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Vol.90【小説夏目漱石の「夢十夜」②】の続きです。夏目漱石の小説のなかで、「夢十夜」はとても特異な小説で、1編当りの枚数は短いのですが、その中に、長編でも及ばない強烈なイメージが込められていると思います。引き続き、各篇ごとに、簡単に内容をお話ししたいと思います。《第五夜》神代に近い昔である。自分は軍(いくさ)で負けたため生擒(いけどり)になって、敵の大将の前に引き据えられていた。自分は虜(とりこ)だから、草の上に胡坐(あぐら)をかいていた。酒甕(さかがめ)を伏せた様
一昨日の金曜日、わずかアクセス数212で、28位でした。いつもなら、350ぐらいは越えないと、20番台にならないのですが、GWで、全体のアクセスが少なかったのでしょうね。さて、昨日は、ずっと書いていた、今年度の国民文化祭の募集する「清流の国ぎふショートショート文芸賞」向け原稿を、2篇書き上げ、推敲もして完成させました。今日、郵便局へ直接、持っていって、投函します。マーサさん教室へ出す課題詩は、7割程度の出来ですが、草稿を書いてはおります。もう3・4日、寝かせて完成予定です。
いつだってそうだこの2年間手取り足取り仕事を教えてきた新卒の後輩に男を盗られた気付けばもうすぐ40才あいつとはかれこれ10年の付き合いのらりくらりと結婚を先延ばしにして事実婚みたいな関係になっていたがたまたま会社の後輩に引き合わせてしまったのが運の尽きでも、まさか20歳そこそこの若い娘があんな四十男に興味を持つとは恭子は公園のベンチでコンビニで買って来た塩むすびの侘しい昼食をとっていたいつだってそうだ何かとやらかすあの娘の面倒を見るのに今年もここで満開の桜を見
金を取るか、愛を取るか。俺は金を取り、友人は愛を取った。俺と友人は別々の会社に勤めていたが、同じような時期にそれぞれの会社の社長の娘との縁談が持ち上がった。俺と友人は、それぞれ結婚を約束した恋人がいた。俺は迷わず社長の跡取りの座を選んだ。そして、結婚の約束までしたいた彼女を振ってしまった。友人は彼女を選び、社長の娘との縁談を断ったため転職した。馬鹿な奴だ。当時の俺はそう思ったものだ。それから二十年の歳月が流れた。俺は社長の椅子に座っているが、嫁は二言目に
3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。都市伝説探偵↓都市伝説探偵時間を失うビル消えゆく文字のタイプライター忘れられたSOS影を潜む真実の都市伝説消えたペットを探して消えた建築家の邸宅終わらない夜の物語記憶を食べるカフェ時間を売る店愛するペットへの天空の手紙忘却のカフェ百年目の訪問者忘れられた地下道の住人午前三時の子守歌影を失った男迷子の時間を探す時計屋星空の下で運命のベンチ毒ガ
農民文学賞喜びの声受賞した松田さん、武西さんに聞く/日本農業新聞公式ウェブサイト日本農民文学会は29日、第67回農民文学・・・www.agrinews.co.jp「リラの花咲くけものみち」で吉川英治文学新人賞受賞北日本文学賞選奨の藤岡陽子さん|北日本新聞webunプラス第40回北日本文学賞で選奨を受けた作家、藤岡陽子さん(京都)が、長編「リラの花咲くけものみち」(光文社)で第45回吉川英治文学新人賞を受賞した。「歯を食いしば...webun.jpインダス川流域、多様な文化
退職届をカバンに入れて出勤する朝恭子はいつもより30分早く起き出して熱いコーヒーを啜っていたそういえば昨夜久しぶりにはっきりと記憶に残る夢を見た真夜中の公園ぽつんと灯りがともっていた恭子は裸足で灯りに近づいて行った「こんな場所で焚き火?」「見つかったら誰かに怒られない?」焚き火の側に座っている女性の後ろ姿に話しかける自分にそっくりな女性が一瞬こちらを見てまた興味無さげに焚き火の方へ向き直ったゆらゆらゆら恭子はしばらくの間そこに立って変幻自在にゆらぐ小さな炎を見つめ
二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。「このところ、僕は昔の人が書いた小説を読んでいるのだけど、彼等は恋愛をする際に色々な制約で自分達の行動を縛っていたのだね」「君は個人による自由な恋愛が許されていなかった時代の小説を読んだのか?」「いいや。一応、個人が自由に恋愛する権利は認められているみたいだったよ。でも、年収だとか、性格だとか、容姿だとかいった様々な条件に見合った人間でなければ恋愛対象として認められないという風潮があるみたいだった。それに、作中の登場人物達
今日は、午前中が近くの小学校で、バドミントンの開放教室のコーチをする日だ。でも、出動にはまだ時間があるから、ショートショート文芸賞の3枚の仕上げに取り掛かっている。けど、考えてゆくと、一昨日の22枚とは勝手が違うよな。書けない、見えない空間への思惑や意図を最大限に生かさないといけない感覚が大事になってくる。できるだけ、一昨日の小説の書き方と、ある意味、つながっている部分を頼りに、コントロールしてみる。制御のポイントは、作品における独自のキャラクター性入れる枚数がなく、既存の存在
私の飼っているいる犬は、シルバーイエローダップルのカニヘンダックスだ。カニヘンとはいえ、体重は6キロになっている。ミニチュアの基準さえ超えている。飼ったときには1キロもなかったのに、わずか1年と少しですくすくと育った。まあ、カニヘンとかミニチュアなんてどうでもいい。可愛いから体重ななて気にはならない。とはいえ、私が家にいるときはいつも側にくっついており、パソコンの前に座っているときはいつも膝に乗っている。6キロもあれば1時間も膝にのっていれば、膝や腰が痛い。まあ
3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。地球の選択-二つの未来チャットオペレーターの秘密逆さの日常選択の木真紅の花では、「百の声を持つ家」を読んでみてください。新しい家を買ったのは、ずっと前からの夢だった。静かな郊外、緑豊かな庭、そして何よりもその歴史を感じさせる重厚な造り。初めてこの家を訪れたとき、何か特別なものを感じた。それはまるで家自体が、自分を迎え入れるかのように温かく感じられたのだ。しかし、引っ越してきてからの
この5月から、新規に受講する岡英里奈さんの小説教室。初回原稿を、昨日の深夜12時に完成した22枚を、事務局へ送信しました。時間が書いてなかったので、勝手に深夜12時までと判断したのですが、本当は18時とかだったのでしょうかね。でも、18時では、まだ8枚ほどだったので、今回はご容赦くださいませ。で、書いていた感想は、すごく大変だったけれど、すごく楽しかった。こんなに楽しく描けたのは、久しぶり。いつもちょっぴり愉しくても、あとは苦しんでばかり。今回も書き出すまでは2週間ほどは迷いに
昨日、吉田は駅でわざとぶつかって歩く嫌な奴を見たこざっぱりした身なりの30才くらいのサラリーマンやっている事以外、変な奴には見えないが女性ばかり選んでよろけたフリをして当たって行ってるのが後ろから見れば直ぐに分かる演技の下手さで気分が悪かっただが、そんな面倒な奴には関わりたくない吉田は見てないふりをして、そそくさとそいつの脇をすり抜けて通り過ぎた休日の朝日課にしているジョギングの途中公園のベンチでひと休みして息を整えていると目の前にうんていがあった年季が入って、握
西暦23XX年。人類は銀河系どころか、広大な宇宙のあちこちを飛び回っていた。ある星で画期的なエネルギーを発見したのが発端で、今では高速の何倍ものスピードで宇宙を航行できる船を作り上げている。その船を使えば、地球から月まで数秒で行ける。そんな船でも、宇宙は果てしなく広大で、まだまだ未開拓の部分が多い、そして、そんな技術を持っていても、人間は相変わらず野蛮だ。少しでもいい星があると、その星を巡って争いが繰り広げられる。利益を追求する者同士、国家間など、平和裏に解決するこ
こんな夢のようなことが実現したら…。待望の田丸さんの絵本、あ、田丸さんとは、愛媛県松山市出身のショートショート作家、の田丸雅智さん、です。田丸さんは、松山市主催の、坊ちゃん文学賞の審査委員長であり、河原学園主催、田丸雅智朗読コンテストの審査委員長でもあります。このたび、あの、福音館書店さんから、絵本を出版!それも、こどものともシリーズです。6月号子どもたちが、宇宙へ遠足に行くんです。すご〜いそれがね、ロケットに乗るんですが、そのロケットが、可愛いのな
3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。地球の選択-二つの未来チャットオペレーターの秘密逆さの日常選択の木真紅の花では、「夢のヒーロー」を読んでみてください。田中隆一は内向的な高校生だった。教室の隅に座り、授業が終わるのを待つ日々。クラスメートとの会話もほとんどなく、昼休みは一人で弁当を食べるのが常だった。そんな隆一の唯一の楽しみは、ヒーロー映画や漫画に没頭することだった。彼らのように強く勇敢な存在に憧れながら、自分の平凡
私には、歌しかない。子供の頃から歌手になるのが夢だった。今の時代は、独り立ちする歌手は少ない。若い子は、ほとんどがユニットに組み込まれ、昭和の時代みたいにアイドルのような歌手は存在しない。しかし、私はユニットの中の一員なんてごめんだ。デビューから一人で歌いたかった。そのため、ストリートミュージシャンから始めた。最初の頃は苦労した。心無い野次が飛んでくることもあった。どんな状況でも、私は諦めなかった。令和のアイドル、いや、歌姫になってやる。その思いだけ
3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。地球の選択-二つの未来チャットオペレーターの秘密逆さの日常選択の木真紅の花では、「夢の館」を読んでみてください。日々の仕事に追われる佐藤由紀子は、最近よく悪夢に悩まされていた。夢の中で、彼女は毎晩、同じ邸宅に迷い込む。その館はどこか古びた洋館で、朽ちた木の床板がきしむ音、埃の積もった家具が並ぶ様子が、彼女の不安を掻き立てる。邸宅には無数の部屋があり、由紀子はそのどれもが異様で奇妙な
季節外れの雪が降ってきた。快晴だった空が急に曇ったと思ったら、いきなりの雪だ。5月の始めに東京に雪が降るなんて、初めてのことではないだろうか。気温は高い。初夏並みに暑いのに、雪が降るのは異常だ。まったく、日本は、いや、地球はどうなってやがる。暑いので、誰かが人工雪を降らせているのではない。その証拠に、都内全域で降っているし、触ってみると冷たい。暑いので、地面に着いたらすぐに溶ける。しかし、後から後から降ってくるので、やがて溶けずに積もるようになった。子供
とうとう五月ですね。こと、創作に関連した上でなら、4月は目まぐるしく猫の目のようにバタバタでした。そのくせ、応募成果として作品化できたのは、通常の「ユリイカ」「現代詩手帖」の定期投稿の詩誌であり、また、某地方新聞と「詩と思想」の投稿欄を除くと、無理やり、応募して事実を作った「資生堂花椿」の詩だけでした。でも、ショートショート作戦の星新一さんの読解分析によるトレース作品を1篇仕上げたのは、めだたたないけど、後々、大きな財産になる予感があります。今、取り組んで、追い詰められている、岡
3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。地球の選択-二つの未来チャットオペレーターの秘密逆さの日常選択の木真紅の花では、「コミュニケーションは必要」を読んでみてください。ある日のオフィス。人間の仕事をサポートするために導入されたAIは、今日も各部署で忙しく働いていた。営業部ではデータの分析を行い、経理部では帳簿の管理に精を出している。その一方で、総務部ではトラブルが起きていた。「コーヒーを入れて」と頼んだ上司の指示を受け
ガタン、ゴトン。水車は回る。ガタン、ゴトン。水の力を借りて回る。ガタン、ゴトン。いつから回っているんだろう。ガタン、ゴトン。この水車は、なんのために作られたんだろう。今では知る者もいない。ガタン、ゴトン。それでも水車は回っている。田舎の農村の一軒家。その家に住む者は、もういない。この村も、過疎化が進んでいる。他にも幾つか水車があったが、みんな取り壊されてしまった。やがては、この水車も取り壊されるだろう。そうでなければ、家と共に朽ち
年に一度の地区の用水路の泥さらいせっせと作業してるうちに体のあちこちが痛みだすもう若くはない余計な力が入った部分にはきっちりとオマケまでついた痛みが走るそれでもまだこっちは50代半ばこの地区ではハナタレ小僧の扱いだ足が痛いなと思ったら履き慣れない長靴の中で親指に靴ズレが出来ていた水ぶくれが潰れて赤い皮膚が剥き出しになっているふと若い頃の事を思い出す確か社会人になったばかりの頃まだ大学生だった彼女が社員寮のあった東大阪まで会いに来てくれた同じ大学の部活の2年後
3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。地球の選択-二つの未来チャットオペレーターの秘密逆さの日常選択の木真紅の花では、「河畔の約束」を読んでみてください。【第一章:不思議な出会い】夏の始まりのある日、田舎町の静かな川辺で、一人の少年が不思議な出会いをすることになる。その少年、ユウキは、友達と川で泳ぐ約束をしていたが、友達が風邪で来られなくなり、一人で遊んでいた。太陽が水面にキラキラと反射する中、ユウキは石を投げて遊んで
私は、雨が大好きだ。特に休みの日が雨だと、どこへ出かけるにしても人出が少なくていい。木々や雑草が雨に濡れている姿も好きだ。風情があるではないか。降り過ぎても困るが、降らないと野菜も育たないし、水不足にもなってしまう。水は、命の源だ。水がないと、人は生きてはいけない。草花も動物もだ。だから、雨は好きだ。雨は様々なものに恵を与えてくれる。今日も、朝から雨が降っている。こんな日は、どこかへ出かけるに限る。少し濡れるくらいなんともない。雨に濡れる道端
お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹さん、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケさんの、二人が紡ぐ本の旅。本好きな王様のために、世界中からかき集められた「その本」たちは、摩訶不思議だったり、シュールだったり、くすっと笑えたり、ほろっと泣けちゃったり、などなど。どのお話しも個性的で、お二人の世界観が際立つショートショート集でした。なんといっても、お二人のアイデアの泉には感心するばかり。よく、こんなこと思いつくなー。AIがどんなに頑張っても思い浮かばないようなストーリーや表現には
挿絵が多く、文章が短く、スイスイ短時間で読めます。現代的なアニメのような作画。美少年が主人公として登場しますが、「現代的な美少年」で描かれています。内容も、美少年愛好家が好みそうな、耽美。苦悩する美少年が初々しく、美しく、ほほえましいです。お好きな方にはたまらない、好みの分かれる作品です。「乙女の本棚」というシリーズで、同じように若い乙女の好みそうな耽美な文学作品が、現代的なイラストで彩られて出版されているみたいです。初めて知りました。この作品以外には、『人間椅子』(江戸川乱歩
雨の日は憂鬱だ。雨が降らなくては困るのはわかるが、なぜか鬱々としてしまう。青空がいい。雲ひとつない青空を眺めていると、心まで晴々としてくる。みんなは、天気によって心のありようが違ってくるのだろうか。それとも、私だけか。心のありようだけではない。傘を差すのも面倒だ。出勤時などは、満員電車で濡れた傘が当たったりする。こちらも人に当てないよう、気を遣わなければならない。土砂降りも嫌だが、しとしとと降り続ける雨はもっと嫌だ。降るなら降る、やむならやむではっき