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腹膜播種これも立派な転移であり、通常の血行性転移やリンパ節転移よりも臨床的に厄介なことが多いです。腹膜は、腹腔という器の内面全てを覆う膜、と思ってください。よくドラマ(切腹)などで、お腹を切ると腸が飛び出てきますよね。お腹の臓器のほぼ全てが、腹腔というお腹の大きな器の中に入っています。そして、腸などは自由に腹腔の中を動き回ります。お腹を開くと、肝臓から全ての腸がお腹に詰まっているのがわかると思いますが、腹腔は大きな、空洞です。他の血行性やリンパ性転移が管腔内の血液、リンパ液に浮いて
引き続き卵巣癌の腹腔鏡手術について。「厚労省の議事録をチェックすれば分かるかしら」そう思って確認してみたら資料がありました。厚生労働省保険局先進医療会議。第135回先進医療会議www.mhlw.go.jp議事録もあるし、具体的な治療費も掲載されています。興味のある方をぜひ確認してみて。今回の内容は、卵巣がんに対しての標準術式であります子宮の全摘術に加えて、附属器を摘出する。それから、必要に応じて大網もしくは後腹膜のリンパ節である骨盤内及び傍大動脈リンパ
いっきに秋を通り越して寒くなってきました。お散歩していてもどんどん景色がかわっていってびっくり。今年の婦人科腫瘍学会で話題となっていた「KEYNOTE-B96」試験。いよいよキイトルーダ+化学療法が「プラチナ抵抗性卵巣がん」に対する新しい治療として使える日が近づいてきました。MSD抗PD-1抗体・キイトルーダ再発卵巣がんの適応追加を一変申請MSD抗PD-1抗体・キイトルーダ再発卵巣がんの適応追加を一変申請|ニュース|ミクスOnlineMSD抗PD-1抗体・キイ
婦人科がんに対する光免疫療法の医師主導治験がはじまっています。光免疫療法は切除不能な頭頸部がんに対する治療として、2020年に承認済。現在、さまざまな癌種への応用が模索されており、婦人科癌に対する医師主導治験は北海道大学病院で行われています。その対象は「局所進行・再発外陰癌・腟癌・子宮頸癌」です。機器を開発している楽天メディカルのリリースは、婦人科系がんに対する光免疫療法の医師主導治験の開始について-楽天メディカル-がん克服。生きる。婦人科系がんに対する光免疫療法
お庭の牡丹が咲きました。亡くなった父が大事にしていたものなので、枯れることなく今年も咲いてほっと安心やはり時代はADCなんでしょうか。3月末に婦人科がん初のADCとしてチソツマブベドチン(テブダック)が承認されたばかりですが、4月24日、トラスツズマブデルクステカン(T-DXd/DS-8201))の適応拡大の手続きがはじまりました。エンハーツが乳がんに承認されたのは2020年5月。エンハーツの登場インパクトは大きく、それまで最も予後不良であったHER2陽性乳癌が比較
(患者さんから直接了解を得て、いつもより少し詳しく僕の患者さんの情報を参考にブログを書きます)当院で最も多い治療臓器は肝臓で、その原発で多いのが大腸、婦人科癌、乳がんになります。他にも希少癌を含めいろいろな癌腫、いろいろな臓器の治療をしていますが、一番多いのが大腸がんの肝転移で、これは当院での成績を5年以上にわたって学会で報告しており、治療成績に自信のある病態の一つです。さて、今回腫瘍マーカーについて説明するにあたり、実際に僕の患者さんで起こったことを書かせていただきます(・・さん、ご協力感