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上演中のMETライブビューイング《ラ・ボエーム》で、素晴らしい新進ソプラノに出会いました。アルメニア出身のジュリアナ・グリゴリアン。ムラのない響きで澄んだ音色ですが、中低音域に強い翳りがあり、篤い心を感じさせてくれます。こんなに若くてこんなに完成度が高いとは。ひたすら励んできたのでしょう。他人と自分を比べることもないようです。自分と自分を日々比べているのでしょう。役柄に傾注し、若い娘役を本物の若さで演じ切っていました。肉体的な若さではなく、フレッシュな精神力で。十年先、彼女はどん
このたび、トマ作曲のグラントペラ《ハムレット(アムレット)》の音源を解説することになりました。これまで本当にいろいろなオペラを解説させて頂きましたが、この《アムレット》は、自分が最もよく内容を把握している作品の一つなのです。《アムレット》の原作はもちろん、シェイクスピアの『ハムレット』ですが、筋立ての端々に違いがあります。というのも、間に大デュマの翻案が入っているからです。オペラの大臣ポロニウス(ポローニアス)は最後まで生きていますし、王子の母ジェルトリュード(ガートルード)は先王暗殺に加担
モーツァルトの《劇場支配人》は、ヨハン・シュトラウス2世の《こうもり》と並んで、本来の姿がつかみにくい演目です。今回のびわ湖ホールさんでの上演では、日本語で翻案したセリフではあるものの、大勢の登場人物たちのやり取りから生まれるカオスの境地は味わえました。また、この作品は二人のソプラノの歌が超弩級の難しさです。拝見した火曜日、本当によく歌われていたと思います。びわ湖ホール近くの石場駅から電車に乗って石山駅で乗り換えて米原まで行き、新幹線に乗り換えましたが、運悪くというか、1時間も待っていな