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ミニ講演会というものを時々やらせて頂きますが、今日は、ピアニストのマーティン・カッツさんに関するご質問を頂戴しました。カッツさんとお話ししたのはインタヴューの仕事の一回きりですが、それはいろいろなことを教えて下さいました。カッツさんはマリリン・ホーンの伴奏をすることが多かったのですが、そのご経験から来るいろいろな話題は、私が『歌の女神と音楽学者たち上巻』を翻訳するにあたって、本当に貴重な参考資料になりました。「カッツさんは、こんな方でした」「こんなことを教えて下さいました」いろんな記
上演中のMETライブビューイング《ラ・ボエーム》で、素晴らしい新進ソプラノに出会いました。アルメニア出身のジュリアナ・グリゴリアン。ムラのない響きで澄んだ音色ですが、中低音域に強い翳りがあり、篤い心を感じさせてくれます。こんなに若くてこんなに完成度が高いとは。ひたすら励んできたのでしょう。他人と自分を比べることもないようです。自分と自分を日々比べているのでしょう。役柄に傾注し、若い娘役を本物の若さで演じ切っていました。肉体的な若さではなく、フレッシュな精神力で。十年先、彼女はどん
《カルメン》のいろんな映像を見比べる講演会の席上で、「エスカミーリョ役の理想的な歌手は誰でしょうか?」というご質問が出ました。これが、実は、結構難しいのです。例えば、超有名指揮者、超人気指揮者が振っている場合、特に、彼らは実は「耳の真実」をあまり気にしていなかったりします。つまりは、発音が酷くてもそんなに気にならないようなのです。そういうのは、見た目は役に相応しそうでも、一回聴いたら心が萎えてしまうのですね。といって、花形闘牛士となると、美声でもあまりに太っていると、「次の試合でダメになる
批評を書かせていただくのも大切な仕事ですが、とても神経をすり減らす作業でもあります。まず、事前に楽譜を読んでおかねばなりません。手に入る限り。公演批評でも、音源&録音評でもそこは同じです。しかし、先日、《ナターシャ》の世界初演については、事前に楽譜が手に入るわけではなく、譜読み無しで批評させてもらいました。公演を見終わって4時間後に書き上げて送信しました。この場合、「楽譜を読む時間」も「読み直す時間」もゼロであったので、かなり短い間に書き上げたことになります。しょうがないわけです。閲覧でき
NHK-BSでギュスターヴ・シャルパンティエの大ヒット作《ルイーズ》が放映されました。作曲者の存命中に上演千回を記念したオペラです。ほかには、チレアの《アドリアーナ・ルクヴルール》やトマの《ミニヨン》などがあります。《ルイーズ》は私が解説をしたことがあるオペラなので、観るたびに&聴くたびに本当にいろいろなことを想うのです。自然主義オペラ最大のヒット作であり、主人公のアリア〈その日から〉はコンクールやリサイタルで良く歌われる人気のメロディです。一方、このオペラの最大の美しさは、第1幕の〈夕