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養成所虹の入学式から一月余り経った初夏を思わせるような春の終わりのある日チェ家の広大な庭園は多くの子供たちの歓声であふれていたその日は天界ではオリニナル(こどもの日)と呼ぶ日だそうで子供たちにいっぱい遊んでもらおうとウンスの提案で庭園を解放していたソダンでの開催も考えたが人数が多いと少々手狭それに庭園の一角にはチェ最高尚宮がチェ家の子供らの誕生日のたびに次々こしらえた遊具も各種揃っているので遊びには事欠かないというわけだ広い庭園のあ
子供達が寝静まった夫婦の時間チェヨンは髪を乾かす妻の後ろ姿を見つめていたその長く艶やかな髪は出会った頃と少しもたがわず美しいままに思えるが最近ウンスは髪を乾かす度にため息をついているドライヤーがあればなぁ現代では髪を乾かすのがこんなに大変だなんて考えたこともなかったわここじゃあ生乾きで寝ちゃうから傷みがすごい・・・艶もないしパサパサだしそれにたまに見つける白髪年を取ったんだなぁって実感しちゃうものチェヨン自身は妻の白髪を見つけたことは
輿の中で寝たふりをしているうちにユニョンは本当に眠りに落ちた・・・夢から覚めないその姫を大事そうに抱きかかえて部屋まで運んだのは他ならぬイサだその話を帰宅後サンから事細かく報告を受けた父親のチェヨンは妙にイサのことが腹立たしく思えた王宮で疲れたのかしら?夕餉も食べずにまだ寝ているなんて・・・ヨン?そんな悋気満載みたいな顔ユニョンの前ではしないでねしょうがないじゃないのイサだって眠ったユニョンを起こさないようにって気遣って運んでくれ
みなさまあんにょんゴールデンウィークが始まりましたがいかがお過ごしでしょう?どこかにお出かけされますか?haruはお仕事がお休みでばんさい!な気分ではありますがどこかに出かけるわけでもなく普段通り過ごす予定今日は水キムチを久しぶりに作ったくらいかな?出来上がりが楽しみですとはいうものの世間はせっかくのゴールデンウィークなのでちょっとだけ先日ちょこっと行って来た新大久保情報をお届けいたしますねharuのこのところの新大久保でのルー
ウンスの誕生日が過ぎてしばらくしたある日ユニョンは王宮からの帰り道イサと一緒だったオンマはまだかかるんだって〜これから王妃様のところに行かなくちゃいけないからまだかえれないのだから先にかえっていいっていわれたの・・・ユニョンは一緒に家に帰れると思っていた母親がまだ帰れないと知ってがっかりした口調で答えたそうみたいだねそれでオレが屋敷まで輿で送るように頼まれたんだユ先生はヒョンとチュホンで帰るってさちょうど今日は診
チェヨンは腕の中で眠る愛しい妻を見つめた夜はとっぷり更けて子供達の寝息以外あたりは静寂に包まれている誕生の祝いにと少々無理をさせたか?チェヨンは反省を込めてぼそりと呟いた夫の激しい欲望の塊ですっかり疲れ果てさせ妻は泥のように眠っているその眠りを妨げないようにチェヨンは彼女の髪をそっと撫でた息子タンが母のためにと彫刻した美しい蝋燭の炎が揺らめいて甘い香りを放っているそういえばウンスの誕生日を祝うのは今年で何度目だろう?
終わった!間に合った!チェ家の長男タンはホッとしたように大きく息を吐いてから末っ子ゴンに微笑みその頭をなでなでしたゴンはやり終えた満足感で嬉しそうでタンは弟妹たちの笑顔に負けないくらい五人で力を合わせて作った今年のすぺしゃる誕生日けえきがキラキラと輝いて見えたけえきづくりは何度もやっているが今回はなんとか子供達だけの力で仕上げたみんなで材料を揃え生地を作りタンが何枚もそれを薄く焼いてサンとユニョンが野いちごのじゃむとハチミツをヌリ
ウンスの誕生祝いにと大妃様からいただいた針房ホン尚宮仕立ての若草色のチマチョゴリは春らしい色合いで式典会場の雰囲気を一層華やかに飾っていたその立派な衣に負けないくらい養成所に対する志や学生達に最初に伝えたいことや伝えるべきことをウンスはちゃんと言えたようで安堵した様子だったそうして大役を終えた彼女はひと息つく間もなく夫のチェヨンとともに急ぎ屋敷に戻ろうとしていた五人の子供達は母親の誕生日ぱーちいのために飾り付けや料理の準備を終えて両親の帰りを
空が淡い青色に包まれ日差しが穏やかに差し込む春の日皆に見守られながら女医の養成所虹の四期生開校式式典が執り行われた七名の新入生は希望と夢に満ち溢れた顔をしてその式典に臨んだようやくここまで来たわユチェは嬉しさを隠しきれない様子で頬を紅潮させていた彼女の父親は商団を率いている商人でウンスの診療所に勤める会計担当のミヒャン(針房の女官見習いミホの母)の夫ともかつて仕事で顔見知りの間柄だった商いは順調で金回りも良くてさびれた両班の家よ
すっかり夜が更けた頃王様は王妃様の寝所に出向いていたウ王子は無事に帰って来たようじゃのぅはいご心配をおかけしましたいつもはわがまま一つ言わない王子がよもや王宮を抜け出しユニョンに会いに行くとはそうじゃの王妃の息子じゃ血は争えぬ王様は口のはしをキュッとあげて笑った耳の痛いお言葉にございます王妃様は平静を装い一口お茶をすすったかつてまだこの王宮に来たばかりの頃勝手に王宮を抜け出して無茶をしようと思
ここは見晴らしがいいのぅ夏になったらさぞや涼しい場所となりそうだ王子様は満足そうに東屋から庭を眺めそれからボソボソ言ったもしやあの者がそなたの想い人か?だが・・・どう見ても親子ほど年がはなれておるうえににぶそうな相手じゃどうしてあの者なんだ?ユニョンはプッと吹き出した確かにイサは相当鈍いところがあるこんなに好きだと伝えても全然わかってくれないのだからどうして?って〜イサはたよりになるしやさしいユニョンは一応
イサは少し離れたところで二人の幼な子をなんとも複雑な思いで眺めていた一人はこの国の世継ぎ聡明なウ王子一人はチェ家の美しい姫チェ・ユニョン高貴な身分の二人はどう見ても年頃も背格好もお似合いだった何を話しているのかイサの位置からは聞き取れないが微笑み合う二人はとても仲睦まじく思えてなぜか胸がざわついたヒョンの悋気癖が乗り移ったのか?それともにぃにの気分か?妹を取られる感覚ってこんな感じなのかな?タンがイサに向ける鋭い目つきを思
ウンスは珍しく気落ちした顔で帰りの輿の中にいた傍らには夫のチェヨンがいてウンスの手をさすりながらその様子を見守っているああぁあんなに勇んで行ったのにまったく情けないわ言いたいこと全然言えなかったなんてそれに大妃様はお忍びで出かけでお留守だったし・・・公主様のお迎えにソダンに行ったのかしら?あの子達もそろそろ帰ってくる時間よね・・・あああそれにしても私王妃様のところに何をしに行ったんだか・・・ため息をつく妻の肩に手を乗せてチェヨ
典医寺での用事を終えたウンスは少しばかり憂鬱だったいつもならばこの後王妃様のところでおしゃべりをしてその後大妃様にも御目通りする診察というより何気ない会話でひと時を過ごすのが王宮に来る時の流れだったただ今はお二人と顔をあわせるのが気まずい冗談でタンを婿に欲しいとかユニョンが嫁に来たらいいとか二人から言われたことはあってもあくまでそれは冗談の範疇でウンスも聞き流すことができただが一国の王様が明国の使節団に公言したとなると話の次元が
その日ウンスは王宮の典医寺にいたもちろん四期生受け入れの打ち合わせのためであったご心労が重なりお疲れではございませんか?チェ侍医は心配そうにウンスに尋ねるその瞳はとても柔らかだもしかしてユニョンのこと?気遣ってくれてありがとう王妃様にも大妃様にも養成所はお力添えいただいているからあまり波風は立てたくないってのが本音だけど・・・ユニョンが傷つくようなことにはしたくないわそれよりチェ先生はどお?もしかして?親子ゲンカでもしたの?
翌朝ユニョンは父チェヨンの口から自分がウ王子の妃候補に名前が挙がっていることを他の子供たちもいる前で聞かされたやだよユニョンがおおきゅうへ行っちゃったらもうあえないもんサンやだよぜ〜〜〜ったいやだ!サンは憤慨して父親に言い返したユニョン大丈夫だよにぃにたちが付いているから王様の思い通りになんかさせないよ!タンはユニョンの瞳をじっと見つめて力強く慰めている普段は喧嘩ばかりしているのに兄弟姉妹の絆を感じウンス
イサは朝から悶々としていた本来ならば喜ばしい噂話に違いなかっただが胸の奥にふつふつと湧き上がる怒りを感じずにはいられなかったのだたかだか噂話でどうしてこんなに心がかき乱されるのか不安になるのか自分自身を持て余してしまう王家の後継と名家の姫が婚約したらしいという噂は王宮勤めの者たちの口から民へと広がりあっという間に下々まで知るところとなっていた診療所にはわざわざお祝いを言いに来る患者や近所の者たちもいてその対応にイサは頭を悩ませたよ
ソダンに到着したユニョンは送り迎えの親たちから向けられた視線がいつもと違うことに敏感に気がついていた顔では笑顔を取り繕いながらそれは灰色に見えたり黄色に見えたり桃色だったり嫉妬と羨望が交錯するような不思議な光景だったまさか自分が時期王妃の候補になっていることなど両親から何も聞かされていないユニョンは大人たちの思惑にただただ戸惑うばかりだったがカン・ユハ先生のさりげない気遣いと賢く聡い兄のタン少しばかり鈍い性格のサンと優しい姉のスニョンにいい
噂の広がりはウンスが考えた以上に早かった・・・翌朝武閣氏の長を引退してもまだなお王宮の情報を隅々まで把握している叔母チェ最高尚宮が屋敷に来ただが思慮深い叔母は子供達の前では普段と変わらぬ様子を見せヘジャの料理が食べたくて朝餉を食しに来ただけだとユニョンに笑いかけたその一方で甥のチェヨンを子供達から見えない場所に誘い込んで詰め寄った一体どうなっておる?なぜユニョンが妃なのだ?大妃様の気性を考えたらこれは嵐になる王宮に波風が立つであろう
夜になって屋敷に戻った夫の顔はひどく疲れて見えそれに加えて眉間に深いシワが刻まれていた大丈夫?問うたウンスに何も答えずぎゅっと抱きしめるとようやく落ち着いたようでふうと息を吐いたすまなかったイムジャの晴れ舞台二期生の卒業の席に駆けつけられぬとは・・・いいのよ仕方ないわ大事な用があったんだもの明の使節団との謁見はうまくいったの?ウンスは夫を抱きしめた苦しい時に苦しいと言わないのはお互い様だが夫のことを誰より
イサの剣幕にたじろぎながらそれでもチェ侍医は王家に忠誠を尽くす侍医として王様の話を息子にするようなことはなくチェ家を巻き込んでの王子様の嫁取り話はうやむやに終わった・・・ーーーーーーーそれから数日後よく晴れた空の下二期生の旅立ちを祝う式典がウンスや典医寺の医官や大妃様・王妃様が見守る中養成所の講堂で行われた養成所虹の卒業生であることに誇りを持って志高くこの国の医療のために尽力して欲しいと願っています医官は権力や相手の身分には屈
明け方ウンスは目を覚ました啓蟄を過ぎたとは言え都はまだまだ凍てつくような寒さだ夢・・・か・・・百年前の夢なんて久しぶりに見たな・・・丘の上の大きな木の根元でウンスは沙羅と花を摘んでいた風が心地よくて二人は微笑みあって・・・迎えにきた義理の兄光守が愛しそうに沙羅を見つめていたそんな夢心がざわざわした百年前にタイムスリップして心優しい人々に助けられまたこの国のこの時代に戻ることができたけれども今でも悔やんでも悔やみきれないのが妹のよ
夕方典医寺のチェ侍医は康安殿にいた王様が頭痛薬をご所望されたため診察に向かったのだ昼間王妃様としばらくの間高台から都を眺めていたと報告を受けていた侍医は寒風で王様の体が冷え血の巡りが悪くなったのだろうかと考えていたけれども脈診しても問診してもそのような所見はなかったただ王様は部屋に戻られてから物思いに沈んだ顔をしていたと内官アン・ドチが案じていた高台で何か気鬱になるようなことがあったのだろうか?王妃様と過ごす時間はいつも穏やかな
夢?でございまするか?ポカンと口を開けてポムはウンスを見つめたう〜〜〜んなんでございましょう?夕暮れ時ソダンを終えチェ家で過ごしたミョンのお迎えを兼ねて屋敷を訪れるのがこのところのポムの日課になっている以前は朝からずっと屋敷に入り浸ってチェ家の子供たちの面倒を見ていたのだがこの春から本格的に三つ子はソダンに通い始め日中は留守だそんな屋敷にクァンとミユの幼な子二人を連れてくるのは逆にウンスに迷惑をかけるとポムは自粛して
若き王の夢はこの国を豊かで強い国にすることだった強国に簡単に王の首をすげ替えさたりせず貢物や貢女に民が苦労することもなく誇りを持って暮らせる国だが世間知らずの若き王はなんども志が挫折しかけたまだキ・チョルが権力を振りかざしていた頃の話王を王として崇める人などこの国にはいなかったそれほど皆世の中に絶望していたのだその力のない若き王をずっと支え続けてくれた男が唯一の友でもあるチェヨンだ重臣たちの理不尽な要求に屈せず謀反をはねのけ時には王
チェ家の跡取り息子タンは朝課題の書物をあっさり読み終えてぼんやりソダンの庭を眺めていた隣に座る親友のミョンはまだウンウン唸りながら書物を読み続けているみんな一生懸命勉強をしているから遊ぼうと邪魔をするわけにもいかずタンは手持ち無沙汰だったふと門を見ると妹のユニョンがイサとソダンに到着したところ「ユニョンの夢はイサのお嫁さんになること」と公言してはばからない彼女はイサに送ってもらったことがとても嬉しそうに見えてタンは兄として少し複雑な気
勝手をして申し訳ありませんでした奥様・・・昼休憩に奥へ戻ろうとしたウンスに厨房から出て来たヘジャが声をかけたえ?ヘジャ?もう帰って来たの?今夜は実家に泊まって来て良かったのに・・・お姉さんと積もる話もあったでしょう?いいえめっそうもないヘジャばかりかオクリョンとタルまでお気遣いいただきました奥向きのことご不便をおかけして申し訳ありませんこれ以上のご迷惑は亡き母に叱られてしまいますので・・・ヘジャは律儀に答えたお
結局その朝スニョンとサンは庭でテマンに朝稽古をつけてもらいユニョンはイサに送ってもらって一足先にソダンへ行くことで落ち着いた悪いわねぇイサ私が送って行けばいいんだけど〜いいよ姫とユ先生にもしものことでもあったらオレがヒョンに怒られるしそれに今日は実習が入っているんでしょう?朝からユ先生がいないと学生さんたち困るしねイサと手を繋いでソダンに向かうユニョンはいつも以上に喜び楽しそうに見えてウンスはイサの好意に甘えることにし
へええ天界の夢?それをヒョンに言い当てられたの?すごいなヒョンはユ先生のことはなんでもお見通しってわけかチェヨンが王宮へ出仕した後診察の準備をしながら他愛ない話をしている流れでなんとなく昨夜の話になってウンスはイサに夢の話をして聞かせていた天界かぁ話を聞いても想像もつかないけどヒョンは実際そこに行ったんだもんなぁ〜なんだか羨ましいああそう言えばそうよね私以外に天界を知っている人がいるってことすっかり忘れるとこだったわ
何かあったのか?天界のことか?甘い一戦を交えた後チェヨンは心配そうな顔でウンスの顔を見つめ尋ねたどおしてそう思うの?ウンスは夫の察しの良さに驚きながら聞き返すイムジャのあの様な表情を久しぶりに見たと思ってなあの様なって?新婚間もない頃天界の夢を見た後にもイムジャは切なそうな顔をしておった夫の言葉にウンスは黙った・・・現代に大事な親を残して愛する彼を選んでここに来たその判断は今でも間違いな