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現代刀では無いのですが、時々こんな目釘穴の細い刀が有ります。柄職人さんから、「これじゃあ危なくて、振れないよ。」と返って来ました。測ってみると、約3ミリ、ちょっと細いですね。江戸時代位になると武士もあんまり戦う事を考えて無かったのでしようか。とは言え、当店としては、そんな細い目釘じゃ危なくて販売出来ません。こう言う刀、初めてでは無いですが、怖いですね。うーん参った。兎に角、実用強度が保てる様にしないといけません。しよ
シリーズ3回目の今日は、革の柄糸に表示してある「芯入り」「芯無し」について話をしたいと思います。まず、革の柄糸ですが、構造としては、薄い皮を左右から三つ折りにして、1本の紐状のものに作ってあります。この中に、薄い科学繊維で作った、帯状の芯を入れるのが、「芯入り」、何も入れないのが「芯無し」です。では、何のために芯を入れるのかと言う話ですが、これは革は収縮すると言う特性によります。正絹の柄糸であれば、多少強い力で引っ張ってもそれほど伸びて薄くなるという事はありませ
(写真は、長船助光刀匠の新作刀です)今朝、事務所に来て仕事中に何気なく、ユ―チューブを見ていると、次の様な動画が、流れて居ました。もしかして、今日到着予定の刀の事かな?と思って、、助光刀匠にメールで確認した所、「そうです」という回答。待ちに待った物がやってきました。助光刀匠は、修行中と言って、大変安い料金で作刀を請け負っていた付けが未だ会って、更には、実用刀剣を打つ刀匠として売れっ子刀匠に成ってしまって、二年待ち位で無いとなかなか売ってもらえない様に成っ
(某居合刀メーカーの柄巻き例を参照させて頂きました)これだって、沢山有る巻き方の一部に過ぎません。蛇腹糸等を使った、観賞用の柄巻きは、更に沢山の種類が有ります。当店では、基本的に、諸捻り巻きをを標準にして、お客様の予算に合わせて色々させてもらっています。先日、させて頂いた仕事等は、太目の蛇腹糸で複雑な模様で巻いていると思いきや、革靴に使われる紐を、蛇腹糸の代用にして、巻いてあるものも有りました。(これには、柄巻師さんもビックリでした)今、当店のスタッフの
最近、私が代表をしている会に新人さんが入りました。道具を揃えたいとの事で、内の店に来ました。私んところの団体では、特に何処で道具類を購入しなければいけないと言う決まりは有りません。本人にも、それは最初に伝えて有りましたが、そうは言っても、何を揃えたら良いか良く分からないと言う事で、店を訪ねて来てくれました。案外、そういう人も多いかと思い、先日販売した物を、書き出す事にしました。①道着(居合衣)、私は長年剣道用の一番安いので過ごしてきましたが、「代表がボロをまとって居ては、会の
この所、何故か、赤松太郎注文打ちのお仕事を良く頂きます。注文打ちを始めたのは、一昨年の九月からですが、一年程は、一振りしか注文が来なかったのですが、ここ三ヶ月、毎月コンスタントに一振りづつ注文を頂いています。当店の注文打ちは、他店に比べると安いので、それが浸透してきたのでしょうか。それとも、実際に出来たお刀を買って頂いた方からの口コミでしょうか。刀身は一般的な赤松太郎の刀身ですが、一年以上に渡り、毎月注文打ちをお願いしてきた為、一振りの打ちおろし単価は、一般の刀剣店に比べると大
写真を良く見て頂くと分かりますが、上の柄は、目釘が2本入っています。下の柄は、目釘は一つです。日本刀の9割は、目釘が1個の仕様だと思いますが、当店で新作刀を注文する場合は、殆ど2本目釘仕様で打って頂いています。形が中心の場合は、1本目釘でもそれ程柄は痩せませんが、試斬中心に使うと、柄の木は結構なスピードで痩せて、ガタツキが出てきます。しかし、衝撃を2点で支える、2本目釘にした場合、柄の持ちが相当に違います。写真、上の柄は、私が長年使用した、貞光の柄で
最近、また、柄糸について、いろいろ質問を受けることが多く成って来たので、かなり初期の頃に書いたブログの記事ですか、解説している記事が有るので、新しいお客様にも理解して頂く為載せてみたいと思います。皆さんは、柄糸と言うと、何を思い浮かべられるでしょうか?当店では、柄糸として、正絹、正絹絹紡糸、表革、ヌバックを販売しており、偶に、お客様の要望で木綿を取り寄せたりして居ます。拵の注文を受ける時、これらの商品の違いについて、色々と尋ねられることがあります。なので、少しその
昨日、アップしたお刀が、昨夜のウチに売れました。ありがたい事なのですが、今、ホームページに上がってる刀は、かなり数が少ないです。かなり買い集めましたが、整備は直ぐに終わる訳ではないので、そんなにポンポンとはアップ出来ません。しかし、刀自体それ程高級な物では無かったので、最低限の利益でアップしました。何も考えて無く、普段のままです。ただ、これだけ商品が減って、四苦八苦してる状態である事を考えれば、もう少し高めの価格設定にすべきだつたのでは無いかと言う考えも
奉納演武等、屋外で演武する時は、基本的に履物は白い鼻緒の雪駄と相場が決まっていますが、どんなものが使い易いでしょうか。まず、本物の雪駄、(他が偽物と言うわけでは有りませんが、足の触れる台の部分が竹の皮等で編んで作ってあるもの)は絶対ダメ。ホントにお金が余る位有るなら良いですけど。親子三代使えると言われるほど丈夫ですが、雨にぬれるとイチコロです。基本的に草を編んでる様な物なので、水を吸うと膨張して直ぐダメに成ります。数万円の高級雪駄が一瞬で草のふやけた物に
昨日、栃木県から(東京より遠いんちゃうかな)高速道路を飛ばしてお客様が1件来ていただきました。定休日ではありましたが、そんなに遠方より来ていただいては、店を開けないわけにはいきません。不慣れな土地で、道に迷われながらですが、何とか到着されました。よかったです。色々と見ていただいて、結構迷われましたが、1振り買っていただけました。(このお刀を購入して頂きました)ご友人の方でお刀に少し詳しい方も一緒に来ていただきましたが、整備をした状態でこの価格にちょっと驚いてお
こちらの脇指、先日、、サイズが少しおかしいと思い、先日現物確認に行って、唯一、登録証とは別物と完全否定された一振りです。登録証では、昭和26年3月と本当に、所謂大名登録の初期の登録証です。お客様から買取したお刀ですが、長さも反りも若干合いません。登録証には、各都道府県に元票と言って最初に登録された時の情報がいろいろ書き込まれています。例えば、鍛え目、刃紋、時代等が詳細に書かれています。それと合わなければ、「全国照会」と言って、「こんな刀がお宅の教育委
新しいお店に移ろうと、一部レイアウトや刀の移動も開始しましたが、結構難航しています。今日は、柄巻きの委託先を1件ゲット出来たのは収穫なのですが、最終的な作業場のレイアウトで、意見がまとまらず、少し暗礁に乗り上げてしまいました。こんな調子で、移転できるのかと不安はよぎりますが、一歩ずつ前進するしか無いです。乗り切りたいと思いますが、あまり焦り過ぎないようにしようと思い始めました。無理をすればするだけ創業の精神から離れてしまいます。それと、スタッフの考えも出
刀の、使い易い、使い難いを考える上で、大きな要素の1つとして、反りがあると思います。使うための刀の場合、反りはどのくらいが1番適当なのでしょうか。これは、居合であるか、剣術であるか、流派は何処か、個人の体格等で様々意見の分かれるところであろうかと思います。私の場合は、刀を注文打ちで発注する時は、全て18ミリから20ミリの間に指定しています。(お客様から、別なサイズの指定が有れば、勿論それに従いますが)普段使っている刀も、大体18ミリ前後と言うのが中心になります。
研師さんから電話がありました。一昨日送った、3振りの内、1振りについて「焼き刃がなく、研いでも刃がつかない。」と言うお話でした。しょうがないので、研ぎの依頼をされたお客様に電話をして、「一旦研ぎは見合わせましょう。」と言う話をしました。少し、話を聞くと、有名工の刀が安くで出ていたので、ヤフオクで落札したとの事でした。「何か方法が有りませんか?」と仰るので、再刃を検討しています。現状、刀としての機能は、無くなってしまっているお刀なので、これ以上お金を掛ける
研師さんから、値上げ要請がありました。確かに、食料品も大変値上げしていますし、ガソリンも上げ止まったまま下がる気配もありません。いろんな生活に関するものの値段が上がっています。当然それを支える収入も上がらないと生活が成り立ちません。刀鍛冶さんも、炭代等かなり値上がりしているそうで、当店がお願いしている刀匠さんは、すべて値上げ依頼が来ました。白金師さんも値上がりしました。何とか今は営業努力で耐えていますが、いろんな工作材料がみんな上がると、それらを集合体の
「斬れ味保証」の研師さんからお借りした、脇指です。差し込み仕上げの美しさを見て頂ければと思います。どうでしょう、地肌が極めて美しく、このお刀の本当の刃紋がありのままの姿で映し出されていると思います。当店で居合研ぎと言って行っているのは、基本的に差し込み研ぎです。研ぎ代は、2尺4寸程度の刀で換算すると、寸3300円程度です。勿論、刀の状態によっては、価格を相談させていただく事があります。また、刃取り仕上げをし
最近、多くあるのが、拵作成と同時に目釘穴を2つにして二本目釘に改造して欲しいと言う希望が良く寄せられます。物理的には簡単ですが、少し面倒な手続きが有るので、少し説明します。二本目釘は、試斬を良くする流派等において、柄をより強靭にする為に行われます。一般の形居合に比べ、試斬を行うと柄木の消耗が激しく、より早くに柄のガタツキが出ます。試斬をほとんどしない場合は、二本目釘はほぼ必要ないと思われます。柄の強化を行うには、二本目釘にする他、柄木を桜や樫の木等の硬木
少し原点を振り向きたいと思います。刀剣商になったのは、以前の勤め先を退職して、「これなら何とかできそうか」と思ったからに他なりません。自治会などの地域活動と、それをやめろと言う会社との間に挟まれ、余りのパワハラのひどさに、心身ともにすっかりと働く気持ちをなくしてしまったので、心から疲労困憊して、仕事を辞めてしまいました。と言って、人に合わせるの苦手な私が、50も半ばになって、入れてくれるような良い就職先が思いつきませんでした。刀は、もともと大好きです。
久し振りに、長船助光刀匠の新作刀が入荷しました。この店を作って間もないころからの仲間ですが、今ではすっかり人気刀匠に成ってしまって、なかなか無理をお願いできません。偶に無理を聞いてもらって回してもらってます。長さ二尺四寸、反り1.8㎝、元身幅3.35㎝、元重ね0.65㎝、先幅2.65㎝、先重ね0.55㎝、刀身重量約830gの豪刀です。現在、研師さんによる研ぎと、ハバキ作成(銅一重)まで出来ています。流石に、武用刀の刀匠だけあって迫力満点の
明日の日曜日、昇段審査を受けるため、アメリカ支部のユタ道場から、9人の方が来られています。審査は、夕刻から、京都支部において実施されることになったようですが、その前に肩慣らしをしたいので、昼間稽古をしている私達、誠和会で稽古させてもらえないかと、理事長より申し出がありました。もちろん、歓迎の旨返信返答しましたが、話の流れで、誠和会の稽古が終わった後、私のお店に立ち寄ってから京都支部に行くことになりました。「9人も入るスペースが、無いな〜」と思って、今日、一日掛かって、片
刀の柄巻きには、下図のように、様々な巻き方があります。ただ、多くは、「諸捻り巻」が中心になっていると思います。少し高級な巻としては、「撮み巻」と言うものがあります。居合で使うならどれが良いか、職人さんの腕の問題が大きいので、一概には言い難いのですが、「諸捻り」が1番使い勝手は良いかと思います。その1番の理由は、強くしっかりと巻き易いと言う点です。使う側としては、非常に安心して使えます。「撮み巻」の場合、下手な人が巻くと、巻が緩く、使っている間に、だん
先日、刀をA研師さんに研いでもらったところ、いつも寸評送ってきてくれるのですが、その中で「無名の古刀で、刀の消耗状態から察するとかなり修羅場をくぐって沢山の人を斬ってきた刀みたいです。それでも今の状態なのは刀が優秀なわけで、大業物とはこういう刀を言うのだと思います。一番錆の深いところは消耗が一番多いところなので錆は全部とりませんでした。消耗状態から言うとあまり高い値段は付けられないかもしれませんが、物を斬るには最高の刀です。」と言う風な寸法が付けられてありました。人によりますが、「古い
工作の依頼が有り、柄の太さの見本に、今お使いの刀の柄をお預かりしました。ただ、目釘穴の感じがおかしかったので良く見てみると、覗きこんだ向こうに、二方向から光が見えているのが分かるでしょうか。このお刀の目釘穴は、かなり広がってしまっていて、ちゃんと効いていない状態である事が分かりました。一般に刀屋さんでお刀を買う場合、刀屋さんは、美術鑑賞用としてお刀を販売するのが普通です。なので、拵は、他の刀の物を合わせてあるだけと言う事が非常に多いのです。要は体裁よく付
軍刀と言うと、刀剣の世界では、粗悪品のイメージが付きまとい、あまり良い印象をお持ちでない方も多いのではないかと思います。ただ、私は軍刀大好きです。確かに、軍刀の中には、油で焼入れされたものなど本来の日本刀とは少し違う形で作られたものも多くあります。しかしながら、軍刀の中には、その当時の刀剣会を代表する有名な刀匠の作品も多数存在します。戦後人間国宝になられた方も、戦争の当時は軍刀を打っておられました。何度か、軍刀のランク付けをされたことがありますが、それら
私達の様に、刀を飾るのでは無く、使う人にとっては、柄の握り心地は非常に大きな問題です。この握り心地に大きな影響を与えるものの、意外と知らない人が多い事が目貫の位置です。当店は拵の注文を受ける事が多いのですが、この点に言及される方は意外と少ないです。「そういうのも有るとは、知っていても、何だか変だし」と思う方も居られるのではないでしょうか。目貫の位置の標準は、差表は鍔に近い所に、差裏は、頭に近い側に配置されます。一般に指定をしなければ、大体その様に配置され
昨日、この関係で一つ記事を書きましたが、やや言い過ぎかなと思う反面、もっと言いたいと思う事も出てきました。私は、軍刀の評価に付いて、も不満があります。軍刀は、あくまで、武器であり、日本刀では無いと言う評価が有ります。しかし、私は、俗に「スプリング刀」と言われる大型ナイフに近い官給品の軍刀に至るまで、日本刀だと思っています。当時、それを心の拠り所として、出征した方々が多数おられました。「日本刀とは、単に、玉鋼を使用した刀の事では無い。」と思っています。
居合刀練武刀池田美術モデル孫六仕様(入門者から高段者まで、十分使用可)(2尺3寸)模造刀【幕末シリーズ】土方歳三少々微妙な話ではあるのですが、広い意味では、居合刀は、居合の稽古に使う刀全てを居合刀と言うことがあります。つまり、真剣も含めて居合に使う場合は全て居合刀と呼ぶ場合です。模造刀は、広い意味では、真剣ではない刀の事で、一般的に言われる、稽古用の居合刀も含めた、真剣以外の刀の事を言います。ここでは、狭い意味で、真剣ではなく居合の稽古に使う居合刀
お客様から、先日購入頂いた刀の斬れ味が凄くて感動したというメールを頂戴しました。そのお客様は、安いお刀をお買い上げ頂きましたが、同時に研ぎの依頼も受けていました。なので、お渡しした状態では研ぎ上がり状態でのお渡しと成りました。そりゃあ斬れますよ。当店で販売している新作現代刀と、「研ぎ上がり・斬れ味保証」としている物は何れも当店が懇意にしている研ぎ師が研いだものですが、必要以上に美術的要素を取り入れませんが、どんななまくらでも、ちゃんと斬れる様にはしてくれます。この点は、見事