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【鉱物言葉集】薄田泣菫「石を愛するもの」より石に関する言葉米芾(米元章)の姿とされる図(WikimediaCommons)『どうです。こんな石を手に入れてみれば、誰だつて愛さないわけに往かないぢやありませか。』薄田泣菫著「石を愛するもの」(青空文庫)この随筆には、宋代に実在した書家・米元章の石への深い愛が描かれている。彼は石をまるで兄弟のように扱い、昼も夜も石を集めては愛でる。役所の仕事はそっちのけであった。引用は、そんな彼に上役・楊次公がチクリと言
【鉱物言葉集】太宰治『人間失格』より石に関する言葉ゆくてを塞ぐ邪魔な石を蟾蜍(ひきがえる)は廻って通る。太宰治『人間失格』新潮文庫p.164太宰治『人間失格』は、私の大学時代の友人の愛読書だった。私は彼女から太宰を推されたが読まなかった。タイトルからして暗く重そうだし、私はそのころ谷崎潤一郎にはまっていた。今思えばなぜ読もうとしなかったのか不思議でならない。ある日突然私は彼女から絶交を言い渡された。その理由を彼女は言わなかった。あれから数十年が過ぎ、私