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届いたばかりのフランスのオペラ雑誌を開いたら、「演出家特集」の号になっていまいた。音楽のことや原作のことなどは、もう少し読むスピードを上げられるのですが、演出家に関する記事は本当に難しく、しかめっ面をしながら電子辞書を開き続けます。客席でも電車の中でもカフェでも、痛風の定期検査をお願いする病院の待合室でも。時には陽だまりの公園でも。先ほども、うーんと唸りながら過ごしていました。「政治とアートは切り離せない」と主張する人の一文の中に、「unopéraporeux」とあったのには目を剥き
1990年の初夏の頃を思い出しました。大阪でアマチュアのオペラ団体が《アラベッラ》をやることになり、私もエレメルの役で出ることになりました。この団体の主だった歌い手さんたちは、プロになれる実力を持っておられました。また、オペラ観劇経験も実に豊富な皆さんでした。誰が何をどんなふうに歌われたか、色々覚えています。いつ何を話しても楽しくお話しできる空間でした。それで、《アラベッラ》は役が多いということで、私のような歌えない人間もちょっとだけでも出ることになったのです。でも、そこで脇役がいか
《タンホイザー》のピアノ伴奏上演があり、「小さなホールで聴いたらどんな感じがするのかな?」と興味を覚え、観に行かせてもらいました。シアターゼロという団体さんです。衣裳が皆さんそれらしかったのはちょっとした眼福でした。キャスティングではエリーザベトとヴェ―ヌスが声の力を大いに発揮していました。ソプラノ・リリコとハイ・メゾソプラノという組み合わせでコントラストも効いていました。確かにワーグナーを聴いたという心地良さがありました。男声ソリストにも声の豊かな人が何人もおられましたが、一点、どうしても
1980年の12月に放送されたザルツブルグ音楽祭の《ホフマン物語》で、私の人生は変わりましたー高校2年生に、楽譜を輸入させたのですからね。そのインパクトは本当に大きなものでした。この頃の思い出に残る放送は、ミュンヘンの《アドリアーナ・ルクヴルール》:マーガレット・プライス主演ジュネーヴの《ドン・ジョヴァンニ》:ホルスト・シュタイン指揮、マリア・ユーイングがツェルリーナエクサンプロヴァンスの《イポリートとアリシ》:ジェシー・ノーマンがフェードル役ザルツブルグ音楽祭の《マクベス》:ゲー
大化の改新で有名な中大兄皇子が即位して、あとから天智天皇という諡号が付きましたね。森鴎外の『帝諡考』に説かれているのを読むと、なんと、史上最低の諡号なのだそうですね。なんともまあ不吉な名前だそうで。いま、オペラ《万葉集》の解説を書いているので、この件がどうしても心に引っ掛かります。ヒーロー的に描かれることの多い中大兄皇子、のちの天智天皇ですが、普通に歴史書を読むと身内を殺害しすぎではないでしょうか?どう考えても。こういう人は、身内でも信じられないのだろうなと思うのです。実子の大友皇子(弘文天皇
本日も、講演会へのご来場を誠に有難うございました。以下、ご質問にお答えします。1.ソプラノ、岡田昌子さんのベッリーニ《ノルマ》への道:日生劇場の《メデア》(ケルビーニ)で注目された岡田さんですが、ご経歴を調べてみると、ノルマやアダルジーザの役を(コンサートなどで)歌っておられるようですね。全曲通しではないのかもしれませんが、ノルマ役に最も近い日本人ソプラノとして、ぜひ実演を聴いてみたく、引き続き注目してゆきたいと思います。2.パーセルのセミ・オペラ《アーサー王》について:英語字幕の映像なら私
歌声にも歌い回しにも不思議な味わいがあった女優さんだと思います。二重瞼に整形されたとき、「バタくさい」だのなんだの一杯言われていたことを思い出します(家にあった60年代の『婦人公論』でよくその話題が出ていた覚えがあります)。テレビなどで知る限り、何を言われても平然とされておられましたが、その勁い心構えを後年、間近で目撃することになりました。大阪から修学旅行で東京に来た時、青山1丁目の交差点でレインコートを着たいしだあゆみさんが信号待ちをしておられ、観光バスに乗った我々中学生が気づいて手を振る