ブログ記事125件
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。まず500hPa高度・渦度解析図の見方を簡単に説明しますと、「500hPa高度」とは、高度が何メートルのところで500hPaの気圧となるかを等高度線で結んで表現しています。実線は60mごと、太実線は300mごとに引かれています。500hPa高度が高い部分は高圧部、逆に低い部分は低圧部となります。一方、「渦度」というのは大気の流れの回転するありさまを数値化して表現した量をいいます。図の網かけ域は反時計回りの回転を示す正渦度域で北半
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(2)③(横浜地方気象台の露場と港の見える丘公園2016年4月)大雨注意報・大雨警報(浸水害)の発表基準となる降水量は地形が平坦な地域か起伏のある地域かによって3時間降水量と1時間降水量の異なる基準が設けられています。浸水害のそもそもの要因を考えますと、降った雨が河川・水路・側溝・下水道のそれぞれの排水能力を超えた場合、あるいは、側溝ですとゴミなどで雨水枡が詰まって排水できない場合も考えられます。横
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問2(2)①図4地上気圧・降水量・風12時間予想図(中)実線:気圧(hPa),破線:予想時刻前12時間降水量(mm)矢羽:風向・風速(ノット)(短矢羽:5ノット,長矢羽:10ノット,旗矢羽:50ノット)図5地上気圧・降水量・風24時間予想図(中)実線:気圧(hPa),破線:予想時刻前12時間降水量(mm)矢羽:風向・風速(ノット)(短矢羽:5ノット,長矢羽:10ノット,旗矢羽:50ノット
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。問4(1)③まず、6日夜のはじめ頃、すなわち、6日の18時~21時の高度3km付近に着目しますと、風向は南東の風が続いていて、風速は最小で20ノット、最大で35ノットとなっていることがわかります。一方、7日明け方、すなわち、7日の3時~6時の高度3km付近に着目しますと、風向は概ね東の風に変わっていて、風速も最小5ノット、最大で15ノットと弱まっていることがわかります。したがってまとめますと、南東20~35ノ
こんばんは。今回の問題は初期時刻に日本海にある1016hPaの低気圧に対するトラフBの位置関係の変化を、初期時刻~12時間後と12時間後~24時間後に時間帯を分けて、かつトラフの低気圧の発達への寄与の有無を答えなさい。という前回のトラフAのときよりも複雑な設問になっています。例えば、僕が実技の勉強を始めたばかりの頃はこのような設問でも一つ一つに対応することで精いっぱいで時間もかかってました。しかも答えが全然違ったりして。でも、だんだん勉強量が充実して問題の演習に慣れてきます
こんばんは。<3月27日9時地上予想図初期時刻3月26日9時気象庁天気図画像ファイル提供サービス(SUGDaSS)より><3月27日9時500hPa気温・700hPa湿数24時間予想図初期時刻3月26日9時気象庁天気図画像ファイル提供サービス(SUGDaSS)より>27日は地上予想図では低気圧が発達しながら日本の東海上に進み、南から低気圧に向かって暖湿な空気が流れ込み、一方500hPa予想図によりますと、北から概ね-30℃以下の寒気が流れ込む予想になって
こんばんは。今回は数値予報の問題から数値予報プロダクトについての問題を一緒に考えてみたいと思います。(気象庁HPより引用)数値予報プロダクトとは数値予報モデルでの計算によって得られた段階の予想値のことです。図は数値予報の手順を表していますが、この図でいいますと真ん中の数値予報とあって、ここで計算された値にあたります。ここからその右の段階へ格子点値・画像作成・統計処理へと加工される、加工前の生データと考えるとわかりやすいかと思います。僕の受験時代、専門知識の中ではこの
こんばんは。今回からは初期時刻(1月30日9時)の500hPa高度・渦度解析図に記されているAとBの2つのトラフが12時間後の予想でどこへ移動しているかという推移と、その次に2つのトラフの推移が四国沖の低気圧の発達にどのように関わっていくのかという問題について一緒に考えていきたいと思います。まず最初は、2つのトラフの12時間後の推移について考えてみましょう。問2図4〜図7は30日9時を初期時刻とする12,24,36,48時間予想資料,図8は同じ初期時刻の
こんばんは。前回は、地上気圧・降水量・風の予想図を用いて、関東地方南部とその南から南東にかけての海上でのまとまった降水が予想される領域の特徴などについて考えてきました。今回からは、さらに関東地方南部に範囲を絞り、地上実況図、高層風時系列図、東京と横浜の前1時間降水量の表を用いて、(1)ではまとまった降水に関係する各資料に見られる特徴などについての問題。(2)では東京(千代田区)と横浜の降水状況と大雨注意報・大雨警報の発表についての問題、さらに東京(千代田区)と横浜の地形的な災
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(1)①(トラフA)まず、初期時刻の図2(上)を見てみます。500hPa高度・渦度解析図または予想図の等高度線の間隔は実線は60mごと、太実線は300mごとに引かれていることを踏まえますと、トラフAの北端は5520m付近、南端は5640mより少し南まで引かれています。またこの付近には最大+85×10-6/sの正渦度の極大を伴っています。ただ、初期時刻の時点でトラフの曲率は小さく、今後さらにトラフが浅まるかもしれない場合にこ
こんばんは。今回はアンサンブル予報について一緒に考えてみたいと思います。数値予報の計算には、科学的・技術的な限界が存在します。大気自身が持つ性質、観測データの不足や数値予報モデルの限界といった不確定な要因により予報期間が長くなるにつれて、将来の天候の予測が困難になってきます。そこでその予測の不確定要素を考慮して、わずかに異なる複数の初期値を用いてその複数分の数値予報を行ない、その結果を統計的に処理することで確率的な天候の予測、つまり最も起こりやすい天候を予測しようとする手法をア
こんばんは。今日から、第48回気象予報士試験の受験申請が始まりました。期間は7月7日(金)、つまり七夕までと覚えておきますと、出し忘れはないと思います。さあ、申請期間に入りますと気合が入ってきたのではないでしょうか。がんばっていきましょう!!さて今回は、前回のAとBのトラフそれぞれの12時間後の位置を求めた問題の結果を受け、このうちのトラフAについて、初期時刻で四国沖にある低気圧との位置関係の変化と、低気圧の発達への寄与があるのでしょうか、ないのでしょうか。という問題について一
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)下線部にある「一般風」とは地形などの局地的な影響を受けない広い地域を代表する風という意味です。積乱雲が組織化されたマルチセル型のメソ対流系はその一般風の鉛直シアが強いときに発生することが多いですので、下線部の内容は正しいということになります。(b)孤立した積乱雲は上昇流によって発達します。やがて発達しますと降水が起こりますが、そのとき降水が周囲の空気を引きずり下ろすことによって下降流を伴うようになります。この下降流が
こんばんは。6月から8月にかけての3か月予報が発表されましたが、予報のポイントとして、・全国的に暖かい空気に覆われやすく、盛夏期には太平洋高気圧が本州付近に張り出しやすいでしょう。このため、向こう3か月の気温は全国的に高い見込みです。・西日本太平洋側では、梅雨の時期は、梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込みやすく、向こう3か月の降水量は平年並か多い見込みです。ということで、平年より暑くなりそうですね。さて、今回は関東地方南部とその南から南東にかけての海上で降
こんばんは。(気象庁HP6月1日22時30分レーダー・ナウキャストより)大阪府竜巻注意情報第2号平成29年6月1日22時31分大阪管区気象台発表大阪府は、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になっています。空の様子に注意してください。雷や急な風の変化など積乱雲が近づく兆しがある場合には、頑丈な建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。落雷、ひょう、急な強い雨にも注意してください。この情報は、1日23時40分まで有効です。
こんばんは。日本代表、ドローで勝ち点1ということで、8月31日のホームでオーストラリアに勝って決めていただききましょう!!さて今回は、高度850hPaで東京に近い館野(つくば市)と松江の気温が同じなのに東京では雪が降り、松江では雨が降りましたがなぜでしょう?ということでその理由を探る問題を一緒に考えてみたいと思います。まず館野の気温の鉛直プロファイルを観測値を基に完成させ、次に館野・松江の両地点における0℃になる高度を読み取って、最後にそこから見えてくる理由を考えてみましょう。とい
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問題は東京に近い館野と松江の850hPaの気温はいずれも-2.2℃と同じなのに東京は雪で松江は雨となっている理由を両地点における気温の鉛直プロファイルの比較から探り出してみましょう。ということです。①館野の気温の鉛直プロファイルが未完成なので右の表の観測値を基に900hPaより下方を完成させましょう。ということです。まず、観測値を黒丸でプロットしていくのですが、何だか急に915やら925やら962やら中途半端な数字にな
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。①~⑥は四国沖の低気圧の英文で書かれた海上警報の内容に沿った読み取りの問題です。低気圧の中心気圧は数字をそのまま読み取り、①(1014)hPaとなり、進行方向は東北東、移動速度は②(25)ノットで進んでいます。次にこの低気圧について発表されている海上警報ですが、この[SW]はStormWarningnの略で、「最大風速48ノット以上」の基準で発表される③(海上暴風)警報を意味します。英文の後半の部分では、低気圧中心
こんばんは。前回はトラフAについて四国沖の低気圧に対して位置関係がどう変化して、低気圧の発達に寄与するかどうかを考えました。今回は、トラフBについて日本海にある低気圧に対して位置関係がどう変化する予想なのかを、初期時刻~12時間後と12時間後~24時間後に分け、またそれぞれの時間帯にトラフが低気圧の発達に寄与するかどうか、という問題です。少し前回より複雑な設問ですが、今回も一緒に考えてみたいと思います。問2(1)③初期時刻から24時間後にかけて日本海に存在す
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。問2(1)②まず、初期時刻の四国沖の低気圧とトラフAとの位置関係を見てみます。トラフAの位置は低気圧の少し西、瀬戸内海から日向灘付近にあることがわかります。初期時刻の状況と、前回の①の解答を頭において、今度は図4の(上)と(中)を見てみます。低気圧の中心位置は、房総半島の沖のL1と三陸沖のL2であるのに対して、①の解答より、トラフAはその東側に位置していることがわかります。つまり、この12時間の間に、
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問題文より、大気下層の850hPaから大気上層の300hPaにかけての層間の平均的な大気の状況が暖気移流か寒気移流のどちらの温度移流を示すかを理由とともに求めるのですが、潮岬の850hPaと300hPaの天気図における風向を基に高度が上がるとともにどう変化しているかを根拠に解答することになります。すなわち、一般知識で学習した大気の力学における、「温度風の関係」の知識を用いた解答をするということです。潮岬のそれぞれ
こんばんは。前回の問題では低気圧が12時間で最も発達した時間帯を明らかにしました。今回はその急発達すると予想される理由を、この結果と問2(1)の考察を踏まえて渦度の移流での観点と、温度の移流の観点の2点について述べなさい。という問題です。なかなかどのようにまとめたらいいか、実際の試験で解答に苦労された方が多かったのではないかと想像しますが、いかがだったでしょうか。一緒に考えてみたいと思います。問2(2)②①で選択した時間帯に低気圧の急速な発達が予想される理由を,問
こんばんは。今回から、第47回試験の実技2の問題を引き続き一緒に考えてみたいと思います。梅雨に入ったものの、雨が少なく、割とカラッとした暑さの日が続いていますが、問題は2015年1月30日から2月1日にかけての冬の時期の天気を取りあげています。(日本気象学会「天気」第62巻3号2015p59「日々の天気図」より)(日本気象学会「天気」第62巻4号2015p58「日々の天気図」より)僕個人的には第43回試験が終わってホッとしていた頃だったですかね。ま
こんばんは。今回は表から東京と横浜での降水量の最大値を読み取り、これに大雨に関する注意報・警報にそれぞれ該当するか否かを検討するという問題を一緒に考えてみたいと思います。問4(2)東京および横浜の降水と防災情報に関する以下の問いに答えよ。①表1を用いて,東京の前3時間降水量の最大値とその出現日時,横浜の前1時間降水量の最大値とその出現日時を答えよ。なお,降水量は四捨五入により1mm刻みで答えよ。②東京都千代田区および横浜市の降水量による大雨注意報・警報の基準
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(a)地球放射(赤外線)を多く吸収している気体とは、すなわち温室効果気体のことでです。そうなりますと、下線部のうちの二酸化炭素はご承知の通りだと思いますが、もう一つのアルゴンの方は温室効果気体ではありません。温室効果気体はメタンや一酸化二窒素などいくつかありますが、影響が特に大きいとされているのは、二酸化炭素と水蒸気です。したがって下線部の内容は誤りということになります。(b)(小倉義光「一般気象学」p1
こんばんは。今回は、気象予報士試験ではおなじみですが、一般の方でご存知の方はほとんどいらっしゃらないと思われます「500hPa高度・渦度解析図」の読み方について一緒に考えてみたいと思います。この3つの図から得られる情報で地上ではどんな天気分布を示していると考えられるでしょうか。第47回試験・専門知識・問9からです。「訳がわからない。」と思われた方も、こんな実際の天気予報ではこんな図を使うんだと思っていただけるだけでも思っています。ちなみに29日9時の地上予想図と500hPa高度・渦度
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。まず、今回の問題文に沿って解答へのポイントを整理してみます。①で選択した時間帯は前回に考察しました通り、イの30日21時~31日9時であることがわかりました。この時間帯に低気圧の急速な発達が予想される理由を述べるのですが、その際の条件としての一つ目は、「問2(1)で考察したトラフAもしくはトラフBと関連づけ、」とあることです。問2(1)で低気圧の発達に寄与すると予想されるのはトラフBであることが既にわかっていますので、
こんばんは。早速ですが考えて見たいと思います。(2)①問題文では図9・図10・図11より降水が持続すると予想されているということが既にわかっていることを前提に、3枚の図から連続してそのことが読み取れる特徴について、1008hPaの等圧線の走向とその周辺の風向にクローズアップして述べなさいということです。12時間後・24時間後・36時間後と時間を追って見るわけですので、変化がないのか、それとも変化があるのか、あるとしたらどのような変化が見られるのかということを念頭に
こんばんは。これまでは、地上実況図から強い雨の要因とその後雨が弱まっていく際の気象要素の変化について考えてきましたが、今回は勝浦のウィンドプロファイラーの観測による時系列図より、雨が強かったときからその後弱まってくる要因をある高度の風の変化から一緒に考えてみたいと思います。問4(1)③図13を用いて,7日の明け方の勝浦の高度3km付近における風向・風速を,6日の夜のはじめ頃と比較して,その変化を30字程度で述べよ。※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気
こんばんは。今回は3枚の地上気圧・降水量・風の予想図を見て、四国沖の低気圧と千島近海の高気圧のそれぞれの盛衰と移動方向を解答するという問題なんですが、一見、簡単に見えて、実際の解答を出すのに迷われた方が多かったのではないかと僕は推測しましたが、それは一体どういうことでしょうか。次回一緒に考えてみたいと思います。ちょっとだけ申し上げますと、けっこう細かいです。問3図10,図11は地上気圧・降水量・風の24時間および36時間予想図である。これらと図9を用いて以下の問いに答