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↑扁平上皮がんが寛解した猫さま私たちの動物病院では、がんの治療にほぼ丸山ワクチンを使っています。今日は、「なぜ使うか」をお話します。●がんを排除する仕組み1、樹状細胞と呼ばれる食細胞が、がんを貪食する。そして、分解して抗原提示(どんながん細胞が情報を教える)、2、抗原提示を受けたキラーT細胞(Tリンパ球)が、がん細胞を攻撃、殺処するみんな上記のような仕組みを持っていますが、がんになるとこの仕組みがうまく働かない。それは、がん細胞は、樹状細胞とキラーT細胞を無力化
もふもふちゃんが病気になると、食べなくなります。しかし、慢性的に食べないのは、よくないです。去年、発売されたカプロモレリン(エルーラ)は、犬や猫で使われる「食欲を高めるお薬」です。体の中では、グレリンという「お腹がすいたよ」と脳に伝えるホルモンと同じ働きをします。①カプロモレリンは何をする薬?カプロモレリンは、脳の「グレリン受容体」に作用して食欲を出す食べる意欲を取り戻すという働きをします。特に、病気や高齢で食欲が落ちた子に使われます。②IGF-1ってなに?I
カプロモレリンは、「お腹がすいたよ」という体のスイッチをやさしく押してあげるお薬です。なぜ、食べないといけないか?食欲がないと、体の筋肉を分解して栄養に回します。そうなると、タンパク質を制限をしていても筋肉を分解することで、タンパク質がたくさん体の中に出るのです。なんのために、フードで腎臓食を食べているのかわからなくなります。たとえ、腎臓病でも食欲があることは大切なのです。商品名はエルーラです。その仕組みを詳しく説明します。①「空腹ホルモン(グレリン)」のまねをする薬
↑眼窩鼻腔内リンパ腫が寛解してもうじき7年以上のいちごちゃん、日向ぼっこ眼窩鼻腔内リンパ腫だったいちごちゃんは、まもなく寛解から7年を迎えます。今回は、その経過を振り返ってみたいと思います。【治療内容】・食事療法・アルカリ化療法・光免疫療法・丸山ワクチン同じような治療を行っていても、残念ながらなかなか寛解に至らない子もいます。これまでの経験から、以下のような状態がそろったとき、がんが寛解することが多いと感じています。・尿のpHが7.5〜8・CR
今日は、干し柿の話をします。もちろん、主食ではありません。オヤツやトリーツとして、注射や内服薬のごほうびにあげてみてください。干し柿は、人間の方では「美容おやつ」といわれています。国産のものだと砂糖を加えず合成着色料や添加物などを使わないものがほとんどです。●柿の有効成分・血管を広げ血流促進する「シトルリン」というアミノ酸シトルリンを摂取すると、一酸化炭素を産生し、血管を広げることで血流改善が期待できます。・優れた抗酸化作用を持つカロテノイド・食物繊維はごぼうの5倍
私たちは、がんは炎症反応なので、食べ物も大切だと考えて『食事療法』を行っています。アルカリ食のタンパク質は、魚、豆腐、納豆などになるので、がんを持っているもふもふちゃんは、あまり好みません。がん治療は、長期にわたるので、ときどき食べなくなることがあります。ましてやあまり好きではない魚などは、食べてくれないのです。そんなとき、どうするか?⬜︎アルカリ食をペースト状にして、強制給餌用のシリンジで与える□親指大ぐらいの小さいハンバーグみたいにして、フライパンで焼く(カ
ありがとうございます。
↑命のスープ私は、長年にわたり臨床獣医師として、多くのイヌやネコ、いわゆる「もふもふちゃん」たちと向き合ってきました。現在は、とくにがんの治療に力を入れています。がんを「治す」「寛解に導く」ために、さまざまな治療法がありますが、私がまずお伝えしたいのは――食事を見直すことの大切さです。結論からお話しすると、食事療法は、できるだけ幼い頃から取り入れてほしいと考えています。そんな中、飼い主さんから次のようなご質問をいただきました。命のスープやフルボ酸ですが、若くて健康
私たちは、がんのもふもふちゃんを多く診察しています。総合栄養食で、魚のタンパク質だけのものは、少なくですね。それで、がんなどで食べなくなったもふもふちゃんには、魚だけの総合栄養食のドライフードを粉にしてあげています。ドライフードを粉にして、なめやかにするのは、難しいです。電動式のコーヒーミルを使うことで、数秒でペットフードを粉砕することができます。食欲が落ちてきて、好きなものしか食べなくなったもふもふちゃんには、このような方法は、おすすめです。これだけ、細かくなる
普通に生活をしていても活性酸素は常に体内で発生します。ところが、炎症反応があると100倍から1000倍に大量に活性酸素が発生します。肝炎ウイルスがあると、肝臓がんになりやすいのはそのためです。活性酸素を消去してくれる抗酸化成分は、・色の濃い野菜・大根やニンジンなどは根菜の部分より葉の方に多い・根菜類では切ると茶色に変色するもの(レンコン、里芋、サツマイモなど)・ハウス野菜より露地ものそして、抗酸化物質は、細胞壁の中に入っているので、ワンコさまや猫さまは、肉食なので、牛
シニアのワンちゃんやネコちゃんは、年齢とともに体の機能が少しずつゆっくりになっていきます。その中のひとつが「消化酵素」を作る力です。消化酵素が十分に出ないと、食べ物をうまく消化できず、・うんちがゆるくなる・体重が落ちやすくなる・お腹がゴロゴロしやすいなどの不調につながることがあります。そのため、必要に応じて「パンクレアチン」という、体の消化を助ける酵素を補ってあげると、食べたものがきちんと消化されやすくなり、体調が改善することがあります。年齢とともに弱くなってし
↑眼窩鼻腔内リンパ腫が寛解してもうじき7年のいちごちゃん私たちの動物病院では、光免疫治療に使用する薬として、ドラッグデリバリーシステム(DDS)を応用した薬剤を使っています。これは、がん細胞が新しい血管を“突貫工事”のように急いで作るため、構造が粗く、隙間が大きくなるという特徴を利用したものです。分子量の大きい薬剤は、正常な血管は通りにくい一方で、がん細胞の作る粗い血管だけを選択的に通過しやすいため、この仕組みを活かして治療に用いています。以下で、もう少し詳しく説明しますね。
ワンコさまの飼い主さんとお話をしていると、結構、オヤツを買って散歩中に他のワンコさまにあげているようです。そこで、冬の味覚のリンゴをあげるのはいかがですか?りんごは昔から「1日1個のりんごで医者いらず」といわれている程、健康パワーを持つとして有名な果物です。●リンゴの栄養素□クエン酸疲労回復□リンゴ酸疲労回復□カリウムなどのミネラル類□食物繊維便通がよくなります。□ポリフェノール強い抗酸化力を持つプロシアニジンやエピカテキン、クロロゲン酸、ケルセチンなど様々な種類
↑眼窩鼻腔内リンパ腫が寛解してもうじき7年になるいちごちゃんがん細胞には、「働き蜂」と「女王蜂」がいるという話を書きました。見分け方なのですが、そこには、CD44というものが関与しています。がんにおけるCD44(シーディー44)を、できるだけ優しくわかりやすく説明しますね。CD44ってなに?CD44は、細胞の表面にある“のりしろ”のようなタンパク質です。細胞どうしをくっつけたり、周りの組織に張りついたりするために使われます。がんではどう関係する
がんの手術をしたり、抗がん剤をしたり、放射線治療をしたりしているのに、再発や転移をしやすいのは、がんの性質があるのです。それは、蜂で例えると、わかりやすくのです。がん細胞は、「働き蜂」と「女王蜂」がいます。「働き蜂」をいくら退治しても「女王蜂」を退治しないと、なかなかがんは寛解しないのです。がん細胞の「働き蜂」と「女王蜂」モデルとは?がんの中には増殖力が高い細胞(働き蜂のようにどんどん増える細胞)と、がん全体を生み出し続ける特別な細胞(女王蜂のように巣を維持する細胞)が
↑眼窩鼻腔内のリンパ腫でもうじき7年の寛解中のいちごちゃん寒くなってきましたね。がんの子、シニアの子は、温活は大切ですね。●どんな風に服を着せるといいの?私は、肌が敏感なのでこの時期、下着には悩みます。○○テックというのを着ると暖かいのはわかるのですが、体調によっては痒みを伴います。答えは、皮膚に近いところはまずは、綿素材のものを着せることです。●痒みの原因は?このような素材は、化学繊維ですね。乾燥した肌と化学繊維の摩擦により刺激を受けかゆみが出ます。こ
XユーザーのEARLの医学&AIノートさん:「日本の65歳以上の高齢者において,納豆の摂取習慣は,納豆を摂取しない人に比して,総死亡リスクが数パック/週で39.7%有意に低下した.1パック/日以上では総死亡リスク減少の傾向はみられたが有意差なし.長期の継続的な納豆摂取習慣は総死亡リスクが30%有意に低下.1548例前向きコホート研究https://t.co/OatvwtHfo6」/X昨日も、納豆の記事を書きました。石井万寿美まねき猫ホスピタル食事療法がん丸山ワクチン
納豆は、大豆を発酵させた食品です。食事療法をしているもふもふちゃんには、使ってほしいアイテムです。●納豆がなぜいいか?・オリゴ糖が含まれています。善玉菌のビフィズス菌を増やしてくれます・納豆菌が含まれています。1週間、とどまって善玉菌を増やしてくれます。・ビタミンB2納豆になると、大豆の6倍になります。・ナットキナーゼが含まれています血栓を溶かします。・ビタミンKが含まれています。カルシウムの吸収率をよくします。納豆はビタミンKが豊富な食品で
もふもふちゃんは、口腔内に腫瘍ができると、食べれなくなるので一気に弱ります。そのため、毎日の口腔内ケアが大切です。今日、ご紹介するのは、マヌカハニーとフルボ酸です。【マヌカハニー】マヌカハニーは、ニュージーランド原産のハチミツで、強い抗菌作用をもつことで知られています。特に「MGO(メチルグリオキサール)」という成分が豊富で、これがお口の中の細菌の増えすぎを抑えてくれる働きをします。どんな効果が期待できるの?歯周病菌の増殖を抑える口の中にはたくさんの常在菌がいますが、歯
私たちの動物病院では、口腔内のがんの子が多くいます。それで、口腔内のがんで後悔しないために、早期発見をどうしたらいいか?を説明しましょう。●飼い主さんのできること・毎日、歯を磨く・歯を磨くのを嫌がる部分があれば、動物病院へ・歯を磨くと血が出る上記なようなことがあり、動物病院に行っても様子をみましょう、と言われて様子を見ていたら、がんになっていたということもあります。●口腔内から血が出ているのだけれど動物病院に行ったけれど「様子をみましょう」といわれたら、セカンドオ
今夜、Tレグ細胞の話があります。がんのもふもふちゃんの飼い主さんには、おすすめです。[Eテレ]2025年11月30日午後11:30〜午前0:00(30分)Tレグは、免疫のブレーキ役をしてくれる細胞です。身体の免疫は本来、細菌やウイルスをやっつけるために働きますが、働きすぎると自分の体まで攻撃してしまうことがあります。そこで登場するのがTレグ。免疫が暴走しそうになると、「ちょっと落ち着いて」とブレーキをかけてくれる細胞です。Tレグがいることで何が
体の中では、カリウムとマグネシウムは“仲良し”のように動いています。どちらも細胞を元気に保ち、筋肉や心臓が正常に働くために必要なミネラルです。①マグネシウムが不足すると、カリウムが逃げやすくなる細胞の中には本来カリウムがたっぷり入っています。ところが、マグネシウムが足りなくなると、カリウムを細胞の中に留めておく力が弱くなるため、カリウムが外に逃げてしまい、結果として「低カリウム」になることがあります。イメージすると、マグネシウム:ドアのカギカリウム:お部屋の中にいてほしい住人
トルコのアンカラ大は飼い主帰宅後100秒間のネコの様子を詳細に分析したところ、女性より男性のほうに2倍の頻度で鳴き声をあげていたと発表。ただ研究者曰くそれは「愛ゆえ」のものではないそうです。トルコの研究なので、日本では当てはまるかどうかわからないけれど、猫は人を見て鳴いているのですね。(2)Xユーザーのナゾロジー@科学ニュースメディアさん:「猫は男性に2倍「ニャー」とお帰りの挨拶をすると判明――なぜなのか?https://t.co/vv63fQiFZ3トルコの
↑眼窩鼻腔内リンパ腫が6年以上、寛解中のいちごちゃん私たちは、毎日、もふもふちゃんのがん治療をしています。寛解する子もいるようになりました。しかし、体をずっとがんに負けないようにしてもらうといいのですが、なかなか難しいですね。そうなると、再発や原発でがんができる子がいます。そうならないように私たちは免疫力のチェックをしています。●免疫力のチェックとは?どのくらい免疫力があるかは、外からチェックすることができません。しかし、ある程度は白血球の数を調べれば、ある程度推測
14歳の猫さまです。以下の症状があります。・慢性腎不全・口内炎(猫カリシウイルス感染症によるもの)このような猫さまですが、皮膚に黒い腫瘍ができました。飼い主さんは、黒だから取ってほしいということでした。●治療法鎮静剤をかけています。1、病理検査2、1を取ってからレーザー蒸散をしました3.レーザーで取ったし、小さいものでしたので縫うことはしなくても大丈夫4.口内炎をレーザーで処置14歳で慢性腎不全を持っていましたが、日帰りで元気に帰りました。シニアの
私たちは、シニアのもふもふちゃんを多く診察をしています。シニアの子は、歯周病の子が多いですね。歯周病は猫さまの場合は、FIVやFeLVやカリシウイルス感染症などがあってウイルス疾患なので、なかなか薬が効きませんね。そのため、ほっておくと口内炎がひどくなり、飲水量が減り慢性腎不全になる子も多くいます。それがわかっていて、ほっておくのはよくないですね。今日ご紹介するのが、蜂蜜です。蜂蜜の中には、抗菌作用があるものがあるので、毎日、予防を兼ねて蜂蜜を口腔内に塗ってあげるといいで
↑眼窩鼻腔内リンパ腫が寛解してもうじき6年以上になるいちごちゃんリンパ腫の子は、ステロイド剤を使うことが多いです。ステロイド剤について考えましょう。■ステロイド剤を使うとどんな副作用があるのでしょうか?・食欲旺盛になる・多飲多尿になる・肝臓が悪くなりやすい・糖尿病になりやすい上記の症状が出ます。ステロイド剤を飲んでいるから仕方がないというわけではなく、症状を緩和しながらがんの治療をしてもらいましょう。がんが落ちついても肝臓が悪くなり、命のかかわること
↑眼窩鼻腔内リンパ腫が寛解して6年以上のいちごちゃん【お知らせ】11月25日から28日まで、休診とさせていただきます。ご不便をおかけして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。なお、26日から28日の間は19時までスタッフが在中しております。フードなど、お渡しできるものについては対応可能ですので、どうぞお気軽にお声がけください。
猫のウイルス性鼻気管炎は、ヘルペスウイルスで、一度なるとヘルペスウイルスが体から出ていきません。そのため、鼻づまりが慢性化している子が多くいます。飼い主さんから、鼻水が詰まって息苦しく、食欲が落ちてきたということでした。他院で、インタキャット、抗生剤の点眼などを長年、使っているけれど改善されなかったのです。【エクソソームの働き】免疫を活性化する炎症を抑える傷ついた細胞の修復を助ける●当院の治療・エクソソームの液を点眼・有機ゲルマニウムの点眼●猫さまの様子数日
病院によっては、ずっと「抗生物質」を使っているとことがあります。そのような飼い主さんにおすすめの本です。連休中の人は、じっくり読んで見るのはいかがですか?『あなたの体は9割が細菌』は、人間の体が「ヒトの細胞」だけでできているわけではなく、腸内細菌をはじめとした膨大な微生物と共生して成り立っていることをわかりやすく解説した本です。腸内細菌は、・食べ物の消化や免疫の調整・炎症のコントロール・感情や行動にまで影響を与える重要な存在とされています。抗生物質の使いすぎ