リリックの《La
ご依頼のあったCD(全部で5組)のうち、最後の1組に手を伸ばして、しばらく考えて愕然となりました。そのCDの帯には「3声の」と書かれてありました。どうも、担当者さんが勘違いしたようなのです。この場合の「3声の」とは、「楽器3つに拠る」と言う意味なのでした。それで、生まれて初めて、歌の全く入らないCDを批評することになり大慌て。でも、好きな楽器であったので、楽しく聴かせて頂き、いろいろ勉強にもなりました。収録曲にいくつか、「本来は歌の曲だけれど歌のパート無しで、楽器だけで演奏している」と
朝日カルチャーセンター新宿教室での講演会「ロッシーニ《イタリアのトルコ人》について」にご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。このオペラは予想以上に奥が深く、ユーモアに富むので、実演もぜひご覧になって頂きたいと思います。ご質問もいろいろ有難うございました。「幕の数」についてのご質問、とても有難かったです。オペラの世界では、幕の数が一つの判断材料になります。割合に細かく決まっていますし、初演地の劇場の習慣とも結びついていたりします。これからも、どしどしご質問下さい!来る
最近、仕事での移動が重なる日が月に何度かあったりで、自分で弁当を作って持ってゆくようになりました。例えば、銀座で昼のコンサートを聴いてから、夕方に溜池山王でのコンサートに移動したりするときなど、途中にある大公園のベンチで食べたりするのです。食べ過ぎると眠くなるので、小型の弁当箱がちょうど良いサイズ。ただし、ちょっとしたものを、ただただ弁当箱に詰めるだけなので、味は最低ランクです。ピーマンの塩炒めとか、ウフ・マヨネーズ(要はゆで卵にマヨネーズをかけたもの)、切ったトマト、冷凍ナスの煮物といった「
テレビドラマの『Vivant』を観ているので、仕事の合間についつい、いろいろな人の考察動画を観ることが増えました。地下鉄などでの移動の際にもスマートフォンで眺められたりで、結構有難いなと思っています。言葉が明瞭でとても聴きやすいのに、話者の方のトーンが単調になりがちな点が惜しい動画(どこか強調してくれたら!でも愛聴させてもらっています)口調に勢いがあるので耳に声が残る動画複数名で話しておられるので、音声だけでなく、映像ありの方が楽しめる動画などなど、いろいろ感じることがありました。講
手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』に、外科の名医でありながら、目立たない椎茸先生と言う人が出てきたと覚えています。ブラック・ジャックが、椎茸先生が注射をする際の技の素晴らしさに驚き、自分から声をかけた人でした。奥さんと慎ましやかに暮らしていて、大学の医局勤めでありながら、出世コースに縁のない、また、欲も無い人で、周囲からは腕前もあまり認められていなかったようです。でも、結果、椎茸先生の腕とお人柄が認められる日がやってくる・・・そんな内容でした。子供の頃に読んだ話ですが、非常に強烈な印象
堺シティオペラの《魔笛》、2日間公演のどちらも満員御礼であったそうです。客席の皆さんの反応も素晴らしく良いものでした。フィナーレで合唱団が勢ぞろいするとき、一人、外国の人が入っていたように見えました。身振りが引き締まっていて目立ちました。そのことに、どこか「ほっとしている自分」が居ました。欧米の歌劇場の合唱団には、いろいろな人種の団員たちが参加しています。日本も、そうなっても不思議ではないでしょう。能力ある人がその能力を、そのままに認められる世界であって欲しいと願います。来る10月
日本人の頭髪を「黒髪」と言いますが、世の中にはもっと黒い髪を持つ人々が居て・・・私が実際に観た中で一番黒かった人は、ネイティヴ・アメリカンの女性でした。物凄く油分を含んでいるのような、本当に濡れ羽色というか。水をはじくのでは友¥思ったり・・・むっちりというか、なんというか。羊羹よりどっしりとしていて、墨汁より濃いという感じでした。その次に黒かったのは、ブルガリアの地下鉄駅構内でバラの香水を売っていた女性の髪でした。「欧米の眼で見た黒髪は、日本人が想像するものとはまたちょっと違うような・・
《運命の力》の批評を詳しく書かせて頂くことになり、いろいろ楽譜をひっくり返したり、論文や原作を読みながら思い返していたら、あるパッセージについて「バス・ダルベルティ」という言葉を思い出しました。bassed'Alberti私はたまたまフランス語で覚えていただけですが、この用語は非常に広く使われるもので、調べてみたら日本語でも「アルベルティ・バス」とカナ書きするのだそうです。ご興味おありの方は調べてみて下さい。ちなみに、イタリア語だと、Bassoalbertinoだそうです。「アルベ
最近凝るようになってきて、一日家で仕事の日は、朝から作っています。良い天然だしの素が手に入り、それを使うとコクがでます。庭のバジルを入れたり、カシューナッツの余りを入れたり・・・目分量でやっているから、毎回味が違います。ワインビネガーはあった方が良いようです。・・・ところで、ガスパチョは、オペラとちょっとした縁があります。オペラ《カルメン》の原作小説であるメリメの『カルメン』。スペイン情緒に溢れた名作ですが、文中で一か所だけ、スペインの情報を間違えているところがあるのです。それが