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今年は夏が始まる頃から、荷風の「作品」と「永井荷風論」なる解説本、評論本を何冊も読んだ。当初、荷風の代表作に『断腸亭日乗』という名の「日記」があることに気付かされ、又、その「日記」が42年間一日も欠かさず続いていることに驚かされ、財産を手にしたような心持ちで読み始めたのだった。(以後『断腸亭日乗』を『日乗』と略して表記します)『日乗』を読むには一つの目的というか期待があった。永井荷風は、落語や歌舞伎界に入り浸った時期(二十〜二十四歳頃)がある。朝寝坊むらくの弟子で三遊亭夢之助、歌舞伎で
「荷風が偶然出会った湧き水」そんな気になる見出しが、2025年11月16日発行の東京新聞の連載記事「ぷらっと千葉凸凹でこぼこ探訪」に載っていました。荷風とは小説家の永井荷風のこと。戦後の晩年は、市川市に住みつき、周辺の路地やあちこちを、しかもかなり遠くまで歩き回っていたことで有名で、いわばウォーキングの大師匠ともいえる人です。東京新聞と言えば、政府のやることなすことすべて反対の論調の新聞ですが、なぜか「東京」と名がつくだけあって、前述の「でこぼこ探訪」などを含め、千葉を含めた東京周辺のウ
JamesSetouchi2025.4.3室生犀星『蜜のあわれ』金魚が恋人?1室生犀星(むろうさいせい)(1889~1962)集英社日本文学全集の奥野健男の解説・小田切進の年譜などによれば、犀星は明治22年金沢に生まれた。実父は武士の子孫。実母はその家の女中。父の世間体を守るため、犀星は生まれてすぐ近所の寺の住職とその内縁の妻の養子に出された。この養母は、私生児を貰ってきて養育し金に換える(女子は娼婦として売り、男子は働かせる)内職をする女で、子供たちをヒ