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『極道辻説法』ー今東光●芥川龍之介はどんな人?芥川さんは「新思潮」の先輩に当たるし、谷崎潤一郎、佐藤春夫とも親しかったので、そこに出入りするオレともよく知っていたんだ。佐藤春夫は芥川さんをライバル視していたけど、学の力というものは、比較にならないほど芥川さんの方が上だった。とにかくもう芥川さんという人は大変によくできる人で、抜群だったね。字はうまいし、絵も描くしね。歌、俳諧、何でも一つとして不可なきものはない人で、フランスで言うと、ちょうどアナトール・フランスに似ているんじゃないかな。学
花あれば寂寥といふ詩の器角川春樹西行であろうが、実朝であろうが、万葉集に溯れば大伴家持であろうが、俳諧の芭蕉であろうが、近代短歌の釈迢空に到る、古代から現代まで、詩人は孤独の中で詩を詠みつづけてきた。寂寥感は常に詩を生みだす根源である。「永遠の今」を詠む時間意識も、宇宙の中のたった一人の自分という認識があってのことである。ー角川春樹「ランティエ」(2009年4月号)ー最近思うのだが、社会における「孤独」…、つまり、われわれが普段考えていたり、感じていたりする「孤独