癒えることの無い傷を心に抱えながら、必死に生きる人々の姿を静かに淡々と描く感動の人間ドラマ。殺人事件は、裁判で真相が明らかになり、被告に判決が下され、刑が確定した時に終わる。しかし、それは一つの終わりでしかない。被害者の遺族、加害者の家族は、その後も「事件」の記憶と共に生きていかなければならない。そして、職務から事件に関わりを持った人たちもまた。検事・高津明彦にとって、自分の担当したある殺人事件が深く心に残っていた。事件は終わっていなかった。その後、高津は定年で退官し、弁護士に転じる。その彼が弁