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スライムづくりに使われる「ホウ砂(硼砂)」Na2B4O7・10H2O(四ホウ酸ナトリウム)サラサラの砂状の物質です。顕微鏡でみるとこんな感じ。不定形です。スライムづくりで余ってしまったので結晶が作れないか試してみることにしました。結晶の作り方は大きく2通り①温度を上げて溶かし,冷やして析出させる。ミョウバンでよく使われる方法で温度差による溶解度(一定量の水に溶ける量)の差が大きいものに適しています。②水の蒸発を利用して飽和水溶液から析出
【鉱物言葉集】中原中也「一つのメルヘン」より石に関する言葉一つのメルヘン秋の夜は、はるかの彼方に、小石ばかりの、河原があつて、それに陽は、さらさらとさらさらと射してゐるのでありました。陽といつても、まるで硅石か何かのやうで、非常な個体の粉末のやうで、さればこそ、さらさらとかすかな音を立ててもゐるのでした。さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、淡い、それでゐてくつきりとした影を落としてゐるのでした。やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、今迄流れてもゐなかつ
【鉱物言葉集】つげ義春『無能の人』より石に関する言葉つげ義春著『無能の人』より(つげ義春全集8近所の景色/無能の人所収)この膨大な石くれを金にすることができたら………(p151)【鉱物言葉集】シリーズ初の言葉「石くれ」である。石くれは、石ころとほぼ同じ意味で、価値のない小さな石を指す。この言葉には、「どうせこんなもの……」というニュアンスも感じる。私は、ふだん石ころという言葉は使わない。「石くれ」なんてもってのほかだと思っている。でも、『無能の人』から
【鉱物言葉集】太宰治『人間失格』より石に関する言葉ゆくてを塞ぐ邪魔な石を蟾蜍(ひきがえる)は廻って通る。太宰治『人間失格』新潮文庫p.164太宰治『人間失格』は、私の大学時代の友人の愛読書だった。私は彼女から太宰を推されたが読まなかった。タイトルからして暗く重そうだし、私はそのころ谷崎潤一郎にはまっていた。今思えばなぜ読もうとしなかったのか不思議でならない。ある日突然私は彼女から絶交を言い渡された。その理由を彼女は言わなかった。あれから数十年が過ぎ、私